鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第23回「狩りと獲物」

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第23回「狩りと獲物」

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北条家が巻狩りの打ち合わせをしています。

和田義盛梶原景時の不仲を心配しながら部屋の配置を考える北条義時

和田義盛は坂東武者のカリスマだ!なのになぜ滅亡へ追い込まれてしまったのか?

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そんな兄の気遣いに、弟の北条時連(北条時房)は感心し、北条時政も感謝しています。

義時は、時連に部屋から出て行くように促すと、父と二人きりでの話を始めます。

「私に隠していることはございませんか?」

そう切り出す義時に、時政は何の話かとシラを切る。

梶原景時が動いているんだ、只事ではない。

そう義時が強く迫ると、ただの敵討ちだと時政が笑います。やはり知らないようだ……。

敵討ちは見せかけであり、真の狙いは鎌倉殿! ヤツらは謀反を企んでいる!

義時から衝撃の事実が語られ、ようやく自分が利用されていたことに気づく時政。

ここでちょっと考えたいことがあります。

時政は気がいい人物ですから、敵討ちならばと快諾することは十分にあり得ます。

しかし、妻のりくは?

イベントで流血沙汰なんて、彼女なら自分に相応の得がなければ乗りません。

では、その得とは何でしょう。

同じ伊豆を拠点とする御家人・工藤祐経の排除です。

伊東祐親に追い出され、息の根をほぼ止められかけていたのに、京都での生活体験が頼朝に気に入られ、今、勢いがグイグイ伸びてきている。

そんな余計なライバルは早めに摘み取っておくに限ります。

誰かに利用されやすいーーこの時政の性格は、今後の展開でも重要かと思います。

その三男である時連もやはり素直な性格ですね。

まだあどけなさすら残していて、この陰謀にも巻き込まれません。

愛嬌ある弟が今後どう成長するのか。楽しみですね。

 

富士の巻狩り

最高指導者の暗殺――歴史上、権力の絶頂で命を落とした者は多いもの。

鎌倉殿こと源頼朝にも、冷たい刃が迫っています。

万寿が狩りへの出立を告げ、ご立派!と目を細める道。

乳母にとっても晴れ舞台ですね。

政子が大きな獲物を仕留められるよう願うと、熊の毛皮が欲しいと実衣が続き、大姫は祟られないか?と心配している。

それぞれ個性が出ていますね。

甥っ子の無事より自分の欲求を口にする実衣は、ありのままに生きているし。

大姫も穢れを恐れる中世人らしい発想だ。

政子はやはり、素直でよい人。

源範頼阿野全成は、留守を任せるように言っています。

では巻狩りとは?

猪や鹿を仕留める大規模な狩りのこと。

軍事演習も兼ねていて、中世ですと「天意との対話」という意味もありますね。

江戸時代にも受け継がれ、『八重の桜』第1回で見られた「追鳥狩」もその一例です。

日本だけでなく、古代中国でもそうです。

弓矢というのは様々な文明において画期的で神秘的な武器とされ、弓矢や狩猟には特別な意味があります。

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劇中では触れられませんでしたが、信心深い頼朝は、後白河の喪に服すため狩猟を禁じていました。

それがこの巻狩りで解禁されたので、御家人もハッピーハッピー!

テンション上げながら、坂東各地の御家人が会場へ集まってきました。

こうしたイベントは、その準備具合で力量が測れるので、武士にとって非常に大事です。

また、参加する武士だけでなく、富士山麓の大掛かりな撮影で、スタッフも勝負どころでしょう。

遮蔽物のない屋外ロケは大変です。

あちこちで武士が走り回っているし、かなり風が強かったのか、旗もド派手にたなびいている。

しかし!

 

いきなり子鹿を仕留める金剛

万寿が獲物を取れない……。

いくら矢を放っても一向に獲物に当たらず、しまいには掌に豆ができてしまう。

頼朝がもうやめようと言い出し、盛長も同意しています。

万寿は悔しそうだ。

親として子供の傷を心配する気持ちがわかる一方、日頃から真剣に練習していれば、とっくに皮が厚くなって、本番でマメなどできないのでは?とツッコミたくもなる。

万寿は、いささか不安要素が強いですね。

まぁ、御曹司として、プレッシャーをかけられまくる立場も辛いですが。

案の定、口の悪い義村がズケズケと矢の勢いが足りねぇ、と悪態ついてます。

するとそこへ金剛が。

テロップで「成長著しい」と示されながら、義時や義村の前に走ってきます。

万寿の金子大地さんも、金剛の坂口健太郎さんも、童形(どうぎょう/元服前の姿)はちょっと厳しいかと思っていました。

しかし、画面で動く姿を見ていると、写真より若々しく見えますね。

所作や表情を工夫して幼くしています。

童形から烏帽子を被るようになったら、どれほど凛々しくなるのか……これまた楽しみですな!

成長著しい金剛は、早速、大きな鹿を仕留めてきました。

背後からは鶴丸が付いてきていて、獲物を担いでいる。

金剛は嬉しそうに「さっそく鎌倉殿に報告する!」と言うのですが、慌ててそれを止める義時と義村。

もうこうなったら、頼朝も「金剛はわしにそっくり!」とは言えないでしょうなぁ。つらい。

時政が狩りの準備をしていると、畠山重忠がやってきます。

口が固い婿と、時政は、情報共有をして対策を練っています。

二人は考えています。

頼朝は暗殺計画を知らない。

知らせたとしても、威信に傷がつくから取りやめにしない。

巻狩りには、神事の意味合いもありますし、確かにそれはできないのでしょう。

ここで重忠は守りを固め、食い止めると請け負います。

「頼りになる婿殿じゃ」

そう感心する時政です。

このように時政は本来、婿である重忠を頼もしく感じ、信じていた。

また、重忠が準備万端の人物であるということも、頭の隅に入れておきたい。

 

