わざとらしく目を見開き、棒読みで説明セリフを語る松平信康。
ドヤ顔が鬱陶しい織田信長。
目がうつろで安っぽい兜を被った武田勝頼。
そしてあの嫌なナレーション。
今週も、これのどこが大河なのか……と思っていたら、力関係や拠点の位置などがわかりにくい勢力図がデカデカと画面を支配します。
地図というより薄気味悪い何かに見えてくる。あのマップで武田家と徳川家がどのような勢力争いを繰り広げているか、理解できる視聴者はいるのでしょうか。
これの一体どこが、戦国時代なのか。
全く老けメイクをしない父・徳川家康のせいで、高校生同士の部活動のように見えなくもないし、パステルカラー衣装の女たちがわざとらしく縫い物をしているのもなんだかなぁ……。
わざわざ人前で針仕事をする意味はなんなのか? とにかく、わざとらしくて、リアリティがない。
着物のダサい蟹模様も見ているだけで不愉快さが募ってきます。
信康の背景にピロピロと鬱陶しいBGMを流し「はい、トラウマ! PTSD!」とでも言いたげな演出に今週も絶望感が募ってくる。
気がつけば、間もなく半年に届こうとしています。
改善? テコ入れ?
あきらめてください。今年は負け戦じゃ。
あらすじ:おじさん構文バージョン
やっほー!( ´ ▽ ` )元気に、してたカナ( ´∀`)
瀬名チャンと千代チャンの密会を、あのマウントチクリ女五徳が察知シチャッタ!( ・∇・)
そんな、ギスギス、耐えられない_:(´ཀ`」 ∠):
そう思っていたら、お尻パチーンの、癒し系ドジっ子、愛チャン登場( T_T)\(^-^ )
なんか、ヤクザみたいな、水野が、死んだりしたケド…癒し系ドジっ子がいるから、安心なんダナ♪( ´▽`)
オイラもお尻叩かれたいハァハァ( ´∀`)
そして、ついに、瀬名チャン覚醒キタ♪───O(≧∇≦)O────♪
どうする昭和平成のラブコメ
家康はお葉に肩揉みをさせています。
お葉って誰でしたっけ? と思ったら、あぁ、あの側室でしたか。家康に触るのも嫌だったと思いますが、頑張っていたんですね。
でも一体何のために出てきたの?
と思いきや、お得意のアリバイ工作でした。
慰める側室を持てとのことです。家康が自分から言い出したんじゃない。あくまでお葉の提案にさせられてます。
家康はわざとらしく干したイチジクを台所へ。
と、突然、女に尻を殴られます。
つまみ食いをしていると思われたらしく……わざとらしく正体に気づいて「きゃー!」って、昭和のラブコメかい!
この図式が成立するのも、家康が強引に若づくりにされているからですよね。
戦国時代の30代半ばから後半あたりですので、年相応の外見ならばこうならないはず。
しかも、この場面はかなり無理がある。
・なぜ誰かに取りに行かせるのではなく、自分でホイホイ台所へ出向くのか?
・台所に女中は数名いるのであり、殿だとわかっているから一礼くらいするだろう
・あんな簡単に尻をホイホイ叩かれるノーガード戦国大名は、セキュリティ意識が欠如し過ぎている
・そもそもイチジクは日本渡来前でオーパーツ状態では? 『らんまん』で植物考証は手一杯だとか?
何もかもアリバイありきだから、不自然すぎる表現が通ってしまう。
こんなくだらないラブコメ描写のために、いろいろ犠牲にしているわけです。
しかもやりたかったことが「尻叩き」ってさぁ……。
受信料で性癖と萌え発散をするとは、まったく大した度胸です。
愛の「きゃっ!」だの「へへへ……」といういかにも萌えキャラな笑い方は、誰も止められなかったんですか?
ちなみに愛の夫は戦死していて、本作における千代と同じ立場です。
あちらは忍び働き、こちらは萌えキャラ側室って、どちらがマシなんでしょうね。
史実かどうかの問題ではなく、自分のために戦って死んだ家臣の妻を萌えキャラにして愛でる姿にするなんて、家康を冒涜していませんか。
※以下は西郷局西郷局(於愛の方)の関連記事となります
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於愛の方(西郷局)の生涯|家康の側室で秀忠の母はどんな女性だった?
