自分が格好良く見えるためだけに脚本を変えたり。
現場のスタッフに「殺すぞ」と凄んだり。
大河ドラマ『どうする家康』の主演・松本潤氏に関する告発記事が、2023年10月12日発売の週刊文春に掲載されました。
記事が正しければ非常に由々しき事態であり、一体どこまで本当なのか?弊サイトでも以下の記事で検証させていただきましたが、
-

文春砲で告発された『どうする家康』松本潤さんの横暴は本当か?徹底検証
続きを見る
それからわずか10日後の10月22日に“第二弾”が出ました。
記事タイトルは以下の通り。
◆大河『どうする家康』松本潤に告発続々!《第2弾》「SnowMan宮舘の出演拒否」「『俺がもうプロデューサーをやる』と言い放ち…」
なんでも実力派の後輩を排除するばかりか、自らが「プロデューサーをやる」と豪語している様子が告発されているのです。
第一弾と比べて、より具体的な証言も出てきた今回の第二弾もまた、どこまで信ぴょう性があるのか、徹底検証してみましょう!
【TOP画像】
『週刊文春 2023年10月26日号』→該当の記事は電子版に掲載(→link)
『どうする家康ガイドブック完結編』(→amazon)
始まりは渋谷NHK放送センター1階の衣裳部屋
第二弾となる今回の記事は、NHK放送センター1階の衣裳部屋から始まります。
大河ドラマの衣装を用意することがどれだけ大変か。
スタッフの苦労が伝わってくる描写であり、『どうする家康』においては、その現場が緩んでいるのでは?という情景が浮かんできます。
他媒体の記事とあわせると、興味深いものがあります。
◆ 北川景子「どうする家康」茶々の姿でまさかのツーショット? ラーメンを前に笑顔のユーモア投稿(→link)
よりにもよって衣装のまま汁物を食べるとは……万が一、汚れてしまったらスタッフはまた……そんな苦労を想像させるような描写です。
もちろん、彼女が実際に食べたかどうか不明ですし、SNSに衣装姿を投稿することはよくあることでしょう。
しかし今年は、作品そのものを評価する記事よりも、俳優人気に頼った周辺ネタばかり目立つのが気になります。
しかも掲載媒体はスポーツ紙。スポーツ紙とジャニーズの蜜月関係も踏まえると、色々と用意されていた感は拭えない。
文春砲第二弾の冒頭では、信長の血まみれ衣装についても言及されていますが、非常に臨場感があり、デタラメでは書けない描写のように感じます。
“殿”は決まって15分遅刻?
撮影当日、“殿”は決まって15分遅刻する。
スタッフにそれを詫びることもなく、ズカズカと着替えに向かう。
と、そこには着替えを手伝うスタッフもいます。彼が浴衣の着付けも一人でこなせないからとのこと。
普通、大河の出演者は、長い撮影期間の間に、浴衣や作務衣の着方を覚えて、一人で着付けができるようになります。
しかし松本潤氏は一切覚える気がなく、スタッフの手に任せられていることが告発として出てきます。
これには思わず納得。
ドラマを見ていると、松本潤氏は和服を着た上での所作がぎこちないのです。
和装は着慣れていないとうまく動けません。ボロが出てしまう。
それを避けたいのか、『どうする家康』は座って立つ動作が極端に少ない。
彼は和装だとうまく動けないのでは? そんな違和感は、ずっと頭の中にありました。
和装での所作については、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の主演である小栗旬氏と対比するとより明確になります。
小栗氏は手を使わずに座って立つ所作までこなせるようになりました。
自然な立ち居振る舞いのために多練を重ねたことは『プロフェッショナル 仕事の流儀』を見るとよくわかったものです。
なお、松本潤氏にスポットを当てる『プロフェッショナル 仕事の流儀』も制作されながら、松本潤氏当人の介入もあって放送できていないと記事に書かれています。何か見られたくないことでもあったのでしょうか。
宮舘(みやだて)涼太氏の出演を拒否
今回の記事タイトルにも盛り込まれた、後輩の出演拒否。
ジャニーズ事務所(改名していますが本稿ではそのまま使用)内部のパワーゲームとも関わることであり、それだけのバリューがあると判断されたのでしょう。
◆松本潤『どうする家康』宮舘涼太NG報道で松潤に猛ツッコミ!SnowManと人気逆転、NHK大河は「ジャニーズNO!!」で刺違え!?(→link)
滝沢秀明氏の愛弟子であり、『滝沢歌舞伎』や歌舞伎出演経験もあり、人気もある。それならば大河に出る最有力候補と言えるでしょう。
実際に出演は内定しており、衣装あわせのスケジュール調整が進んでいたとされます。
2022年6月某日には撮影を見学していたとも……。
