2018年の大河ドラマレビュー――『西郷どん感想あらすじ総評』で捧げる言葉は?
「チェスト関ヶ原!」
正直、これしかありません。
本来の意味である「島津豊久公の関ヶ原撤退(島津義弘の島津の退き口)を思い出してがんばろう!」ではない。
『衛府の七忍』はじめ、『ポプピピテック』やらインターネットでおなじみ「島津家の隠語で”ぶち殺せ!”を意味する」ものですね。
むろん関係者の皆様を脅したいワケじゃありません。
ただ本作に、これほどふさわしい言葉があったか?
そう痛感すると同時に、そもそも今年の総評は、もう【繰り返さなくても】よい気すらしています。
何を繰り返すか?
って、その対象は『花燃ゆ』総評です。
2015年の『花燃ゆ』からわずか3-4年。
短期間のうちに2度もやりよった西郷どんは、コケた理由がだいたい同じで、より悪質とも言えます。
なんせ
・維新三傑の一人が主役
・明治維新150周年記念
・豊富な番宣、持ち上げ記事
という素晴らしい素材が整っていたのに、花燃ゆと比して、わずかばかり視聴率が上回っただけ。
【大河・平均視聴率ワースト3】
2012年「平清盛」12.0%
2015年「花燃ゆ」12.0%
2018年「西郷どん」12.7%
とにかく残念な結果しかありません。
そこで今年は『花燃ゆ』の総評を踏まえつつ、
・より悪くなった点
・逆に良くするには?(不幸にして本作に関わった方や大河枠の大逆転を探る!)
そんなところに注目したいと思います。
前向きでしょっ!
もちろん甘い言葉で包む気は一切ありません。
薬丸自顕流の如く、猿叫しつつ前進あるのみ――新選組すらビビらせた覚悟で筆を持ちます。
もちろん作品の好き嫌いは自由ですから、西郷どん肯定派の皆様を否定はしません。
甘い思い出と共に本作を振り返りたい方は、ここでお帰りくいやんせ。
一の太刀「事前予想がバッチリ的中しもしたなあ!」
今年の大河は、初めから駄作になるとわかっておりました。
ちょっとおさらいしてみましょう。
最初にダメだ……と思った時期。
それは2015年の『花燃ゆ』総評を書いていた頃です。
私はこんな風に記しておりました。
大河を政治利用をしようと目論む人がいて、さらにNHK上層部がその誘いにホイホイ乗り、まともな神経の周囲が逃げ散るという状況になりますと、あの器用な二人が再登板することは大いにありえると思います。あれだけの大失敗をしておいたのだからもう繰り返さないだろう、というのは楽観的な見通しで、また胡散臭い状況が重なると何度でも同じことが繰り返されると思うのです。
そしてその悲劇が再度起こりうる最初のピンチは、明治維新150周年であり、二年連続の戦国大河のあとにあたる2018年です。
もう『花燃ゆ』のことなんて忘れたい。『真田丸』のことだけ考えたい。そんな思いを抱きつつ、しつこくこの原稿を書き上げたのは、2018年に悪夢を繰り返さないためです。この予言がどうか当たりませんように!!
予言が当たらないで欲しい><;
妙な考えで明治維新150周年をやったら、駄作間違いナシやで!
