鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー

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鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第2回「佐殿の腹」

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鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第2回「佐殿の腹」
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頼朝は挙兵をするつもりがあるのか?

比企能員と道夫妻はお怒りです。

料理も無駄になった。前もって佐殿の心を確かめろ。勝手に進めたんじゃないのか、とネチネチ義時を責めて来ます。

しかし比企尼がキッパリと「まともに聞くことはありません」と言い切る。

このものたちは口ではああ言っているけれども、心の中では佐殿が来なくてほっとしているのだから。

そしてこう付け加えます。

「佐殿にお伝えください。比企尼はいつでも殿をお待ちしておりますよと」

なんとか話はついたものの、義時はため息をつきます。

義時の仕事は終わりません。次は八重に伝えるという地獄のような難題が……。

義時は八重に、思いのほか北条の守りが厳しくて抜け出せない、それでもまた会えることを祈っていると伝えます。

優しい嘘をつける。それが義時です。

爺様こと伊東祐親三浦義村は罠にかけるために嘘をつくけれど、義時は痛みを和らげるための嘘をつく。

しかし八重は手にした木の実を投げつつ、こう言います。

「もっとまともな嘘をつきなさい!」

八重は命懸けでここに来ている。父に咎められれば自害する覚悟もあった。なぜ、あなたも命懸けで嘘をつかない? そんなことで私を騙せると思ったか!

「なぜじゃ! なぜ佐殿はお見えにならぬのじゃ! 言いなさい!」

そう怒りをぶつける八重。頼朝め、こんな可憐な女性になんてことをしてくれたんだ。初恋の相手にこんなことをやらされる義時も気の毒でなりません。

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義時は宗時に、八重さんが気の毒でならないと漏らします。

宗時が「同じぶんだけ佐殿もお辛いのだ」とわけのわからんことを言うと、義時は、確認したいことがあると言い出します。

頼朝は挙兵をするつもりがあるのか?

そう問われた宗時は戸惑っています。

「はぁ……やはりそうですか」

「どういうことだ?」

宗時は勢いだけで、佐殿は平家を滅ぼすつもりに違いないと言う。しかし、肝心の頼朝が挙兵しないと言っていたことを義時が明かします。

「兄上は思いが強すぎる!」

いま、義時がすごくいいことを言った。そうですね、思いだけではどうにもならない。

が、しかし……。

「佐殿は俺を試しておられるのだ!」

おいおい、宗時、なんだか変な神頼みに向かってませんか? まだまだ我々のことを信じられぬから試しているそうです。

「なるほどそういうことか!」

「違うと思います」

そう言っても通じず、兄は挙兵をすると言い切るのでした。

人間心理かもしれない。陰謀論にハマった人みたいな思考回路ではある。生々しさがあるドラマです。

何がおそろしいかって、宗時はごく普通、どころか聡明そうに見えるところでして。

あの見た目でありながら、ネジが数本すっぽ抜けた爽やか疫病神だなんてそうそう思えないわけですよ。

『麒麟がくる』で片岡愛之助さんが演じた今川義元を思い出すと、これまたおそろしさを感じます。

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りくにメロメロな親父殿

さて、そのころ時政はお怒りのご様子。

新妻りくを迎えたのに、家の中に誰もいないじゃないか!

戻った息子にそんな不満をぶつけています。しかも姉上こと政子は湯河原デートだってよ。止めなかったのかと嘆く義時。

宗時はむしろ政子と佐殿がそうなったことに喜んでいます。佐殿を婿にすれば盤石だあ! と、八重のことなどスッカリ忘れたかのように浮かれています。な、なんなんだこの人……。

時政はりくのことで頭がいっぱいだし。

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もうコイツらどうにもならんとばかりに、頼朝が土肥実平の元にいると聞き出した義時は現地へ向かうことにします。

ここから先は見ていて胸焼けしそうな時政とりくの時間です。

「腹はすかんか?」

そう言いながら新妻に近寄っていくあたり、坂東武者らしい野蛮の極みで、もういっそ一周回って清々しい。

この時代、京都の女性にとって食欲を見せることは、性欲を露わにするぐらい恥ずかしいもの。

しかし、りくはわかっています。

彼女は妖艶です。他の皆さんに嫌われようと、しい様がいればそれで満足と色香を見せます。

すごいことになってきた。

政子の健康的な色気とは違う、退廃的な魅力。

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「かわいいのう、ふふふ……」

メロメロになってしまう時政、もう見ちゃいられないよ。侍女のくまも目線を逸らす。まったくけしからん大河だなぁ!

