どうする家康感想あらすじレビュー

どうする家康感想あらすじ

『どうする家康』感想あらすじレビュー第42回「天下分け目」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第42回「天下分け目」
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過ちて改めざる是を過ちと謂う

過ちて改めざる是を過ちと謂う。『論語』

「それはおかしいぞ」と指摘されても開き直って「でもでもだって!」と態度を改めないことこそ、まさしく過ちなんだよな。

2023年は、大河ドラマの歴史にとって、決して消せない大きな汚点となるでしょう。

ただ単に出来が悪いとか、視聴率が低いとか、そういうことじゃない。

NHKは大河ドラマや朝ドラをあまりに安売りしていて、例えばこの記事にも注目しますと……。

◆ 趣里や蒼井優の名演技に頼り過ぎ…朝ドラ「ブギウギ」に足りないものは何か(→link

笠置シヅ子さんをモデルとした朝ドラ『ブギウギ』について指摘されていて、概ね同意します。

この朝ドラは脚本の問題だけでもなく、小道具、衣装、セットの作り、方言指導がお粗末で、やる気が全く感じられません。

なぜ朝ドラは、しつこく、しつこく、本当にしつこく、日本の芸能史をロンダリングするような気持ち悪いことを繰り返すのか?

この10年に限っても、

『あまちゃん』
『わろてんか』
『エール』
『おちょやん』
『ブギウギ』

……って、さすがに異常ではありませんか。

確かに『あまちゃん』や『おちょやん』のような傑作もありますが、いい加減やりすぎなだけでなく、歴史修正も蔓延っています。

現在、イスラエルの歌手が兵士に向かってガザ攻撃を楽しむ動画がネットで出回っています。

戦争を煽り面白がるなんて最低だと思いますよね。

しかし、日本にもそういう歌謡関係者はいました。そういう人物を朝ドラはロンダリングして扱っています。

古関裕而
古関裕而~朝ドラ『エール』主人公モデル~激動の作曲家人生80年を振り返る

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朝ドラ『エール』志村けんさん配役のモデル・山田耕筰は日本近代音楽の父だった

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朝ドラ『エール』野田洋次郎さん配役のモデル・古賀政男とは?

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『わろてんか』という吉本興業を徹底美化した朝ドラもありました。

どうしてそこまでプッシュするのか?

吉本興業の創業者・吉本せいはどんな経営者だった?波乱の生涯60年

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漫才の歴史はいつから始まった?M-1主催者の吉本興業は関係ある?

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『どうする家康』も林羅山役が吉本所属ですね。

◆「ある種の粉飾じゃないですか?」蓮舫が356億円赤字のクールジャパン機構を痛烈批判 “究極の中抜き装置”との声も(→link

もうこの手のごまかしも、そろそろ限界でしょう。

『ブギウギ』についていえば、もうこういう報道が出てきています。

◆【ブギウギ】草なぎ剛が来週登場 服部良一さんモデル役にジャニーズ問題で「皮肉」の声も(→link

少女歌劇団も、宝塚いじめ問題が報道されている最中に、よりにもよって今これをやるのかと愕然としてしまう。

たまたまではありません。

芸能界がそういう時限爆弾を放置しているのに、それを忘れて呑気にドラマにするから爆発するのです。

さすがにここまで来ると因果応報であり、NHKも報いを受ける局面に来ているのでは?

と、こういう指摘をすると、必ずのように

「でも! 私は毎朝楽しんでいます!」

「私はウキウキしながら見ているのに、それが悪いというのですか?」

という反論が出たりします。

無知で無邪気ではしゃいでいいのは子供の間だけ。社会的影響や倫理を考えず、毎朝楽しでいるからって理屈はあまりにも幼稚です。

 


誰がこのドラマを楽しんでいるのか?

