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西郷どん(せごどん)特集 幕末・維新

幕末でモテモテだったのドコの誰?1位が久坂で2位が土方 薩摩隼人はモテどころか……

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男にも女にもモッテモテ!

2018年大河ドラマ『西郷どん』では、主人公の西郷隆盛がそんな視点から描かれることは放送前から周知されておりました。

明治維新から150年、2018年大河ドラマの主人公となるのは男にも女にも“日本史上最もモテた男”西郷隆盛です。

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確かに西郷は、魅力的な人物として知られますし、そのことに異論を申し上げる気持ちはサラサラありません。
薩摩隼人たちの気風は、時代もエリアも異なる世界で生きる私からも非常に魅力的に映ります。

しかし、です。
幕末・維新当時の人にとって、コトはそう単純ではありません。

特に江戸では
「薩摩芋がモテた? おととい来やがれ!」
「芋侍に抱かれるのだけは、勘弁でありんす」
と、散々な評価でした。

では実際にモテたのは?

結論から申しますと京都では長州藩士であり、その中でも久坂玄瑞が際立った存在。
そして新選組の土方歳三も同様に女性からの人気が絶大でした。

本稿では、西郷どんのモテモテ真偽とあわせて振り返ってみたいと思います。

 

薩摩趣味といえば男色でごわんど

モテるモテない以前に、大河ドラマ『西郷どん』からすっぽ抜けている要素。
それが、当初描かれると思わせぶりにしていた「男色」です。

薩摩趣味(薩摩の男色)を大河ドラマ『西郷どん』で描くことはできるのか?

別に「濃厚なBLをやれ!」ということではありません。

薩摩では、明治時代になってから「鹿児島で遊郭ができた!」と驚かれるほど、男色が盛んだったということ。
つまり、女からのモテ要素を出すのはそもそもおかしいんじゃないのか、というところです。

西郷隆盛はじめ薩摩藩士が、美男を見て「よか稚児!」(美少年)と熱くなった話はありまして。

大山格之助なんか、戊辰戦争で大苦戦した庄内藩の名将・酒井玄蕃と出くわした際、そのイケメンぶりにメロメロになったと伝わります。

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もう一点。
「島妻」であるる愛加那(とぅま)の扱いです。

彼女や彼女との間に生まれた子は、史実ではどう考えても差別的な扱いをされております。

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薩摩本土と離島の間には、差別関係がありました。
差しだされたような立場の島妻を、「島の女にもモテた!」と言い張るのは、無神経だと思うのです。

 

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幕末モテモテ伝説! 主役は長州・久坂と……

では幕末でモテモテ伝説を持つ集団と言えば?

長州藩士たちです。

中でも、180センチ超の長身かつ、一番の美男であり美声の持ち主・久坂玄瑞がバツグン。
吉田松陰の妹・文からも惚れられ、久坂本人はいやいやながらも結婚に至っております。

彼が京都で漢詩を吟じながら歩くと、色街の女がうっとりとして声をあげたというのですから、幕末ナンバーワンのモテ男かもしれません。

久坂玄瑞25年の生涯をスッキリ解説!吉田松陰の遺志と共に爆走した儚い軌跡

久坂以外も、長州藩士はともかくモテモテ。
それというのも、色街でパーッと気前よくお金を使うからです。その原資が藩の金だと思うと、ちょっと複雑な話ですけれども……。

禁門の変」では、長州藩の暴走という側面がありましたが、それでも京都の人々は彼らにエールを送り続けました。
女性相手でも、お金を使いまくる話が「英雄色を好む」ものとして喧伝されたのです。

ちなみにモテないことで有名だったのは、会津藩士です。

それというのも、彼らの背景には「真面目さ」と「苦しい藩財政」がありました。
会津藩士は、妻以外の女性および男性との性的交渉は原則禁止。
それを破った場合、妻が誇りを失ったとして離縁することすらありました(山本覚馬と妻・うら等)。

ただし、藩主である松平容保はまた別の話。
その美しさと気品ゆえに、彼が姿を見せると女官がざわめいたのだとか。

「壬生狼」と京都の人々から嫌われ抜いた新選組隊士だって、色街ではモテることがあります。

そんな中でも、モテ男伝説ナンバーワンは、この方!

報国の心ころわするゝ婦人哉
【意訳】モテモテで国への忠誠心すら忘れちゃうヤダー

そんな狂句を詠むほどに女性から支持されたのは土方歳三。

現代人も当時の人が見ても
「こ、この人はイケメン!」
と驚くほどの美貌の持ち主ですからね。そりゃ、モテますわ。

土方歳三35年の生涯をスッキリ解説! 多摩のバラガキが鬼の副長となり五稜郭に散るまで

んで、肝心の薩摩は?

