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山県放置は……絶望的にセンスがない
このあとは山川浩だ!
と思ったら木戸孝允退場でした。玉鉄さんの無駄遣いが最後まで嘆かわしかったなぁ。
木戸孝允(桂小五郎)の出世道~なぜ維新の三傑に数えられる存在となれたのか
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というか、ですね。
なぜ、山県有朋を放置するのでしょうか?
西南戦争がらみの長州閥出身者で美味しいエピソードがあるのは、西郷を慕っていた山県でしょう。
本当に今回の脚本は、絶望的にセンスがありません。
いまさらだけど、以下の記事でお勉強をオススメします。
松陰の影響で狂介と名乗った山県有朋~西郷を慕い滅ぼした生涯85年
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大山綱良は投獄されておりました。
秋月悌次郎の頃はよかったなぁ。って、それも『八重の桜』での北村有起哉さんの話ですね。
この場面、要するに大久保のブラックアピールなんですよ。
もうエエっちゅうの。
大山は悪いでしょ。県の税金を勝手に西郷の私学校に使ったわけですから、弁解の余地はありません。
小兵衛も久武も『どなた様ですか?』状態
本当に不要な場面ばっかりだなぁ。
と思うのは、糸子ら留守家族が陸軍の保護を拒む場面もそうでした。
西郷3番目の妻・岩山糸~夫の銅像を見て「こげなお人じゃなかった」と頑なに否定
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なんだか政府がともかく悪いと言いたいようですが、その政府を作るために「戦の鬼」ドヤァしていたのは西郷どんです。
小兵衛の死にも、何ら情感が湧いてこない。
だって『誰だっけ?』という気持ちが湧いてくるぐらいですからね。
大して繋がりも描いてなかったのに、それを思い入れしろと言われたって土台無理な話。
それは桂久武も同様です。
久武については、名前を呼ばれるまで本気で誰だか気づかなかったレベル。
彼も西南戦争では一つエピソードがあり、そのために慌てて駆り出されてきたんだなぁ、という印象しかありません。
西郷の親友となった桂久武(赤山靭負の弟)西南戦争には不参戦の予定だったのに
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気づいたら兵が激減、推移がわからん
深いレベルで繋がりが描けていないから、ストレートに話を追っても感動なんかしない。
ゆえにこのドラマでは、悲しいBGMをテロテロ流し、これみよがしに「泣けるでしょ?」というあざといアピールばかりされます。
ダメドラマの典型パターンですね。
菊次郎推しが本当に意味不明。
足を切断したところでだから何だ?という気分です。語り部だから? 泣けんわっ!
そして2万を超えた西郷軍は、3千まで減ることになりました。
けど、その推移がわかりづらいんだなぁ。
どうして苦戦したのか?
戦略的なミスなのか、海軍力のなさが影響しているのか?
そういう軍事的な考察が一切少ないので、
・政府軍を待ち受けて山の中でドタバタしていたら
何がなんだかわからねーが、人が減っていたんだぜ、というポルナレフ状態。
あんだけドヤ顔して熊本鎮台を「クソチン!」とかイキッていたのを見たばかりなので、『ざまあみろ』という思いすら湧いてしまうのです。
民を救うどころか地獄を見せていた
地域住民から食料を差し出されて喜ぶ西郷どんも、見ちゃいられない。
こんな捏造美談をよくやりますよね?
地域住民に対して「従わねば殺す」と言い、無理に動員し、食料を強奪。
婦女暴行やら放火やら、農作業妨害やら、地域住民の生活を壊しまくった記録もあるんですよ。
たしかに東京では、西郷どんに歓声を送り、応援する人も多数おりました。
それは西郷隆盛が支持されていたというより、単に明治政府が失望されていただけのこと。
近年の幕末大河で触れない不都合な歴史~江戸の街や大奥は明治維新でどうなった?
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本当に、『西郷どん』は罪深い作品です。
戊辰戦争と西南戦争で、そこに生きて暮らしていた人々を殺し、奪い、不幸のどん底に叩き込んだ西郷どんを、民を思う善意のとして描くのですから。
軍服を燃やしたところで『だから何?』としか言いようがありません。
最後までフェイストゥフェイスシステム
このあと、西郷どんと糸子が再会する【フェイストゥフェイスシステム】発動しました。
初回から最後まで結局このパターンでしたね。
島津斉彬と幼少期の西郷どんがムリヤリ出会う。
流刑先に大久保がやってくる。
慶喜とも無血開城前後に顔を合わせる。
吉ニ郎の死にも立ち会う。
要は、遠くにいる人と人の繋がりを、当事者たちが会えないからこその深い情を描くことができない。
そんな力量でよくもまあ、大河ドラマを作ったものです。
時代モノは、物理的な要因から、簡単に顔と顔をあわせられないのが普通でしょうに。
こんな捏造をやるくらいなら、山県有朋の手紙について紹介して欲しかった。
史実の良いことを調べて知らないのか、それともセンスがなさすぎて省くのか。どちらであるかは知りませんし、どうでもよいですが、結局のところ力量がないことだけは伝わってきます。
まぁ、山県の話を削った理由は、なんとなく推察できますよ。
来週、逆転もありかもしれませんけどね。
要は、政府は全員悪人だと言いたいのでしょう?