大河についても同様のことが言えます。

私の記事だけでなく、他メディアで『どうする家康』への問題が指摘されていても、

「でも! 私は毎週楽しんでいます!」

とか

「つまらなければ見なければいい!」

といった幼稚な意見があがってくる。

では一体、どんな層がそうした意見をSNSや記事コメントに記すのか。私なりに考えてみました。

◆ 「どうする家康」官兵衛息子・黒田長政“一の谷形兜”ネット話題!薄型テレビ?ソーラーパネル?「首が…」(→link

兜の正面につける飾りを前立(まえたて・まえだて)と言い、それぞれ意味があります。

死と隣り合わせである戦国武将の覚悟が表現されているわけですが、それをなぜ「薄型テレビ」などと笑われなければならないのか。

あまりにも程度の低いコメントで記事まで作られてしまう幼稚さに情けなくなってきます。

とはいえ「どんな層の人物が楽しんでいるのか」という答えは浮かんできそうです。

◆どうする家康:「あれ? TAKAHIRO先生」 直江兼続役に視聴者驚き めっちゃ長い“直江状”発動に「キターー」(→link

直江状を読み上げることすらなくとも、「キターーー」と20年以上前のトレンドを振り翳しながら、演者に反応する。

全部がそうとは言えませんが、そういう層が盛り上がりの中心にいるんでしょう。

要するに歴史なんてどうでもよく、陰キャやヲタクの趣味でしょwとでも思っていそうな方たちです。

決まり文句もわかる気がします。

「史実と違うっていうけど、ビデオもタイムマシンもないのに、どうすればわかるのwww」

ビデオ以外にも記録の手段はあります。

来年の大河ドラマ『光る君へ』には、日記をせっせと書いていた貴族が大勢登場することでしょう。

平安時代についてのことは、衣食住から行事、人間関係までよくわかります。

では同時代の坂東はどうか?

というと、これがわかりにくい。識字率の差が際立っているためです。

遺跡を発掘して、たくさん貝は出てくる。大きな家の跡もある。それがいつしか消え、ここにいたであろう某氏はどこへ行ったのか?

というと大仰な謎でもなく、単に記録する習慣がなかったために、わからなくなったのです。資料の意義はこういうところにあらわれると。

そんな基本的な歴史知識の無い人が、そういうことを気にしない人に向けてコスプレドラマ『どうする家康』を作った。

歴史に興味がないことを脚本家が明言している時点で、どうかしてます。

自分で資金調達して、映画を作るならばいい。

それが公共放送で、なおかつ日本の歴史エンタメを支えてきた大河ドラマを作る。歴史に興味もないのに徳川家康と“大河ドラマ”という名声だけは欲しがった。

そしてそれを無邪気に全面的に受け入れて楽しんでいる。

そんな層にはつきあいきれません。

互いの趣味が違うなら棲み分けていればいい。

それだけなのに、なぜかこちらを馬鹿にしてマウントをとってくるから厄介です。

 


善く戦う者は、これを勢に求めて、人に責めず

善く戦う者は、これを勢に求めて、人に責(もと)めず。『孫子』「勢篇」

最近、自分の目で見て判断することの重要性を感じる出来事がありました。

大奥』の仲間由紀恵さんについて、こんなことはよく言われていました。

「『ちむどんどん』で無駄遣いだった仲間由紀恵が『大奥』では素晴らしい!」

それがそうではなかった。

むしろ『ちむどんどん』あっての『大奥』だと、スタッフのインタビューで明かされました。

◆「大奥」“サイコパス”治済に仲間由紀恵を起用した理由 底知れぬ闇を段階を経て表現(→link

佐津川愛美さんと前田公輝さんも『ちむどんどん』から『大奥』です。

仲間さんは言うまでもなく、この二人もまるで絵そのもののように見える瞬間がありました。和装がよく似合うのです。

そして改めて思いました。

『ちむどんどん』は言われているほど悪かったか?

