どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第27回「安土城の決闘」

こちらは4ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
『どうする家康』感想あらすじレビュー第27回「安土城の決闘」
をクリックお願いします。

 

どうするゲス秀吉

しかし、本作にも絶対に手を抜かない場面があります。

女遊びの描写です。

秀吉の場面にすかさず女を入れる。

『麒麟がくる』では台詞だけで秀吉の女遊びを表現していたのに、ゲスい今年は、ここぞとばかりに用意しておく。

秀吉だけわざとらしく訛らせているのですが、イントネーションが他の地域と混ざっていておかしい。

『レジェンド&バタフライ』も訛りがおかしかったものです。

京雀の関西弁すら無茶苦茶なイントネーションに聞こえました。

だいたい、なんでこの秀吉は信長が討たれるかもしれないと期待している前提なのですか? 結果から遡って騙そうとするのって、歴史もので最もやってはいけないことです。

 

どうする一般常識

このドラマは、まともな知識を持たずに作っているのでは?という場面がちょいちょい現れます。

・北半球なのに南の方角に虹が出る

・当時は茶器だけに用いられた陶磁器に米飯をよそう

・狼が減っている(新規)

狼が減ったのは、明治以降の話ではありませんか?

江戸時代までは狼が人を襲い、食われるような凄惨な事態もあります。

私がトラウマになった絵画作品に、月岡芳年作『郵便報知新聞』第623号があります。

女性二人が山賊に襲われ縛られたまま放置されていたら、生きたまま狼に喰われたという凄惨極まりない作品です。

この事件そのものは虚報説もあるそうですが、こういう記事が出るほど明治時代初期は狼がありふれていたということです。検索する方はご注意くださいね。

そして、こうしたしょうもないミスからわかること。

脚本家がそもそも歴史に興味がないということでしょう。

大河の脚本家となれば、資料を集め、ともかく集中して書くといいます。

しかし今年はそうではないのでしょう。

同時進行していたと思われる作品が数多くあります。

これは脚本家一人の責任でもなく、依頼した側にも任命責任があるのでは?

 

どうするリベンジ

大河ドラマで織田信長を演じる――。

もしもそんな依頼があれば、役者冥利に尽きる一世一代の大役であり、心踊ることでしょう。

『麒麟がくる』の染谷将太さんは、自分でいいのかと驚いたそうです。

けれども、そんな晴れ舞台の脚本があまりにひどい。

そうなったら、どこに怒りをぶつければよいのか。

過去にそんな無念の思いを抱いた役者はおります。

『天地人』で信長を演じた吉川晃司さんは不満を漏らしていたとか。

しかし、彼が『八重の桜』で演じた西郷隆盛は素晴らしかった。

大河へのリベンジはこれで果たしたといえますが、織田信長という役に対する無念さは……Amazonプライム『MAGI』で見事な信長で晴らすことができました。

こうした無念の信長枠には、『江』の豊川悦司さんもあてはまると思います。

彼も時代劇俳優として活躍し、『仕掛人・藤枝梅安』できっちりリベンジをしていますね。

そして新たな「残念信長枠」として浮上したのが岡田准一さんなわけですが……。

◆「どうする家康」岡田准一 信長役再挑戦に意欲「いつかまた出会えれば」実は“初回からOA未見”と告白(→link

「信長役の再挑戦に意欲」という言葉でかなり肯定的に描かれていますが、実際は少なからず不満がおありでは?

「実は初回からオンエアを見ていない」

とのこと。

それだけでもちょっとした驚きですが、冗談でごまかしたかのように以下のような発言をされています。

トークショー中も「全部終わってから見ようかなと。途中で見るといろいろ言いたくなる。僕の出番が終わって、松本君の成長を一気見して、ここまで持っていったかというのを見られるのも良さかなと」と明かし「途中で見ちゃうと磯さんに“あれ、どうなってるんですか?”と議論が始まっちゃう」と笑いを誘った。

