どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第27回「安土城の決闘」

『どうする家康』第27回放送は織田信長の就寝シーンから始まります。

それにしても……ここは家康の書庫だったのでは?という書籍だらけの部屋なので、なぜこんなところで信長が寝ているのかという疑問ばかりが湧いてきます。

しかも黒い男が突然やってきて、信長を刺す。

身体能力の高い岡田准一さんを活かしたいという気持ちなのでしょうが、一体これは夢なのか、夢じゃないのか、夢なのか……と混乱しそうになる。

殺陣の設計も江戸時代以降のように思えてきます。

そして緊迫な場面も全部ズッコケさせてしまうあのナレーションが入り、本作の数少ないロケである乗馬シーンが回想されます。

富士山を背景にした家康と信長。

『鎌倉殿の13人』の義時と頼朝と比べてどうでしょう?

「撮影してますよ」感がにじみ出ていて、今まさに戦国時代を生きている人物に見えません。悲しいことに何もかもが安っぽく見えてしまって……。

そして場面は徳川家臣団へ移り、家康がペラペラと、京都はセキュリティがザルだとか何とか言っています。

忍者を京都に放ったようですが、本能寺の目の前にあれでは逆に目立ってしまいませんか。

『麒麟がくる』の場合、菊丸の正体も中々わからなかった。それ以外の忍者もただの通行人にしか見えなかった。そっと密書を渡してくるような役回りです。

忍者の基本は諜報員であり、それほど戦闘に特化していないのでは?

しかも、これほど重大な秘密を大勢の前でペラペラと話す家康が、本当に愚かにしか思えません。

東国同盟による裏切り構想が破れて瀬名が死んだ後だというのに、どうしたことでしょうか。信長の暗殺だなんて、バレたら徳川家が吹っ飛ぶ重大な策は、腹心数名にだけ話せばよいでしょうよ。

真田丸』の家康は、脇役なので家臣があまり出てきません。重要な策は、せいぜいが本田正信とだけ話し合っていましたね。

それなのに今回は、ぼけーっとスイカバーの精霊が突っ立っている。こんな密談って、もう見ているだけで頭を抱えてしまいます。

そして「慈愛の国構想」が崩壊した途端に「逆らう者は斬る」とか言い出す家康の性格があまりにもグチャグチャだ。

貞観政要』を愛読書としていた人物とは到底思えない。

知力や政治力などが最低レベルで、パワハラパロメーターが一気に上がっています。

※以下は『貞観政要』の関連記事となります

貞観政要
『光る君へ』で一条天皇も愛読の『貞観政要』は泰時も家康も参考にした政治指南書

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あらすじ:おじさん構文バージョン

タイヘンダ!✌︎('ω'✌︎ ) 家康チャン、本能寺で、信長討つってよwww

瀬名チャンを、殺したんだモンw それでこそ男ダヨネw 男を見せなきゃwww こういうのオイラも大好きwww✌︎('ω'✌︎ )

麒麟が来るとかいう、駒がうざい、ファンタジー駄作とは大違いだよなナッ!!!!( ^ω^ )

でも、まだ早いんじゃないカナ٩( 'ω' )و

って言われて延期www でも実質、家康チャンが黒幕だよねwww

あんな大事件がさ、黒幕ナシで、できるわけないでしょwww歴史好きなら、常識だヨネ( ^ω^ )改めて麒麟はダメwww

家康チャンは、安土城に、いくんだけど、鯉が臭いってパワハラ大暴れ!まじで怖い信長ダヨネ_:(´ཀ`」 ∠):

早くなんとかしてーーーー!!ww 明智ボコられてざまぁww

麒麟光秀はスカしててムカついたww

※私は『麒麟がくる』が好きです、念の為

 

どうするスイカバーの精霊

前回(→link)のレビューで大久保忠世のピンク色衣装について言及いたしました。

『麒麟がくる』で朝倉義景の衣装が紅梅の色合いを思わせるのに対し、大久保忠世はスイカバーにしか見えない、と。

しかし、今回の放送で一堂に会する徳川家臣団を見て、大久保だけじゃないなと痛感。

色で区別していて、見ているこちらは「ピスタチオ」「抹茶」と脳内変換してしまう。キャラの描き方が雑だったせいか、それぞれの人物像が浮かんでこなくて……誰が誰だかわからなくなりそう。

例えば石川数正にしても、最初に「ぼっち飯が好きなグルメの人だ」と思い浮かんでしまう方も少なくないのでは?