と宣言し、そしてその予感は、西郷どんの情報が小出しになればなるほど、見えて参りました。
それが以下の『西郷どん率直予想』記事です。
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2018年大河ドラマ『西郷どん』を率直予想! 大いに期待したいけど悪夢が頭をよぎるのです
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私は決して『西郷どん』に失敗して欲しいと思っているわけではありません。
昨年の『花燃ゆ』総評の時点で、2018年大河も作り手の姿勢によっては、同じ轍を踏みかねないと警戒しておりました。その予感が、現実となってもまったく嬉しくはありません。そうならないためには、いくつかの条件が必要でしょう。幕末だけではなく薩摩専門の考証、できれば複数名をつけること。歴史が好きで敬意を払える脚本家を起用し、脚本家は考証の意見を取り入れ誠実に作品を仕上げてゆくこと。今からでもこの条件がクリアできるのであれば、望みはあると思います。
しかし残念ながら、公式発表の時点で篤姫や坂本龍馬の名はあっても、大久保利通の名がない時点で、嫌な予感は的中するのではないかと思います。
この予想が大きく外れることを、私は心より願っております。
いかがでしょう。
結局は、歴史好きな脚本家どころか、考証が反映されたようなストーリーには全く見えないお粗末な描写。
そして、西郷どんの第一回放送が始まる直前の2018年1月6日に書いた記事が以下のものです。
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大河ドラマ『西郷どん』超直前予想! BLやモテ要素で、やっぱり不安は拭えない
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私個人としては、来年の大河は「凶」と見ます。
視聴率はそこそこでも、ドラマの質は厳しくなりそう……という意味です。目に見えた地雷はありません。
しかし、一昨年『真田丸』と昨年『おんな城主直虎』よりも不安要素が多めに感じられます。一昨年と昨年は、予想が難しいなりに、ワクワクする手応えがあって、これはいけるのではないかと思ったのですが、今年は残念ながら、正直なところ……雨が降る前の、暗雲が目の前に見えるのです。
全部当たったわ、うん。
まあ、驚きはないかな。
◆プラス材料がズラリ NHK大河「西郷どん」期待大のワケ(→link)
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この記事を書いた方、今どんな気分かな?
まぁ、本人が面白いと思っているならばそれでいいっす。
ただし私の予想も全部的中したワケじゃなく外れたところもあります。
視聴率はそこそこでも、ドラマの質は厳しくなりそう……という意味です。
【視聴率はそこそこ】取れる……と思ったのに、なんじゃこれ!
なんつっても主役は西郷隆盛ですよ。
どう転んだって、激しくつまらなくはならないだろうし、元々の人気も高い。
しかし……。
実際に始まった第1回放送。
以下が、そのレビュー記事です。
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『西郷どん』感想あらすじ第1回「薩摩のやっせんぼ」
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上記の中ではどんな風に、その先を予測していたか?
再び引用させていただきますと。
そんな状況を受けて、今後の大まかな流れを予想しますと……。
2月までは絶賛記事が出るでしょう。
叩かれるとしたら3月以降(ただし1~2ヶ月程度のズレあり)で、急死する島津斉彬はじめ、序盤の豪華キャストが抜けた分、補えるかどうかがポイントになります。後はざっとこんな感じでして。
・視聴率は『八重の桜』のプラスマイナス1~3パーセント程度
・歴史ファンの評価としては、幕末大河だと『八重の桜』よりかなり下、2015年のやや上に落ち着く
・歴史に興味がないファンの評価としては、『八重の桜』より上に落ち着く
・SNSでの熱気は『真田丸』、『おんな城主 直虎』には及ばない
・観光への貢献度は、明治維新150周年も重なため『直虎』以上、しかし『真田丸』以下に落ち着く
・幕末版『軍師官兵衛』という立ち位置になるといったところです。
もうね。
視聴率も悪いどころか、一桁達成も果たし、ワースト3にランクインじゃないですか。
大河ドラマ館も入場者数は最低クラスですし、放送期間中に島津家現当主から駄目出しもされました。
井伊直政も活躍させたにせよ、無名の女性主人公・井伊直虎を下回るって、維新三傑でどういうことなん?
おかしいでしょ?
あのですね。
「私の予知能力すごいでしょ!」なんて言いたくないんです。
むしろ外れて欲しかった。
編集さんも大いに嘆いておりました。
『大河の駄作だけは本当に勘弁して! ドラマが盛り上がらないとアクセスに響く!』
いや、そんな編集サイドの事情を言われましても――と皆さん思うでしょうが、ともかく私が言いたいのは……。
よくもまぁ、こんなクソ路線を予想そのままに突き進みおったな!ということです。
大河主演歴のある方が
「明治維新150周年には、くだらないお上主導のイベントがあるだろう」
という予想を、はるか以前からしておりました。
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そうです。
文太兄ぃと半藤一利さんです。
お二方の【先見の明】には驚かされるばかりです。
二の太刀「わっぜアツか【幕末最低薩長同盟】でござおいもす!」
そんな本作にも意義はありました。
マトメてみますか。
『八重の桜』
『真田丸』
『おんな城主 直虎』
といった良作を再認識できたのがその一つとして、あの『花燃ゆ』ですら「西郷どんよりはマシな部分もあったかもしれない」と思わせたところですね。
数字的にも『花燃ゆ』だけが視聴率一桁を達成するわけではない――そんな熱い薩長同盟を見せてくれました。
同盟だけでは物足りません。
これを機に【最低大河ドラマ四天王】も決めておきましょう。
【大河ワースト四天王】
戦国男性主人公部門:『天地人』(2009)
戦国女性主人公部門:『江〜姫たちの戦国〜』(2011)
幕末女性主人公部門:『花燃ゆ』(2015)
幕末男性主人公部門:『西郷どん』(2018)
どうでしょう?
