フランス王ルイ11世の「遍在する蜘蛛」が最強か/Wikipediaより引用

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欧州のアダ名がパネェ!美男王に禿頭王、失地王と来て極めつけが「遍在する蜘蛛」

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1345年(日本では南北朝時代・興国六年/康永四年)の10月31日、ポルトガル王フェルナンド1世が誕生しました。

ポルトガルやスペインと言えば大航海時代ですが、今回は、フェルナンド1世を始めとしたヨーロッパの王様について見てみたい。

注目すべきはずばり「あだ名」です!

 

美男王と呼ばれたフェルナンド1世

フェルナンド1世、あだ名に注目したのも、実は大きな功績がないからです。

結婚のゴタゴタと領地争いぐらいで、特筆するなら

「人妻に横恋慕して無理やり離婚させてモノにした」

「市民大暴動」

「なぜか王妃(正妻)が鎮圧させる」

という摩訶不思議な事件があったことくらいでしょうか。

ダビデ王もびっくりだよ!

※ダビデ王……若い頃は大男ゴリアテを倒した英雄だったが、後に色ボケして人妻をモノにするため旦那さんをわざと生きて帰ってこれなさそうな戦場に送った人。当然神様に天罰をくらった。旧約聖書の登場人物。デイヴィッドなどの人名の元ネタ。

それはさておき、フェルナンド1世は「美男王」とあだ名されるくらいイケメンでした。

フェルナンド1世/wikipediaより引用

あまりそう見えませんか?
まぁ、肖像画ということで、実際は脳内で補正していただければ。

 

フィリップ4世は端麗王

世界史に詳しい方なら、ここで「ん?」と思ったかもしれません。

そうです、この「美男王」というあだ名。彼だけじゃなく他の王様でも何人かいるのです。

◆美男王……シャルル4世(フランス)
◆端麗王……フィリップ4世(フランス)

端麗王と呼ばれたフィリップ4世/Wikipediaより引用

端麗王と呼ばれたフィリップ4世/Wikipediaより引用

こちらも肖像画ではわかりにくいかもしれませんが、日本のイケメン代表(戦国武将部門)・宇喜多秀家さんも肖像画ではちょっと微妙ですよね。
たしかにお目々はびっくりするほどパッチリですが。

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ヨーロッパに話を戻しまして。
他にも言動がヤバくて「狂王」とされたルートヴィヒ2世(バイエルン)もイケメンで有名でした。
彼は絶世の美女・エリーザベトと親戚だったので、そういう家系だったといわれています。

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ちなみに女王の場合、美しさを称えられたという人はあまりいないようです。
女王に付いた人物がそう多くないというのもあるでしょうが、男女差別の証左でしょうか。

前述のエリーザベトを始め、ナポレオン3世皇后・ウジェニーなど、皇后や王妃であれば何人かいるのですが。お若い頃は綺麗でも、王という重職と出産のプレッシャーでか、大分ふくよかになられてしまうことが多いですし……。

これまた少し脱線すると、織田信長の織田家も美形一族とされ、信長の妹・お市の方の他に、おつやの方や信長の弟・織田秀孝なども凄まじく美男美女だったと伝わっております。

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さて、他のヨーロッパあだ名列伝も見て参りましょう。

 

禿頭王とか肥満王、長身王などの切ないものも…

そもそもヨーロッパの王様に、なぜこれほど多くアダ名が付けられるのか?