続きを見る
どうする占い
千代と瀬名の密会がバレちゃった!
……って、そりゃバレるわ! あんな堂々と開けっ広げにやって、気づかないほうがおかしいでしょうよ!
あのわざとらしい巫女装束に、意味不明なニタニタスマイル。
千代は出てくるだけでうんざりします。
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武田と徳川で暗躍する望月千代女は実在したか?どうする家康古川琴音
続きを見る
そんな千代は占いを披露しますが、この場面はちゃんと考証していないのでは? 元ネタはあっても、ファンシーな占いにしていませんか?
水晶玉やタロットカードを使えなくて残念でしたね。
占いを出すなとは言いません。
『麒麟がくる』や『鎌倉殿の13人』の占いはちゃんと『易経』由来で表現されていました。
本作は、そういうところで手抜きするから胡散臭くなっている。筮竹すら用意できないんですかね。
「えー、でもさぁ、かわいこちゃんが筮竹なんて萌えねえしw てか筮竹ってなに? あのうどんみたいな棒? ヤダヤダヤダw ここはパステルカラーがいいww」
そういうノリですかね。それとも脚本を書く上で、いちいち『易経』を調べるのもめんどくさかったとか?
それにしても、重大な密談なのに、オープンテラスで大声でペラペラと喋るって……相変わらずのザル状態で、いったい何を覚醒したと言うのでしょう。
ゼロにいくつ掛けようと、ゼロはゼロのままなんですよ。
にしても、このだだっ広さ。歌いたくなりますね。
襖もねえ! 屏風もねえ! 同じセットをぐーるぐる!
オラこんな大河嫌だ〜♪
どうするセクハラをクールだと思うセンス
本作は、信長が五徳の頬を掴む場面を「めっちゃかっこいい! これぞイマドキ!」と思っているようで、今週も回想シーンを入れて来ました。
全大河ドラマを振り返っても、これほどまで暴力的な場面を宣伝素材にするケースは、そうそうないでしょう。
ニュースにも使われていることから、自信たっぷりに宣伝素材を用意したんですね。
◆「どうする家康」信長、五徳にスパイ指令→次回密告…4年後の悲劇へネット悲鳴「なんて呪い」「今から鬱」(→link)
◆ 壊れる信康と孤独な五徳、2人の子の試練にSNSはハラハラ【どうする家康】(→link)
ドヤ顔カメラ目線で「どや! やばいやろ!w」と言いたげな信長の顔も、もはや一周回って笑えてきた。本当に痛々しいセンスです。
いまだに『パルプフィクション』(1994年)を見て「タランティーノやべえ!w」と思って、それを日本でやれば!ヤバい!」と信じているような印象を受けます。
若い女性をことさら怯えさせ、それをスタイリッシュにして目を引くセンスは、むしろ有害なものとして扱われています。
10年前のニュースでこんなものがありました。
◆フォードが「不適切」イラストで謝罪 印生産車のトランクに縛られた女性(→link)
ここまで悪質とは言えないかもしれませんが、センスは同程度で、本質的な姿勢は同じでしょう。
若い女が怯える顔って萌え〜〜〜!ww それをお堅いNHKでやることこそクールww
そんな風に思っているのでしょうか。笑止千万とはまさにこのことです。
どうするLEDウォール
このドラマがオープンテラスがやたらと多いのは、LEDウォールを使いたいからですね。
岐阜城もLEDウォールで豪華……なわけないでしょう。
しかも最近は手抜きなのか、ぼやけているのが見え見えで処理が甘い。
本当に最先端技術なのですか?
どうする不潔感
本作は『平清盛』の美点を引き継がず、欠点を悪化させて引き継いでいます。
あのドラマが「汚い」とされたことに対し、言いがかりだのなんだの反論もありましたが、実際、色々とおかしかった。
例えば、目上の人に会うような場面でも、服や顔を汚していた。
いくら当時の人だろうと、大事な人と会う時は顔くらい洗いませんかね? というリアリティの欠如があったものです。
それを今回は悪化させて、一定の立場もある水野信元がチンピラすぎる態度で、糾明を受けています。そりゃあ成敗されるでしょうよ。
どうする思ったことを全部言う
だから、オープンテラス状態の城で、どうして信康は思ったことを全部しゃべるんですか?