それが流れた。
松本潤氏の意向により後輩が排除された――そんな情報は、事務所から流れたというより、NHK大河チームから漏れたと考えるのが妥当でしょう。
宮舘氏が就任を逃した役とは「豊臣 秀吉に目をかけられるも、のちに家康側に従軍する武将」とのこと。
条件と知名度から考えると、候補としては以下のあたりでしょうか。
・小早川 秀秋
・黒田 官兵衛
・伊達 政宗
・加藤 清正
・福島 正則
・細川 忠興
この中で、実現すれば最も興味深かったと思えるのは伊達政宗です。
人気が高く、名場面も多い。『独眼竜政宗』は伝説的な名作大河とされています。
そして宮舘涼太氏のファンからの愛称は“舘様(だてさま)”。そんな舘様が伊達様を演じるとなれば、話題が沸騰したことでしょう。
しかし『どうする家康』の関ヶ原前夜の描写を見ていると、こうしたキーパーソンは目立っておりません。
家康と石田三成の友情と決裂、淀殿との因縁ばかりが強調されていて、パワーゲームとしてわかりにくいだけでなく退屈でつまらない。
宮舘涼太氏の不採用ともども役が削られたのだと仮定すれば、シナリオそのものに悪影響を及ぼしているともいえます。
事実だとしたら、非常に憂慮すべき状況でしょう。そして松本潤氏がSnow Manに対し脅威を感じていてもおかしくない、そう証明されたニュースが報道されました。
◆Snow Man目黒蓮、インスタ開設1日で「松本潤」をぶち抜くフォロワー数の快進撃…嵐に迫る世代交代の苦境(→link)
さらに、嵐は二宮和也氏が事務所から独立します。
新局面を迎えそうです。私としては『ラーゲリより愛を込めて』で熱演した二宮和也氏が大河ドラマに出る姿を見たかったものです。今後に期待したいと思います。
◆【ジャニー喜多川・性加害問題】嵐・二宮和也さん 事務所から独立「個人で活動していく」と発表(→link)
「まだ大河に出る器じゃない」とは?
宮舘涼太氏を却下したときの松本潤氏は「まだ大河に出る器じゃない」と主張したとのことです。
それを受けたジュリー氏の返答が「ジュンがそう言うなら」というもの。
“器”という曖昧な基準からして、感情ありきの判断で却下されたということが明白ですね。
論拠もなく、曖昧な感情だけで重大な決断を下すこのやりとりには、強烈な既視感があります。
ジュリー氏が易々諾々と松本氏に応じたのは、宮舘涼太氏は彼女と対立するタッキー派に属するからと、記事では説明されています。
『どうする家康』は、まさにこんな感情論の巨大な塊です。
政治的な駆け引き。パワーバランス。天の時。地の利。人の和。そうしたものを一切考えずに「アイツは気に入らない」程度の感情論ばかりが横行する。『どうする家康』とはそういう大河ドラマになっている。
歴史が好きな大河ドラマファンは、幼稚な感情論など求めていないでしょう。
感情を封じてでも、泣いて馬謖を斬る。そんなギリギリの攻防を求めているのが大河ドラマファンではないでしょうか。
その期待を裏切る根幹に近づいてきていると、私はこのくだりを読んで確信しました。
器って何なのか。具体的で客観的な判断基準は何なのだ?
まだまだ実力を無視したキャスティング横行が続いていることが、文春砲で明らかにされてゆきます。
家康の異父弟役・長尾謙杜氏抜擢
ジャニーズ枠として源三郎勝俊役に選ばれた長尾謙杜氏。
ジュリー氏が目をかける『なにわ男子』から選ばれたとされ、このことも私の違和感への答え合わせのように思えました。
松平勝俊は、家康の生涯を辿る上でさほど重要な人物とは言えません。大河ドラマ初出場の俳優が配置されている点からして明らかでしょう。
出番は短くて済むし、それなりの宣伝になる。プロットとしての重要性よりも、まるで忖度の都合のように思える役だったのです。
松平勝俊のシナリオは、さして印象に残らず、退屈なものでした。
形ばかりのオーディションで選ばれたとも記事にはあり、それが事実ならば大河ファンにとっては許しがたい話でしょう。
『どうする家康』の異様な点として、映画とのタイアップと思える宣伝戦略があります。
同じ脚本家とジャニーズ主演という共通点がある『レジェンド&バタフライ』。大河開始と重なる時期に公開され、追い風にしたい思惑が透けて見えたものです。
そして『岸辺露伴ルーヴルへ行く』。
NHKドラマ作品の映画版であり、この作品は『どうする家康』と衣装デザイナーが同じです。映画は長尾謙杜氏の大河出演回と近い公開日で、主人公である露伴の若い時代を、長尾謙杜氏が演じていました。
露伴の本役である高橋一生氏と顔立ちが似ているわけでもない。
成人し、トレードマークのあのヘアバンドをつけた状態で出てくるのに、わざわざ別人をキャスティングする必要はあったのか?
