どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第26回「ぶらり富士遊覧」

天正9年(1581年)、武田方の高天神城が徳川軍に包囲されています。

食糧も尽き、援軍も望めない危機的状況。

すべては勝頼がマザーセナに背いたからでしょうか。

あの素っ頓狂なナレーションも復活しました。本作の果断であったナレーション消滅も無しですか……。

 


どうする月代

頭部の毛を剃り、家康が月代にしています。

磯氏がチーフプロデューサーの大河ドラマは、なぜ服飾に過剰な意味を持たせるのでしょう。

覚悟を決めたように剃った。そう思えて、月代の在り方に誤解が生じませんかね?

さっさと髷を結えばいいのに、なぜか垂らしたままで話す家康もマナー違反に感じられてなりません。

おまけにヘアメイクをしているとはっきりわかるのは、現場の士気が低いからでは?とも勘繰りたくなります。

 


あらすじ:おじさん構文バージョン

オイラの、最愛の瀬名チャンが死んじゃった! うそーーーーーーーーーーーーん!!!

悲しいよぅ……ぴえん( T_T)\(^-^ )それなのに家康チャンは、やる気がないしww

そりゃ、みんな怒るヨネ(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾激おこぷんぷん丸www

脳筋クズ野郎だった、DQN武田勝頼は、滅びてザマァww 家康チャンは富士で、遊ぶってよw

富士山で、殺しあいをした、鎌倉ナントカとか、本当に日曜夜のテンションを下げたよね♪(´ε` )

空気読めっていうか、ふつー、大河で殺し合いとか、みたくないヨネ( ´Д`)y━・~~

今年はワクワク^ - ^しかも、かわいい愛チャンが、笛を吹いてくれるww

ヤッパリリゾートといえば、美女とムフフ( ✌︎'ω')✌︎男はみんなそういう楽しみが欲しい^ - ^

そんなわがままな要求に答えてくれる神回ダネ!『どうする家康』って毎回神回だもんネ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

なお、神回認定は公式で行なっております。

◆“松本潤×有村架純”の神回は紀行までも秀逸(→link

理解できないのは、私のような邪教徒クソレビュアーってことですね。

余談ですが、現在、炎上中である以下の記事を読みながら、

◆【ガチゆえに】タリーズの店員さんに「自腹で飲むくらいオススメのドリンク」を聞いたらスタバと対応が違い過ぎて心が折れた(→link

『どうする家康』のことを思い出してしまいました。

80年代で止まったサブカルセンスで作っているという共通点がありませんか?

ナウなヤングにバカウケ!

 


どうする秀吉

家康が豹変して落ち着きが出たせいか、以前より少しマシになった――そんな声を見かけました。

そうなれば嬉しいことであり、後半は持ち直すのか。

と、そこでガックリさせられるのが豊臣秀吉です。

「人たらし」と称され、裸一貫から天下人になった秀吉の才知は、突出していて振り返るまでもないと思っていたのですが、今年はあまりにゲス野郎で唖然としてしまう。

しかもこの秀吉のいやらしさって、

「ホラww お前らww こういうゲス悪役好きだろwww」

という打算が見え見えのところなんですよね。

わざとらしいほどドーランで黒くした顔。もじゃもじゃ頭。見ているだけでウンザリします。

今回から弟の秀長も出てきましたが、秀吉に寄せたモブにしか見えませんでした。

 

どうする地図

もう突っ込むのも飽きたけど、まだ言いますよ。

地図があまりに雑すぎます。

わじゃわじゃした図面が生理的に気持ち悪い。

進軍というより害虫が這いずり回っている様にも見えてしまう。

こんなところで奇をてらう必要など全くないでしょうよ。コーエーテクモゲームスさん並のクオリティでなくても、せめて普通に見られる地図にして欲しい。

 


どうする敗走と千葉真一さんの利用

今川氏真の時も思ったのですが、本作は、敗走時の将兵が、紛れるとか隠れるとか、そういう発想が一切ない。

あんな真っ赤な陣羽織を着ている武田勝頼では愚かにしか思えません。

そして勝頼のセリフがおかしい。

自分で「信玄が全てを注ぎ込んだ至高の逸材」とか言いますか?