理由はものすごく簡単です。
基本的に聖書から名前を拾ってくるので、同名の方が多すぎるのです。

加えて、ヨーロッパでは別の国の王様を兼任するときに現地の名前を持つということもよくあったので、わかりやすいあだ名でもつけないと
「コイツ誰だっけ? あー、あっちでも王様やってたヤツね……ややこしいわ!」
ということになってしまうのです。

異名を持った女王が少ないのは、そもそも同じ名前でなおかつ女性君主が少ないからなのかもしれません。
”エカチェリーナ”(ロシア皇帝)や”イサベル”(スペイン王)は何人かいますが、他はほとんど「◯世」がつかない=一人しかいない名前ですしね。
ヴィクトリア女王とか。

さて、どんな基準であだ名をつけていたか?
というと、概ね二つに分類されます。

一つは「美男王」のように、身体的特徴からつけたもの。ブタゴリラみたいな感じですね。
「禿頭王」とか「肥満王」、「長身王」とか見たまんまでつけられていて、こんな呼び勝たされても全くもって嬉しくなさそうです。

もう一つは言動や功績から何となくイメージした単語をつけたと思われるもので、こっちのほうがひどいかもしれません。

最初に領地を分けてもらえなかった上、【百年戦争】で大幅に領地を失ってしまった「失地王」のジョン(イングランド)がワーストですかね。

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「敬虔王」ロベール2世(フランス)とか良いイメージのものもあるんですけども。

 

さすがに「遍在する蜘蛛」は意味わからん

また、ロシアには「雷帝」という実に厨二心をくすぐられる皇帝がいました。
16世紀のイヴァン4世という人です。

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別に雷の魔法が使えたというのではなくて、雷のようにおっかない人だというのでそう呼ばれました。
おそろしあには五百年もの歴史があるんですねえ。

もっと時代を遡ると「哲人皇帝」と称されたローマ皇帝・マルクス・アウレリウス・アントニヌスあたりもカッコイイですね。

どっちにも分類しかねる……というか、意味不明すぎてある意味最強なのがフランス王ルイ11世。そのあだ名は
「遍在する蜘蛛」
です。

フランス王ルイ11世/Wikipediaより引用

主に敵対する人々から言われたそうなのですが、由来が全くわかりません。
迷信深くて言動がちょっと不気味だったようなので、その辺から来たイメージでしょうか。

国別に見てみると、フランス・イギリスではいい言葉と悪い言葉が両極端な傾向があり、ポルトガルでは良いあだ名をつけることが多いような気がします。
度々国名が変わっていますが、現代のスペインに当たる地域にあった国(アストゥリアスとかカスティーリャとか)ではマイナスなあだ名が多いようです。

「残酷王」とか「狂女王」なんて出てくるのはスペインくらいのものですね、多分。

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「狂女王」とされたフアナについては、現代で言うヒステリーが酷かった程度の気がしますけどね。

 

日本では「地名+動物」の法則?

日本では天皇=神様扱いの時代が長かったため、あまりあだ名をつけるということはなかったようです。

そもそも名前を呼ぶのも畏れ多いということで「お上」とか「賢きあたり」なんて呼び方をしていましたから、当然といえば当然かもしれません。

例外は、源頼朝に「大天狗」と呼ばれた後白河法皇くらいでしょうか。

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反対に武家政権になってからや戦国時代に入ってからはいろんなあだ名が出てきます。

面白いのは、ヨーロッパでは「◯◯王」というようにあくまで「形容詞」+「王」なのに対し、日本や中国では「地名」または「特徴」+「動物の名前」が多いことです。

「独眼竜」なんかがいい例ですね。

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元々は中国の李克用という人物が【隻眼でありながら優れた将軍だった】ことからつけられたもので、それになぞらえて伊達政宗が呼ばれ、広く知れ渡りました。

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「神様は人間のためにいろいろ作ったんだから、人間が一番エライんだよ!」とするキリスト教的な考え方と、「世の中には人間以上に知恵や悪巧みに優れた生き物がいる」とする東洋的な考え方が現れている気がします。

そんな中「狸」の一文字で現代で通じる徳川家康さんもパネェ!
天下人なのに……。

人名暗記は歴史嫌いの第一歩ですけれど、こういう面から君主一覧などを見てみるとちょっと面白く感じるかもしれませんね。
どっちかというと教科書的に重要な人より、マイナーな人のほうが面白いですがw

長月 七紀・記

【参考】
フェルナンド1世 (ポルトガル王)/Wikipedia

 



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