鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第23回「狩りと獲物」

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動かない鹿を用意せよ

さすがに明日こそは仕留めていただかねばならない……と暗くなってくる鎌倉武士団。

比企能員は、明日までに「動かない鹿を一頭用意してくれ」と言い始めました。

安達盛長も無理を承知で頼んできます。

ちなみに安達盛長は比企尼の長女を妻としており、比企とは姻戚関係ですね。

義時はそれでよいのか?と念押し。

能員と盛長は「鎌倉殿には内緒で工作をする」と、言ってますけど、んん? その背後に弓を点検する頼朝が来てますよね。

一体なんなんだ……この茶番……。

かくして、梶原景時よりしょーもない策が進んでいくのでした。

八田知家が仕掛けを作っています。

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自分の獲った鹿が使われていることにショックを受ける金剛に、義時が「許せ」と一言。

死んだ鹿を不自然に登場させ、それでも矢を外したらすかさず八田知家が射抜き、策は成功します。

皆が喜び、頼朝も「でかしたぞ、万寿!」と祝福。

能員が鹿の大きさを褒めちぎると、金剛は子鹿のようだという。

疑念に思う我が子の胸を叩き、それとなく黙らせる義時。

ともあれ今夜は鹿汁だということになります。

とはいえ、万寿だって気づいている。そして金剛に悔しそうに言います。

「父上が手を回して細工を頼んだ。私はいつか弓の達人になって見せる! 必ず自分の力で鹿を仕留めて見せる! 必ず!」

「楽しみにしています」

金剛はそうニッコリと笑い、それを見ながら万寿は空に向けて矢を放つのですが……それは落ちて能員に刺さりました。

「誰じゃ! 矢を闇雲に放ったのは!」

何やら不吉な予感が……。

 


矢口祝い

万寿がニセ鹿を狩ったその夜、「矢口祝い」が行われました。

武家の男子が初めて獲物を仕留めた時、三色の餅を備える儀式。

風俗考証の佐多芳彦先生が気合を入れた渾身のシーンですし、海外受けもよさそう。

やはり時代劇はこういうのが見たい。そう思わせる場面です。

義時と金剛も餅を分けてもらい、外で食べています。

するとそこへ工藤祐経がやってきた。

金剛が挨拶すると、八重の息子だといい、目元がよく似ていると語りかけます。

その八重の父・伊東祐親を殺そうとして、兄・河津祐泰を仕留めてしまった。それなのにこういうことを言うんですよねー。

つまり、彼は仇討ちに無頓着ということ。

もしも、もっと慎重な性格ならば、少年時代の曽我兄弟に石をぶつけられた時点で、何かを考えていたかもしれません。

義時はそんな祐経に、鎌倉殿の覚えもめでたくよかったと告げます。

そうそう、祐経は仕事がなくて義時に斡旋を頼みに来ていましたっけ。

祐経は得意げだ。

これからは京へ行くことも多くなる。そうなると、都暮らしが長かった自分みたいな男が側近になった方がよい。

実際、彼は元服する頃に上洛し、そこで京風の教養を身につけました。

そんな流れから、唐突に話し始めたのが比奈のこと。

おっ? なんだろう、このゲスな予感は。

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要するに、京風のマナーを身につけた側近ってのは、アバンチュールを助けてくれるわけでゲスい。

 


源氏の嫡男ですよ

鎌倉まで戻ってきた比企能員。

妻の道と共に北条政子の前に現れ、万寿様がどれだけ大きな鹿を仕留めたのかと報告しています。それまで一番大きな和田殿を超えたとか。

しかし、素直に喜んでいるのは阿野全成ぐらいで、妻の実衣は「ケッ」とでも言いたげな態度。政子も冷静です。

「万寿は源氏の嫡流ですよ。巻狩りで鹿を一匹仕留めたことで大袈裟に騒ぐことはありますか? だって鹿でしょ」

大姫も鵺(ぬえ)を仕留めたわけでもないと冷ややかに言い、政子と大姫はその場を立ち去るのでした。

能員は悔しがります。

「なんなのだ!」

実衣は「誰かさんが大袈裟にはしゃぐから」とチクリ。痛む足で戻ってきたのにと道がかばいます。

お、万寿でなく夫のことをフォローするあたりが道の迂闊さかもしれませんね。

またも比企と北条が火花を散らしています。

阿野全成は普通の態度なのに、実衣は嫌味たらしく皮肉げだ。こういう性格が反発を買うのでしょう。

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政子は廊下を歩きながら、大姫にこう言います。

「万寿が帰ってきたら、うんと誉めてやりましょう!」

「はい」

政子は比能夫妻の報告には、堂々として冷たく返していた。

それなのに、本音になると優しくはしゃぐ母の顔を見せます。

小池栄子さんは今週も素敵です。

 

曽我事件

そして5月28日――事件が起こります。

頼朝は「これを最後にするから!」と盛長に何かを訴えています。

真面目な盛長でなく、色好みを理解する祐経が、チャンスを作ってくれたそうですよ。頼りになる男だとさ。クソだな。

それでも今回の盛長は頑張る。

頼朝が朝までには帰ってくると懇願しても行かせない。

結局、頼朝はどのタイミングで消えたのか、寝所には祐経が身代わりで寝ているのでした。

そして頼朝が戸を開けると、比奈が座っていて……横には義時もいました。

「本当に来られるとは……」

呆れる義時。

頼朝は「わしは征夷大将軍!」とどうでもいい言い訳をしています。側女を持つのがそんなにいけないことか、だってよ。

そんなもん、北条政子の弟からすれば「いけない」で終わりますってば。

義時は呆れ、意図がわからないと言います。

比奈と私を結びつけようとしておいてこれ?

そういうと、政子が勝手に言い出したと言い訳しだす頼朝。そして、オマエは比奈にその気はないと言ってたじゃないか、と責め始めました。

売り言葉に買い言葉でしょうか。頼朝の言い分な対し、義時が「よい方を紹介してくださった」とサラリと言うと、比奈は何かキュンとしています。

しまいには「もうオマエとは同じ女を取り合いたくない!」と言い出す。八重のことで懲りたのでしょう。

頼朝は一人で戻ろうとするので、義時は送ろうとします。「無用だ!!」と言われても追いかけようとするのですが、比奈が止めます。

「お待ちください!」

「なんですか?」

「お気持ちうれしゅうございます!」

「あれは方便……」

「いいえちがうと思います!」

そう追い縋る比奈ですが、義時はそれどころではないのでした。

それにしても、恋する比奈はかわいらしい。鹿狩りのコツを教え、そしてこれだもの。八重と違って比奈もよいものです。

今まで誰かの思う様で動いてきた。自分の心に意味なんてない。

そう言っていた比奈が、自分自身の恋心に気づいたら、思う様に動くようになっています。

素敵な女性です。先週もよかったけれど、今回はもう魅力全開ですね。見ていてまぶしいほど。

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