天文17年(1548年)――。
駿河の今川義元は、三河を制圧し、尾張進出を目指します。
両軍は小豆坂で激突、両軍譲れず、決着はつきませんでした。
織田信秀は古渡城に撤退。
痛み分けに終わったものの、織田軍の消耗は酷いものがあったのです。
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一方の消耗が酷いとなれば、何らかの構造的問題が生じたとも推察できます。
さあ、情報収集の時間です。
『孫子』「用間篇」でも参照しましょうか。
「戦国大河はやっぱ合戦だよな〜。今日は幕間のダラダラか〜」
そう思ってはおりませぬか?
だとすれば、貴殿はその瞬間、本作の仕掛けた罠にかかったのですぞ。
乱世に休みはありません。合戦がない時にこそ情報収集をしなければ、次の勝ち戦はありえない。
さあ、策に対処しましょうか。
鉄砲をどうすべきか?
美濃・明智荘では、明智十兵衛光秀が鉄砲射撃訓練をしております。集中した顔が素晴らしい、そんな長谷川博己さんです。
彼だけではなく、美しい背景にも注目したいです。
こういう自然美を見せることこそ、2020年代の最先端でしょう。カメラワークも、音楽の使い方も、何もかもが本気だなぁ。
ハセヒロさんも熱演していた『サムライマラソン』もそうでござったな。
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緑の香りすら漂って来そう。そんな絵に圧倒的な美しさを感じます。
さて、絵は綺麗にせよ、鉄砲はどうにも命中しないらしい。撃ち損ないが十度目だと、藤田伝吾がからかいます。
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弓矢では屈指の腕前なのに、鉄砲は当てられないのだとか。戦で持ち歩かぬよう、願っているとまで言うのです。
それはどうでしょう?
発射音がありますからね。馬は神経質です。発射音をまだ慣れぬ馬に聞かせるだけでも、結構な効果を期待できます。
鉄砲とはそういうもの。火縄銃にせよ、マスケット銃にせよ、命中率は低いのです。
・威力
・集団銃撃
・発射音による威嚇効果
・弓矢よりも腕力がいらない
・装填と発射を複数人でできる
ポイントはこのあたりです。
日本の火縄銃には命中精度を高めたものもありますし、猟銃もそこは高めてあります。ただし、ヨーロッパでも傭兵が持つようなマスケット銃の命中精度はかなり低いのです。
織田信長の「三段撃ち」は、後世の創作という認識が広まっています。当時の銃器の使い方を前提としていれば、集団銃撃があるべき運用ではありました。
発射音も考慮する必要があるんですね。例えばアイヌは、発射音で獲物が逃げることをふまえ、昭和まで弓矢を用いることがしばしばあったと記録されています。
そこへ、佐助がやって来ます。叔父上がお呼びだそうです。
稲葉山城へ向かう
明智光安のところへ光秀が行くと、鳥と戯れつつご機嫌そうです。
なんでも稲葉山城城から呼び出しだとか。東庵の治療も大詰めで、その世話になったお礼をしたいそうです。
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そりゃホクホク顔になりますよね。恩義を主君に売れましたもの。
稲葉山城では、斎藤利政(斎藤道三)の正室・小見の方が回復しつつあります。娘の帰蝶も、うれしそうに母を見守っています。
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駒は道具を片付けています。帰蝶は駒との別れを惜しむのです。
「せっかく親しうなれたのに、名残惜しいこと」
東庵だけ帰って、そなたはとどまればよいのに。そう言います。
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駒はそう言っていただけるだけでも嬉しいと言いつつも、東庵は側にいなければギャブルに金を使うからと返します。
碁。双六。闘鶏。足相撲。なんでも賭けるって。
これは斎藤利政も喜んでいるのかな、と思うじゃないですか。
美濃に来られてどれだけ経ったかと切り出し、小見にも改善がある、さすが京都の名医だと褒めるのです。
出発帰還を確認すると、明朝だそうです。そのまま京都へ向かうのかと聞いてくる。
ところが、利政は情報収集大好きな戦国大名だから。そこはぬかりがない。
・織田信秀のところに行くよな?
・仲良しだよね?
・三年前、双六で借金十貫あるよな?
そう問い詰めてくる。
勘弁してくれよ!
借金の金額まで調べているって、もう嫌だよ!
そのうえで、織田信秀の調子の悪さもわかっている。精彩を欠いているんだよな、とぶん投げてくる。
東庵が医者としての守秘義務をかざすと、そこは曲げてでも頼むという。
美濃と尾張は不倶戴天の敵!
病を知っていれば策略の立てようがあるというもの!
