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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第42回「天下分け目」】
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真田を描く意義とは?
BBCでは真田の名前すら出てきません。
取捨選択の結果であって、それが特に問題とも思えません。
本作では、佐藤浩市さんを映したいあまりにそうしたのでしょう。
話題性狙いがみえみえで痛々しい。
そんな広告代理店じみた考え方だからこのドラマはダメなんだ。
どうしようもない本多正信
本多正信に常識を求めるのは酷なのでしょうか。
主君の嫡男に対してあの舐め腐った態度。
万人に対して常にマウントを取っていて、あんな調子では嫌われるどころか、闇討ちに遭いそうで心配なほどです。
放送されるたびに不快感指数は上がり続け、「もう映さないでくれ!」と頭を抱えたくなる。
なぜ本多正信をあのように描いてしまうのでしょうか。
徳川秀忠が窮地に陥っても嬉しそうにしているって、どういう性格なのでしょう。
勝利がわかっているから、わざと余裕ぶって悪態をつかせている――のであれば、本当に未来人思考だらけの作品で時代ものとは言えません。
どうする謎のインテリアセンス
真田の城は、なぜハエトリ紙じみた布が垂れさがっているのか?
「乱世を泳ぐは愉快なものよ」と語る昌幸にしても、本気でそう思っているとは微塵も思えず、逆に「何も楽しんでないな」と笑いそうになりました。
あの変な布を見て、俳優さんたちは『戦国っぽいなぁ……』と演技に身が入りますかね?
文春砲によると、ニコライ・バーグマンじみた押し花をプッシュしたという本作の主演俳優。
記事が本当ならば、ドラマ内での見た目に相当なこだわりがあるようですが、その結果が大量の蝋燭やら、ハエトリ紙だと思うと脱力感が湧いてきます。
昨年の『鎌倉殿の13人』はNHK『100カメ』で取り上げられ、今年は『大奥』シーズン2が扱われます。
◆「100カメ」の11月は、進撃の巨人・大奥Season2・Dリーグに密着!(→link)
美術部のレベルが大河と大違いですもんね。
今年の実質的な大河ドラマはやはり『大奥』と言って差し支えないでしょう。
歴史イベントでもきちんと結果を出されています。
◆女性初の信玄公役は冨永愛さん 観客数は過去最高の23万人越え 50回目の節目となる信玄公祭り(→link)
武田信玄役に初の女性となる冨永愛さんを起用した、山梨県の関係者の英断が素晴らしいですね。
どうする「腹を切る」
大久保忠益が「腹を切ってお詫びを!」と叫びます。
それでいいんです。
問題は複数回も「腹を召す」と自分に敬語を使って叫んでいた家康。
ああいうミスは修正するものでは?
小道具班、もはやこれまでか
地図が映ると、面倒くさそうに作ったことが伝わってきます。
ここまでモチベーションが落ちているドラマって、なかなかないでしょう。
文春砲第二弾が出た『どうする家康』今度は何が告発されたか徹底検証
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ただし、小道具スタッフは、もしかしたら犠牲者かもしれず、気の毒としか言いようがないのですが……。
どうする士気低下
すでにクランクアップした本作。
主役の横暴な振る舞いで脚本がおかしくなった――とする文春砲に対し、
「大河主演が口出しするって、そんなもんでしょw」
という指摘もあります。
去年の小栗旬さんはむしろ真逆です。
◆ 小栗旬主演の次期大河 徹底したハラスメント対策で良好な撮影現場に(→link)
今年の大河はもうダメ。
あと一ヶ月とちょっと、NHKという公共放送でエゴを見せつけられるかと思うとげんなりしますが、VODでは朗報もありました。
ディズニー+の『SHOGUN』です。
◆真田広之、ハリウッド制作陣が戦国時代を描く「SHOGUN」に主演! 豪華日本人キャスト共演(→link)
三浦按針をモデルとした、往年の名作ドラマでで、アメリカ作のRPG『ウィザードリィ』にサムライやニンジャがいるのは、このドラマの影響だとか。
それを他のRPGも引き継ぎ、伝説となったドラマですね。
オリジナルから40年以上経過していますから、おそらく格段に進歩していることでしょう。
『どうする家康』の悪夢は、11月23日に公開される北野武作品『首』と、『SHOGUN』に塗り潰してもらいましょう。
ただ、喜んでばかりいられません。
今年の悪影響で、今後ますます大河ドラマの存在意義は低下してしまうでしょう。
今はまだ海外発の時代劇も戦国に限られているものの、今後はどう発展していくかわかりません。
特に近代史ともなれば、日中韓の合作になってもおかしくない。
こうなるともう時間切れでしょう。
大河ドラマにおける幕末以降の近代史は、2015年以降まともな歴史観を示すことができなくなりました。
歴史修正主義としか言いようのない酷い出来。そんな風に前進どころか後退をしていては、VOD時代に置いていかれるばかりです。
たとえばの話、伊藤博文は大河ドラマ主役になっていません。そこまで大きく取り上げられるわけでもない。
そんな伊藤博文を、海外が複数の国の合作で、日本より先に作ったらどうなるのか。
もうこれについては時間切れでしょう。
歴史総合を学ぶ世代は、むしろそんなドラマを受け止められる。問題はその上の世代であり、ヘイト本やSNSの盛り上がりに乗じて叩くことも予想されます。
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