この笑いを誘うという発言、目は笑っていなかったのではありませんか。

そして甚だ残念なことながら、岡田さんにそのリベンジができるか?というと、現状、厳しい状況が続いています。

◆ 木村拓哉「ジャニー喜多川氏性加害問題」でCM消滅報道ウラにジャニーズの「深刻なスポンサー離れ」(→link

◆ 資生堂はキムタク起用を白紙撤回報道 ジャニーズ事務所が直面する「大手スポンサー離れ」の必然(→link

海外を意識した企業からは、すでに所属事務所が避けられる状況であり、NetflixやAmazonプライムなどの海外勢VODも厳しい状況となるでしょう。

では国内のスポンサーはいつまで起用するか。

いくら所属タレントに罪はないと叫んだって、お金を出すスポンサーにとっちゃ、リスクのない方を起用した方がいいのは当たり前。

となると、映画にせよ、民放のドラマにせよ、大河ドラマにせよ、以前とはまるで異なる状況となってくるはず。

考えれば考えるほど、暗澹とした気分になりますが、一体どうすればよいのか……。

それにしても、どうにも脇が甘いというか、隠そうとしても本音が出てしまうというか。

別の記事では、見所をこう語っているわけですが、

◆「本能寺で家康は『第3形態』になる」 今後の見どころで岡田准一さんが予告! 「どうする家康」でコメント公開(→link

オンエアを見返すこともない人に、ギアをチェンジしたかどうか?わかるとも私には思えなくて……。

 

どうする陰謀論と有毒ファンダム

今年の大河ドラマは、考え方が陰謀論じみていて困ります。

脚本家からして「史実なんてフィクションだ」と堂々と語ってしまう。

史実とされている物語よりも、自分の妄想の方がいけてるし面白いw その妄想の邪魔になる要素は全部消していくw

といった創作スタイルなんでしょうね。

ただ、一年間を通して描く大河ドラマで、それをやるのはあまりに危険。

だんだんと悪化して、5W1Hみたいな基礎まで飛ばすようになりました。家康の堺見物なんて、思いついちゃったシナリオの邪魔だからすっ飛ばすのでしょう。

構造物からネジを抜いてしまうと、そのせいで崩れてしまうこともある。本作はそういうダメなネジの抜き方をします。

特に、今週放送のラストで

「家康が信長を討ったで!」

と京雀が間抜けな叫びをあげた場面は何ごとでしょう?

それで視聴者を引っ掛けたつもりかもしれませんが、本能寺の変がそうでないことは誰でもわかること。ハラハラするわけがない。

しかもこのひっかけパターンは三方原の戦いでも使っています。

どうする家康感想あらすじレビュー
『どうする家康』感想あらすじレビュー第18回「真・三方ヶ原合戦」

続きを見る

本作は、陰謀論者が使いそうなロジックで話を組み立てるため、かえって話の展開がわからなくなることがある。

カルト経典の類は、何が言いたいのかまったくワケがわからないことがありますが、それと構造が似ている。

自分たちだけが解読できる! スゴイ! 特別!

そんな優越感を発生させるにはうってつけですね。公式がこんな注釈みたいなインタビューを出さねば理解できないほど。このドラマは暗号読解ですか。

◆「どうする家康」信長が光秀にキレた本当の理由 演出統括・加藤拓、饗応シーンの裏側明かす(→link

なぜわかりにくいかというと、最大の見せ場すらアドリブだからのようでして。作っている側も混乱しているのでは?

アドリブって料理ならばパクチーみたいなもので、それをメインにしてドレッシングかけて出すようなものではありませんよね。

しかも、台本では家康と信長が安土城で相撲を取るはずだった。

だからタイトルも「安土城の決闘」。殺し合いでもない相撲なら「安土城の大一番」でしょうが、本作のお粗末語彙力ならばそこはあきらめましょう。

いやいやいやちょっと待て……アドリブで相撲そのものが消失したなら、もうタイトル詐欺ですよ!

◆「どうする家康」松本潤&岡田准一のアドリブ光る本能寺前夜の12分(→link

※続きは【次のページへ】をclick!

次のページへ >



-どうする家康感想あらすじ

×