大河好きの多くは異論はないのではありませんか。
ただ、言っておきますよ。
あくまで四天王だからね!
五番目はいらんからねッ!
最終回のあと、とある山口県民の方から、こんなツイートを見かけました。
「『花燃ゆ』で味わった地獄を味わうがいい、フハハハ!」
いやぁ、目頭が熱くなりましたよ。
終わってみれば、長州だけがドン底ではないと手を差し伸べた――そんな「薩長同盟」効果が発揮されたのですから。
ただし、これが幕末のリアル「薩長同盟」と違う点は、会津を倒すどころか、会津大河『八重の桜』が最高だったと確認するためのものになったことですかね。
150年を経て、会津が大河ドラマで薩長に勝利したと考えれば、意義はバッチリあったかもしれません。
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実は2015年と2018年、私には確実に当たると思っていた予想がありました。
それが『八重の桜』の再評価――です。
2013年の同作放映中は、
「日曜夜八時にはヘビーすぎる」とか
「負ける連中の話なんていやだ」とか
「薩長を悪役にしやがって」とか
とにかく色々言われました。
けど、なんなんですかね。
2015年と2018年の薩長同盟大河を踏まえて、八重の評価が爆上げじゃないですか。
「会津サイドから見た薩長が嫌なら、今度はそちらから語ってください」とバトンを投げられた花燃ゆと西郷どんは、、真正面から歴史と向き合うのを放り投げ、挙句の果てにオニギリやウナギに逃げ込んでいるのですから目も当てられません。
まぁ、避けて通りたい都合の悪い歴史もありますからね。
それでも真摯に向き合えば、いくらだって名シーンにできたのに、結局、逃げた。
んなもん、駄作になるに決まってるじゃないですか。チェストーーーーーー!!
あ、あと他に良かった点がまだあります。
『あさが来た』再放送の五代友厚(薩摩藩士)
『ゴールデンカムイ』の鯉登少尉
『ドリフターズ』の島津義久
『衛府の七忍』のぼっけもん
彼らがやたらカッコ良く見えるようになりました。
それもこれも『西郷どん』を最低最悪の薩摩に仕立て上げてくれたからで、無意識のうちに本当の薩摩隼人を欲していたからかもしれません。
三の太刀「見習いたか! ライアン・レイノルズ魂」
本作の容赦ないレビューに対して、
「それでも役者さんは頑張ったでしょ!」
「一年大河を演じた役者さんに敬意すらないの!?」
という意見もあります。
が、声を大にして言いたい。
『そげんもん知ったこっか』
役者っていうのはプロなんです。
出演作品が駄作ならば、ぶったたかれてナンボ。演じただけで「えらいでちゅね〜」と頭をヨシヨシナデナデペロペロしてもらえるのは、お遊戯会か文化祭までですから。
逆に名作であれば、脚光を浴び、称賛の言葉が並ぶワケです。
なんでリスクを負わずに、利だけ得られると思うのか。
俳優のお仕事って、そういうものでしょ?
ファンだからともかく褒めろ、私が好きな役者をけなす貴様は許さんぞ系の方がおられます。
それって、
「あの役者のファンは信者みたいで気持ち悪っ! 役者本人はいいけど、ファン層が気持ち悪いから近づくのやめとこ!」
となる危険性だってあり、逆効果です。
ましてやNHK看板番組の主役となれば、そりゃあ座長・総大将扱いですよ。
駄作であれば非難を浴びるかもしれない――そんなプロの覚悟すらない役者さんたちだったのですか?
