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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第46回「大坂の陣」】
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どうする棒読み信繁
急に思い出したように「乱世を泳ぐは愉快なものよ!」と言葉にする真田信繁。
凄まじいまでの棒読みで、こちらも悲しくなるばかりです。
このドラマの連中は、合戦シーンの面白さが「敵を倒す」「敵を殺す」ことくらいにしか見出せていないようだ。
妙手を繰り出す計略のうまみを理解していない。『パリピ孔明』はこの点、実にワクワクしたものです。
ピアノがうるさい!
今週も音楽が辛い。
自己主張たっぷりに、ニコライ・バーグマンのフラワーボックスが似合いそうな、カフェ調のピアノを流して何がしたいのでしょう。
どうする火器考証
本作は火縄銃の連射あたりから火器の描写に何も期待できなくなっていました。
今回も当たった途端即死していますが、陣笠に当たったような状況で即死というのは理解できません。
大筒の重量感がまるで出ていない。
大筒の反動は相当で、扱いを間違えたら重傷を負いかねない。そういう感覚がありません。
射程距離も異常に見える。砲弾が炸裂しているのもおかしい。装填も異常な速度だ。
こういう映像は、真面目に作るとコスパもよいものです。
2013年『八重の桜』は火器考証が抜群によいものでした。
フィクションゆえの誇張があるとはいえ、幕末銃器は実に見応えがあり、鶴ヶ城砲撃の場面はNHKの他の歴史番組でもよく使い回されていました。
しかし、『花燃ゆ』『西郷どん』『青天を衝け』などのお粗末戦闘シーンはそうはなりません。その場しのぎで適当な仕事をすると、何も残せないのです。
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どうした茶々の現状認識
天守閣を大筒で砲撃されているのに、「まやかし」だのなんだのいう茶々は、現実すら認識できていないのでしょうか。
どうしようもない家康と秀忠
家康が戦は酷いだのなんだのいい、秀忠が止めようとします。
いやいや、逆では?
秀忠はむしろ千姫を突き放しています。嫁いだからには婚家に殉じろ!と頑なな態度でした。
孫娘の悲運が申し訳ない家康が、そんな我が子を抑えながら、千姫救出の手立てを考えています。
秀忠をこんな無能に描いておいて「最新の説も取り入れました」と言われてもサッパリ理解できません。
『パリピ孔明』に完敗でどうする?
先日、最終回を迎えた『パリピ孔明』は素晴らしかった。
赤壁の戦いとサマーソニアを重ねたため、周瑜の功績が諸葛亮のものとされましたが、それは『演義』準拠なので仕方ありませんね。
諸葛亮陣営もよいものです。
そして前園ケイジは曹操オマージュだと見ていて伝わってきました。私の中の「曹操リスト」に前園ケイジも追加されています。
前園はやり方は間違っていたれども、あれだけビルドアップしているのは彼が真面目な努力家である証拠。
そういうところが「どんな時でも、常に書物を手放さなかった」とされる曹操と一致していていいですね。
前園ケイジって、考えれば考えるほど、曹操の魅力も詰まっていて素晴らしい。
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あと2~3週間もすれば、私の脳内歴史人物リストから『どうする家康』は焼き消されます。
例えば明智光秀リストは、長谷川博己さんの次は西島秀俊さんで埋まります。今年の大河は、とてもじゃないけど数に入れられない。
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そして、なぜ『パリピ孔明』が成功したのか? この記事を読むと腑に落ちます。
◆【実写化成功のカギ】『パリピ孔明』演出が明かす、主演・向井理との意見の一致「ギャグはやらない」(→link)
向井さんは真面目です。昔の中国らしい礼法を守り、綺麗な所作を見せます。
それが『どうする家康』はどうか?
◆NHK「どうする家康」徳川家臣団の「おいリレー」はアドリブだった!視聴者驚愕「まさか」「今日のハイライト」「恐るべし!」(→link)
痛々しいノリでアドリブをする。所作も何もあったものではなく、自分が目立ちたいだけ、楽しみたいだけ。
そんな低い志のまま、その場のノリで回すだけから、時代劇として作品が面白くなるわけがありません。
『パリピ孔明』では祈祷の場面で、きちんと東洋の占星術である星宿を唱えていました。
「西洋には星座ってあるんだって!」
家康と三成がそう語っていた大河ドラマを比較すると、その落差に気が遠くなるばかり。
友達同士がわちゃわちゃしていればいいというわけではありません。
◆松本潤、『どうする家康』で実現した中村七之助との初共演に喜び「かけがえのない友達と…」(→link)
ドラマを純粋に楽しみたい大半の視聴者にとって、出演者の友情とか初共演とか、そんな身内話はどうでもいいことです。
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