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『どうする家康』感想あらすじレビュー第46回「大坂の陣」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第46回「大坂の陣」
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文春砲、またも補強される

そろそろ最終回のこのドラマですが、文春砲による告発の信憑性が増すばかりなのはどうしたことでしょうか。

◆ Snow Man宮舘涼太、連ドラ初レギュラー フジ『大奥』で亀梨和也“徳川家治”のライバル“松平定信”に「自分の役を全(まっと)うできたら」(→link

文春砲で松本潤さんが大河出演を蹴ったという宮舘涼太さんが、民放が気合いを入れて作る時代劇に出演するとのこと。

松平定信とは、ドラマ10『大奥』では安達祐実さんが演じた人物です。

そしてこちら。

◆ 有村架純「どうする家康」ファン感謝祭欠席の裏 松本潤との"静岡デート"報道でNHKが「待った!」(→link

文春砲では、松本潤さんが有村架純さんに入れ込んでいたと報道されました。それをNHKが警戒し、感謝祭に参加させなかったのではないか?という推察記事ですね。

むろん、記事が不正確で、ご本人が断った可能性もあるかもしれません。

わかっているのは、これだけ瀬名を猛烈にプッシュしておきながら、感謝祭にはいなかったということ。

『鎌倉殿の13人』最終回イベントでは、八重を演じた新垣結衣さんが参加していたというのに、なぜ今年はそうなるのか不可解です。

理由はどうあれ、文春砲は否定されるどころか補強されている。

そして文春砲を踏まえ、紅白ではむしろ突き放すような対応をするNHKから察せられることもあります。

NHKは、契約途中での降板や更迭は余程のことがない限り、できないようですね。

となると、2015年『花燃ゆ』の脚本家降板ラッシュは何だったのか? よほどの事情でもあったのかと考えてしまいます。

NHK……なかなかの伏魔殿のようですね。

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どうするミソジニー

NHKが伏魔殿という話は、あの情報流出があったからには、もはや笑い話でもなんでもないでしょう。

大河ドラマの抱えるリスクも再認識しました。

◆ NHK首都圏ネットワーク「中傷加害者への取材メモ」ネット流出か。Xアカウント「暇空茜」信者“暇アノン”が局内にいる?事実なら局長のクビが飛ぶレベル、ネット「本当に放送されるの?」(→link

どこが大河と関係があるのか。NHKつながり? いや、それだけではありません。

ミソジニーとヘイト、アンチフェミニズムによって結びつく絆です。「インセル」という言葉もあり、既に深刻な犯罪も起きています。

そうした負の感情によって形成されるエコーチェンバーが、リスクとなることはわかってきている。むしろ、もっと早く認識されて然るべきでした。

マスコミにも根を下ろしていて、手柄欲しさにルールすら破りかねない。それが可視化されたのが今回の不祥事でしょう。

私は、かなり前から大河周辺に漂うミソジニーが気になっていました。

女性主人公。女性脚本家。こうした要素が揃う大河ドラマのアンチ活動は、熾烈さを増します。

確かに『江』や『花燃ゆ』は駄作であり、作品自体を擁護しようがないのは仕方ないと思います。

ただ、男性主人公あるいは男性脚本家でもここまで叩かれただろうか?という疑念もあります。

八重の桜』『おんな城主 直虎』のバッシングは過剰にも思えました。

『麒麟がくる』の駒叩きも、典型的なミソジニーだと思えました。

ちゃん付けで呼んだり、彼女の医学知識を無視したり、はたまた将軍義昭の愛人だと誤認した上で広めたり。

現実世界で女性政治家や研究者が浴びせられるものに近い悪口がSNSで撒き散らされ、ネットニュースにまで発展する様は危惧を覚えるものでした。

パリピ孔明』の諸葛亮は、やたらと相手を観察していて気持ち悪いですね。

あれは兵法の基礎。あの作品のおかげで兵法を簡単に説明できるようになって、ありがたいことです。

私も兵法を参考にしながら仮説データの収集を行いたい。

仮説:『麒麟がくる』の駒叩きを熱心に繰り返しているユーザーは、現実社会の女性、こと男性が多いとされる分野で活躍する女性をバッシングしているのではないだろうか?

この仮説を検証するために、ネットの海に潜っていると、予想が当たっていると感じる。

そして大河ドラマファンダムに充溢しているミソジニーは危ういと思ったものです。

華流ドラマはじめ海外ドラマ界隈は、そういう傾向はここまで極端ではありません。

アンチフェミニズム関連の炎上事件は多く、いつか大河も大々的に巻き込まれるのではないか?と懸念しています。

そんな懸念は当たってもらわなくて結構。来年と再来年はそうならないと今の段階では思いますが……。

 

どうするネットリテラシー

大河ドラマのネットリテラシーは大丈夫なのでしょうか?

