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【青天を衝け第34回感想あらすじレビュー】
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芸者遊びをしながら商売トーク
そんな栄一は、岩崎弥太郎に呼び出されます。
なんだかVFX処理の変な建物が出てきて、綺麗なお姉ちゃんのもとへ。
平岡円四郎の妻・やすもその場にいました。
彼女の江戸弁――いわゆる“べらんめぇ”口調がどうにも入ってこない。『いだてん』の森山未來さんはそりゃうまかったものです。
栄一は、ショッカー岩崎と芸者遊びを始めました。
実はこれも残酷絵図です。
芸者の中には家が没落し、身売りしている江戸娘もちらほらいる。そういう困窮者に対して、この栄一は何も感情を抱かないのでしょうか。
女中くにや孤児みたいに「明らかにそうである」という格好・スタンスでないと気づかないなんて、とても仕事のデキる人間とは思えません。
それにしても栄一とショッカー岩崎の芝居の長いことよ……。
二人で怒鳴り合い、意思疎通叶わず、最終的に栄一が「しょんべん」と言い、どこかへ向かいます。
このドラマはなぜこうも排泄が好きなのか。栄一と慶喜の初対面も並んで排泄でした。正直、気持ち悪いです……。
廊下へ出た栄一は、ケラケラと下品な笑い方をするやすと遭遇しました。
本作って【廊下での出会い禁止!】にしたら成立しませんね。
やすは栄一に対して「逃げな」と告げます。
岩崎弥太郎には「好みの芸者を見つけて連れ帰った」と言い訳しておくとのことですが、いやぁ、これは妙な生々しさがあってゾッとします。
栄一ならお持ち帰り常習犯でしょうね。
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平岡円四郎は、京都で慶喜の妾探しをしていたそうですが、このドラマですとその妻・やすも同様のことをしていそうですね。
言動がいちいち軽薄かつ下品で、本当に辛い。
しかも、このやすがまたスピリチュアル。まるで誰かに見せるようなわざとらしさで円四郎に語りかけます。死人は時間稼ぎに便利なんですよ。
というか、やすの出番が多すぎませんか?
川路聖謨の自害場面にまで出しゃばっていましたよね。
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かくしてカッコ悪い逃亡をした栄一。
ショッカー岩崎との戦いの幕開けだそうです。
初戦は一方的にやられただけのように見せ、いずれチートでどうにかするんでしょう。
伊藤兼子の登場は朗報
伊藤兼子が座っています。
新時代では成功と没落をする者がいると語られ、没落商家の娘として登場。
そういう女の弱みにつけ込むようにして渋沢栄一は彼女を後妻にします。
史実にしてもドラマにしても、なかなか酷い展開ではないでしょうか。
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しかし……兼子は見られてよかった。
大島優子さんは気になっていました。
この年代で上位に入る、和装所作が綺麗で日本髪が似合う女優でしょう。
それは彼女一人の実力でそうなったものか?
これまでの出演作品での演技指導がよかったのか?
指導が甘い本作でも光るものがあれば、彼女は本物だと確信できます。これは朗報です。
大島優子さんが眼福だと思っていたら、その次は栄一と千代が子供を保護する善人シーンへ。
渋沢栄一と並んでお札の顔になる人物に津田梅子がいます。
その津田と女子留学生として親友になった山川捨松。会津藩家老の娘である捨松がなぜ留学を?というと口減らしでした。
娘一人の生活費すら出せない山川家は、苦渋の決断の末に留学させ、「捨てて待つから捨松だ」と改名までしたのです。
そんな凄絶な史実と比べると、本作のわざとらしい千代の笑顔なぞ笑止千万。
社会的弱者の救済施設を作ったという描写だけでも十分なはずなのに、なぜこうも急に慈愛に満ちた人物像に描かれるのか。
渋沢栄一といえば確かに福祉事業で有名ですが、あざとく子供を泣かせて「がんばったね」と言わせたり、それを栄一が立ったままボケーっと見ていたり、どうしても茶番に思えてなりません。
例えば、貧しさで餓死者も出ていた北海道(開拓者)も同時代にはあります。育てきれぬ我が子をアイヌのコタンに捨てていく話もよくあり、『ゴールデンカムイ』でもそんな場面が出てきます。
そういう屯田兵のことを思い出すと、金持ちがぬくぬくと自己満足に浸っている場面にしか見えません。しかも東京の金持ちたちは、苦労して開拓した北の大地を、別荘地だのなんだのと買い漁ったものです。
なぜ南北戦争のことを知らないのだろう
髭が浮き上がっている伊藤が、アメリカからお客様を迎えると言い出しました。
前大統領で将軍だってよ!
大統領なのに将軍ってどういうこと!
なんて語り合っていますが、この時代の政府中枢が南北戦争のことぐらい把握できていませんか。
脚本家さんが感じた疑問をそのまま入れたのでしょうか。彼等の会話はまたもや高校生の文化祭レベルです。
「文化祭ゲストのグランプリさんって何者? タレント? 映画出てたっけ?」
「バーカ、グランドだよ。なんかすげー人じゃん!」
「グ・ラ・ン・トな。でもさ、すごいってなにしたっけ?」
「待って、今ググるわ」
日本を動かす政府を文化祭レベルに落とさないでほしい。私の知っている明治時代と違います。
栄一は怪しい笑みを浮かべ、新しい日本を見せると言い出します。具体的に何をしてくれるのか不明ですが、やはりチートスキルでこなしてしまうのでしょう。
そして外国人をもてなす話へ。
本当にくどくて申し訳ありませんが、餓死凍死している屯田兵には一切触れず「外国人の出迎え、ウキウキルンルン♪」をやりますか。
あーあ……本当に屯田兵大河を見たいなぁ。
北海道開拓はある意味男女の区別もなかったんですね。
ヒグマはむしろ女性や子供を好んで襲撃した。開拓では、かつての大名夫人までもが立ち上がっていた。
そっちのほうがよほど見ごたえあるドラマだと思いませんか?
それなのに予告で「千代がぐるぐる?」ときた。どこまで幼稚なのでしょう。
胸のぐるぐるはどうでもいいので、黒田清隆が艦砲射撃で北海道漁民の民家を撃ち抜く場面でも繰り広げていただきたい。雑なVFXで構いませんのでお願いします。
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