本作は「漫画のドラマ化だと思えばいい」と揶揄されますが、それ以下でしょう。

色彩設計は、葛飾北斎も参考にしているという『鬼滅の刃』のはるか下です。

 

どうする家康のメンタリティ

瀬名と信康が死に追い込まれた――それは、あまりにも荒唐無稽な計画を実行したからであり、家康も賛同して、むしろ徳川家を潰されなかっただけでも御の字のはず。

にもかかわらず逆恨みした挙句、「信長を殺す」という私情で突っ走る人物は愚かでしかありません。

三国志』でおなじみの曹操は、敵の急襲を受け、嫡男である曹昂と護衛を務めていた典韋を失いました。

その追悼の際、曹操は曹昂のことよりも、典韋のことを思い号泣する。その様子を部下たちに見せました。

曹操は別に我が子の死を軽んじていたわけでもなく、死の前には曹昂の死を悔やむ発言をしています。

部下の前で「我が子よりも家臣の死を重んじる」ような言動をするのは、主君としてのパフォーマンスです。

嗚呼、この方は我が子以上に我々部下を愛しているのか。ならば忠義を尽くそう。

そう発奮させるために泣く。

ところがこの家康は、まるで真逆です。

家臣の死を悼む場面すら碌にない。そのくせ妻子のことをネチネチと言い出し、一歩間違えれば家ごと潰れかねない信長殺害計画を持ち出す。

徳川家臣団は家康に絶対忠実だ!!!

そんな前提のもとで脚本が作られるから、こんな冷酷なリーダーでも務まるのでしょう。

家康が、部下思いだからこそ家臣たちがついてくるという描写ではない。

一体なぜこんな人物像にされてしまうのか。

家康以外も本作の登場人物は発想がおかしい。信長が「家康に討たれてもいい」と感傷的に語りますが、誰もかれもがリーダーとしての責任感が欠落していますね。

信長は嫡男・信忠まで犠牲にしてしまいます。

もしそのリスクを前もってわかっていたのであれば、信忠だけでも別の場所に泊まらせておくわけにはいなかったのでしょうか。

瀬名にしたって、自分の構想に信康を巻き込んで破滅しました。

このドラマは大物とされる人物が平気で我が子を巻き込むのです。

我が子ですらこんな調子だから、家臣や民草の命なんて気にするはずもない。どこまで傍迷惑で幼稚なのか。リーダーシップのある人物が誰一人としていません。

家を守るという意識が強い時代です。

その意識すらないから、リアリティが欠けてしまう。

ドラマはフィクションだから嘘はついてもいい。それはその通りですが、その嘘があまりにお粗末だから叩かれるのでしょう。

「史実重視の頭の固い人は」と論点をずらそうとしていますが、それももう通じません。

ついに大手メディアからも、破綻を指摘する記事が出てきています。

◆「どうする家康」は名作か、それとも迷作か 2つの価値観が頻繁に入れ替わる最大の難点(→link

 

どうする地図

家康を太陽で表現したピコピコマップ。

それに被せられるあのナレーションもあり、精神をガリガリと削られそうです。

害虫が蠢く様を見せられているようで、気分が悪化。

 

どうするゲス光秀

見よ、この汚い明智光秀を!

と言わんばかりに、家康の毒殺を信長に勧める下劣な描写にウンザリ。

宴席で毒を盛るのは禁じ手では?

人はなぜ集まって食事をとるのか、というと毒殺のような卑劣な真似はしないと確認するため。

もしも信長がこんな場面で家康を殺したら、信頼感は全くなくなり、天下どころではなくなるリスクがあるでしょう。

しかも、それを明確に肯定も否定もしないままシーンが終わり、なんだかよくわからない。

毒殺はそもそも成功率があまり高くないし、やるならやるで犯人が特定されないよう入念な準備が必要です。これではただの思いつきです。

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