隣で穴山信君が驚いた顔を浮かべていましたが、心の中で『海原雄山か!』とか突っ込んでいたんじゃないですかね。ったく、大喜利じゃないんだから。

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武田勝頼の死についていえば、要するに、演じる眞栄田郷敦さんのイメージ戦略ありきとしか思えません。

映画『300』のスパルタ勢みたいなノリで、なぜそれを大河ドラマで再現してしまうのか。あの作品、時代考証が無茶苦茶でギリシャ人が爆笑したネタ枠扱いです。

今回で退場となる眞栄田郷敦さんについては、磯氏が起用理由を熱く語っておりました。

◆「どうする家康」“新・勝頼像”に眞栄田郷敦「運命的」CP語る起用理由「風林火山」千葉真一さんとの縁も(→link

そして、この前の『ファミリーヒストリー』では、眞栄田郷敦さんが登場されていました。

私は、眞栄田郷敦さんの父である千葉真一さんの大ファンです。彼の逸話を見ていて、興味深いと思えたことは確かでした。

しかし、それを『どうする家康』に露骨なまでに落とし込んでいるのがわかって、思わず眉間に皺が寄ってしまいました。

インタビューで磯氏は勝頼に関する新説だのなんだの、持ち出しています。

確かに勝頼暗愚説は否定されています。

ただし、その際に触れられる要素としては、勝頼には信玄の残した負の遺産がのしかかっていたことがあげられます。

そういう要素は全く触れず、義信の名前すら出さず、信玄が最初から勝頼を寵愛していたように描いたのが『どうする家康』です。

なぜそうなったのか?

偉大なる父が可愛がった息子という、演じる側にあわせた都合だとはっきりしました。

『ファミリーヒストリー』で挿入された劇中の場面を見ると、むしろ千葉真一さんの急死すら味付けのためのネタ扱いにしていると思えました。

視聴者が演者とドラマを重ね合わせるように意識している、と。

これではあまりに失礼。そして、日本の芸能界は大丈夫なのか?と唖然とするばかり。海外では、こういうことはやらなくなっています。

『SHERLOCK』でブレイクしたベネディクト・カンバーバッチは、両親ともに大スターです。

しかし本人は二世であることを押し出さず、地道にキャリアを積んできました。

あえて芸名を用いて、二世であることを隠すことが海外では多い。前面的にあえて出さないのです。

Amazonプライムの作品『MAGI』では、大河主演経験のある緒方直人さんと、緒方敦さんが共演していたにもかかわらず、宣伝ではそこを強調していません。

海外の宣伝戦略を取り入れているし、あえて大河ではなくAmazonを見据えたところに、覚悟の強さを感じたものです。

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そういう覚悟とは異なる二世起用宣伝戦略を、眞栄田郷敦さんで見せられています。

むろん彼は全く悪くありません。千葉真一さんの死まで、宣伝戦略に落とし込むような作り方をした制作者サイドが悪い。

それに案の定こういう記事では、世間の勝頼ファンが今回の大河に感じている不快感は無視しますよね。

このドラマの勝頼は、全くもってろくでもなく、長篠の戦いも酷かった。

おまけに瀬名の馬鹿げたカルト慈愛の国抗争をぶち壊したせいで、卑劣で、戦うことしか知らない愚か者のようにされた。

なぜ、これほど武田勝頼を下げて描いたのか。

そのくせ『真田丸』とは違って斬新だのなんだのネットニュースが騒ぐのですから、頭を抱えたくなるばかりです。

『真田丸』の勝頼は暗愚ではありません。

少なくとも今回の下劣な勝頼よりずっと気品に溢れていて、勝頼役の平岳大さんも二世俳優ですが、前面に出すことはありませんでした。

こんな提灯記事もあります。

◆眞栄田郷敦『どうする家康』初登場 “勝頼”『真田丸』とのギャップに反響「大河史上一番強そうな勝頼」「とんでもなくかっこいい」(→link

脚本によって史上最低にされた勝頼だったと私は思います。

結局『どうする家康』って、適材適所というより、話題性だけでキャステイングしていませんか。

その点、眞栄田郷敦さんも被害者。

役者の親の死を、あんな風に扱われて、あまりにも心無い作り方です。

もしも民放がこういう暴走時代劇を作ったら、笑い者になって終わるだけだったのに、よりによって大河で……。

もう、私の脳内では、柳生十兵衛がこのドラマの制作者を斬っています。

裏柳生、口伝に曰く、 戦えば必ず勝つ。
此れ、兵法の第一義也。
人としての情けを断ちて、 神に逢うては神を斬り、 仏に逢うては仏を斬り、 然る後、初めて極意を得ん。
斯くの如くんば、 行く手を阻む者、 悪鬼羅刹の化身なりとも、 豈に、遅れを取る可けんや。

そうそう、リメイク版『柳生一族の陰謀』で、千葉さんの当たり役である柳生十兵衛を引き継いだ溝端淳平さん。

あの作品では最高に輝いていました。

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それだけに彼の時代劇作品には期待していたところ、『どうする家康』では打って変わって酷い役を演じさせられ、嘆かわしいとしか言いようがありません。

千葉真一さんのファンとして、今年の大河には怒りすら湧いてきます。

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