『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』/wikipediaより引用

西郷どん感想あらすじ

2018大河『西郷どん』感想あらすじ総評・後編「チェスト種子島!」

2018年の大河ドラマ『西郷どん』に捧げる言葉があるとすれば、
「チェスト関ヶ原!」
と、前編で説明しました。

そこで後編は、
「チェスト種子島!」
と、させていただきます。

これは『衛府の七忍』で提唱された、
「ぼっけもん(※マッドな薩摩隼人)による、種子島=鉄砲・重火器で”ぶち殺せ!”を意味する」
ですね。

前編と同じく後編も苦言を呈す流れとなりますが、今回、編集さんからはこんな要望がありました。

『西郷どんファンの声も是非聞きたい!』

むむー。
これは、どういうことか?
というと
・西郷どんのここが素晴らしい!
・西郷どんのここに泣かされた!
・西郷どんの時代考証が最高だった!
そんなご意見を聞きたいのだそうです。

どうやらサイトに寄せられる反論が、私のレビューに対する意見ばかりで、いつもこう嘆いています。

武者に反論する人って、どうして【おまえは何なんだ】と言うばかりで【西郷どんのここが素晴らしい!】とは言わないの?
西郷どんを称える、お声を聞かせてください!
たとえ著者と反対意見だって、有益なコメントは、サイトにとっても非常に嬉しいことなので、全部残しておりますよ。

確かにそうですよね。
私の言ってるコトにあれこれ言及するのって、作品の本質を褒めているワケじゃない。

作品そのものが好きであれば、好きな箇所について適切な感想・分析をコメント欄に残していただければ、それが最も説得力のある答えになるはずです。

けど、それが皆無に近い。
つまりはそれだけの説得材料がないんだろうな――ということで、後編も厳しく進めさせていただきます!

準備はよろしいでしょうか。

「晋どん、もうここらでよか」
と言われたって、
「ヒャッハッハーッ、提げ佩く太刀の利きか鈍きか!!」
そう叫びながらやって来る恐ろしい奴がいる世界ですからね。

言ったからな、ちゃんと言ったぞ!

では「チェスト種子島!」始めます!

【TOP画像】
『西郷どん完全版第壱集Blu-ray』(→amazon

 


五の太刀「モテ、いけんでんよか」

男にも女にもモテモテだった――。
コンセプトの時点で、心の底からどうでもよかった。

それが、モテ推しです。

本作がモテを前面に出してきた時点で、死臭が漂い始めておりました。
そもそも、薩摩隼人ってモテておりません。

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明治以降も、
「あの暴れっぷりが半端ない、ヒャッハー集団ね……」
という見方でした。

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薩摩隼人は、モテからほど遠いんですってば!

むしろ彼ららヤバイ、怖い、そういう集団です!!

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それなのに短絡的に「モテ」路線で強行突破しようとした制作陣の見る目の無さは絶望的で、最後までダメダメでした。

見目麗しくモテる薩摩隼人が見たいなら、むしろ
『いだてん』の三島弥彦
『ゴールデンカムイ』の鯉登
といったメンツに期待したほうがいいんです!

そもそも、薩摩隼人たちが「モテることを望んだかどうか」も怪しい。

男尊女卑が厳しく、男同士で篤い絆を結んでこそ。
そんな背景ゆえに男色が日本で一番盛んであった地域なのですよ。

西郷隆盛あたりも、美少年となれば熱心に見つめていたそうですし、大山綱良に至っては、激戦を繰り広げた相手である酒井了恒が美青年だったため、
「よか稚児(美少年)……」
と目がハートになったほどなんですからねッ!

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男色については後述するとして、モテならば2015年『花燃ゆ』ならばまだしも納得できました。
長州藩士のプレイボーイぶりはちょっとしたものでしたから。

それをよりにもよって、薩摩でねぇ。

確かに西郷隆盛は、人望が篤い人物として知られております。

ただし、そこにも注意が必要。
人望がある、魅力的だという証言は、相手次第なのです。

西南戦争での敗北後は「反政府の旗印」として期待されていたフシがあり、額面通りには受け取れない部分があります。

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そもそも、こういう人徳があることを「モテ」という薄っぺらい概念で表現して、一体何がしたいのでしょうか。

このモテ要素、ロマンス重視は本作を確実に悪化させました。

女性脚本家だから女性心理やロマンスがうまいという、そんなアホな期待感もありましたが、
『天地人』
『江〜姫たちの戦国〜』
『花燃ゆ』
そして本作を見たあとでは、そんなことを言うのはやめましょう!

