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【麟がくる第28回感想あらすじ】
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藤孝も抱く幕府内人事への疑問
兄・三淵藤英が評定で静かに奮闘している一方、弟・細川藤孝はどうしているのか?
おりました。三好の郎党に味方する国衆を絶つために、書状を送っています。
そこへ光秀があいさつに来ました。
なんでも、山城・勝竜寺城主に任じられたそうです。光秀は、藤孝殿にはうってつけだと褒めます。
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そんな挨拶のあと、摂津晴門が幕府の実務を抑え、仕切ることをどう思うのか。話題はそうなります。
確かに幕府を仕切るのならば、その方が早くできる。当面仕方ないとはいえ、それでよいのかどうか。
何と言っても彼らは義輝を助けられなかった体制なのです。
幕府の中を一旦洗い直す意義を光秀は訴えます。藤孝も思いは同じですが、兄の藤英はそうは思っていない様子。だからこそ光秀がいれば心強い、何かと相談したいと言います。
二人は幕府改革の意思を確信して、別れるのでした。
気持ちがわかるところはある。『はだしのゲン』には鮫島伝次郎という町内会長が出てきます。
戦時中、主人公中岡一家をさんざん「非国民め!」といびっておいて、戦後は「平和」だのなんだの言い出すわけですけれども。こういう鮫島めいた人物を、日本の社会はどう扱ってきたのか? 例えば、歌謡界はどうでしょう。
改心を否定するわけじゃない。人間誰しも変わってよい。
けれども、政治体制なりなんなりが変わったところで、さしたる罰もないまま、しれっと中身がそのままじゃ、さして変わりがないだろうよ。改革って言えるのかよ。ふざけてんのかよ……そういうモヤモヤ感は残りましょう。
大河でなくて、NHKのもう一枚の看板ドラマの話でもあります。
戦時中、軍歌をガンガン作っておきながら、うやむやになって鐘がどうした、オリンピックだと言われたところで、それってどうなのよ? そういうツッコミを盛大にしたい気持ちはある。
故人をどうこう言いたくもないけど、そんなもん朝っぱらから受信料で流す、そういうドラマの題材にしてよいものかどうか。
池端さんは、まさしくそういう上の世代を見てきた方でもあると。
茶器の価値
「十兵衛!」
このあと光秀は、廊下で久秀と出くわします。
なんでも信長に土産物を渡せたそうです。九十九髪茄子の茶入れを渡したのに、あまり値打ちをよく知らない、千貫で売れると申したら喜んでいたと、ホクホク顔です。
ちゃんと九十九髪茄子もここで映されます。光秀もよくわかっておりません。
「つくものちゃ?」
「なんだ、おぬしも知らんのか! あーよしよし、今度ゆっくり、茶道具のことを教えてやる」
久秀はここで、光秀に接近して来ます。
そのうえで耳に口を寄せて、越前の朝倉義景がここに来て怪しいと告げるのです。
三好と六角と手を結んでいる。成り上がりの織田などに従えるか――そう思っているのだと。
光秀の脳裏に、義景の姿が浮かびます。
松永久秀から、織田信長とともに上洛すればよいと書状が届いたと語っていた。
そのうえで、織田と一緒というのが気に入らぬが、と言っていたことも。
史実でも、この後、朝倉との対立が深刻化していきますね。
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本国寺(本圀寺)の変
京・内裏では、同9月、朝廷より正式に義昭が第15代将軍となりました。
ここで義昭と信長が馬に乗ってまた来る。義昭は八の字眉毛、信長は逆八の字眉毛。この二人は、表情から何から何まで正反対でおもしろい。
そんな信長は、将軍を見届けると慌ただしく岐阜へ戻ります。
永禄12年(1569年)正月――三月も経たぬうちに、事件は起きました。
幕臣となった光秀は、馬の嘶き、足音、喚声を聞きます。
刀をもち、飛び出す光秀。なんと三好の軍勢が、将軍のいる本国寺(本圀寺)を襲撃をしたのでした。細川藤賢らも慌てる中、藤孝は自分の城にいる。将軍は極めて手薄な中にいるのです。
けれども、こうも手薄な中、ピンポイントで襲撃するとなると、何らかの情報漏洩がないとできないのでは?とも思える。
光秀は将軍を守ると誓い、義昭を救い出します。
朝霧、銃声、喚声。音響も演出も魅せる中、将軍を地下へと導く光秀。
将軍になった直後の義昭が襲撃される! 本圀寺の変で何が起きた?
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地下で義昭は、信長が岐阜に戻った途端これだと嘆きます。光秀も、まさか光秀がここまで押し寄せるとは油断していたと侘びます。
義昭はしみじみと、この都は穏やかでなくてはいかんと語ります。
父も、兄も、都を追われ、長く悲しい思いをしてきた。都に帰りたい。花咲き誇る都に――そう近江国で会うたとき、しみじみと語っていたと思い出す義昭です。我らにとって、ここは夢の都であったののだと。
光秀も答えます。父は、土岐様のお供でよく都へ参ったことを、幼き頃からよく聞かされていたそうです。都、室町は美しきところだと。
「その美しき都に戻さねばなりませぬ」
「自信はあるか?」
「ございます。それゆえ、家臣にお取り立てていただきました。妻や子も、いずれ都へ呼び戻すつもりでございます」
そう語る光秀に、義昭は住むところは摂津晴門に探させて良い所を与えると言います。案ずることはないと。
ただ、光秀は喜べません。家のことではない。腐敗した晴門に、疑うことなく任せる。そういう義昭に不安が湧いて来ているのでしょう。
駒はたくましく、賢く、強くなっている
そのころ、駒の薬は量産体制に入っておりました。家内手工業状態です。
そこへ東庵が帰ってきます。
なんでも本国寺で戦をやっている。上洛以来、明智様のお側にいられる。そう心配をしているのです。
「本国寺で!」
せっかく京に来られたのだ、一度明智様に会いに参ろうと申していたのに、まさかこんなことに……そう嘆く東庵。
今行ったところでどうにかなるものではないと、駒は返します。
動揺は顔には出ているようで、落ち着こうともしている。これまた複雑なところではある。駒はかつて光秀に恋をしていたけれど、今はそういう少女時代を終えました。
うん、門脇麦さんがこれまたどんどん変わって来ている。人間はこういうものだという気もする。成長して、いつまでも恋愛感情ばかりでもないでしょうね。どうにも、駒や帰蝶はそこをやたらとクローズアップする見方があって、私は違和感を覚えるのですが。
むしろ駒はたくましく、賢く、強くなっている。
かくして、三好の軍勢は幕府側の堅い守りを攻めあぐねており、さらに足利に味方する大軍の接近を知ると、二日間の攻防の末、形成不利と見て退却したのでした。
そのことを駒は若い男から聞き、東庵に報告します。なんでも六条の人に、様子を知らせてくれと頼んでいたとか。
駒はここで、きっと怪我した人が大勢いるはずと言い切る。そして東庵に一緒に行こうと言い切るのです。
すっかりたくましくなりました。東庵は「そうだ!」と言い、本国寺へと向かいます。
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