その見方のほうが侮辱極まりない。
ただし!
主演はじめ、熱演した役者さんを貶めることはしたくない。そこで、救済案をあげてみます。
まず本作のキャストについては言いたいことはあります。
個々人の問題ではなく、集めた側の問題です。
大河ドラマには、夏枯れ現象があります。
どうしても夏のあたりに大事件が起こるか、主人公の親世代が退場してしまいます。
こうなると、若手役者が追加されます。主人公の子世代になることもありまして、どうしても若返るのです。
こういう要素が響いて、後半息切れすることがあります。『花燃ゆ』のときは露骨なほどで、後半の追加キャストは役者が本職でない方が増えました。
「えっ、まさか私が大河に出られるなんて!」
という感覚で出てくる人が増え、後半になるとプロの役者がキレてしまった感がありました。
おそらく今年は、この轍を踏まないように工夫したのだと思われます。
しかし、そのやり方はゲスの上塗りとも言えるもの。しかも通年そうでした。
主演の方にしたって、当初予定していた役者さんから断られたから決まった感がありありと伝わって来ました。
あーあー、断れなかったんだな……可哀相に……と本気で思いましたもんね。
本作のキャスティング傾向をまとめてみます。
・大河ドラマや朝ドラ出演経験があり、本作スタッフとつながりがある役者が多い
・特に過去数年の高評価大河から引っ張ってきた役者が多い
・役者と演じる人物の個性を考慮して結びつけたとは思えない(鹿児島弁ネイティブの迫田孝也さんを江藤新平役にする。『真田丸』での「直江状」朗読がクールだった村上新悟さんから山県有朋の長文手紙朗読チャンスを奪う等)
・過去大河で重要な役回りを果たしたベテランを起用
「この役者さん、諸事情から断れなかったのかな……恩義をチラつかせられたのかな……」
そんな遠い目になるキャスティングばっかりなんです。
豪華っちゃ、豪華。
されど、本作出演が決まったと聞いたとき、過去大河や朝ドラの役まで台無しにされるような、ウンザリ感ばかりが募りました。
このあたり、まだ大河以外の枠から引っ張ってきて、刷新性を出そうとしていた『花燃ゆ』の方がナンボかマシにすら思えるのです。
話題性ばかりを狙った配役も失笑モノです。
『家族に乾杯!』を大河でやらんでも……としか言えない岩倉具視。
ナレーター交替があったにも関わらず、無理矢理ぶっこんできた西郷菊次郎役。
考え抜かれていない効果だと見え見えなんですね。
役者さんを叩く気はありません。
本作で名演を見せろというのは、手足を縛られた状態で全力ダッシュしろと言うぐらいの無理ゲーです。
『八重の桜』『真田丸』あたりとかぶっていた役者さんは、その落差を見れば本作がいかに酷かったか痛感できたというもの。
別の大河で見た方がはるかによかったでしょ。
『花燃ゆ』と本作、両方出てしまった方は残念でした……。
また、インタビューや公式サイト、SNSで、役者さんの歴史知識の有無が見えることがあり、中には、史実とシナリオを比べて『疑問を感じつつも演じているんだな』と伝わってくる方もおりました。
インタビューでチクリと刺していた徳川慶喜です。演じていても、抵抗している感が伝わって来ました。
それならばまあ、マシですけれども、自分の考えたアドリブで脚本の整合性を悪化させたベテラン俳優には失望しました。
セリフを変えるくらいなら、ロシアンルーレットを断固拒否してくれと。
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こんな空前の駄作に出てしまった役者さんたちには、目指して挽回して欲しいと思っています。
救済案があります。
ライアン・レイノルズ!