回転寿司で暴れる高校生じゃないんだから……と呆れていたら、水野信元も全部ぶちまけていました。
これで見せ場を作ったつもりなのが痛々しい。単なるチンピラとして死んでしまった。
終始、態度の悪い人物像だったので、『さっさと潔く腹を切れ』と言いたくなりましたよ。
どうするBGM
まったく戦国時代らしくないうえに、ものすごく耳障りです。
差し迫った場面でピアノがピロピロ。
なんでこんな陳腐な使い方をするのでしょう?
和楽器の音も少ないと思います。
これみよがしに使うのもどうかと思いますが、本作は時代ものという響きに思えません。
どうする「戦国なのに昭和の専業主婦」
みんなが見ている前でわざとらしく裁縫をする瀬名たち。
兄の死をしらずに「ハマグリもらいました」という於大。
これはもう戦国女性ではなく完全なる現代人ですね。
裁縫を舐めているのでしょうか。その道の担当者もいるでしょうよ。
だいたい戦国時代に、この地位にいた女性たちが、自ら縫い物をしたり、食材をもらって喜んだり、そればかりしているのですか?
『麒麟がくる』では朝倉義景の嫡男が毒殺されていました。食事係の女中が買収されたからです。あの展開をまさか「ママが手作りしないからだ!」とでも思ったんですかね。
『鎌倉殿の13人』の北条政子は、地位があがると家事をしなくなっていった様子が描かれています。同じく、りく(牧の方)は、避難した寺で掃除をする羽目になり、かったるそうにしていました。
それで「ああいう女ってむかつくよね〜」とでも思いましたか?
このドラマは、戦国時代の年表に昭和のホームドラマが強引にねじ込まれています。
“専業主婦”なんて立場は、歴史的に見ても日本では20世紀の一時期のもの。
総中流と呼ばれた時代に標準化されただけであり、神話じみた女性像でしかありません。
今の若い世代は『ドラえもん』や『ちびまる子ちゃん』の母親像に違和感を覚えるそうです。
そんな古くて一時期の例外的な女性像、“神話”を受信料で流すことで、作り手が自分たちの価値観を肯定しているように思えてくる。
こういう「時代考証無視www 俺の大好きなママ像www」を平然と流すのって、恥ずかしくないのでしょうか?
どうする『源氏物語』
『源氏物語』を「書物と言えるようなものではない」とは、いったい何事でしょうか。
『源氏物語』は重要な一般教養で、歌を作るのにも必須。
戦国大名同士で『源氏物語』を入手しあったり、贈り合ったりしあっている重要な作品でした。
それを読むのを恥ずかしがるというのも、あまりに妙な話です。
突然ぶっ込んできて、来年の大河にバトンを繋ぐつもりでしたか?
『源氏物語』は、成立後ならば日本史上どの時代だって重要だった。
それをあんな言い方するとは、「スイーツw が好きそうなロリコンが主役の恋バナでしょw」とでも小馬鹿にする悪癖が出ているように思えます。
それにしても……『源氏物語』の重要性すら知らない製作陣に大河を作る資格があるのでしょうか。
なぜ誰も止められなかった?
NHKでこんな基礎すらできないとは本当におかしい。
歴史に興味ないと公言してしまう脚本家をはじめ、任命した人物や周辺スタッフにも大きな責任があるはず。
それとも周囲の助言を受け付けなくなっていますか?
どうするドジっ子萌え〜
愛の笛が下手だというのはわかった。
しかし、あまりにもわざとらしくて、ただただひたすら不愉快です。
なぜ家康に聞かせる前に、お葉が確認していないのでしょう。
まぁ、要は「ドジっ子萌え〜〜〜」をやりたいだけなんですよね。
いったい何を考えているのやら……。
本当に疲れている人間が、調子のはずれた楽器の音を聞きたいと思いますか?