ドラマ版のファンでもそこに疑問を感じる意見は多くあったものです。
高橋一生氏は2017年大河ドラマ『おんな城主 直虎』で小野政次を熱演しており、大河ファンの間でも評価が高い俳優です。
その高橋一生氏のファンにとって、長尾謙杜氏はむしろノイズとなっていてもおかしくはない話です。
なお長尾氏自身も、9月には、以下のような文春砲も受けていますね。
◆なにわ男子エース長尾謙杜(21) 元SKE三上悠亜(30)との“乗っ取りお泊まり愛”スクープ撮「キスマイ千賀健永が去った後こっそりと…」(→link)
2023年8月、秀頼役は『HiHi Jets』の作間龍斗氏と報道される
BBCのジャニーズ性加害報道が3月。
にも関わらず、4人目のジャニーズ枠として、『HiHi Jets』の作間龍斗氏が豊臣秀頼役として発表されました。
秀頼は最終盤まで出番があることは確実です。発表時、 NHKは何を考えているのかと呆れたものでした。
そして気になるのが、記事に添えられていた宮舘涼太氏の写真です。彼は金髪にしていました。
宮舘涼太氏の金髪イメチェンのニュースが8月2日付。
そして作間龍斗氏大河出演報道が8月4日付。
大河ドラマや時代劇に出る間は、金髪にはできません。
終わったことを契機に髪を染めることは、よくあることです。近年の大河や朝ドラ出演俳優にも、そうする人はいました。
役づくりだけでなく、何かからの開放感もあるとすれば、どうでしょう。穿ち過ぎかもしれませんが、どうしたって宮舘涼太氏の心境は考えてしまいます。
◆小栗旬、LAで金髪の最新ショット!妻・山田優とおそろいへア…米国在住俳優と「昼からサシ飲み」(→link)
◆ 志尊淳、金髪に激変!横顔ショットに「待ってましたああ」の声多数!「美しすぎ」「ゾクゾクしちゃう」(→link)
キャスティング権を支配する“暴君”
『どうする家康』では、松本潤氏がキャスティングにおける発言権を行使すると文春砲で明かされていました。
「そんな権力あるわけない」という反論も見えますが、同時に、関連報道も数多く見受けます。
例えば瀬名を演じた有村架純氏は、お気に入りだったとか。そんなお気に入りの女性が、性的暴行の危機に晒されるという展開には、疑念を感じましたが。
◆ 『嵐』松本潤が“のめり込んだ”女優と、井上真央との“極秘デート”火消しで奔走した元ジャニ副社長の過去(→link)
◆ 「可愛くてしょうがない」松本潤の“パワハラ報道”の裏で有村架純への溺愛ぶりにファン困惑(→link)
佐藤浩市氏は2年連続大河出演で、かつ、松本潤氏とのつきあいを語っています。
佐藤氏から去年ほどの覇気を感じられないのは、出演を断りきれない事情があったからなのでしょうか。
◆ 「どうする家康」松本潤 共演の佐藤浩市との交流を明かす「ご家族とも仲良く…父のような存在」(→link)
中村七之助氏は、演技そのものや、役に対するアプローチよりも、松本潤氏との友情ばかりを語らされ、見ていて悲しくなってきます。
◆「どうする家康」で石田三成役の中村七之助、高校時代の松本潤は「『どうする?』ではなく『どうしてやろうか』だった」(→link)
◆中村七之助 友人・松本潤との初共演は「神様が用意してくれた巡り合わせ」(→link)
◆ 中村七之助、松本潤との20年来の関係が大河でシンクロ(→link)
◆『どうする家康』中村七之助、親友・松本潤との初共演に感慨「本当に立派な役者に」 高校時代の秘話も語る(→link)
こうした記事は「松本潤氏のお気に入りだから大河に出演できたんだぞ」と欄外で語っているようで、友情を利用されているように思えます。プロ意識を感じさせないキャスティングです。
人間関係をそのままドラマに持ち込む手法は、確実に『どうする家康』を破壊しています。
瀬名を今川から奪還する話に2話も費やす。瀬名が中盤まで生きている。こうした瀬名への思い入れはペース配分を破壊しました。
家康と三成の政治的対立が描かれず、星の下で戯れる無駄な場面が入る展開は、関ヶ原の戦い前の緊張感を崩しました。
友達と仲良くしたいなら、画面の外でやればいい。
