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【『光る君へ』感想あらすじレビュー第22回「越前の出会い」】
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朱仁聡の献上品と、周明の医術
朱仁聡が「お願いしたいことがある」として、三国が取り次いできます。
なんでも朝廷に献上したいものがあるとか。松原客館でのもてなしに対するお礼だそうです。
どうしたものかと迷った為時は、左大臣に文を書いて確認すると言います。
しかし過労のせいか、何か痛みが起きている為時。
すると朱仁聡が宋の医師を呼ぶと言い、周明が連れてこられました。
「この人は医師だったのか」と驚く様子のまひろと、そんな娘が気がかりな為時。
漢方医らしく、周明はまず舌の色を見て脈をとり、うつぶせにさせて、服を脱がせます。そして鍼(はり)を取り出す様子を見て、まひろは驚いています。
周明が鍼をうつと、為時は悲鳴をあげました。
さて、平安時代の人々は鍼灸を知っていたのか?
というと、日本にもその存在が伝えられてはいます。
しかし、灸が広まりながら鍼は限定的でした。かなり高度な治療法であり、貧しい貴族である為時は試す機会がなかったのでしょう。
「よくなったかもしれぬ……」と不思議そうな顔をしている為時。どうやら効いたようです。
周明は頭のあたりを診察し、「心が張り詰め、頭が凝っているのだ」と診断します。
この場面は周明の手つきが素晴らしく、これぞ宋の医者だと思えました。
鍼を打つ時は迷いがない。脈をとる手つきは優しい。彼は根が善良で優しいと伝わってくる、松下洸平さんの魅力あふれる場面です。
朱仁聡も、彼の治療を五日に一回は受けていて、そのため息災なんだとか。
「これが宋の医学なのか……」
そう驚きながら感謝する為時に、朱仁聡は貢物の件を念押しするのでした。
献上品が都に到着したようです。
藤原実資は「ニーハオ」と鳴く鸚鵡に興味津々。公任は宋の言葉を話しているのかもしれないと言います。
宋人は、見返りもなしに献上品を贈ってただ置いてきたのか?と、公任は「不可解だ」と言います。
「不可解、不可解……」
鸚鵡にそう話しかける可愛らしい実資の姿がそこにあります。
この鸚鵡は平安貴族の間でペットとしてブームになりました。『平清盛』では藤原頼長が白い鸚鵡を飼っていましたね。
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三国若麻呂殺人事件発生
藤原為時は、献上品が無事に届いて、感謝している旨を朱仁聡に伝えています。
しかし、いつもの通詞がいません。どうしたのか……と訝しんでいると、なんと三国若麻呂が殺されたとの報告があり、その場で朱仁聡が捕えられてしまいました。
困惑する為時。
あいつ(朱仁聡)は三国と口論していた――そんなあやふやな根拠が示され、為時は咎人(犯罪者)に近づいてはならぬと遠ざけられます。
これは一大事、異国人となると難しいと困惑しきっている為時です。
左大臣に判断を仰ごうと言いながら、まひろが文をしたためます。彼女の用いる円面硯(えんめんちん)はこの国府から発掘されたものを元にしているそうです。
しかし、いちいち左大臣に確認するというのも、歯がゆい話。
やはり道長の指示が曖昧だったのでは……?
実際、その書状が中央に届けられると、道長が陣定で話し合います。
異国の者を裁けるのか?と迷う藤原実資は、得意の前例を持ち出せない。
藤原公任が、追い返すか?と発言すると、藤原斉信は為時に任せろと言う。
しかし式部省にいた為時では殺人を裁けないだろうと源俊賢。
わが国の者が殺されておいて、放置できないだろう……と、皆で意見を出している最中、いちいち「だよね」しか言えない道綱はなんなのか。そんなことだから実資に日記で罵倒されるのでしょう。
道長は、明法博士に調べさせてからお上に判断を仰ぎ、その判断次第でもう一度陣定で議論すると結論づけます。
それにしても、当時の犯罪対応はこんなことでよいのでしょうか。
あまりにスピード感に乏しく、無茶苦茶な話に思えます。時代に合わせた律令が必要でしょうに。
まひろが揉め事を、明子が愛を押し付けてくる
道長はため息をつきながら、まひろの字で書かれた書状を見返しています。
最愛の相手がこんな厄介ごとを告げてくるとは、困ったものです。
帰宅すると道長は左大臣・源高明の娘である源明子に「左大臣とはどういうものか?」と問いかけます。
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幼くてよく覚えていない、兄が左大臣になれたかもしれないと答えますが、同時に今の兄では務まらないと考えているようです。陣定ではなかなか良い意見を出していましたけどね。
道長は、俺にも務まらない、己の決断が国の決断かと思うと辛いと打ち明けます。
殿に務まらないなら誰にもできないと慰める明子。
「口がうまくなったな」と道長が言うと、明子は変わったのだそうです。敵である藤原の殿を心からお慕いしてしまった。
こうなったら殿の悩みも苦しみも、私が全て忘れさせてあげる。
「いつか明子なしに生きてはいけぬ」と言わせてみせるといいながら、妖艶に道長へ近づき、迫り、身を重ねるように押し倒すのでした。
明子は、兄・俊賢に対する評価が厳しい。今回についていえば、道長より俊賢の方が頼りになる気がしなくもありませんが。
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