青天を衝け感想あらすじ

青天を衝け第34回 感想あらすじレビュー「栄一と伝説の商人」

こちらは3ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
青天を衝け第34回感想あらすじレビュー
をクリックお願いします。

 

お好きな項目に飛べる目次

総評

役者殺すにゃ刃物はいらぬ、駄作大河があればいい――。

そんな言葉が思い浮かんでしまった今回。

栄一と岩崎の対峙は、所作、発声、その他諸々、役者の力量がハッキリ出てしまい、残酷で見てられませんでした。

栄一がものすごく綺麗に見えた箇所もありました。

さして動かず、座ってキリッとした顔をしているところ。ああ、この役者さんは、こういうモデルのようなポーズを決めている間は大変絵になるものだと感じました。

ただ、それも横にいる迫力の岩崎弥太郎を見るまでのことでして……モデルのようにポーズを取ることは、ドラマではおかしいのです。

なぜ、こんなことに?

彼は演技が下手ではないでしょう。

序盤は時代劇に慣れないことがあっても、秋ともなれば成長している。それが大河主演を担う役者のルートでした。

ギャラが低くても役者として成長できるからこそ特別な番組でした。しかし……。

吉沢亮さんは大丈夫でしょうか。いくら底上げするにせよ、中身が伴わないようでは厳しいかもしれません。

ただし、岩崎弥太郎も手放しで絶賛もできません。

歌舞伎の口調が出過ぎてやいませんか。

映画版『柳生一族の陰謀』での萬屋錦之介さんを思い出してしまったのです。

あの「夢でござーーる!」は最高ではあるのですが、あれは当時「なんか一人だけ演技が浮いてないか?」と批判もあったんですね。要は浮いてる、と。

中村芝翫さんのようなベテランが、若手に胸を貸して成長させたい意図はわからなくもありませんが、主役を喰ってしまい、勢い両者共倒れの感が否めません。

ただし、泥の中でも咲く花はあります。それについては後ほど。

映画『柳生一族の陰謀』タランティーノに影響を与えた深作欣二の名作時代劇

続きを見る

 

偽善の極み

今週の福祉描写の薄っぺらさはお粗末でした。

手塚治虫『どろろ』原作版にはこんな場面があります。

タイトルロールをつとめるW主人公であり、百鬼丸の相棒ある盗賊の子・どろろ。

どろろとその親が飢えて苦しんでいると、貴婦人の車が止まります。

そして幼いどろろに恵んでやれと饅頭を与えると、飢えたどろろは食べようとします。

しかし、どろろの父は怒る。

人が餓死しそうな時に、お前らはいい暮らしをしている! 俺らが飢えているのはお前ら支配者が、権力のために戦なんかする。

そんな連中から施しを受けてたまるか!

どろろは喜んで食べようとするんだけど父親は制止するんです。それが無礼だとされて、彼は殺されてしまいます。

愚行のようで、言わんとするところは理解できます。

権力者ならば、目の前の人間に施して満足していないで、国の福祉なり体制を変革しろ、民が飢えぬ世を作れ、と。

お前らが気持ち良くなるために、貧乏人は存在しているわけじゃない!

手塚治虫と同世代、戦争体験者は、失政により人が飢えて苦しむ様を見つめていました。

そういう作者の訴えがそこにはあります。

 

去年の『麒麟がくる』も同じ世界観です。

光秀は延々と「どうすれば麒麟がくる仁政が実現できるのか」悩みに悩んでいた。どうすれば孔子が理想としたよりよい世にできるか、もがいていた。

今年は『論語』引用をすっかり忘れた栄一が「おかしれぇ!」「胸がぐるぐるする!」と幼稚なことを言って文化祭準備です。ほんとに情けない……。

 

獅子がいない時代

今週は

「銀行設立で儲けたいからノウハウ教えてくれ!」

という希望者から届いた豪華な食材を美味そうにつつく渋沢一家を見て、ドス黒いものが胸に湧き上がってきました。

考えたいのは、接待を徹底的に嫌った元会津藩士・山川浩のこと。

『獅子の時代』主人公である平沼銑次のモチーフの一人です。

ざっと見ていきますと……。。

斗南藩時代に山川家がおからを買ったところ「買い占めて卑怯だべした!」と糾弾される。実質的な藩のトップが、おからを買っただけでこの騒ぎ。どんだけ貧しかったのか?

・上京後、会津藩ゆかりの人物を世話する。山川家も全く金がないのにそんなことをして、当然ながら家計は火の車に。『八重の桜』でも浩の姉・二葉が質屋に向かう場面があった

・接待をされそうな気配を察知し、店ではなく「公園で食物持ち込みで!」と提案するも役人から豪華なお取り寄せをされてイラつき、帰り道は猛烈ダッシュして宿まで戻ることを提案。接待した役人たちは地獄を見た……

・それでも接待を受けたとき、和歌を詠んでこう嫌味を書きつける

飲むも憂しけふのうたげに酌む酒は青い人草の血しほと思えば

【意訳】クソまずいべした。今日の宴で飲む酒も、原資が血税だべ? やってらんね!

極め付けは、軍功がある割には給与や年金が安かったこと。

なぜだ? 会津出身だからか? と言われていますが、こんな説もあります。

浩の妹・捨松は、陸軍の大物である薩摩閥の大山巌の後妻となりました。

つまり、大山と姻戚になった自分が厚遇されると周囲に示しがつかん……そんな潔癖にも程がある思考になって、敢えて拒んだとか。

そういう山川目線になってみれば、芸者のいる席で岩崎と飲むだの、袖の下をもらってヘラヘラしているだの、一体なんなんでしょうか。

民間人だからいい?

そんな言い訳は通用しません。銀行設立は国益のためだ!と言っておきながら、贈り物をホイホイと口に運んでいたら元も子もないでしょう。

そもそも伊藤博文とベッタリでありながら、岩崎と大隈ばかりを悪者にしてなんなんでしょうか。

山川浩&山川健次郎&捨松たちの覚悟を見よ!賊軍会津が文武でリベンジ

続きを見る

※続きは【次のページへ】をclick!

次のページへ >



-青天を衝け感想あらすじ
-