公共放送の大河ドラマで戯れるなんて、一体何を考えているのか。
それを止めない(止められない?)周囲の制作陣にも呆れてしまいます。
【追記】
松本潤氏が小栗旬氏に対し、最終回のサプライズキャストとしてのオファーをしたと報じられました。
この報道により、文春砲の信憑性が高まっています。
◆松本潤『どうする家康』視聴率“大河ワースト2位”ほほ確実、盟友・小栗旬に最終回「直々オファー」情報も「プロデューサー気取り」文春パワハラ報道が再加熱(→link)
「松本さんが納得しない」という忖度
「松本さんが納得しない」
この言葉は、制作統括をつとめる磯智明氏の口癖だとされてます。
脚本から演出まで、とにかく手を入れたがる松本氏。
その一例として「表情で演じることを嫌がる」ということが挙げられています。
表情で演じることに、大河主演俳優が悩む――このことは2020年『麒麟がくる』でもあったことで、長谷川博己氏は脚本家の池端俊策氏と話し合いを重ねながら、演じていたそうです。
『どうする家康』では、どうもそうではない。
周囲と意見をすり合わせるのではなく、松本潤氏がコントロールをしていった状況が、この記事では明かされています。
そしてこれは謎解きの大きなヒントとなります。
公式サイトの「番組紹介」には、古沢良太氏が考えていた当初のコンセプトがあります。
個性的な家臣団と書かれていて、瀬名は名前すら出てきません。タイトルの示す通り、決断に悩むところが見どころだとあります。
しかし、家臣団は個性が消えてゆきました。
瀬名がやたらとクローズアップされて、中盤までダラダラと登場。当初のコンセプトから物語が変えられていることは、残された証拠から読み取れます。
脚本家の意図を大きく捻じ曲げることは、異例のことだと思えます。
文春砲の中には『鎌倉殿の13人』で三谷幸喜氏の作り上げる物語の世界を慎重に守り、小栗旬氏が口出ししなかったことも語られていました。
『麒麟がくる』の場合、見ていてそれが伝わってきました。
あの作品は脚本家がチーム体制であるものの、人物設定やプロットの整合性に矛盾はない。池端氏の構想をいかに崩さすに守るか、慎重に作り上げているように思えたものです。
むろん、池端氏とそれ以外の方の担当回は、異なる箇所があります。
池端氏は漢籍教養が高く、かなり難しい語句を使います。
それこそ受け狙いをするスタッフなら難易度を下げるように頼んだかもしれませんし、演じる役者が読めないと弱音をこぼして変えさせたかもしれない。そういう形跡があの作品にはありません。
あえて例外を挙げるとすれば、2013年『八重の桜』でしょうか。
あの作品は当初発表されていたプロットが後半の明治時代編から変わっていました。会津藩出身者が薩長側の言い分を代弁するような場面も、明治以降増えます。
そしてスタッフロールには、脚本担当者として山元むつみ氏以外が表示されるようになりました。その攻防はこちらとしては推察するしかないものの、何かがあったことは伝わってきたものです。
『どうする家康』の場合にせよ、この告発がなければ推察して異変を察知するしかなかったのでしょう。
時代考証の存在意義が問われる
大河ドラマの画期的な点は、時代考証をすることでした。
それがこの記事を読むと「看板に偽りあり」だと思えてきます。
記事にあるような脚本執筆の手順では、時代考証がチェックする余地がないのです。
当初から無理があるけれど妥協しているということは、複数の記事や発言から浮かび上がってくることではありました。
歴史の再現を期待するなら、別の番組をEテレで見ろと言った反論もあります。
しかし、繰り返すように大河の特徴のひとつは時代考証にあります。
それが時折逸脱するどころか、はなから機能していないのは問題ではありませんか。
ないならないとすればよい。しかしNHKは、時代考証を看板に掲げたイベントに許可を出し、出版物も出しています。
記事にあるスケジュールや制作の進め方では、時代考証のチェック機能は働かず、実質的に名義貸し同然となってしまう。それでよいのでしょうか?
