青天を衝け感想あらすじ

青天を衝け第6回 感想あらすじレビュー「栄一、胸騒ぎ」

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栄一は百姓代表か?

人類で「極端な思想を持つ層」は2パーセントだという研究があります。

ノイジーマイノリティというものですね。

栄一はしつこく「百姓が」と言いますが、彼は十分富裕層にあたる層です。

現代人ならこんなところでしょう。

・住んでいる場所もそれなりの都市圏

・恋愛経験も平均以上にある

・年収は結構高い、中流以上。同年代では上位

・教育もしっかり受けていて学歴は高い、出身校偏差値を自慢できる

こういう層ですね。

幕末に来日した外国人の記録を読むと、日本の庶民はむしろフレンドリー。

彼らが危険視していたのは、道ゆく帯刀のサムライです。フラフラ歩いている武士層というのは、そこまでランクが高くないのです。

武士と百姓の中間層。栄一がズバリここに入るわけですね。

幕末期はこういう豪農、富裕層にあたる身分がMアノン尊王攘夷にハマるものでした。

現代でもいませんか?

陰謀論をずーっとSNSでつぶやいている人。

人間って進歩するのか、そうでないのか、よくわからない不思議な生き物なんですよ。

◆ 陰謀論、家族引き裂く…SNSで傾倒 言動激化(→link

 


『三国志〜趙雲伝〜』はずっと盗賊退治をしている

栄一を伝説の勇者にするため、山伏A、祈祷師Bような雑魚じみた人物をわざとらしく配置。

それを退治してSUGEE!TUEEE!スカッとしたとネットニュースで流す。

一体この潮流は何なのでしょう?

史実ですと言われたところで、だから何だ?としか言いようがない。

学生時代に県大会でベスト4に入っただの、偏差値の高い高校を出ただの、そういう過去の栄光・自慢を聞いているような気分になってしまいます。

◆<青天を衝け>吉沢亮“栄一”の機転に視聴者喝采「スカッとした!」公式が史実と明かす(→link

そういえば趙雲が主役のドラマが放映され、日本版もあるのですが……。

キャストも豪華で予算もバッチリついているものの、どうにも作り手が歴史に思い入れがない。

やっつけ仕事なのに無駄に話数が長いため、ひたすらオリジナル山賊を倒し続ける話なのだそうです。

それでも趙雲には長坂がある。

しかし、栄一は幕府が倒れてから帰国するわけです。

なんなんだ?

いつまでモブキャラ相手に無双するつもりなんだ?

◆『三国志』を新解釈すればよいものが作れるのか? 日中作品で考える(→link

 


提案があります

そういえばTwitterには、月曜朝に「何かを見た」とお告げのようなことを見る人がいるようです。不思議ですね。

きっと月曜朝に、この記事を読んで悪態をつく人がいる。SNSでも怒りを投稿してしまう。

「あんたさぁ、NHKのおかげで飯食ってる部分あるわけでしょう? なのに貶してアホなの?」

なんて、面と向かってバカにされたりもします。

諫議大夫って役職が中国にはありましてね。

ダメ出しをする人のことであり、そうしないと組織が崩壊してしまう。

大河ドラマが十年後に消える――なんてことになったら、その方が多くの人が困るでしょう。

日本の時代劇を、浮世絵や日本刀のような目に合わせるわけにはいかない。失われた伝統にしてからでは遅い。

ゆえにアカンところはきっちり指摘したい。

そのうえで申し上げます。

NHk大河チームは、ジェンダー観点からチェックできる担当者を大河に是非ともつけていただきたい。

近年の朝ドラにはついてますよね?

大河で出来ないわけがないでしょう。

その点『真田丸』の黒田基樹氏は万全でした。

◆【書評】黒田基樹『今川のおんな家長 寿桂尼』(→link

杞憂であって欲しい。

しかし、私は本気で憂えております。大河ドラマは残さなくてはいけない。そのためには何かをしなければなりません。

◆渡辺直美、泣きながら「自分の体型もポジティブに伝えてきているつもりだったのに昔に戻された」 (→link

2020年代は体型を笑うとか、アオハルとか、そういうサブカルのノリは駆逐される時代。その象徴のような出来事は起きています。

NHK大河も、今こそ変革の時だと感じる次第です。

※著者の関連noteはこちらから!(→link


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◆青天を衝け感想あらすじレビュー

◆青天を衝けキャスト

◆青天を衝け全視聴率

文:武者震之助(note
絵:小久ヒロ

【参考】
青天を衝け/公式サイト

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