ゲンナリしながら、本作のロマンスを振り返ってみましょうか。

特にロマンスがあったとは思えない一人目の妻・伊集院須賀とのやりとり。

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「島妻」という、現在の視点からすれば奴隷的にすら見える愛加那との関係。

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菊次郎との関係性はじめ、そこに差別感情がなかったとは到底思えません。

愛加那との関係をねじ曲げたことで、奄美大島が受けた薩摩による収奪や蔑視がぼかされました。

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史実において西郷が奄美大島をどういう扱いをしたのか考えると、酷いにもほどがあります。
OPに島唄を入れ込み、西郷を讃美させる無神経さ。どうしようもありません。

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岩山糸子にしたって、どうして史実通りではなく、しょうもないロマンスを入れ込みましたか?

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そのおかげで、薩摩にとっても重要な人物であるジョン万次郎が、ただのLOVE野郎になりましたね。

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そして、西郷どんのロマンス相手のうち、最低の改悪をされたのが篤姫です。

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篤姫の人生といえば、後半生を徳川のために捧げて生きたことが欠かせません。
戊辰戦争では、奥羽諸藩を激励する書状が残されているほど。

それを、徳川を潰した西郷どんに尻尾を振る、どうしようもない女子マネージャー状態にされました。

これは篤姫の人生を真逆に描く、侮辱としか言いようがありません。
幕末大河に女子マネは、もういらないんだよ!

このモテ推しのせいで、さらに不愉快な要素が積み上げられます。

宿でウロウロしていた豚姫ことお虎。
彼女はこのドラマに必要でしたか?

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自分を貧困という境遇から引き揚げ、側室にしてくれた徳川慶喜を罵倒。
あやふやな情報を西郷どんに流すスパイとして暗躍したふきも酷いものでした。

本作では薩摩出身の貧しい女性にされましたが、史実では、江戸っ子の誇りである新門辰五郎の娘なのですから、罪深いとしか言いようがありません。

ちなみに新門親分の流れを汲む団体って、今も江戸におられるんですよ。
よくまあ、彼らの顔に泥を塗ったもんです。

怖くないのかな?

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このふき筆頭に、本作の女性陣は全員最低最悪としか言いようがありませんでした。

「西郷どん、ステキィー」
と言わせたいがために、西郷どん以外の男を罵倒する性格最低女になりおったからです。

篤姫、ふきは前述の通り。
大久保利通の妾でありながら、大久保そっちのけで罵りながら、西郷どんにくねくねするおゆう。
お前は一体、誰の妾だ!

西南戦争勃発したぞ、何とかしろと西郷従道に迫る琴子。
西郷どんも従道も、兄ですよね。
ドラマを見る限りじゃ、西郷どんが悪いとしか思えませんでしたが。

もはや西郷どんがモテるというよりも、この世界の女たちは何かがおかしとしか思えないのです。
自分の彼氏や夫そっちのけで他の男にくねくねする女、ド最低でしかないでしょ? 一体どこの誰の需要なんですか!

ついでに言いますと、本作のキャバクラ推しと妾プッシュも、モテの一環でしょうか。

前半の磯田屋から後半まで。
西郷どん以下、橋本左内から明治政府官僚まで、キャバクラでばっかり政治の話をする始末。なんのドラマですか?

明治維新150周年に、
「この国は、国難を迎えた時でもキャバクラに入り浸る男たちによって動かされたッ!」
というゲスの極みメッセージを送って、何がしたいんですか?

あと妾プッシュ。
もう、意味がわからない!

近年の戦国大河は、むしろ側室を避ける傾向にあります。
直江兼続も黒田官兵衛も、側室がいないから主役に選ばれたのではないか、なんて話も。

それはそれでどうかと思いますが、だからといって執拗にプッシュせよだなんて誰が言ったの?
こんなモテを、誰が望んだと言うのでしょうか。

あとモテをプロットホールの穴埋めに使いましたよね。
史実のイベントをガン無視して、しょうもない恋愛イベントをぶちこんで時間稼ぎしまくり。

百歩譲って、その恋愛エピソードがおもしろければいい。

例えば『真田丸』での真田信繁(真田幸村)と茶々。
『おんな城主 直虎』での井伊直虎と小野政次。

彼らの、恋愛感情がありそうでない、そういう関係は完全に創作といえるものです。
ただ、それを不要だと私は思いません。
納得のできるアクセントでした。

一方で本作は、ただのノイズでしかありませんでした。
その中身のくだらなさについては、もうツッコミたくありません。

各自思い出して、脳内チェストしましょう。

 