磯氏の方が古沢氏より饒舌である謎
『どうする家康』の特徴として、制作統括をつとめる磯智明氏がやたらと目立つ点もあります。
2011年『平清盛』以来、彼にはコアなファンがついていたことは確かですが、あまりにやりすぎのような気がしました。
単なる目立ちたがり屋であれば、まだマシ。
私が気になったのは、ストーリーの根幹となる部分を磯氏がやたらと饒舌に語ることです。
「磯智明」でニュースを検索すると、たっぷりとネット記事が出てきます。
◆「どうする家康」いよいよ“第2章”に突入 制作統括が今後の見どころを解説(→link)
◆「一番いいところを一番素直に届ける」NHK大河「どうする家康」制作統括・磯智明チーフ・プロデューサー(→link)
特に異常だと思えたのは、瀬名についての弁明でした。
瀬名は磯氏が思い入れたっぷりに語るほど、魅力的な人物像とも思えません。むしろ苦しい言い訳に聞こえます。
◆ 山殿最期に1000人涙 中区で大河PV、トークショーも(→link)
一方で、「古沢良太」でニュースを検索しても、『レジェンド&バタフライ』の記事が1ページ目に出てくるほど、大河関連の記事が少ない。
◆ 古沢良太「木村拓哉のラブストーリーが大好き」 日本屈指の政略結婚カップルを描く(→link)
脚本家の疲弊について、NHK大河チームがピリピリしていることは推察できます。
2019年『いだてん』の際、宮藤官九郎氏は「書きたくもないのにNHKからいきなりオリンピックの資料が届けられ大河に指名された」と明かしてしまいました。
彼が荒れた様子で街にいたというニュースまで出回っていました。
これに危機感を覚えたのか、宮藤氏の報道は夏以降に消失。それでも私は、年前半に彼が語っていたことは信憑性が高いと思えたものです。
宮藤氏の雑誌連載を読んでいると、スポーツの話題がほとんどない。オリンピックが開催されていようと論じることがほとんどない。
ああ、彼はオリンピックに興味がなかったんだな。そう腑に落ちたものです。
今年はそういう不協和音を出してはいけない。NHKも対策は抜かりないだろう……と思っていたところで文春砲が連発しており、決して盤石ではなかったことが明るみに出てしまいましたね。
視聴率は低下。話題にもならず、人気は凋落の一途。
そんな苦境をごまかすアリバイ対策なのでしょう。今年は大河関連のトークショーや講演会が多く開催されています。
『鎌倉殿の13人』の場合、小栗旬氏の提案もあったとされますし、人気を受けてのことだと納得できました。
私も数回参加しました。遠い中はるばる推しの団扇を持って参加する方からは熱気を感じたものです。
今年はそうした熱気はなく、言い訳じみたイベントにしか見えない。その一例がこちらですね。
◆ 小田原に『どうする家康』がやってくる。10月1日放送の37話で豊臣の北条攻めが進むことを受けてパブリックビューイング開催。ドラマ制作者のトークショーも!(→link)
パブリックビューイングなんて、いかにも派手な言葉で着飾っていますが、イベントの席数はなんと50です。
500じゃありません。
50です。
ニュース映像を見て、こじんまりした会場に私は驚きました。『鎌倉殿の13人』のトークショーとまるで違うではないですか。
それでもカメラワークを工夫して、大盛況であるかのように見せるニュース映像には言葉を失うしかありません。
一体そうまでして虚飾する理由は何なのでしょう?どこまで追い詰められているのか?
講演会参加者のSNS投稿を読んでいると、大河ドラマの低評価の部分について、脚本家の構想だと語る関係者が見えてきます。
しかし、文春記事が事実であれば、脚本家はむしろスケープゴート。
意図的かどうかは横に置くにせよ、随分と酷いことをするものだと驚愕しました。
現場の混乱は、ドラマにでてくる
『どうする家康』は常に混乱しています。
あるレストランに入ったところ、出てくる料理はまずい。接客もめちゃくちゃ。いつもは美味しいのに、繁忙期だったことが悪かったらしい。そんな経験を思い出します。
文春砲の第二弾を読んでいて、私がドラマに対して舌打ちしたくなる陳腐さの原因がわかりました。
『どうする家康』はカメラワークが単調で工夫がない。
いつも同じようなアングルから撮影していて退屈なのです。
スタッフが無能なのではなく、記事によると、別アングルから撮影しようとすると松本潤氏が不機嫌になり、切り上げてしまうとか。
