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『どうする家康』感想あらすじレビュー第11回「信玄との密約」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第11回「信玄との密約」
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どうする東洋医学

本作は、瀬名が東洋医学に詳しいという設定ですが、ハーブやサプリが好きな女性でもイメージしていませんか?

東洋医学は政治と関わりが深い。

瀬名ではなく、家康本人が漢籍教養の一環として学んでいた方がよいですし、史実はそうでしょう。

なぜそうしませんか?

そうした要素をプロットに取り入れていたのが『麒麟がくる』でした。

東庵と駒は最先端の東洋医学を習得した重要人物です。

ちなみに『大奥』でも、寛政の改革をもとにして、政治と東洋医学の関係がうまく描かれています。片桐はいりさんが演じる小川笙船は実に素晴らしかった。

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おそらくや制作サイドに東洋医学の知識が欠けているのでしょう。

「戦国時代は、撃たれたら馬糞を水に溶かして飲んでたんだぞw マジかwww」

といった程度の、昭和の子ども向け書籍にあったネタで知識が止まっている気がしてなりません。

 


どうする発声

田鶴のキンキン声は演出上の狙いでしょうか。

田鶴だけでなく、家康以下、全員無茶苦茶ですので、何かと台無しです。

すぐに怒鳴るばかりか、極端に情感に訴えるネトっとした発声にする。

演じる役者さんが可哀相になってきます。

 


どうする安心安全な乱世

家康と信玄が直に会って話そうという話はあったとか。

それにしたって道端でひょっこり……って、なんなんですか?

「信玄はきちんと護衛を付けていた!」というのでしたら、家康サイドのセキュリティがあまりに脆弱だ。

『麒麟がくる』の斎藤道三だったら三話ぐらいで天下統一できる設定。

あの道三なら、家康も信玄も信長も氏真も毒殺三昧でしょう。

戦国大河ドラマで求められるものって、土岐頼純をノリノリで毒殺する斎藤道三みたいな人物ではありませんか?

謀略がない戦国大河など意味がない。真面目に作り直して、毒殺謀殺しまくるようにしてください。

いっそ『大奥』から、加納久通でも連れてきましょう。彼女の方がよほど謀殺三昧でしたよ。

と、そういう冗談はさておき、戦国時代って、山道を歩くだけでも命懸けなんですよ。

『麒麟がくる』では道を歩いているだけの光秀が、危険な目に遭う場面が相当ありました。

なのに今年は、遠足に来た小学五年生みたいなノリ。

ものを拾ったり採取して食べるにせよ、有毒か無毒か、その見極めは大事です。そういう危険性を何も考慮してませんよね。

ショッカー戦闘員みたいな織田家の連中がいくら出てこようと、こんなほのぼの戦国では安心感でいっぱいだという気持ちしか湧いてきません。

 

どうする茶道

信玄が「ズべべべべべ……」ってお茶を飲むシーンが辛すぎました。

阿部寛さんを使ってまで、なぜ、あんな汚らしい茶の飲み方をさせるのか。

『麒麟がくる』の茶道の場面では、出演者の皆さんが相当練習したようで、今井宗久役の陣内孝則さんも苦労したことを語られていました。

あるいは光秀が背筋を伸ばして茶を飲んでいた美しさも印象的でした。

当時の茶は、経済的にも、禅宗的にも重要です。

せっかく『鎌倉殿の13人』では、茶の導入が丁寧に描かれていたのに、今回のような雑な扱いでは、今後の本作では全く期待できませんね。

そもそも、茶碗の持ち方からしておかしい。

中国では宋代まで、抹茶が主流でした。

その飲み方が鎌倉時代に伝わってくると、性欲が抑制され、眠気を覚ますところから、特に禅僧に好まれています。

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抹茶は、粉末を撹拌するため、大きめの茶碗となります。

一方、茶の本場である中国では、明代になって初代皇帝の朱元璋(しゅげんしょう)が抹茶禁止令を出したため煎茶が主流となり、茶碗はかなり小さくなります。

そのため明人は悩みました。

抹茶サイズの茶碗が余ってしまった。茶器にしてはでかいし、おかずを盛り付けるには小さい。

そうだ、日本人に売ろう!

かくして、そんな構図が出来上がったわけですが、ならば『どうする家康』の信玄が持っていたあの茶碗は、どこの国のもので、どの程度の価格なのか?

そんなことも気にありますが、それよりとにかく見ていて頭を抱えたのは、茶碗を片手で持っていることでした。

抹茶用の茶碗は大きいから、両手を添えて飲みます。

それなのにあの信玄はどうしたことか。やはりバーベキューでビールジョッキを持つおじさんのように描きたいと思ったのですかね?

本当にどこが時代劇なのでしょう。

 


どうする武田勢

駿河に攻め込み、怒涛の如く、侵略していったという武田軍。

しかし、あんな弱そうな武田勢は前代未聞でした。

どこが弱そうか?

・統制が取れていない

→サッカーを応援するフーリガンのように怒鳴り散らす軍勢ってチンピラ集団ですか?

・目立ちすぎる信玄

→「俺、信玄! ここにいます!」と堂々と立つということは、狙ってくれとアピールしているようなものです

・甲冑はいつ装着するか?

→甲冑は重い。ゆえに移動する間はつけておらず、戦う前につけます。あんな意味なく高いところに甲冑をつけて立って、何をしたいんですか?

ほんと『47 RONIN』の方がよっぽど本格的時代劇に思えてきましたよ。

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