私はむしろ、琉球文化の知識欠如ゆえに、和人が理解せず、好き勝手言っているという印象を抱きました。

放送当時、沖縄ヘイトで盛り上がっていたこととも関連性があるかもしれません。

それが火付け役となるライターやアカウントが拡散炎上させて、駄作という評価が確たるものとなったのではないかと睨んでいます。

そうして作られた“勢”に、無意識のうちに乗せられてしまう人は案外多い。ネットユーザーは特にその傾向が強まります。

◆ ちむどんどんは本当に駄作だったのか 識者が考える「炎上の理由」と「作品の意義」(→link

思うに『どうする家康』も、勢に勝ちを求めたんでしょうね。

文春も節操ないと言えばそれまでですが、無条件で大河を褒める著者にこのような記事を書かせています。この方は勢を作る力があるのでしょう。

◆松潤主演NHK『どうする家康』は「シン・大河」になる? 大ヒット大河ドラマ“勝利の方程式”とは(→link

『どうする家康』が期待できる理由

『どうする家康』は「ユーモア」のある脚本を書ける古沢良太による「戦国」ものに「スター」(ジャニーズの松本潤)を配し、人気要素をもれなく押さえてある。

これも一年遅かったのか、早かったのか。

『どうする家康』と同じ脚本家の時代劇『レジェンド&バタフライ』は記録的な大失敗。

レジェンド&バタフライ
ド派手な話題作りで中身は空っぽ?映画『レジェンド&バタフライ』

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そしてジャニーズ事務所の威光も消失しました。

勢が消えるというのは無惨なものです。

私はコケると予測していましたが、

2023年大河ドラマ直前予想『どうする家康』はどうなる?消せない懸念

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ここまで作品として体をなしてない惨状になるとは思いませんでした。

 

調虎離山

兵法の時間です。

今日は「調虎離山」。 兵法三十六計の第十五計にあたります。

敵を本拠地から誘い出し、味方に有利な地形で戦うこと。『パリピ孔明』でも出てきました。

歴史好きな方は、芸能情報でゴリ押しする相手に疲弊していませんか?

「実際に、当時はそうだったって、なんでわかんの?w 動画もないじゃんw」

「城巡りとか、非リアの趣味っすねーw」

なんて煽られた時は調虎離山でいきましょう。

芸能情報でマウントを取る相手に対し、あえて大河の歴史を示してマウントを取るのです。

「『花燃ゆ』をご存知ですか?あれは完走しただけでも褒められると言われたほどの愚作……それと並ぶのが今回の『どうする家康』です」

◆「どうする家康」は松本潤の“黒歴史”に?大河視聴率で元カノ主演作以下、二宮和也との差拡大(→link

そしてこの流れを見ていくと、まるで松本潤さんが、慣れない時代劇に引き摺り出されてゆく調虎離山にかかっているようにも見えてしまいます。

◆松本潤「昔から一緒にやってきた小栗旬という俳優の次に大河ドラマの主演をやるのも面白い」主演決意に込めた思いとは(→link

◆松本潤:「1回断った」徳川家康役 小栗旬から後押し「俺の次やれよ」(→link

「一度断った」とありますが、仮にもプロが、自分の得意分野を把握することなく乗っかったのは軽率でしょう。

主演俳優一人だけが悪ノリをするのならばまだいい。

しかし「成功した」という架空のシナリオに乗っかっているのは問題。

◆ 嵐・松本潤の〝特権〟はく奪か 「どうする家康」低迷、後ろ盾ジュリー氏の退場で(→link

文春砲を補完するような記事は止むどころか続いています。

◆二宮「月9」松潤「大河」ダブル「大爆死」で迫るジャニーズ主演ドラマ“終焉”への道 検証番組で語られた忖度の数々(→link

そうかと思えば、大河を掲げて展覧会ですって。

◆松本潤初の展覧会で岡田准一コラボ「今回の展示のためにカメラマンとして」大河ドラマ共演(→link

特定の芸能事務所による大河ジャックは公共放送としていかがなものなのか。

皆様も思うところあれば、NHKへ直接お伝えください。

◆NHK みなさまの声(→link

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文:武者震之助note

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【参考】
どうする家康/公式サイト

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