なるほど、それならばああなってしまうでしょう。
小道具のファンシー感も納得できました。
『どうする家康』の小道具は、担当者に日本史資料集を見返して欲しいと思うほどおかしい。
うさぎのフィギュアだの、ボックスフラワーじみた押し花だの、ファンシー感が常に漂っています。
ガチャでカプセルを開けたら出てきそうな……あるいは結婚式のカタログギフトのような、残念極まりない安っぽさが漂っていました。
衣装のセンスもそうです。
戦国時代に求められる感覚は、緊張感や鮮やかな色彩、鋭いシルエットでしょう。シルバニアファミリーじみたふわふわ感は、お呼びではありません。
一体どこぞのファンシー趣味の持ち主が小道具を破壊し尽くしているのか。
ずっと謎でしたが、記事が正しければその謎はあっさり解けてしまいます。
松本潤氏の趣味だった……というワケで……大河小道具担当者の名誉回復を願っています。
かれらは『鎌倉殿の13人』で、本当にいい仕事をしました。
あの時代らしい木簡を用意する。木に字を書く時は、専用の墨だって必要になります。
三浦康信がうっかり墨をこぼしてしまう時は、安定しにくい風字硯を用意する。
坂東武者らしい義時は国産の酒器なのに、セレブ趣味の妻であるのえは宋磁をこれみよがしに使う。
そんな気遣いのできる小道具チームが、今年だけファンシー趣味全開になるなんて、異常な環境がなければありえないことです。
かれらのことを思うと胸が痛い。
台本の遅れも、小道具を見れば察知できることではありました。
手間のかかる小道具は早め早めに台本をもらっておきたいもの。そういう時間のかかる小道具が今年はありません。
『麒麟がくる』の蘭奢待なんて、相当の時間がかかったことでしょう。
◆美術さん、頑張った? 精巧な「蘭奢待」レプリカに視聴者感心 「ホンモノ?」の声も(→link)
こういう小道具を見ることだって、大河鑑賞の楽しみ方なのです。イケメンがカッコつけていればいいわけではありません。
他の大河への対抗意識が隠せない
松本潤氏がイラつき、パワハラを繰り返すことで現場が疲弊している。
その根底にあるのは『鎌倉殿の13人』への対抗意識だと、記事中で指摘されています。
ドラマを見ていて、その点は感じることがありました。
『どうする家康』は、せいぜいここ数年の大河ドラマに対する対抗意識、もっと酷い言葉でいうながら「パクリ」要素も見られます。
『どうする家康』の後半は、家康の隣に本多正信と阿茶局がいます。これは2016年『真田丸』も同じでした。
『真田丸』はまだわかるにせよ、『どうする家康』には家康を支える家臣が序盤から出てきます。彼らが全く目立っていない。
『麒麟がくる』については、あのドラマを嫌っていたのでは?と思える箇所が多い。
清廉潔白な描かれ方をしていた明智光秀と足利義昭が、『どうする家康』ではとことん下劣な人物とされました。
この程度ならば解釈といえるかもしれませんが、それだけとも思えません。
金ヶ崎の撤退戦では、秀吉が必死の思いで危険な殿(しんがり)を務める決意を語る名場面がありました。
それを『どうする家康』では、秀吉はギャーギャーと喚き散らし、実は保身しか頭にないという酷い描かれ方がされていたのです。
◆ 【麒麟がくる】佐々木蔵之介、「金ケ崎の退き口」はターニングポイントに(→link)
◆ どうする家康:ラスト5分のムロツヨシ劇場 クズでサイコパスな秀吉 家康脅すも、笑顔で自身の正当性主張(→link)
『鎌倉殿の13人』の”パクリ“は露骨でした。
あの作品では、義時が女性にキノコを贈るという癖がありました。戦場ですらキノコを探していたと思える場面は、笑いを誘っていたものです。
『どうする家康』では、家康が瀬名のために栗を拾う場面がありました。しかし単発の思いつきのようで、栗を受け取る瀬名の反応がない。義時のキノコの場合は、受け取った側が嫌がる反応を示すことでオチがついていたものですが。
さらには井伊直政が「九郎義経と同じで、顔がよくて力持ち」と発言したり。
◆「どうする家康」井伊直政の「九郎義経と同じ」発言に大河ファン反応 SNS「間違ってもない」「完全に狙ってたでしょ」(→link)
『おんな城主 直虎』で井伊直政を演じた菅田将暉氏は、『鎌倉殿の13人』では源義経を演じました。