 


政子と八重が対峙

義時は土肥の元へ向かいます。なんでも頼朝は朝湯に入っているとかで、義時も入ることにします。

政子はいませんでした。頼朝が誘ったけれども断られたようで、まだ早いと言い、伊東へ向かったそうです。

「やめておけ」と止めたのに、政子はどうしても八重と話したいことがあったそうです。

では政子は何をしに伊東へ?

八重と対面した彼女はこう言います。

佐殿の心は、すでに八重殿から離れている――。

八重はムッとしつつ用件はそれだけかと言います。大事なことだと政子は返し、頼朝が寄越したのではなく、あくまで一存で来たと告げる。

何故そのような図々しい真似をするのかと問われると、八重の頼朝への思いを断ち切るためだと言い切ります。

八重は悟ります。

目の前にいる政子こそ、今の頼朝の思い人であることを。伊東から北条に乗り換えたことを。

そして、次の思い人である政子に、頼朝のことを伝えます。

彼は、決して心の内を見せない。喜んでいると思えば機嫌が悪くなる。ついていくのが一苦労。

寝汗をかかれることがあるから、枕元には常に手拭いを置いて、首の周りを拭いてあげること。

「かしこまりました」

「あと……もうよい」

「後はおまかせくださいませ」

「思いを断ち切ることはできぬ。しかし断ち切るようには努めます」

そう語りあう二人。なんという残酷な会話でしょうか。

八重は悟ってしまった。頼朝は、自分ではなく伊東を求めていたこと。それが明らかになれば、かえって恋心を消しやすいかもしれないけど、事はそう単純でもないのでしょう。

 

義時にだけ胸の内を明かす頼朝

義時は頼朝に、姉をどうするつもりなのかと詰問しています。

馬に乗り換えるように、八重から姉に乗り移ろうとされているのか? とても承服できない。姉を渡せない。そうキッパリと言います。

「ふふふ。まこと、きょうだい思いのよい弟よの」

「出て行ってください、北条から」

そう言われると、頼朝お得意の話を始めます。

伊豆に流されてきたとき、わしは一人だった。身の回りの世話をしてくれるものはいる。比企尼のように何かと気遣ってくれる者もいる。

しかし、わしには身内がおらん。

いざという時に力になってくれる後ろ盾がおらん。伊東の者たちそうなってくれることを望んだ。しかし考えが甘かった。

そこに北条が現れた。

もう失敗はゆるされない。わしには時がない。わしは北条の婿となり、北条を後ろ盾として、悲願を成就させる。それゆえ政子殿に近づいたのだ。

「悲願……」

唖然とする義時。

「お前だけには話しておく。いずれわしは挙兵する。都に攻め上り、憎き清盛の首をとり、この世を正す!」

「お待ちください!」

戸惑う義時。頼朝は続けます。

「法皇様をお支えし、この世をあるべき姿に戻す! そのためには政子が、北条が欠かせぬのだ。よいな。ことは慎重に運ばねばならぬ。このことは兄にも話すな。小四郎、お前はわしの頼りになる弟じゃ」

「ははっ!」

見つけてしまった。

義時も姉と同じく、運命を頼朝の中に見出してしまったのです。

ものすごく劇的なようで、ドス黒さもそこにはあります。

頼朝は、あれほど情熱的な宗時は信じていないであろうこと。逆に、義時の器を見極めているからこそ胸の内を明かした。

八重の懸念通り、頼朝は恋を利用していた。

法皇を支えるという言い回しからは、頼朝の思考が見えてくる。彼は朝廷と対立するつもりはない。それどころか接近傾向がある。

現時点では誰しもそうだとは思えますが、頼朝は、自分に天命があると考えているのでしょう。

しかし、それがまさか、自分が天命実現のために選んだ女の側にあるなんて、思いもよらないはず。

思惑から結びつく頼朝と政子。

この二人の運命を思うとまったくどういうことかと思えてくる。

その運命に巻き込まれ続ける人物が、このドラマの主人公です。

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