カナダ出身のイケてる役者さんなんですけれども、出演歴はちょっと厳しく、興行的に当たりそうでいて、失敗したものが続いておりまして。
中でも、最悪の大コケとされるのが2011年の『グリーン・ランタン』です。
アメコミ原作映画って、ヒット定番コンテンツとされるもの。マーベル『アヴェンジャーズ』なんて大人気ですよね。
ところが、この『グリーン・ランタン』が見事に大コケでした。
批評サイト”Rotten Tomatoes”のトマトメーター26パーセントという、大駄作扱いされております。
しかも満を持してのものだっただけに、洒落にならなかった。
そこでレイノルズはどうこの失敗を乗り越えたかって?
おげれつアメコミヒーローのデッドプールを演じて、大ヒットを記録したんです!
レイノルズはこの『デッドプール』において、グリーン・ランタンおちょくりネタを再三披露しています!
◆【ネタバレ】『グリーン・ランタン』脚本家、『デッドプール2』にコメント ― 「よくやった、ライアン・レイノルズ」(→link)
西郷どん出演の皆様もいかがでしょう?
呪いから解き放たれる日――それは、ライアン・レイノルズを見習った時に訪れるのではないでしょうか。
おちょくっちまえよ!
罵っちまえよ!
こんな駄作、あなた方にはその権利がある!
西郷どん主役はライアン・レイノルズみたいにムキムキだし、セクシーだし、イケメンだし、過去には変態仮面も演じているし、もうその路線でいっていいでしょう!!
いっそ海外進出してみては?
聡明な方ですし、英語くらい何とかなるはず。
※最悪大河『江〜姫たちの戦国〜』出演という汚点を残したのに、『デッドプール2』でライアン・レイノルズと共演した忽那汐里さんもいる!!
※これまたビミョー大河『軍師官兵衛』出演のあと、HBO『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演した福島リラさんもいる!!
まぁ、ライアン・レイノルズでなくとも、そういう役者さんは日本、しかも大河出演俳優におります。
過去に自分が最悪大河四天王枠で演じた役にさんざん反発してツッコミ、そののち別大河で最高にカッコイイ西郷隆盛役をゲットした……大河ファンなら、おわかりですよね。
そこを狙いましょう!
本作出演歴を過去のものとしましょう!!
笑い飛ばしましょう!!!
※めざせ、日本版デップー! セクシィ〜マザ〜*ァッ*〜♪
四の太刀「チェスト! 黒船でごわんど!!」
本作が扱った幕末は、ある意味、現在のテレビが直面する状況に似ていると感じます。
それは何か?
黒船の来航です。
江戸時代後期――19世紀初頭(つまりペリー以前)から、海外の脅威はありました。
幕府としては、なるべくXデーを先延ばしにすればいい、そういう対応を取っていたんですね。
そのどこか今のテレビと似ているかって?
HuluにNetflix、U-NEXT、amazonプライム・ビデオなど。
いわゆる動画配信サービスですよ。
今や、アプリをダウンロードすれば、簡単にスマホやタブレット、あるいはamazon firestick経由の大画面で、海外ドラマが見られます。
すでに日本のドラマですら動画配信サービスで見る方もおられるでしょう。
そうなってくると、もう時間通りテレビの前に座るドラマなんて見なくていいことになってしまう。
朝ドラのような放映時間帯ではさほどの影響がなくても、大河の場合は深刻ですよ。
実際、視聴率がジリ貧であることはわかりきっています。
ここ数年で好調高評価であった『真田丸』ですら、戦国大河ワースト候補の『天地人』よりもずっと低い視聴率ですから。
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こちらで引用したブログによれば、高校生の中で大河ドラマを視聴している人は、2千人のうち一人だったとか。
スマホの普及とテレビ視聴者の年齢層は、明らかに反比例しています。
私の周囲でも、
「配信サービスで海外ドラマを見てから日本のドラマを見ると、価値観が古くさくて、嫌気がさす。見なくなる」
という声を盛んに聞きます。
それも無理はない。
どうして簡単に『ゲーム・オブ・スローンズ』が見られるのに、わざわざ大河なんか見なくちゃいけませんかね?
黒船は、もう上陸しています。
その危機感を、制作サイドの面々はご理解されているのでしょうか?
