どうする家康感想あらすじレビュー

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第30回「新たなる覇者」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第30回「新たなる覇者」
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どうするアドリブと役者頼り

「松山ケンイチさんの本多正信はよい」という意見もあります。

言わんとするところはわかります。この作品は演出も脚本も中身がないので、役者の解釈力に頼っています。

経験が薄い子役を見ると一目瞭然で、一方で松山ケンイチさんがよく見えるのは当然でしょう。

ただし、こういうことはやめて欲しいと切実に願っています。

確たる脚本や演出があって演技をするというのは、栄養を補給しつつ走るようなものだと思います。だからこそ遠くまで走れるし、パフォーマンスも発揮できる。

それができないからと自分の解釈力に過剰に頼りすぎると、ハンガーノックを起こさないか不安になってきます。疲れるだろうし、すり減ってしまうのではないかと。

どうして彼のような役者がこんな目に遭うのか。ただただ、悲しくなってきます。もっと綺麗に咲くことができるはずなのに、こんな雑な作品に起用されてしまったのか……。

彼だけ浮いてしまうのは他にも理由があります。

正信だけがイントネーションをはっきりとつけていて、ジェスチャーも目立つ。

他の役者との差が際立ちすぎて逆効果に思えることもあります。ケミストリーがちゃんとしている現場だとうまく回るけれども、これでは食い合わせが悪いメニューのようだ。

時代劇には、特有の所作や作法があります。

しかし、それがしっかりなされていないため、現代劇の名探偵キャラクターの型で演じているようにも思えくる。

彼が実力のある役者だということはよくわかる。しかし、あの「本多正信」に見えるかどうか?というとそうでもない。

もっともこれは彼だけでもなく、岡田准一さんやムロツヨシさんにもあてはまります。

つまり役者でなくチームの問題です。

 


どうする合戦シーン

合戦については、これまであまりに評判が悪かったせいか、若干の改善が見られます。

VFXを減らし、実写を増やした。

とはいえ、狭苦しいフレームなので苦しいということはわかる。

良いことといえば、多くの視聴者から上がった抗議の声を全く気にしていないわけでもないかも?という感触があったこと。

ただし、小手先だけではどうにもならないことがある。

例えば、秀吉の強さがまったく見えてきません。

大軍を稼働させるために必要で重要な兵站も、外交も、行軍速度も、鮮やかな攻め方も何も描かれていない。

兵站に才知を見せていた石田三成を活躍させる伏線すらない。

本作は恋愛フラグみたいなものはしつこいくせに、戦略フラグがまるでありません。舞台は戦国時代ですよね。

いったい何をもってして秀吉が強いと視聴者に感じさせられるのか?

こんな戦下手な大河ドラマもそうそうないでしょう。

『江』や『花燃ゆ』は主人公が戦略に疎くても仕方ない。

慶長出羽合戦をすっ飛ばした『天地人』、西南戦争のオチがBL破局じみていた『西郷どん』といい勝負……って、その位置で満足なんでしょうか。

武経七書は無理にせよ、『孫子』くらい読む時間はあったはずです。

 


どうする「ナレーター無双」

このドラマで一番強いのは、わけのわからんナレーターかもしれません。

ナレーターがキンキン声で語るだけで、戦が片付いていきますもんね。

燃える北ノ庄は昭和レトロな、古い映像の使い回しでした。

となると、VFXをあえて減らしたのではなく、単に納期が間に合わなくなっているのかもしれません。だとしたら危機的状況ではないでしょうか。

 

どうする北条家

ナレーターがくだらない口調で北条を説明しています。

戦から遠ざかっていて実戦に弱いというような描き方はいかがなものでしょう。

汁かけ飯も『真田丸』を台無しにするような浅い解釈です。

そもそも、なぜ北条をいまさら出すのか。

北条と徳川、今川、武田はこれまでも深く関わりがあったでしょうよ。

 


どうする指揮系統

まぁ、本作に兵法を望むなんて贅沢すぎますよね。

お市が本当の総大将ってだけで、もう勘弁です。

「名目上の総大将は、実は私なの!」

なんて誰かが言い出したら、錯乱したという名目で斬り捨ててしまいましょう。殺すことに気が引けるならば、投獄でもOKです。

指揮系統が乱れると軍隊は一気に弱くなる。

桶狭間の戦い】がそうだったじゃないですか。

いくら盤石だろうと、指揮を取る義元が討たれたら総崩れになる。討たれたならばまだしも、いきなりお市がしゃしゃり出てきて指揮系統を見出したら、処断するしかないでしょう。

お市も自分がスゴイと酔いしれている様子でしたが、いつどこで戦いを戦略や戦術を学んできましたか。

合戦は体育祭ではありません。

本作は、お市がしゃしゃり出ることを女性の活躍だとでも思っているようだ。

あんな怖い表情をさせて説明台詞を読ませることが女性の活躍? 冗談はやめてください。

 

どうする望遠鏡

愛の近眼設定は、完全に消えました。

前回のレビューで、レーシックでもしたのかと突っ込みましたが、鷹が空高く飛んでいく姿も目視できたので、望遠鏡でも手に入れたのかもしれません。

どうして彼女が近眼か?というと、眼病の人々を気に掛けた逸話があるから。

本作では、その逸話を最初だけテキトーに取り込み、「ドラマを描くにあたって勉強しているよ♪」とでもアリバイ工作したのでしょうけど、途中から完全に忘れてますね。

脚本家は、あまりにも視聴者をバカにしていませんか?

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