同じ脚本家の映画『レジェンド&バタフライ』でも、病気で寝込んだ妻の枕元で夫・信長が下手くそな楽器演奏をしていました。
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ド派手な話題作りで中身は空っぽ|映画『レジェンド&バタフライ』
続きを見る
もしかして高校時代とかの甘い記憶でも呼び起こしているんですかね。
ギターをうまく弾けない俺。それでもいいと笑ってくれたあの子……いや、もう、そういう日記は自分のブログで展開してください。
どうする「癒しを求めて女に手を出す」
「癒しを求めて女に手を出しちゃった♩」という言い訳も聞き苦しい。一部の世代だけで通じるものでは?
戦国大名なら「男子が少ない、女子もいた方が婚姻に使える」でいいはず。伊達家なんてそれで相当強くなっている一面もあり、その方がまだ理解できるでしょう。
『鎌倉殿の13人』の源頼朝は女遊びするにせよ、当時の「京風色好み」をふまえていました。大泉洋さんだから軽やかにまとまっていたのもよかった。
今年は生々しい不潔感と卑劣感がある。
「男って、ストレス溜まっちゃってさ〜女の子に癒し求めるのって、男あるあるだよw 本能だよwww」
こういう痴漢や盗撮定番の言い訳を彷彿とさせるのです。むろん、そんな言い訳だって単なる大嘘です。
ムラムラしたからといって、警察署の前でわいせつ行為をしますか?
相手が社長の娘でもセクハラしますか?
多忙であることを、性的な逸脱の言い訳にする。そんなものは昭和平成の卑劣な言い訳に過ぎませんね。
戦国大名なら、琴棋書画、茶の湯、連歌、和歌、漢詩、武芸、能……そういった雅なストレス発散手段はあります。
職場の女性社員を“女の子”扱いして尻を撫でたり、キャバクラに行ったり、ヌードカレンダーを職場に貼り付けていたおじさんというのは、教養、風雅、自己鍛錬、羞恥心を失っていただけのこと。まったくもって嘆かわしい。
そんな昭和おじさんの言い訳を流されたところで、多くの視聴者はシラけるだけだと、そろそろ学んでください。
大河ドラマはいつから昭和おっさんセラピータイムになったんですか?
作り手がそういうムラムラを発散したいなら、戦国武将を美少女化したアプリでも遊べばいいじゃないですか。
どの美少女を選ぶ? タップしてね♪ それでいいでしょ。
どうする色彩感覚と季節無視の花
いい歳こいて娘に花の冠を被せられる瀬名が見ていてつらい。
衣装も花も、とにかく色彩感覚がダサ過ぎて嫌になります。
瀬名のパープルの打掛は、小学校低学年の女児が好きな色って感じですね。
「そなたは笑顔が似合うぞ」と瀬名が亀に言うのもくだらない。
どんだけ幼稚なのか。おじさんの脳内にだけ棲息する中学生女子同士のお別れシチュエーションですか。
性癖と妄想をありのままに流せる、その一点だけは度胸があると思いますよ。
なんせ、これを真顔で見ていて、恥ずかしくならないなんて凄まじい。
そうそう、そのへんの花屋で買ってきたことが丸出しのお花は、季節と合っていますか?
どうする呪いのアイテム兎ちゃん
瀬名の出番は基本全部いらないと思います。
それを三週間も引っ張るって正気の沙汰でしょうか。
今回の視聴率が10.2%で、この先はもうどこで二桁を割るか、注目点はそこだけになってます。
◆松本潤、NHK大河「どうする家康」第23回10・2% 瀬名は信康に秘めてきた夢を打ち明ける(→link)
兎の彫刻の造形もどうなんでしょう。なんだか嘘くさいんですよね。
しかも思い出のアイテムになって、これを見るたび瀬名を思い出すことになるらしい。
持っているだけで災いを招く特級呪物になりそうだ。
どうする狂気
何か起きたとき、わざとらしく雷鳴を鳴らす演出がもう聞いてられません。
赤ん坊の泣き声もおかしい。
わざとらしく子どもを抱いてその場にいる五徳はなんなのか。侍女に預けるなりできるでしょう。
そしていざ何が起きたと思ったら、不届きものを斬った、だってさ。
棒読みだし、脚本に入り込めていないのが痛々しく伝わってくる。
「わしに逆らう奴は斬る!」
はぁ? だから何いってんの?