六の太刀「いけんしてBL推しなのか」

本作では、
「BL推し」
を公言しました。

別にBLを否定するわけじゃないんです。
大河でBL二次創作というのは、別に今年始まったことではありません。

『真田丸』での真田昌幸と出浦昌相。
『おんな城主 直虎』での万千代(井伊直政)と万福(小野亥之助朝之)。

こういうナイスな男性同士をくっつけて、ほんわかしようと、そんなものは自由なんですよ。

むしろ、そういうイラストなんかは微笑ましく見守ってよいもの。
楽しむことは自由ですよね。

こういう傾向は海外ではもっとおおっぴらで、トークショーに出たゲスト同士に、
「あなたたちのカップリングが人気です! 腐女子の夢を叶えるためにもハグ&キスをしちゃいなよ!」
なんて呼びかけがあったりするもの。

※『ゲーム・オブ・スローンズ』のあの二人が!!(閲覧注意)

俳優自身が、二次創作BLを見ることもあるそうです。

※『SHERLOCK』の二次創作BLを見るマーティン・フリーマンの悟り顔よ……(閲覧注意)

まあ、ここまではいいんだ。
世界的にそういう時代です。そこをどうこう言う気は微塵もありゃしませんよ。
それに薩摩隼人のBLなんて、それこそ伝統的ですからね。

江戸期の全薩摩が泣いた伝説の古典BL『賤のおだまき』の作者は、腐女子ですし!(多分)

賤のおだまき/amazon

問題は、公式がこういう二次創作的なことを押しつけ、盛り上がっているフリをすることなのです!

いいですか?
先ほど取り上げた出演者がハグをしたり、BLを見たりしている動画ですが、公式で作ったものではありません。
それに、公式だってそんな宣伝をおおっぴらにしているわけではありません。

そこが『西郷どん』との違いです。

このミスは、もうすでに大河でやっちゃってまして。

公式BLコミックスを出した『天地人』。
公式サイトで「俺ら松下村メン!診断」をぶちかまし、ファンアート募集をしていた『花燃ゆ』。

視聴率で苦戦しつつも、ファンアート投稿が大盛況だった『平清盛』とは別なんだってば!
あくまであれは自主的なファンが盛り上げたものですからね。

それが勝手にファン層に割り込んできて、
「人気あるんですー!」
と主張する。

別に盛り上がってもいないのに、
「こんなにファンが活発です!」
と勝手に言い出す。

もう、鬱陶しいことこの上ありません!

自然発生的に出てくれば、人物描写がよい証拠となるBL。
公式で宣言すんなって話なんですよ。順番が逆!

そもそも、BLがどういうものかわかっていますか?
BLだけじゃなくて二次創作は、あまりに出来がよくて、もう辛抱溜まらなくなったファンがやるものです。

つまり、そこには極めて出来のいい創作物がないと、発生しないものです。
心理描写や、キャラクター造形の巧みさ、関係性の濃さも重要です。

「BLってぇ、男同士がイチャイチャしていたらいいんでしょお」

そんなもんじゃないってば!

そしてこのミスは、初めてじゃありません。
前述の通り、『天地人』が通過済み。
『江〜姫たちの戦国〜』と『花燃ゆ』は、BLではなくて少女漫画路線でやらかしています。

「こんなにイケメンがいるんだもん、若い女の子はうっとりしているんでしょぉ?」
してねーよ!!
いい加減、懲りろッ!
学べッ!

それに、どうにもこの背景には、偏見や差別もチラチラ見えるんですよね。

「少女漫画とかBLって、考えが浅くて歴史なんかわかっていない、アホな女が好きなんでしょ? どうせイケメンさえ出せばいいんでしょ」
そういう舐め腐った見方ですね。

女性向けエンタメなんて底が浅いちゅう偏見は、鹿児島湾にでん沈めて来やったもんせね。
こげんもんはクソ差別だちゅう認識も持てッ!

近年、NHKではLGBT関連において意欲作が放映されるようになりました。

昨年の『女子的生活』もそう。
今年もそうです。
『弟の夫』と、『半分、青い。』がありました。

この作品では、同性愛の登場人物が出てきております。

『弟の夫』は、ゲイカップルの置かれた状況を描いた意欲作です。
『半分、青い。』では、ゲイの人物であるボクテが、さらりと登場しました。

この二作とも、同性愛者であろうと恋愛する気持ちは変わりがないというメッセージがありました。
人と人を愛するうえで、同性同士だから、性別がちがうから、何か変わることなんかないのだと。

そういう流れを台無しにしおった作品が『西郷どん』ですわ。

何がBL推しだ。

繰り返します。男と女だろうと、男同士だろうと、愛することは同じ。
それを、男同士をことさら取り上げて、
「男同士がイチャコラしま〜〜す! 見てね!!」
だと?
客寄せパンダ扱いしおって!
NHKが取り組んでいるLGBTテーマとしたドラマを台無しにする、クソ差別だと悟ってくれ!!