西郷と豚姫、あるいは大久保利通のように、個々のロマンスは確かにあります。
ただ、久坂レベルの伝説はナシ。

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西郷の側近であり、人斬り半次郎として恐れられた中村半次郎桐野利秋)なんかは、坂本龍馬の妻・おりょうを脅して関係を迫ったとして、宿屋から「嫌やわぁ」と嫌われた話もあります……。

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中村にも、村田さとという交際女性はいたそうですけれども、モテとはちょっと違いますね。

ちなみに『花燃ゆ』でこうした長州モテ路線が封印されたのは、そこを描くとヒロインが気の毒だからでして。
さすがにその辺りは脚本家にとって気の毒だったと思います。

 

生麦事件で迷惑を被ったのは薩摩だけではない

京都ではボチボチ……と言った薩摩藩士のモテっぷり。
これが江戸になると、断然、ヤバくなってきます。

江戸での薩摩イメージは、幕末以前から、
「犬を喰っている薩摩、やべえな……」
というのがありまして。

現代のフィクション作品でも【薩摩隼人】と言えばワイルド&狂気なイメージで流通しておりますが、元を辿れば江戸時代からだったんですね。

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維新直前については後述するとして、幕末の時点で薩摩は江戸っ子にとって大迷惑でした。

生麦事件です。

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実は薩摩藩士が噛んでいた「桜田門外の変」では井伊直弼をおちょくっていた江戸っ子も、今度ばかりは洒落になりません。

イギリスとの賠償交渉で決裂したら関東が火の海になってしまう――。
そんな懸念から、事件後は老中の井伊正直が関八州の大名・旗本に対して、何があっても対応できるように!と促していたのです。

この部分、あまり触れられないので、
「薩摩とイギリスの薩英戦争で終わったんでしょ」
と思われがちです。

が、冷静に考えてみればそうですよね。
薩摩だろうが長州だろうが、自国民を殺された英国が幕府に対して黙っているワケがない。

江戸が攻撃される恐れだって当然湧いてくる。

結果、江戸っ子もパニックになり、混乱に乗じて犯罪が横行、治安が劇的に悪化したのでした。

生麦事件の結果、薩英戦争に至ったとはいえ、薩摩藩側はイギリスと手を結び、WIN-WINの関係へと持ち込んでいます。
しかし、その背後で大迷惑を被った関東の人々もいたわけでした。

薩英戦争で意外に少ない薩摩の被害!イギリスと仲良くなった理由がそこにある

 

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無粋な客は帰りやがれ

そんな江戸っ子にとって、最悪の展開を迎えたのが維新前夜です。

大河『西郷どん』では、
「慶喜が生きていたら民が苦しむから、江戸を放火して戦争を起こそう!」
という西郷のムチャクチャな理屈で、視聴者が困惑しきりました。

んで、実際に薩摩御用盗というテロ集団が暴れ回り、放火、殺人、強盗、暴行を繰り返したんですから、そりゃあ江戸っ子も怒りますわ。

相楽総三と赤報隊は時代に散った徒花~西郷隆盛に見放された草莽の志士たち

新政府軍は江戸っ子から嫌われておりました。

『西郷どん』では西郷が本を読みながら居眠りしていた場面が暢気に出てきましたが。当時の江戸っ子のホンネはこんなものです。

「ケッ、目障りな田舎武士どもが将軍様のお城に居座りやがってよぉ。とっとと帰りやがれ」

当時江戸で出回っていた諷刺画では、図々しい客が長居し、家主がうんざりしている様子が描かれております。

そんな諷刺画でも、特に切れ味鋭く、歴史の本質を突いたものがありまして。
豊原国周の『善悪悪人鏡』というシリーズです。

役者を描いた「判じ絵」で、この石川五右衛門がスゴイ!

眉墨や衣装からして公卿風味。
着物の柄は「い」の文字を使った紋。

つまり岩倉具視を示しておりました。

これは江戸っ子の、
「おめえさんたちゃあ、ヤレ天子様の勅を得ただの大いばりだけどよ。俺らからすりゃあ、おめえさんが大泥棒の石川五右衛門だってこたぁ、お見通しよ」
という、精一杯の嫌味です。

江戸っ子からすると「倒幕の密勅」などは、天下を盗もうとする大泥棒の猿芝居に過ぎません。
彼らはその胡散臭さをわかっていました。

実際、その真贋となると、偽勅(ぎちょく・偽の勅)である見方が強いのです(以下、関連記事に詳細あり)。

討幕の密勅をわかりやすく解説!大政奉還と同日に出された真の意味とは?




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