もうね、この陳腐なセリフが、まったくもって狂気ではありません。ホンモノを表すなら、例えばこういうオプションがあるでしょうよ。
・生皮を剥ぐ
・釜茹でにする
・吊り上げて切り付ける(アンコウの吊るし斬りという)
・生きたまま弓矢鉄砲の的にする
・生きたままミノを着せて着火
・馬に縛り付けて引き摺らせる
・生首にして、抱えて歩く。あるいは寺に投げ込んでくる
真栄田郷敦さんのお父上・千葉真一さんが映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』でやってましたよね。捕らえてきた敵組織の組員(川谷拓三さん)を木に吊るして、銃の的にする。一度見たら絶対に忘れられない強烈なシーンでした。
狂気を表現するなら、陳腐なセリフなどに頼らず、これぐらいやってください。で、信康は、悲鳴を聞きながら酒でもカーッと飲んじゃいましょう。
というか、『仁義なき戦い』シリーズなど例に出さずとも、『麒麟がくる』の生首箱詰めっていう貴重な前例がありましたよね!
『鎌倉殿の13人』では、ご近所さんに挨拶する感覚で人を川に引き摺り込んでぶん殴ってたでしょ!
本作は、一体どこの乱世なのか。戦国時代どころか部活動の感覚であり、笑止千万とは、まさにこのこと。
いや、こんなことになっておきながら、千代をホイホイ呼び出す瀬名は狂気でしたね~。
アホなのに、セキュリティゼロで策を弄する方がよほどぶっ壊れてます。
どうする唐の滅敬
滅敬の正体が穴山梅雪だった――。
これは『鎌倉殿の13人』において、泉親衡の正体が源仲章だったような作りなのでしょう。
しかし、無理があるので箇条書きにまとめたいと思います。
・泉親衡と滅敬では、重要人物との接触頻度が違う。無理が大きい
・聞くところによれば、武田家臣団は予算の都合上、メンバーが圧縮されているとのこと。それもあってか「よほど人材がいないのだな」とむしろ悲しくなってくる
・過去に家康が「唐」と言ったら、信長と秀吉が「明だしww」と小馬鹿にしてきた。あれはなんだったのか?と改めて腹が立ってくる
・明人の医者はこんな服装ではありません。日本人が妄想したコスプレ中国人アルね。セリフも「アル」って語尾につけたらどうですか?
ほんとうに『平清盛』の美点は引き継がず、欠点だけは拡大して継承してくるんだよなぁ。
明人の衣装くらい調べようがなかったんですか。なんなんですか、このコスプレ。やる気が全く感じられません。見ていて苛立ちばかりが募ります。
もうウケ狙いで『ストリートファイター』の春麗コスプレでもさせたらいいのに。
中国史の要素を出すなら、日本史要素だけをやっていればいいわけじゃないですよね。
『麒麟がくる』や『鎌倉殿の13人』ではできていました。ついでに言えば朝ドラ『らんまん』の『本草綱目』関連も問題がありません。
いっそ、小島毅先生にでも考証を頼んでみたらどうですか?
瀬名とは結局何だったのか?
覚醒したと言われても結局何なのか?
そう苛立った方もいるかもしれませんが、答えのヒントはあります。
◆《NHK大河「どうする家康」》脚本・古沢良太が語った松本潤と有村架純の今後と、頼りにする“実力派俳優”(→link)
以下の部分です。
古沢 今回、僕がすごく描きたかった人物のひとりです。これまでは悪女として語り継がれてきました。傲慢な女で怪しげな男と浮気していたとか。息子・信康(細田佳央太)の奥さんが織田信長の娘・徳姫で、嫁・姑の仲が良くなかったとも言われています。少しネタバレになっちゃうんですが、瀬名は数奇な運命をたどることになります。通説では今挙げていたような「悪女」エピソードが背景にあったとされますが、どれも真偽が定かではなく近年は別の見方も出ています。僕にはそんな卑近なことで家康があんな決断を下すとは思えない。「本当はこういう人だったんじゃないですか、瀬名さん」という気持ちで書いています。
最後の一行「本当はこういう人だったんじゃないですか、瀬名さん」に凝縮されていて、この思考は『レジェンド&バタフライ』の帰蝶と全く同じ。
要するに、俺の考えた最強の萌える嫁にしたということでしょう。
このような、自分の萌え要素をてんこ盛りにすればよいという発想は一体どこからきたのか?