もう一度言います。

「(こっそりと)私たちの作ったドラマの男性同士の関係性を気に入って、二次創作するファンを歓迎しますよ〜」
「(堂々と)ねえねえ、私たちの作ったドラマで、イケメン同士がイチャコラするのぉ! 見に来てね!」
そんなん全然チャウからな!!

まだまだあります。
BLをシナリオのプロットホールのごまかしに使いましたよね?

西南戦争なんて、西郷どんと大久保のBL破局みたいな扱いだったでしょ?
そんな解釈、知らん!
ドコにあるのか教えて欲しい。ヒントになった何かでもいいから提示してくださいよ。

そしてこれ。
歴史的な文脈での同性愛の扱いについて。これも語っておきましょう。
そこをふまえた描写にするのであれば、アプローチの一種として評価できますからね。

昔の日本では、同性愛が許容されていました。
とはいえ、以下の点は見逃してはなりません。

・男性同士のみ、女性同士はこの中に含まれない
・地域差がかなりあるので、ひとまとめに出来ない
・江戸期は藩によって禁止から奨励まで様々
・小児性愛、身分差、相手が断れない場合も含まれるため、現代の同性愛とは異なる関係があることは留意すべき
・同性間の性行為に忌避感が薄くとも、結婚等制度や権利が認められていたものではない。これをもって、現代的な意味で「日本は同性愛に寛容」としないこと

こうした点をふまえて、近年における大河ドラマでの同性愛描写をちょっと考えてみましょう。

『平清盛』
院政期に大流行していた男色に迫った、意欲的な描写。藤原頼長は魅力的でした。
しかし、問題はあります。

・藤原頼長の異常性愛のように描かれていましたが、当時はそこまでおかしいものではありません。賴長一人だけが同性愛傾向があったわけではありません
・賴長の強制的なセクハラとも言える関係があるため、国によってはそこが問題される可能性あり

『おんな城主 直虎』
本作の同性愛描写は、歴史考証、配慮ともにほぼ満点。文句なし!

・戦国武将は全員同性愛傾向があったとは実は言えません。恋文のような証拠がある武田信玄、伊達政宗等、絶対にあったと断言できる人物はそこまで多くないのです
・同性愛関係は、主従関係の強さとしてアピールされることがあるため、実は徳川家康と井伊直政の関係は、絶対にあったとは言い切れない部分があります。そこを踏まえた関係です

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この二作と比較して、本作はふぬけで中途半端。
幕末薩摩の男色は、男尊女卑と一体になったものです。女にデレデレする薩摩隼人だらけの本作で、再現できるはずもありません。

西郷どんと、ストロングゼロで泥酔してそうな川口雪蓬の口移しチュウなんて、もうどうでもエエ。心の底からどうでもエエ。
幕末薩摩の男色をかすらない点において、歴史ドラマで扱う必要性ゼロです。

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本当に、今回のBLは、単なる客寄せパンダであり、プロットホールの言い訳であるという、クソ最低の使われ方でした。
それどころか差別、偏見、蔑視、手抜きを煮込んだ、最低最悪の話です。

BLみたいな女に媚びたものはヤダ、俺は男同士のいちゃつきなんか見たくないもん、どうせ出すなら好きなシチュエーションのBLにしろ――とか、そういうレベルじゃない。

純然たる放送事故でしかありませんよ。
『おっさんずラブ』と比較するのもおこがましいわ!

ここで、モテとBL推しについての結論に触れておきましょう。

別に、史実にガチガチに則してドラマを作れとは言いません。
ドキュメンタリーじゃないことは百も承知です。

そのかわり、創作でこねくり回した結果、面白くなければなりません。
つまらくなったら、容赦なくぶったたかれます。

史実のままのほうがよほど面白い場合、チェストされてもそれはそれまでのこと。
そのくらい覚悟しましょうね。

「歴史なんて、無視して自分の好きなものを作りたいんだもん!」
という方は、歴史ドラマを作ろうなんて思わないでくださいね。

それだったら、そもそも歴史にこだわる必要ないでしょ?

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