初回からそうでしたね。
西郷どんは悪くない、敵対者がぜんぶ悪い。
そんな子供じみた言い訳を一年間垂れ流しただけでした。
最終回に延長がありませんように!
紅白歌合戦から締め出されますように!
もう来週は『いだてん』の予告だけが楽しみです。
総評
はい、総評もあと二回だと思うと嬉しいですね。
ニュースから見ていきましょうか。
おっ、マジか!
西郷どん自体は呆れるばかりでしたが、もしも演技面で評価がもらえていたらいいじゃないですか。
と、思ったら……。
好演を受けて「時代劇への出演オファーが相当数、舞い込んでいる」といった内容の記事が出たりもした。「マネジャーさんに確認したら、『1本もオファー来てない』って言われた」と否定しつつも、今後に向けては「マネジャーにはしっかり、その気はあるぞって伝えてあります」と色気を見せる井戸田さんに、初の大河ドラマを振り返ってもらった。
なんだよ、この記事タイトル。
完全にミスリードじゃないですか。いいんですか、大手紙でこんな手法を使って。
正直、本作の桂久武なんてモブその13くらいの印象しかありませんでした。
今日も誰だかわかりませんでした。
そもそも、本作で好演した人……いましたっけ?
徳川慶喜役の松田翔太さんくらいかな。
酷い現場への対抗意識が垣間見えました。それでも、これまで彼が演じた役の中では低評価になると思いますが。
村上さんは、山県にはハマリ役だと思います。
あの暗い影や個性をうまく出せると思います。ご本人も役柄を理解しようという、そんな気持ちがあるわけですし。
それなのに、本作は……。
西南戦争で西郷を助命すべく苦悩していた山県はガン無視。
西郷のドラマなのに、山県を金に汚いただの小悪党扱いにするって酷い……。
12月16日に最終回を迎えるNHK大河ドラマ「西郷どん」で大久保利通を演じてきた俳優の瑛太さんも「『冷徹な独裁者』というイメージは人々が作り上げたものだと感じます。今回のドラマではこれまでと違う大久保像を見せられたのではないか」と語る。
瑛太さんが、新たな大久保だのイメージを覆しただの、言っているのも……ごめん、哀しいです。
確かにその通りですよ。
しかしそれって「冷酷非情」から「ヘタレクズ」になっただけやーん!
もちろん、瑛太さんのせいじゃない。酷い脚本と演出のせいです。
そして、本日、最も泣けた記事がこちら。
◆『西郷どん』鈴木亮平がブログで語る“幕末の謎”が深すぎる!(→link)
本作最大の問題点。いや、問題点の塊でもうどうしようもありませんが。
それは、役者の方が脚本家やスタッフよりも、史実を理解して調べていることです。松田翔太さんは、そのことをチクリと語り抵抗感を見せる、そんな性格です。
しかし、他の役者さんはそうも出来ないらしく……瑛太さんにせよ、鈴木さんにせよ、皆痛々しい気持ちが伝わってきます。
こんなドラマに出てしまった彼らには、同情を禁じ得ません。
大河ドラマが役者の花道であったことは、もう過去なのかもしれませんね。
あ、これも泣いた……。
◆脚本家・中園ミホ、西郷隆盛の曽孫・隆文さんに大河ドラマ「西郷どん」への思いを聞く(→link)
御子孫にポジティブ対応を得られればそれで免罪符って狙いがチラホラ見える。
むしろ苦言を呈していた現島津当主とも話し合って、ビシバシと駄目出しをされて欲しかったなぁ。
『天地人』は、プロデューサーが山形県でトークショーを行い、冷たい対応をされたらしいですね。
そういうことがあったから、防衛しているのかもしれません。
もう気力が尽きかけております。
今週のサブタイトルは「西南戦争」です。
戦争とは何でしょうか?
その地域に暮らす人々の暮らしを変質させ、奪い、無茶苦茶にするものです。
西南戦争の悪影響は、長いこと鹿児島を苦しめ続けました。
そういう破壊者としての西郷隆盛の像は、曖昧なままにされてしまいました。
国を思い戦った殉教者のような扱いを受けてきました。
もしも彼の死から140年という節目に、一年間じっくりとその姿を描くのであれば。
彼が鹿児島にどんな災厄をもたらしたのか。
そこも描くべきでした。
それすらできない。
初回からずーーーーーーーーーーーーーーーーっと
・西郷どんはモテた
・エエ人
そればかりです。
だったら聞きたい。
それだけモテな人物なのに、暗殺されそうになったから周囲に大迷惑かけながら進軍する西郷どんって何なのでしょう。
これは一体、どんなギャグですか?
一年掛けて、何がしたかったんですか?
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著:武者震之助
絵:小久ヒロ
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【参考】
西郷どん感想あらすじ
NHK西郷どん公式サイト(→link)等