少なくとも二年前の『真田丸』にはその葛藤があり、屋敷Pはインタビューで『ゲーム・オブ・スローンズ』について触れておりました。
あのドラマを見ていれば、彼のセリフが単なるポーズではないことも理解できたでしょう。
こんなシーンがありました。
まだ若い主人公・真田信繁(真田幸村)の前で、父・真田昌幸による謀殺が繰り広げられる――ドラマの前半からです。
あの強烈なパンチの賛否両論を、作り手としては固唾を呑んで見守っていたとか。
結果は、手応えあり!
ハードな世界観を描いてこそ、歴史ドラマだという確信とともに、あの作品は突き進みました。
『おんな城主 直虎』でも同じことが言えます。
強いヒロインが魅力であった『八重の桜』も「国際エミー賞」にノミネートされる高い評価を得ましたが、海外の目まで意識するのであれば、こういう戦うヒロインのドラマはよい着眼点なのです。
サムライを率いるレディともなれば、アピール性抜群。
「女が主役の歴史ものなんて〜」
とネチネチ言っているのは、もう日本ぐらいなんですよ。
『真田丸』にせよ『おんな城主 直虎』にせよ、それまでなかなか着目されなかった国衆にスポットを当て、【残虐な場面】も逃げずに作っておりました。
私の周囲にいる海外ドラマファンですら、
「『おんな城主 直虎』には、『ゲーム・オブ・スローンズ』を平然と見てきた私ですら辛い場面があった」
という感想を漏らしたほどです。
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そういうクールかつハードな歴史ドラマに、こちらは大河ドラマでの実績があると満を持して挑んだ作品が、前二作であったと言えるでしょう。
黒船に対して、これまで磨きあげてきたコンテンツで挑んだわけです。
実は前二作には、大きなアピールポイントがありまして。
大河ドラマ館はじめ観光効果が絶大であったこと。
「好評意見」が「厳しい意見」を上回ったこと。
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これはかなり画期的です。
若年層のファンも多かったのです。
海外の歴史ドラマが優れているといっても、日本の歴史を扱っているわけではありません。
日本の歴史ドラマとして、ワンアンドオンリーで、大河でしか見ることができず、かつ若年層にも魅力がアピールできるものであれば!
そこまで達成できれば、往年のようにお茶の間に集まる時代には戻れなくとも、これからのコンテンツとして定着する道はあるのです。
はい。
ここでよくある勘違いとして、
「大河ドラマだからって、歴史ファンの意見なんか取り入れちゃ駄目!」
というものがありますね。
むしろ逆ですから。
ワンアンドオンリー、日本の大河枠でしかない、重厚で歴史マニアもうなずくような、そこでしかない魅力を目指さないと駄目なんです!
そういう個性を磨いてこそ、21世紀の番組は受けるんです。
尖って何が悪い!
ギンギンに尖ろうよ!
目指せワンアンドオンリー!
これを考えていない失敗は、既に邦画がやらかしています。
『GOEMON』なんかがそうですね。
この手の駄作には、ある一定の言い訳があります。
「日本の歴史しか知らない映画じゃ、歴史に興味のない層や外国人に受けないでしょ。だからブーツを履かせて、どこかSFやファンタジーっぽいの目指したんです」
あのね。
んなもん、国内外のファン全員から嫌われるだけです。
「歴史知らないのが強みで〜す!」
とか言う方は、歴史ドラマの制作からお引き取り下さい。
タランティーノやS・L・ジャクソンは、おそらく別に日本史を専門に勉強しちゃいません。
それでも彼らは、
「『魔界転生』や『柳生一族の陰謀』の柳生十兵衛、最高にクールだよなあ」
と思っていたんです!
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物語として魅力的で、そこにしかないクールなモノがあれば、歴史知識がなくとも伝わる。
なぜ、それがわからんのか……。
視聴率には必ずしも反映されない、新規ファンの開拓。
ワンアンドオンリーとしてのアピール。
これができる作品は、成功枠に入ります。動画配信サービス時代だからこそ活きてきます。
朝ドラですと、『半分、青い。』がこの枠に入りました。
「今までこの枠ドラマは完走できなかったけど、今回はできた!」
そんな声があれば、しめたものなんですよ!
そして大河では2016年、2017年と二年連続で目標を達成できた。
んで、今年は?