ネットでは、こんな意見を見かけました。
「瀬名って、『麒麟がくる』の駒と同じで平和を推すキャラでウザいよねw」
こういう意見も、自分が萌えるかどうか、そこで一点突破しようとしているように思えます。
しかし考えてみてください。
駒は戦火に巻き込まれ、両親を失い、自分自身も間一髪のところを救われました。そんな経験をした女性が戦のない世を望んだとしても、何もおかしなことはありません。
それをケチつけるのだとすれば、故中沢啓治氏が『はだしのゲン』を描いたことに対し「原爆ダメとかサヨクないい子ならではの綺麗事、お花畑だよねw」と言い放つようなものではありませんか。
一方で瀬名は、それなりの武士の娘で、夫は戦国大名です。偽善じみてくるのは仕方ない。そこは脚本でどうにかすべきなのでしょうが、このドラマの脚本に何を期待できるというのか。
確かに、登場キャラの経験や立場の差を全く考慮せず、萌えるかどうかのスペック一点突破をする見方はありますよ。
ただし、視聴者なりネットニュースなりが乗っかかるだけならまだしも、作り手自らそれをやったらイカンでしょうよ。
『鎌倉殿の13人』のとき、三谷幸喜さんは女性を描くことを苦手だと意識しており、積極的に女性の意見を取り入れました。彼は自分の好みよりもリアリティを重んじた。
今年はそれがない。萌える要素を盛りに盛っていけばいいと思っている。
つまり女性とは萌え要素でしかないのでしょう。
こういうドラマの作り手にとって、女性とは何なのでしょう?
意思や心がある存在ですか?
ただのコンテンツではありませんか?
身近に女性はいなかったんですかね。親きょうだい、同級生、同僚……そういう大事な人でも、おちょくり倒してヘラヘラ笑って生きていられませんよね。
仮に、架空の人物を描くなら、そういう萌えてんこ盛りをしてもいいでしょうよ。
しかし、実在の人物を用いる大河ドラマでこんなことをするとはどういうことなのか。
といっても、ケチをつけるばかりではよくないですね。前向きな提案でもしてみましょう。
そうだ徳川家斉だ!
本作の作り手は、同じ徳川将軍でも第11代徳川家斉で大河を作ればよかったのではないでしょうか。
家斉――そう、子供を55人も作った、あのオットセイ将軍です(子の数は諸説あり)。
これならめんどくさい戦もないし、側室大勢いるし、子作りし放題です。
ただひたすら、家斉は癒しを求めていればいいんですよ。誰もがハッピーになれる最高のアイデアじゃないですか。
なんせ家斉主役の映画タイトルは、ここで書けるものでもこうですからね。
『エロ将軍と二十一人の愛妾』
あとはお下劣すぎますので、各自で調べてください。
本作製作者のインタビューを読んでみると、ウクライナのことがあるのに戦争は描けないとか、新しいものにするとか、時代劇も斬新性を求めているとか、そういう類のことが言われています。
だったら、あの鈴木則文監督のように、エロだの萌えだの、二次創作要素だの、ひたすら追い求めてみればよかったんじゃないですか。
◆大河ドラマ『どうする家康』が若者世代を繋ぎ止める?ドラマ評論家・木俣冬が教えるNHKの仕掛け「二次創作化の世界に入ってきている」(→link)
識者曰く、この脚本家とジャニーズ主演ならヒットの方程式があるのでしょう?
側室に美女を大量投入すれば、ムフフ需要で大ヒット待ったなしでしたよね。
◆松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは | 2023年の論点(→link)
家斉大河でリベンジをどうぞ。
私としては、ドラマ10『大奥』シーズン2の家斉で間に合っています。
小人の過(あやま)つや必ず文(かざ)る
小人の過(あやま)つや必ず文(かざ)る。『論語』
ダメな奴ってミスっても、綺麗事並べて誤魔化そうとするワケ。
どうしてこんなドラマなのに盛り上がっているふりをするのか?