北条の手落ちだぞ

夜、宴席の場で、腰巾着・工藤祐経が大きな顔をしています。

頼朝の隣で酒を注ぎながら、時政に向かって言い放つ。

「万寿様が獲物を仕留められなければ手落ちだぞ」

前述の通り、二人は伊豆の御家人同士でライバルとも言えます。

事はもはや、万寿だけの問題ではありません。

どうすれば鹿を仕留められるのか? 皆で考え始めました。

義時が、川の近くがいいと言うと、それでは四方に散ってしまうと重忠が指摘する。

人が集まっていると獣も恐れる、とのことで、頼朝も納得しています。

最終的に、義時が配置を決めることになりました。

宴席には、比企一族の隠し球・比奈も来ていました。

頼朝に請われてお酌を……まったくもって下劣な発想です。

古今東西、出張はアバンチュールのよい機会。妻の目を気にせずにムフフかよ!

比奈を頼朝のそばに置き、時政の近くにすわる比企能員が白々しくもこう言います。

「最後までつつがなくいて欲しいのだ」

「わしもそれを祈っている」

と、時政も返しますが、比企能員は本心ではありませんね。

もしも頼朝が亡き者になれば、万寿が次の鎌倉殿になる――そんな欲望で心は満タン。

北条と比企、対立の種は既に蒔かれており、後はどう花になって咲くのか、その前に枯れるのか。

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比奈が、外にいる義時のそばに来ます。

「鎌倉殿のそばにいなくてよいのか?」とそっけない義時。

比奈は、義時の行動に興味があるようです。

巻狩りで、誰をどこに配置するかーーそんな役目を仰せつかったと告げると、比奈が意外なことを助言します。

「鹿は群れで動くから、一匹がいたら何匹もいると思った方がよい」

素っ頓狂な顔して驚く義時。

なんでも比奈は、父が北陸にいたそうで、地方の暮らしが長く、鹿と過ごしてきたと言ってもよいレベルだとか。

夜道に落ちている鹿の糞も見つけ、ついでに義時も踏んでいるとツッコミます。

義時が気になるからこそ、助けようとする。彼女はもう心が動いていますね。

するとそこに猪が!

逃げた方がよいのか?と焦る義時に、比奈はこう言います。

「走っちゃ駄目。追いかけてくるから ゆっくり背中を向けないで。このまま後ろ向きに下がる。ゆっくりゆっくりゆっくり……走って!」

猪に追われ走るうちに、折り重なって倒れてしまい、見つめ合う二人。

確実に二人の間で何かが動き始めています。

 

景時のズレたアドバイス

翌日の万寿も絶不調。

一向に矢が獲物に当たりません。

たまらず三浦義村、和田義盛、畠山重忠がそれぞれ助言をします。

・足の踏み込みが足りない!

・丹田に力を入れる!

・腕ではなく肩を使う!

って、鬱陶しい〜!

部活にやってくるOB連中より鬱陶しい。

しかし、彼等は実際の戦場を生き抜いてきたプロ野球選手みたいなものですから、万寿などは少年野球程度にしか見えないのでしょう。

義盛も弓の腕前が有名です。

和田義盛は坂東武者のカリスマだ!なのになぜ滅亡へ追い込まれてしまったのか?

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だからこそ、義盛に「坂東武者が弓が苦手でどうする!」なんて言われても、余計に萎縮するだけなんですよねー。

そんな義盛に、重忠が人がいるからよろしくないと文句を言うと、苛立ちの頂点に達したのか、義時が叫びます。

「お前だって来ているではないか!」

頼朝も続けます。

「目障りだ、散れ!」

場所を変えようか?

そう言い出したところへ、金剛が来ると、万寿が「やってみて」と弓を渡す。

金剛が空中へ矢を放つ。

と、何たることか、その矢が当たり、鴨が落ちてくるではあーりませんか。

なんたる強運……とはいえ日頃の鍛錬があるからこそ、空中の鳥を射抜くパワーがあるのでしょう。

今回からこの二人に役が変わったのは、子役だと弓を放つことからして厳しいからでしょう。

金剛がはしゃいで振り向くと、万寿は悔しそうだ。

あわてて金剛に謝られるのも余計に辛い。

万寿は走ってどこかへ駆け出してしまい、頼朝も「一人にしておいてやれ」と言うしかありません。

落ち込む万寿のもとに、梶原景時がやってきました。

「矢を射るばかりが戦ではございませぬ」

うん、確かにそうだけど、いや、何が言いたいのか?

思わず耳を澄ませていると「戦に法はない」とか「九郎義経殿から教わった」とか、ますますワケのわからないことを話し始める。

どうやら、こういうことらしい。

毒餌を獣道に仕掛けておけば、明日の朝には死屍累々……って、なんなんだよ、その策は?

思わず万寿も叫びます。

「矢で射止めなければ意味がない!」

万寿はこのあたりから景時と合わなくなるのでしょうか。

そんなやりとりを安達盛長が見ていました。

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それにしても困りましたね。

実は頼朝も弓は得意です。むしろ義経より上手でした。

万寿こと後の二代将軍源頼家は難しい人物です。

彼の弟である千幡(源実朝)は歌が得意だったので、例え弓矢が苦手でも「これからは文治だ」というように理論武装もできます。

頼家はその辺の対応が難しい。蹴鞠は得意なんですけどね。

ここで辛いのは金剛もそうかもしれません。

頼朝はどうしたって険悪な目で金剛を見てしまう。

この目から、金剛なりに子供時代の終わりを感じたかもしれません。

家臣は武芸を鍛えよ、強くあれ!と言えども、主君を超えない範囲でなければならない。

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