『青天を衝け』の公式SNSもなんだか危なっかしい投稿ぶりだと思っておりました。

作品と年によって波があり、一体どういう体制で行われているのか、疑問が湧いてくる。

SNSを活用しなければ理解できないというドラマ作りは、本来は禁じ手でしょう。

ネット環境を利用しない視聴者もいるのは当然のこと。特定のSNSを用いて、補完しながら見てこそ本物のファンだ! そんな誘導や風潮は忌むべきことであるはず。

裏話が暴露されるような投稿が放置されれば、情報漏洩につながりかねません。

NHKはネットリテラシーの見直しを検討すべきではないでしょうか。

 

人を射らば先ず馬を射るべし

人を射らば先ず馬を射るべし。杜甫「前出塞九首其六」

そろそろ『どうする家康』の総括に取り掛かる時期かもしれません。

この大河ドラマはある意味歴史に残る作品となるでしょう。

傑作ではなく、歴史の変わり目にいた象徴的な駄作であり、テレビタレントのノリが終わるということを意味します。あるいは外向的優位の時代の終わりですね。

内向か外向か?というのは人の心理分析での話であり、じっくり考える内向に対し、パーッと大人数に訴えかけるのが外向。

資本主義が強固になると、外向有利の時代になっていったとされます。

口がうまく、人あたりがよい、営業マンタイプが優秀とみなされるようになっていったのです。

一方、内向的なコツコツタイプは「陰キャw」とコケにされる。

ノリがよく、勢いが強く、ズバリ本音を言う――そんな外向的で勢いのある人間が強いということで、テレビの普及と共にそうした神話はさらに強固となり、形成されてゆきました。

真面目にコツコツ学ぶガリ勉はダサい! モテない!

そんな意識とワンセットになります。1980年代の漫画やドラマのノリで生きているぶんにはそれで十分かもしれません。

しかし、ハッタリ重視のノリや冷笑逆張りが通じたのは、せいぜいが2010年代あたりまで。

それなのに『どうする家康』は、2020年代に入っても、冷笑逆張りカッコつけで、中身は空洞のドラマでした。

「慈愛の国」だの「王道」だのなんだの言っていたと思ったら、「地獄を背負う」だのなんだの極端にブレる。

作り手が無知でインプット不足なのに、新説をつまみ食いして「最新研究を取り入れました」とマウントをとる。

そして批判する連中をコケにする。

何が若者向けか?なんて全く把握せず、アップデートもしていないくせに、自分は永遠の若者だと言わんばかりの態度を取る。

もう、ウンザリです。辟易させられる状況です。

来年こそは大河ドラマを楽しみたい、真っ当な歴史作品を見たい――本記事をここまでお読みいただけた方は、そんな悲痛な思いでいるかもしれません。

今年の、あまりにも幼稚で陳腐な展開に愕然としながら、『果たして他の視聴者は納得できたのだろうか?』という感情になることもあるでしょうか。

そして、2024年がどうなるか?気を揉んでいるかもしれませんが、現時点では誰にもわかりません。

ドラマが楽しければ、反対意見など気にならないもので、来年はそうなるように心から願っています。

ただし、いくらドラマが楽しくても、SNSなどに目を向ければ、ご自身と対立する意見もありましょう。そこでどうすべきか?

無理に理解しようとしない。

妥協しない。

差別はゆるさない。

相手のペースや屁理屈に乗らない。

数に頼りすぎない。

反論するなら、データ理詰めで。

要するに、相手が喧嘩をふっかけてきたときのみ策なり兵法なりは用いられるべきであり、そうでないなら避けるに越したことはありません。

挽弓当挽強 弓を挽かば当に強きを挽くべし
弓を引くなら強いものを

用箭当用長 箭を用いなば当に長きを用うべし
矢を用いるのならば長いものを

射人先射馬 人を射らば先ず馬を射るべし
人を射るのならばまず馬を射るべし

擒賊先擒王 賊を擒(とりこ)にせんとすれば先(ま)ず王を擒にすべし
賊を捕まえるならばまず王を捕えろ

殺人亦有限 人を殺すには亦限り有り
人を殺すにせよ限りというものはある

列国自有疆 國を列(た)つるには自ずから疆有り
国がいくつもあるのであれば国境はある

苟能製侵陵 苟(いやし)くも能(よ)く侵陵を製せば
敵の侵攻を防げばよいだけだ

豈在多殺傷 豈(あ)に多く殺傷するに在らんや
どうして多数を殺す必要がある?

来年の大河ドラマで、ハッシュタグ荒らしなどが起きなければよいですが、結局は個々人で上手に楽しむしかないということですね。

さすがに今年のような状況はもう起きないのでは?とは思います……。

◆嵐・松本潤「どうする家康」低迷で苦しい前途 CM、ドラマ界が指摘する〝起用リスク〟(→link

戦を好まぬ皆様方は、思うところがあればネット上ではなく、NHKに送りましょう。

◆NHK みなさまの声(→link

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文:武者震之助note

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どうする家康/公式サイト

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