そういう大河ネタを狙ったのでしょうが、かえって作り手の歴史知識の拙さを露出してしまったのでは?と感じます。
『どうする家康』での井伊直政は力自慢を強調していましたが、義経は腕力が弱いことで有名。
自身の腕力が弱いことは弓でバレてしまうため、危険を冒してまで弓を回収した「義経の弓流し」という逸話が残されているほどです。
そうしたエピソードを受け、『鎌倉殿の13人』では、義経が兄たちの剛弓に対して劣等感を見せる場面がありました。
腕力の弱いことが伝わってきたものです。
シリアスな大河がよかったというけれど…
大河ドラマは一年を通じて人物像が形成されるもの。
一朝一夕に世界観が構築されるわけもなく、たとえセリフで何か偉そうなことを語っても、視聴者には見抜かれてしまいます。
その結果、第40回放送のパクリは、大河ファンを失笑させました。
◆ 【どうする家康】「修羅の道」同じセリフで『鎌倉殿』リスペクトするも「重みが違う」「脚本が力不足」と “自爆オマージュ” に(→link)
松本潤氏は、小栗旬氏とほぼ同じセリフを語り、何かを主張したかったのかもしれませんが、所詮はハリボテの世界観であり、かえって無惨な結果に……。
この記事には、小栗旬氏が大河主演の大変さを語る言葉もあります。
小栗氏も、松本氏も、同世代で共演も多く、本人同士も仲が良いとされています。
そのため同列に並べる意見も少なくありませんが、大河に関して言えば小栗氏はあの年代でもずば抜けているでしょう。
1995年『八代将軍吉宗』以来、実に8作も出ています。
これだけ大河出演が多い俳優となると、一世代下の染谷将太氏が思い付きます。飛び抜けた“例外”といえるキャリアです。
◆染谷将太、31歳で5度目の大河ドラマ出演 “1作差”渡辺謙はボヤキ「俺の年齢の半分なのに…」(→link)
そこをどう読み違えてしまったのか。松本潤氏は何か空回りしているように思えます。
記事にある松本潤氏友人の言葉は、赤裸々なようで、彼の言い分をそのまま受け止めているように思えるのも気になるところです。
松本氏は『鎌倉殿の13人』のようなハードでシリアスな大河がよかったと語られています。
果たしてそうなのか?
それならばむしろ瀬名を冷酷に処断したがるのではないかと思えるのですが……彼の意見を反映させたとする脚本は、史実よりもずっと甘ったるく、緊張感のない仕上がりになっています。
私には、あの作品の作風が好きなのではなく、それがもたらす名声だけに興味があったように見受けられます。
“いい爺さん”と“悪い爺さん”
松本潤氏は、小栗旬氏ではない別の大河主演経験者に「今度は裏方に回り、プロデューサーでもやるから」と声をかけたことが記事に書かれています。
事実であれば、尊大さや記事で揶揄される全能感というより、中年クライシスを感じました。
若い俳優や女優からは、距離を置かれている気がする。
昔は平気だったのに、今は体を動かすと疲れがどっとくる。
飲み会の翌日、頭がずっと重い。
でも若い連中みたいにノンアルなんてやってられんし……もうそろそろ、若い頃のノリと美貌だけではキャリアを積み重ねていけないのかな?
周りを見れば、ダチだった連中もキラキライケメンから脱皮して、重みのある役を演じている。
俺だってあいつと同じチャンスがあればそうできるはずだ!
そう焦り、今までの積み上げた権力を行使し、振り回しているように思えるのです。
中身のないまま歳だけとった自分を慰めたくて、周りに攻撃性を発揮し、忖度を強要することで癒しを得る。
本人にとっては憂さ晴らし、一種のセラピーかもしれませんが、周囲からすれば暴君のハラスメントでしかありません。
これのどこが徳川家康の物語なのか。歴史上の人物ならば、大宝寺義氏か、皇帝ネロか、『三国志』の董卓あたりがふさわしい。
こうした松本潤氏の雰囲気について、私は文春砲だけで考えたわけでもありません。
SNSでも歴史知識、大河ファンあるあるネタを投稿しながら、批判する相手を罵倒する投稿が頻繁に見られます。
『どうする家康』は、作品そのものからも、報道からも、ファンダムからも、中年クライシスが濃厚に漂っています。
若者はおっさん臭くて見ちゃいられない。
高齢者だって幼稚さに呆れて見ない。
中年だって、何か主張したくて、忖度して見ているだけ。
そんなドツボに陥っている、極めて不幸な作品。
結果、どうなかったか?