ハイ、駄目です。
ここで元会津藩士・山川浩の言葉を借りましょう。
黒船が迫る幕末で、しょうもない現実逃避(攘夷)に逃げ込んだ連中に対し、痛烈な言葉を浴びせました。
「当時の京都では、脱藩浪士が外国人をケダモノ扱いして、やたらとうるさく鎖国攘夷だと叫んでいたけど、そんなものには一つとして確固たる定見なんてない。酷い奴は、元寇の時の神風を期待するオカルトレベルだった(意訳)」
日本はスゴイんだー!
だからなんとかなるんだー!
神風ぇー!
ウェーイ!
って、そういうレベルでしょ、本作は。
作り手が、歴史マニアに受けなくてもいいもんと逃げを打ち、ネットニュースでも、
「歴史マニアだけは文句垂れていましたけど、一般人には受けました!」
と、大嘘こいたニュースを作る始末。
◆「西郷どん」最終回、西郷の『最期』に歴史好きから批判殺到! 「史上最低大河」「変な死に様」(→link)
一般人にも全くウケてませんから。
そんな逃げを打たずに真正面から向き合いましょうよ。
仮に視聴率さえ取っていれば、まだそういう言い訳もできましたが、ワースト3を記録するし、観光効果もさしたる成果がないんですよね。
西郷隆盛という大きなキャラを扱っておいて、1ミリも言い訳できない。
本作には、以下のようなチャレンジが一切ありませんでした。
・近年の新たな学説を取り込む
・時代の変化を意識した女性像を取り込む
・西郷隆盛のマイナス面も入れ込む
・VFX効果を使う
・海外市場をも意識した要素を取り入れる
・若い視聴者を意識する
それどころか保守的で、年齢層が上をターゲットにしてきた感すらあります。
例を挙げてみましょう。
・往年大河出演歴のある俳優が多い
・往年の人気アイドルを起用する
・女優が肩をはだける、男優が尻を剥き出しに相撲を取る、そんなお色気シーン
・本寿院と篤姫の嫁姑バトルという、一昔前の要素を見所だと言い張る
・妾や愛人をチラつかせ、「正妻VS妾」バトルを見所だと言い張る
・明治維新=フランス革命という、現在は完全に否定された古くさい説を押しつける時代錯誤
・恋愛描写が、昭和のラブコメレベルで見ていて恥ずかしくなってくる
・VFXを使えばマシになるところでも、頑として使わない。VFXが不自然であったのは過去の話。今はもう実写と見分けがつかないのに、未だに「実写こそ本格的!」と言い張る相手に迎合している
こんなところですかね。
もう、全体的に恥ずかしくなってくるほど時代錯誤なんですよ。
「こわ〜い姑・本寿院(泉ピン子さん)のイジワルプレイを見てね!」
なんて宣伝、2018年にもなってよくやりますね。呆れるしかありませんわ。こんな手垢の付いた要素をならべりゃ、そりゃ若年層は見ませんて。
2015年に後退した大河ドラマを、2016年と2017年に必死で前に進めて来ました。
それを2018年が台無しにしました。
黒船相手に祈祷し、切り込みを仕掛けるような、そういう攘夷オカルトレベルの現実逃避、それが2018年です。
こんなバカげたことをやらかしといて、何が「西郷どんは新時代を切り拓いた革命家じゃ」と突っ込みたい。いや、突っ込むどころかチェストしたい。
思いっきり現実逃避、保守的、古くさいのです。
私の評価基準として、どうしても
【新しいアプローチをした挑戦的な作品には甘く、それがなくて妥協と怠惰だけで作った作品はぶった切る】
傾向があります。
挑戦的だった昨年と一昨年には甘い、そんな声もありました。
ここで、その点をハッキリさせておきます。
挑む姿勢がある作品は、よいものです。低視聴率で『平清盛』は大好きなんだッ!
とりあえず、前編はここまでとします。
ほいなら後編は後日、五の太刀から八の太刀までおつきあいくいやんせ。チェストー!
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【TOP画像】
『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』(→amazon)
【参考】
NHK西郷どん公式サイト(→link)等













