鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第35回「苦い盃」

源実朝が、和歌の紙を夢中になって見ています。

三善康信がさりげなく置いといたもので、書き写したのは母である北条政子

一番気に入った歌は誰のものか?と尋ねています。

道すがら 富士の煙も 分かざりき 晴るる間もなき 空の景色に

それは『新古今和歌集』に収録された源頼朝の歌でした。

父のものだと知り驚く実朝。

富士の噴煙がわからぬほど雲が多かった情景を詠みました。

「あなたも不安なことがあるかもしれない。でも父上もそうだった。励みにして」

政子が温かい声をかけます。

和歌をはじめ文芸作品は、そのまま見た景色だけでなく、託した心境も読み取るものです。

政子は狩りに出かけて富士山すら見えないと嘆く頼朝の気持ちを読み取りました。初代鎌倉殿であっても、先行きの見えない不安を抱えていた。

「鎌倉殿も思いを歌にしてみてはいかが?」

そう言われて、実朝は深く頷いています。

 

新妻のえの本音

実朝の婚礼が近づく。

その陰で、時政とりくは息子を失っていた。

不可解な死の真相を巡り、駆け引きが始まる――。

長澤まさみさんによるナレーションで、今週もまた不穏な物語が幕を開けました。

新婚の北条義時は、今年は御台所がお越しになると新妻のえ伊賀の方)に告げています。

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早くお世継ぎに恵まれればよいと返答するのえに対し、義時が尋ねる。

「子が欲しいか?」

「欲しくないと言えば嘘になりますが」

なんでしょう、このヤリトリ。

義時もちょっと気色悪いし、のえの返答も嘘くさくてムズムズしてきます。

義時は、りく(牧の方)と時政の子である北条政範について語ります。

りくは政範を北条の後継ぎにしようと必死だった。子がいたらいたで大変だ。そう語ると、のえは優しく返します。

「小四郎殿には太郎殿がいらっしゃいます。私はそれで満足」

あからさまに謙虚な妻に対して、ニヤニヤと笑みを浮かべる義時。すっかり騙されていますね。しかし……。

「満足なわけありませぬ!」

「すべてはお前次第……」

「必ずや男子を産んで、その子をいずれは北条の家督にしてみせます! そうでなければあんな辛気臭いな男に嫁ぎません!」

直後に、のえは、祖父である二階堂行政に生々しい本音を暴露していました。

物語上の伏線であると同時に、現実ってそんなもんだなぁとも思えますよね。

一方、太郎こと北条泰時は、父を心配しています。

とんでもない女を娶った父が心配でならぬ。妻の初は「あなたの義母上ですよ」と嗜めていますが。

「伝えるべきだろうか?」

「関わらなければいいのではないかと」

冷静に返す初。

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まぁ、泰時から真実を伝えたところで、父には理解されないどころか、余計なトラブルに発展しそうではあります。面倒なことに巻き込まれたくない初の気持ちもわかります。

「しかし裏の顔を見てしまったからには……ああもう、なぜ父上はあんな女子に!」

まずいですね。義時が不真面目な性格で、妾にするくらいならマシだったかもしれない。正室にしたことで非常に厄介なこととなりました。

にしても、存在そのものが災厄となってしまう主人公の妻とは斬新。

 

死んだ息子を皿に喩える時政

元久元年(1204年)12月10日――源実朝と結婚するため、後鳥羽上皇の従妹である千世が鎌倉に到着しました。

さっそく出迎えるのは北条政子と妹の実衣

京からやってきたのは、まるで生きた雛人形のような、可憐な姫君です。

にも関わらず、りくは顔を出しません。彼女が勧めた縁談だろう、と北条時政が気遣っていると、「政範が連れてくるはずだった」と嘆いています。

時政は、どうしようもない話を展開させます。

幼い頃、親父殿の大事な皿を割ってしまった。親父殿は叱ったけれど言った。

割れた皿は元には戻らねえ、しかし皿に載った料理のことは忘れはしない。

思い出の皿はいつだって、うまい料理を乗せて俺たちの前に並ぶってよ。

喩えがなんだかおかしいくない……?と思いきや、案の定、りくは怒ります。

「酷すぎる! 自分の死んだ子を皿と一緒にするなんて!」

オロオロするばかりの時政は、気弱なお前を見ているとどうしたらいいかわからなくなると泣きつくしかない。もはや、完全にりくの操り人形だ。

「わしが言いたかったのは……」

「わかっております。もう大丈夫」

ひとまずりくは回復するのでしょうか。

かくして彼女も参加して、実朝と千世の結婚の儀が進みます。

千世の装束はまさにお雛様。実写になってみると感慨深いものがあります。加藤小夏さんと柿澤勇人さんの美しさよ。

けれども、実朝の戸惑いと迷いはあるようで、酒を口に含むことにためらいがあります。

 

朝雅が毒を盛ったのではないか

京都から千世を連れてきた畠山重保が義時たちに報告しています。

鎌倉を出た時は元気だったのに急な病とは……と、義時が政範の死を惜しんでいると、人生はわからないと大江広元が淡々と答えます。

すると重保の父である畠山重忠が神妙な面持ちになります。

「そのことで息子から話したいことが……」

政範が死んだのは京都到着二日目の夜。宴席で突如倒れて亡くなった。長旅で疲れていたとはいえ……。

そう言葉を濁す重忠に対し、義時がその先を促すと、宴席の前の晩、重保が聞いてしまったと言うのです。

何を?と思えば、平賀朝雅でした。

「では、これを汁に溶かせばよいのだな。味で悟られてしまわないか?」

朝雅が医者と密談していて、医者のほうも「味がない」と返したというのです。

平賀朝雅による毒殺――衝撃を受ける義時。

話には続きがあり、重保は、政範の死後、朝雅本人を問い詰めていました。

饗応のために汁の味に気を配っただけだ!とシラを切る朝雅は、重保に向かって静かに語気を強めます。

「畠山殿……人に話すと、ご自分の正気を疑われますぞ」

脅迫ですね。

朝雅のほうが立場も発言力も強いことで圧をかけ、重保を黙らせようとしている。

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ただ、重保も若く、真っ直ぐ過ぎました。もう少し相手を泳がせるなり、証拠を固めておけばよかった。例えば政範の遺体を調べられたらよかったのですが……。

それでも「あれは汁の味の話ではない」と言い切る重保。

義時は調べてみると請け負います。

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