小栗旬氏と松本潤氏の関係は、おとぎ話のいいお爺さんと悪いお爺さんを連想させます。
いいお爺さんが真面目に振る舞った結果、妖怪を相手にして思いがけぬ財産を手にした。
それを聞いていた隣の家の悪い爺さんはそれを真似て、かえって酷い目にあわされてしまう。
◆【どうする家康】「修羅の道」同じセリフで『鎌倉殿』リスペクトするも「重みが違う」「脚本が力不足」と “自爆オマージュ” に(→link)
オマージュどころか“パクリ“そのものの展開をしたところ、こんな反応が出ました。
これぞまさしく”いい爺さん“と”悪い爺さん“そのものでしょう。
正直もので勤勉であれば、お宝がもらえる。そのことを小栗旬氏は証明しています。
◆ 【東京ドラマアウォード】小栗旬『鎌倉殿の13人』で主演男優賞「いろんなことをチャレンジできた」(→link)

wikipediaより引用
私みたいに口うるさい大河ファンは、さしずめ飛び出してきた悪い爺さんを苦しめる妖怪の一匹なのでしょう。
私のような妖怪だって、正直で心掛けのいい爺さんには、お宝をくれてやるものですけどね。

wikipediaより引用
どうする大河ドラマ
第一弾に続き、今回の記事でも最後にはNHKやジャニーズ事務所の見解が掲載され、一言で言えば「否定」しております。
ただし、文春サイドの個々の質問には答えず、「事実ではない」とするのみ。
ジャニーズ事務所にいたっては「ドラマ放送の最終的な決定権はNHKにある」というスタンスの一文も付け加えられているほどです。
もしも不正確な記述があれば、以下の記事のようにメディア側に何らかの対応をさせるのでは?
◆ジャニーズとNHKめぐる記事で「裏付け取れず」 プレジデントオンラインが謝罪、記事削除(→link)
なぜ今回に限ってそうしないのでしょう。
影響力のある文春砲だけに、黙っていれば他メディアへ拡散していくのは明白であるのに不思議なものです。
『どうする家康』も10月末にはクランクアップを迎えるとか。
記事が事実であれば、凄まじい圧政に耐え続けたスタッフには「お疲れ様でした」と感謝の言葉を送りたい。
そしてNHKには、パワハラの再発に取り組んでいただきたいものです。
この記事は単なる芸能スキャンダルには留まらない、労働問題そのものでしょう。
ただでさえ時代劇スタッフは減っている。仕事量にふさわしい見返りが少ないともされる。海外の配信会社からの引き抜きも考えられる。
大河を守ることは、この国の時代劇を守ること、文化伝統を守ることです。
役者だけでなく、いわば将兵とも言える彼らにも、敬意と快適な職場環境が用意されるべきだと願うばかり。
10月末になれば、スタッフの皆さんも一時は心安らぐ日が訪れることでしょう。
ただ、なまじ目立つ大河主演俳優は、作品が失敗するとキャリアに暗い影が落ちるリスクはあります。その再起には、危機に際して「どうする?」と問い続けた経験が、生かされることでしょう。
NHK上層部は危急存亡のときが訪れるかもしれません。
スタッフを苦しめる圧政を看過したのであれば、それはやむをえないことでしょう。膿を出し切ることを願うばかりです。
◆NHKにテレ朝も…ジャニー喜多川氏「トイレ性加害」の裏でマスコミに出回る「大物OBとの密着写真」(→link)
そう思っていたところ、なんとファン感謝祭を開催するとか。
◆ 大河ドラマ「どうする家康」ファン感謝祭 ~「皆のおかげじゃ!」(→link)
それを告げるニュースの時点で、このドラマがいかにおかしかったか理解できました。
◆『どうする家康』ファン感謝祭が開催決定 松本潤、松山ケンイチ、杉野遥亮ら登場(→link)
感謝祭の宣伝記事には、次のようなドラマ紹介文が記されています。
今作が初大河となる松本は、誰もが知る偉人・徳川 家康を演じる。
国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代は、今川家の人質として、ひっそりと生涯を終えると思っていた。
しかし、三河(みかわ)武士の熱意に動かされ、弱小国の主(あるじ)として生きる運命を受け入れ、織田 信長、武田 信玄という化け物が割拠する乱世に飛び込む。
そして豊臣 秀吉、黒田 官兵衛、真田 昌幸、石田 三成と次々と現れる強者(つわもの)たちと対峙し、死ぬか生きるか大ピンチをいくつも乗り越えていく。
上記のように大袈裟に書かれていますが、そんなドラマでしたっけ?
こうしたニュースは、NHK側から提供された資料を参照に書かれているのでしょう。
だとすれば、不思議でならないのが文中にハッキリと
【黒田官兵衛】
と記されていることです。
文脈からして黒田長政の間違いではないでしょう。
つまり、どこかの時点で何らかの都合により黒田官兵衛が消された可能性がある。そして、そのままファン感謝祭が開催される、と。
真摯に大河ドラマを作っていたら、こんなことが起こり得るのでしょうか。
あわせて読みたい関連記事
-

文春砲で告発された『どうする家康』松本潤さんの横暴は本当か?徹底検証
続きを見る
-

どうする家康全48回の視聴率速報&推移! 過去7年分の大河と比較あり
続きを見る
文:武者震之助(note)
【関連記事】
どうする家康全視聴率
【参考】
どうする家康/公式サイト