叩き記事も増える一方、相変わらず提灯記事を書くメディアは減らず、毎週キラキラと輝いています。
◆低迷する「どうする家康」一転して盛り上がる必然(→link)
BBCのジャニーズ特番を見ていると、その理由もわかるのではないでしょうか。
BBCが今年3月に報道して以来、大きな話題を呼んできたこのドキュメンタリー、オンライン用に日本語字幕をあらためてつけて、こちらで公開しました。
BBCドキュメンタリー「J-POPの捕食者:秘められたスキャンダル」【日本語字幕つき】https://t.co/w8B1H0h1GN
— BBC News Japan (@bbcnewsjapan) June 18, 2023
結局のところ、大河ドラマにはビジネスモデルがあります。
むろん毎年同じとは限らないけれど、NHK・メディア・書き手の間で一定のパターンがある。
「この大河を褒めあってください。頑張れば仕事が増えます。役者や脚本家に取材できて、NHK公式本にも書けるかも!? ノベライズだって夢じゃない!」
依頼しあって、褒め合って、失敗してもそうでないように言い続ければ、狭い世界の中では問題ないのでしょう。
オリンピック絡みの不正が噴出して、視聴率が低迷し、舞台地はイベント集客できずむしろ困った――そんな大失敗作である『いだてん』は、なぜかいまだにドラマ通界隈では「最低だけど最高じゃんね!」と褒め合う機運が渦巻いています。
メディアとそれに敏感なドラマ通周辺が「ドラマ通ならこれがわかる!w」とイメージ付けに成功すると、批判するだけで「ダッサwwバカじゃないのww」となったりする。
私にも経験があります。
いかにもドラマ通ぽい人が滔々と雄弁に『いだてん』を褒めていたので、問題点を説明したところ、あとで罵詈雑言がメールで送られてきて、絶縁されました。
業界人のセンスに乗れるか乗れないか、そこが問題なのでしょう。
私はドラマ批判で人を傷つけてしまう。特にドラマ通を自認する層には蛇蝎の如く嫌われている。
けれども自分に正直に生きたいのです。
湿を悪(にく)みて下(ひく)きに居る
湿(しつ)を悪(にく)みて下(ひく)きに居る。『孟子』
湿っぽいのが嫌だと言いながら、わざと低いところにいる奴はなんなの。
さて、この間6月なのに石田三成すら発表されないと指摘したところ、発表されましたね。
豪華なキャスティングのようで、もはや負けは確実になったと思いました。
箇条書きにしてみます。
・親族枠:出演者の親族を入れる。いわば家族愛による出演であり、よい作品にしたいという動機とは思えない
・役者以外枠:大河ドラマに出ることを記念イベントにしてしまう、本業以外の役。シンガーソングライター、アナウンサーなど
・スタッフとの人情枠:脚本家やプロデューサーといったスタッフと、つながりがあると思える枠
・大河ファンにアピール枠:過去の大河ドラマで受けた役者
こういう諸事情が透けて見えていて、適材適所とは到底思えない。
いくら高級食材だろうと、ビーガンに肉を勧めることはマナー違反。その手のズレを感じます。
すでに決まったキャストのコメントでも「脚本次第」と釘を刺す不穏なものも見かけました。嫌な予感がしますね。
『鎌倉殿の13人』と、『麒麟がくる』と重なるキャストがいることに、私は決定的敗北の要素を嗅ぎ取ります。
むろん、作り手は逆。これ以上負けられないからそうしたのでしょう。
ゆえにメディアはますます提灯を掲げる。どういう記事が書かれるのか? 文体まで含めて想像できます。
『****』に続く大河ドラマ出演となる****。『****』で見せた……(と、以前のドラマでの演技をネットの声を踏まえて長々と褒める)であろう。
『どうする家康』では……(つけたしのような褒め言葉をネットの声を踏まえつつ)、新たな魅力を開花させた。
こういう記事をお上品なドラマ通文体で書くと、ミッションはクリアできます。
ただ、そこが危うい。だからこそ危うい。
