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【鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第35回「苦い盃」】
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武蔵へ戻って戦支度をする
毒を盛ったのは誰だ?
こうなったら審議をすべきだろう――。
しびれを切らした畠山重忠が、そう言い始めます。
しかし、平賀朝雅はすでに京都。
それこそが嘘をついている証拠であり、すぐに連れ戻すべきだと重忠は言います。それでも義時は判断できない。
彼は後鳥羽院の近臣であり、下手をすれば朝廷との対立が決定的になってしまう、とのことで、そんなもん知らんわ、とばかりに重忠は怒りしかありません。
「我らが謂れなき罪を着せられてよいのか!」
重忠は、武蔵で揉めていることも思い出しています。執権殿の狙いはそこだ。畠山を滅ぼし、武蔵を我がものにするのだと。
義時が父を庇うことに理解を示しつつも、武蔵へ帰ることとしました。
このままでは戦になる。
義時にそう訴えられても、念のため戦支度をすると返します。
床には、重忠が拳を叩きつけた跡がついている。あの冷静沈着な重忠がこうも怒っている。
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そのころ源実朝は義盛邸にいました。
義盛が作る鹿汁を食べている。なんでもここにいると心が落ち着くんだとか。
義盛とは気兼ねなく話ができるそうで、一方の義盛も、子供が成人して家には寄り付かないため、頼りにされて嬉しそうです。
巴も、将軍のお役目が辛いのか?と気にかけています。
「少しは羽目を外した方がいい」
義盛は、面白いところへお連れすると言います。
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実朝・義盛・泰時・鶴丸が向かった先には、テントのような家がありました。
なんでも「歩き巫女」がいる場所のようで、今日は若い者を連れてきたと義盛が告げています。
彼女は名うての歩き巫女で、面白いように占いが当たるとか。
甥っ子だとして、一同を並ばせる義盛。
さて、巫女はいきなりこうきました。
「この中に一人……一月体を洗っていないものがおる」
「俺だよ、ようわかったな!」
いきなり驚きの声をあげる義盛。単に臭っているのでしょう。これって占いなのかと泰時が怪しんでいます。
臭いのする義盛が後ろに下げられると、巫女は泰時に向かって「双六が苦手だろう」と突然言い切りました。
苦手というか、子供の頃から双六をするとなぜか具合が悪くなるようです。
双六の最中に殺された上総広常を思い出させる話ですね。
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続いて実朝は「雪の日は出歩かないように」と巫女から忠告されます。
災いが起きる、とのこと。
雪の日は滑るからだいたい歩かない方がいいと義盛が付け加えますが……。
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りくの脅しを鵜呑みにする時政
義時は粘り強く、父に畠山を討たぬよう訴えています。
重忠は頼朝に命を救われてから必死に戦ってきた。奸臣の言葉を信じないように。
奸臣とは誰のことかと問われ、平賀朝雅の名をあげる義時です。誰よりも疑わしいと伝えると、平賀朝雅には動機がないと時政は返します。
時政は気づいていませんでした。
政範が亡き者になれば、次の執権の座は朝雅にもチャンスが回ってくる。それを狙ったのではないか?
そんな状況であるにも関わらず、真偽を正さず畠山を罰すれば必ず後悔する。
「畠山討伐は待っていただけますか?」
義時の言葉に頷くしかない時政ですが……。
「それで引き下がってこられたのですか!」
そんな時政に激怒するりくです。
政範のことはもう少しよく調べてからと時政が告げても、「まだわからないのですか!」と煽る。
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滅ぼさなければ滅ぼされてしまう。
畠山を退け、足立を退け、北条が武蔵を治めねば、政範だけではなく、次は私の番かもしれない。
「それはいかん!」
時政はハッとしている。最早その段階まで来ているというりくの脅しを鵜呑みにしていますね。
兵を動かすには鎌倉殿の花押入りの下文が必要であり、時政は御所へ向かいました。
しかし……。
「鎌倉殿は今、会えません」
御所に向かうと、娘の実衣に止められました。大事な用があると粘っても、父上だろうと従うわけにはいかないと強硬な姿勢。
実朝が、お忍びで義盛のところへ遊びに出てしまったため、御所では居場所がわからず混乱しています。
なぜ黙っているのか?と大江広元が不審がると、事を大きくしたくないとか。
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文官たちは狼狽しながらも八幡宮を探すと話し合っています。
御所に騒ぎが広がっています。
「よう、鎌倉殿は見つかったか」
そのころ実朝たちは?
義盛と鶴丸は相撲をとり、実朝はまだ占いをしてもらっていました。
妻を娶ったことを話、思いと関わりのないところで全てが決まったと悩んでいる。
「おまえさん……まあいい。悩みは誰にでもある。おばばにもある」
おばばは、歳をとって肘が顎につかなくなったと嘆いています。
いや、それは……誰でもそうではないのかと実朝が生真面目に返答する。
「お前の悩みはどんなものであってもお前一人の悩みではない。はるか昔から同じことで悩んできたものがいることを忘れるな。悩みとはそういうものじゃ」
巫女に諭され、実朝は涙ぐんでいます。
御所では、八田知家が意味ありげに腕を組んでいました。三善康信は鎌倉殿に何かあったら私の責任だとうろたえるばかり。
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北条家の面々は、今後のことを話し合っています。
重忠は身内なのだから、なぜ戦うのか?
政子がそう懸念すると、同席していた大江広元は、我らが鎌倉殿を見つけられないと言うことは、時政も見つけられないと励まします。
そして、不意に実衣へ向かって「いい匂いだ」と声をかける政子。急に何かと訝しみつつ、京都から貰ったと答えています。
私達の日常でも、緊迫した場面で本題とは関係ない話は出てきますが、それとなく実衣と京都の関係が垣間見える話ですね。
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「よう、鎌倉殿は見つかったか」
と、そこへ時政がひょっこり顔を出してきました。ここに隠れてんじゃねえのか?と疑うような時政に対し、政子が即座に否定します。
そして彼らは、時政にお引き取りをと迫る。
「じゃあ、そうするか。一旦帰ります」
しかし、時政は帰るフリをしていました。
そんな御所のヤリトリには一切気づかず、義盛一行は相変わらず遊び続けていました。
義盛と鶴丸が「双六をしよう!」といい、もうやだやだ!やだやだ!と泰時が駄々をこねていると、八田知家の登場です。
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こうして無事に戻った実朝一行。
足立遠元が告げると、こんなに大騒ぎになっているとは思わなかったと実朝が詫びています。
無事に帰ったなら十分だと安心する康信。
御所に静けさが戻り、一堂安心――そんな間隙を縫うかのようにして、やってきたのが時政です。
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