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『どうする家康』感想あらすじレビュー第8回「三河一揆でどうする」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第8回「三河一揆でどうする」
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どうする財政難

コメの強奪は、財政難解消のためでした。

一体この家康は、今川のもとで何を学んだのか……と頭を抱えてしまいそうです。

寺が米を蓄えているからって、無理に強奪なんてしても、所詮は一時凌ぎにしかなりません。

統治者であれば、金を生み出す仕組みに取り組むべきでしょうし、家康の目の前にいた今川義元は、財政確保のため産物の開発に力を入れていました。

逆に、そうした内政が巧みだからこそ、統治者になれるはず。

家康は天下人――そんな前提ありきで話が進むから、妙な展開になるのではありませんか。

『麒麟がくる』でも、お金儲けについては描かれていました。

貿易が大事であるとしただけでなく、松永久秀は茶器のブランド化で儲ける算段も見せていましたね。

あるいは三河のお隣を描いた『おんな城主 直虎』でも綿の栽培などがクローズアップされていました。

交易だけでなく、魅力ある産業開発で、いくらでもドラマを面白くできるはずです。

戦国時代だからといって合戦ばかりが重要でないことは、例えば『信長の野望』シリーズを一度でもプレイすればわかるでしょう。

それを面倒くさかったからなのか、「不入権」の説明をすっ飛ばすようなスタンスだから、こんな展開になってしまうのでは?

大奥』では、今後、徳川吉宗が伝染病対策をするところが見どころになります。

吉宗は賢い。まず、支出を抑える。例えば輸入に頼っていた朝鮮人参はじめとする薬草の国内生産を促進した……といった描写が日本史の勉強にもなって、オススメです。

なぜ『どうする家康』でも同じように取り組めないのか?

以下の記事では、NHKの時代考証は、その蓄積度合いが民放にはない強みとして分析されていて、条件は変わらないはずです。

◆NHKドラマ『大奥』に民放各局のテレビ関係者が「嫉妬」し、羨ましく思う理由(→link

せっかく環境に恵まれているのに、まるで民放ドラマのような軽いタッチで大河を作ったら失敗する――そんな事前予想通りでウンザリします。

2023年大河ドラマ直前予想『どうする家康』はどうなる?消せない懸念

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どうした大河予算

あるいは大河そのものが財政難なのでしょうか?

一向一揆の戦闘シーンが、全く迫力がありません。

そもそも大河の戦闘シーンについては、たしかに予算の問題があってなかなか難しいことは承知です。

しかし、今回の本證寺攻め、門に取り付けた閂(かんぬき)なんて、ホームセンターで調達してそのまんま使っているような真新しさでした。

大きな予算は取れずとも、少し手を動かすことでまかなえることはあるはず。

制作現場の士気が消沈しているのではないか、という懸念が止まりません。

以前見た、とある華流ドラマの山賊の戦いの方がはるかに見応えがあり、そこではたと気づきました。

本作で非難が集中した“CG馬”について「複数の馬を走らせる場面は危険だから」という言葉がありました。

しかし海外のドラマではそういったシーンも撮影されている。馬が転ぶような場面もある。

大河で無理なのはなぜなのか。

要するに技術や予算が不足しているということなんですかね。

バンカー号よ、安らかに。

◆大河“主演”3度の常連 撮影馬の「バンカー」20歳で死ぬ…「鎌倉殿の13人」小栗旬と名コンビ(→link

 


どうする軍師

“軍師”という言葉がかなり大々的に使われました。

戦国時代の当事者が「わーい軍師だー」とはしゃいでいたのかどうか?

本作は、後世の誇張ありきなので出すとは思いましたが、それにしても「軍師がいるから強いんだ!」ってのは、ゲーム脳が悪い方向へ暴走している感が否めない

そもそも作戦を練る者なしで戦争などできません。

軍師なんてどこにでもいるといえばそうだし、きちんとした役職として無いといえば無い。

ですので、こうした描写については「軍師がいるから強いんだー!」でなく

「どうやら敵も策を用意しているな」

孫子をわかる者がいるようだ」

ぐらいの対応ではいけませんか?

『麒麟がくる』では、朝倉浅井との戦いで、織田勢の徳川家康と松永久秀が何かがおかしいと察知しまていました。

どうにも味方がすんなり勝てる。これは自分たちが強いわけでなく、相手がわざと手を抜いておびきよせているのでは?

こういうことを察知できるのが兵法です。

「軍師がいるから強いんだー! 軍師は誰だー!」じゃないんだってば……。

戦国時代に軍師はいたのか?

当人同士が軍師連呼していたとはあまり思えません。

軍師というのは『三国志演義』や『水滸伝』を読んだ作家やライターがこう考えた結果なんですね。

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厳密に考えると、日本に軍師はいないような気もします。

本場中国の軍師像は文官です。

諸葛亮は甲冑すら身に付けないし、馬にも乗らない。ライバルの司馬懿も本来は文官。

文武が分かれていて、かつ文官上位の中国では、文官でありながら戦争も強い、そういう人物を「軍師」扱いするわけです。

となると、日本の武士はそもそもが武官なので、なんか違う気がしないでもありません。

あえて探せば……

大江広元(文官武官が分かれていた頃の文官で、戦の献策をする)

太原雪斎(僧侶は文官扱いで)

このあたりのような気がします。

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細えこたぁいいじゃねえか!

と、言われたら、もう仕方ないんですけどね。

中国でもコーエーテクモさんのゲームは大人気ですし、戦国時代の日本型軍師も受け入れられています。

ただ、そうなるにせよ、戦国時代のコンテンツとして面白いという絶対条件付き。

今年はその点、ある意味終わっているので、中国史関連の考証もかなり雑と感じます。

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