比較されるということは、むしろ「なんであんないい役者を本作では台無しにするのか!」と怒りをかきたてる可能性は常にある。
高級食材を黒コゲにされてしまうような、そんな怒りと悲しみが混じり合いかねないのです。
それに本作は「シン・大河」だのなんだのぶちあげて、従来の大河ファンになど頼らないと言いたげな宣伝戦略を使ってきた。
それがここにきて大河ファンに媚びを売り出すとはどういうことでしょうか。
あれだけ湿っぽいのが嫌いだの、あんなことする奴はダサいwと笑っておきながら、ヘラヘラ笑いつつサウナに入り込んでくる。
大河とそのファンをバカにしながら、媚びを売るとはそういうことです。
喜んで受け入れる者ばかりとは限りますまい。
そして前述の通り、「脚本次第」とコメントで釘を刺している役者もいます。
確かに、どれだけ役者が素晴らしかろうと、脚本がダメなら、厳しいものがある。
過去の大河でも「あの脚本はなんなのか」と声をあげていた役者はいると聞いております。
それをこっそりと愚痴るだけならまだしも、堂々と言われたらどうなるのか。
若手新人はまだ空気を読まざるを得ないにせよ、ベテランはどうか。
以下の記事では朝ドラがあげられていますが、大河でも同じことが起きないとは言えません。
◆「国民をちょっとばかにしている」NHK連続テレビ小説を引き合いに田中泯が映画・ドラマ作り手に苦言(→link)
『鎌倉殿の13人』で奥州の藤原秀衡を演じた田中泯さん。
さすが鋭い言葉です。
映画やドラマに出演を続ける田中は「一般というか、国民というか、多くの人たちを、作る側はちょっとばかにしているんじゃないかって思う。映画にしてもテレビのドラマにしても、見る人をもっと引き上げるべく作る必要がある。現在に合わせて作っているものばっかり」と語気を強めた。
さらに自身が出演したNHKの連続テレビ小説を例に挙げ、「どうしてこんなに笑わせなきゃいけないんですか(って聞いたら)、国民もそうだからって……冗談じゃないでしょ」と当時のやりとりを思い出し「泣かしたって怒らしたっていいはず。反応がある方が面白い」と力説した。
こういうことを言われたら『どうする家康?』といったスリルがありますね。
追加キャストはプラスどころか、どでかいマイナスになる可能性がある。
忘れないでおきたいのは、それはキャストのせいではなく、ふざけた態度を改めず、ごまかすばかりの制作陣にあります。
花は桜木、人は武士。散る様をどうするのか考えてみるのもまた、乙なものでしょう。
そもそも、歴史が嫌いで興味がない脚本家が、なぜ大河を書いているのか。
先日NHKで制作した歴史番組『合戦将棋』を見ました。
役者はすぐに大河と交換してくれと懇願したくなるほど素晴らしく、衣装やメイクもまっとう。
何より脚本がいい。歴史好きが書いたと伝わってきました。千田嘉博先生もうれしそうにコメントをしていました。
この番組の脚本家は『花燃ゆ』の脚本家一人目だった方です。
思えば惜しいことをしました。彼女は歴史が好きです。そういう誠意は伝わってきます。
『合戦将棋』もお見事! 願わくば別の大河に再登板して欲しいと私は強く思います。
『いだてん』だって、メインテーマが落語や下町の暮らしならば、もっと生き生きと描けたでしょう。
実力や名声があろうと、歴史に情熱があろうと、条件が全て揃わねば失敗するのが大河の大変なところです。
しかし、今年は歴史への興味すら感じられない。
我々は一体何を見せられているのか。
広告戦略とドラマ通へのアピールさえすればどうにかなると考えていたんですかね。
このドラマの決定的敗因はただひとつ――歴史と大河ドラマを馬鹿にして舐めた態度をとったこと。
私に言われたくないでしょうが、これに尽きると思います。もう、危急存亡がかかっとりますよ。
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文:武者震之助(note)
【参考】
どうする家康/公式サイト









