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『どうする家康』感想あらすじレビュー第8回「三河一揆でどうする」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第8回「三河一揆でどうする」
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どうするミソジニー

なぜ本作は、かくもセンスが古いのか。

「ゆるい仕上がりは若者向けでしょ」といった声も聞こえてきますが、そうではないと思います。

作品とは、作り手の価値観や性格が反映されるもの。

その感覚を擦り寄せるのが難しく、三谷氏の語る言葉には重みがあります。

◆<ドラマアカデミー賞>脚本賞は「鎌倉殿の13人」三谷幸喜氏 衝撃ラストは『小栗旬さんと小池栄子さんへのお礼』(→link

今年は、脚本家と同世代の価値観がものすごく出ていると思えます。

以下のニュースではそれが如実に表れている。

◆「どうする家康」あわや泰康…「家康」爆誕にネット沸く!嫁いびり?→瀬名の言葉から改名閃き OPも変更(→link

嫁いびりだの、女と女の争いだの……そんなことを未だに高みの見物気取りでムフフとしている、その感覚の古さが痛いのです。

しかも、それに気づかずはしゃいでしまう。

外の世界や新たな価値観には決して触れようとしない。

だからこそ、『麒麟がくる』や『鎌倉殿の13人』が放映され、VODから移動してきた方も、再びVODで海外ドラマに戻ってしまうのではないか――大河ファンの私には、そんな懸念があります。

実際、いくつものドラマや時代劇を見ていますが、VODを見ていると、悲しい気持ちになることはありませんか?

脚本、演技、アクション、VFXにおいて、全てが完敗。

海外の時代劇を知っていると、東京オリンピックの開会式で味わったような切なさが蘇ってくる。

それが今年の大河です。

 


どうしたポリアンナ?

ポリアンナは、どんな些細なことでも褒める。

「ポリアンナ症候群」はネット上でもよく見られる傾向の一つですが、本作については勢いと数が減っているように感じます。

記事の本数・熱量ともに減衰傾向が見られる。

テンション高く叩いていたアンチ系の記事すら減っています。日刊ゲンダイさんですら低調。

「愛の反対は憎悪でなく無関心だ」なんて言われますが、どうにも『どうする家康』はすでに見るに値しないと判断されているのではないでしょうか。

注目度が落ちれば即座に記事が減るのがWEBメディア。

紙媒体と違ってPV(アクセス数)がダイレクトに計算できますので、アンチ記事を出しても意味がないと判断される。

まだ2月です。一体この先どうなってしまうのか。

残っているのは以下のようなトリビア系記事です。

今川義元は凡将なのか、「どうする家康」であっさり討ち死に…明治期編纂の桶狭間戦史でマイナス評価(→link

◆「信長の野望」では公家風の弱小キャラだが…今川家最後の当主・今川氏真を「暗愚な君主」とするのはもう古い(→link

ドラマそのものは見られないけれど、戦国時代の人気は高く、ポチッと押したくなるのでしょう。

ただし、FRIDAYさん、この記事はちょっと遅いですよ。

◆「反省会」立ち上がるNHK大河ドラマ『どうする家康』 巻き返しのカギは”忍び”山田孝之の存在感(→link

反省会タグは中国語圏でも使われています。

しかし、家康の生涯を描くドラマで、後世の作り物じみた忍者が見どころだとすれば、それはそれで間違っておりませんか?

家康は中国で大人気!ならば大河『どうする家康』の評価はどうだ?

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三人成虎

『韓非子』にこんな会話があります。

「王よ、ある一人が市場に虎がいると言っていたら信じますか?」

「信じぬぞ」

「では、二人が市場に虎がいると言っていたら?」

「信じんわ」

「じゃあ、三人が市場に虎がいるぞと言っていたら?」

「信じるかな……」

「ウーズル効果」という言葉もあります。

ウーズル効果(ウーズルこうか、英: Woozle effect)とは、証拠や根拠のない事柄に関する公表物が、頻繁に引用されることにより、個人、団体、または社会一般において、証拠たり得ると誤解される現象のこと。

引用による証拠(いんようによるしょうこ、英: evidence by citation)、または単にウーズルともいわれる[1]。

この効果により、事実ではないことが都市伝説やファクトイドとなる。

Wikipediaより

大河ドラマそのものへの熱意が低くなると、歴史トリビアや考察が目立ち出します。

そういうつぶやきやそれをまとめたニュースは例年お馴染みではあるのですが、他に話題がない分、目立つようになる。

以下の記事が典型例でしょう。

◆『どうする家康』一向宗と対立 千代(古川琴音)の“望月千代女”説もSNSで話題(→link

◆ 「どうする家康」妖艶な千代が「望月千代女」説【ネタバレ】三河の一向一揆は武田の策謀か(→link

望月千代女は取り扱いの難しい人物です。

フィクションや戦国ゲームでは、巫女とか、くノ一(女忍者)とされ、なかなか盛り上がる存在なのですが、史実面では怪しい。

しかし本作では、今後

「彼女の正体は千代女ですよ、びっくりした?」

と、やらかしそうで……。

知名度が高いだけに厄介で、そのまま史実として広まってしまう可能性も否めないでしょう。

架空の人物とわかる『麒麟がくる』の駒や、『鎌倉殿の13人』の刺客師弟は良心的でしたが、「千代」は「望月千代女」に名前を寄せている可能性がある。

それをこうして記事にしていくことで、ウーズル効果が発生していく。

まさに三人市虎ではありませんか。

大河ドラマが、歴史知識を磨くどころか、荒唐無稽なことばかりを植え付けることになったら、それこそ酷い話ではないでしょうか。

「フィクションだからOK」という言葉は本当に危険です。

作中の家康も、ドラマの作り手も、ウケ狙いばかり考える無責任さについては一考していただきたい、と願うばかりです。

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夏目広次(吉信)三方ヶ原で惨敗した家康の身代わりとなった壮絶な死

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文:武者震之助note

【参考】
どうする家康/公式サイト

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