それでも断ったら首を刎ねるまでだと利政は言い切る。美濃を見ているからには、もう名目は何でもいいんですよね。
光秀も、お前が連れてきたから責任とれと脅される。無駄のない脅迫を学べる、素晴らしい大河ドラマだ!
やっぱり、こういうものを見たい気持ちはありますよね。故・笠原和夫氏を思い出すなあ。
なんというストレートな脅迫でしょう。利政の脅迫はいいですねえ。退路を絶っているから、もう終わるしかない。スマートなやり口です。参考にしよう。
しかも、諜報活動に応じなければ光秀に斬首をやらせようとする。
東庵も、飲むしかないのですが、そうとなれば「双六の借金十貫」を薬代に上乗せしたいと交渉するのだから、大したもの。それがお嫌なら首を刎ねろと言い返すのだから、よいではないですか。
加減が難しいけれども、こういうやりとりができると、きっと社会で役立ちますよ。今の時代、給与交渉は出来るビジネスパーソンの基礎です。
これには依頼をした方の利政もニッコリしちゃいますね。こういう度胸と機転がないと、スパイとしては使えませんからね。
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ここで、利政が光秀に声をかけてくる。
動揺している光秀がぼんやりすると、叔父上が咳払いして殿についていけと促すのです。
そして二人きりになると、利政は満足げにこう言います。
「十兵衛、そなた京でおもしろい魚を釣って参ったな……」
光秀は織田方につながりのある医者であることを謝りますが、利政にとってはそこが良いわけです。大名や公家とつながりがある医者って、いいんですよね。
医者、芸人、連歌師、茶人。こういう人たちはスパイと用いることに最適なのです。あやしまれずに大名家を行き来できるから、こりゃもう使いたい。
そのうえで、織田方に潜入させる東庵の監視を光秀に頼む。
生真面目な彼が、京都で見つけた東庵に責任を感じているところは、当然織り込み済み。しかも、一緒に連れて参った娘(駒)を人質にするとも続け、戻らねば殺すと宣言します。
「釣った魚は始末しろ」
そうきっちり脅迫をする利政。うーん、理想的な脅迫。人生に役立つ大河だな……。
そのうえで、こう来ました。
「十兵衛、鉄砲はどうした? 使いこなせるようになったか? 戦で使えるものなら使ってみたい。鉄砲のことならじきじきにわしに言え」
ちょっとしたセリフのようで、悲しいものがある。先週、利政の嫡男・斎藤高政(斎藤義龍)は、鉄砲なんてどうでもいいから自分や光秀に任せたと悲しそうに言っていましたね。
それは誤解です。
そこを歩み寄れず、理解できなかったが故に……。
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画面外にいる人物の影すら感じさせる、高度な作劇です。
東庵、尾張到着
背中に月とウサギがいる東庵。月は「陰」の象徴です。駒のことをよしなにと頼み、出発しました。
光秀は悩み、駒はせっせと薬を煎じている。こういう医術の場面が毎回細かくて素敵ですね。
尾張の古渡城に東庵が到着しました。
平手政秀が嬉しそうにしてはいる。美濃にいるとはつゆ知らず、京都に迎えにやろうとしていたとか。
この時点で、織田家には何らかの医学的な問題があるとわかります。
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目の前では、侍たちが蹴鞠をしておりました。
東庵は、もそっと早うお知らせすればよかったかな、と言うものの、尾張と美濃が合戦中だからできなかったことを伝えます。
なんでも尾張は負け戦ばかりで、我らもほとほと弱ると政秀はこぼします。
さて、信秀は戦上手なのかどうか。ちょっと気になる。合戦そのものはそこまで上手でなくとも、商業手段が抜群ですと、それだけでも強いものです。
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それにどうしたって、考えてしまう。そんな信秀の嫡男のことを……。
東庵は、頗るご健勝だと言います。なんと言っても、蹴鞠をする中に信秀もいるんですね。
今川勢を押し返したとき、肩に流れ矢を受けたそうです。肩か。それならば、足を使う蹴鞠ならば問題なく、水をごくごくと飲む信秀は、元気そうではあるのです。
京都の公家相手には、蹴鞠と和歌が上達すれば侮られないと練習の理由を語ります。
もし信秀が、和歌の稽古をしていれば健康状態に疑念が湧きそうなものですが、蹴鞠となるとそうでもない……。
この場にいる全員が、互いに信じ切っているかどうか?
気になります。
信秀は、蹴鞠や和歌をステータスシンボルとして楽しんでいるけど、汗を掻くだけで何が楽しいのかわからないとこぼします。
うーん、それはゲームにすることでしょうね。和歌をコンペにして、賞品を出すとか。勝敗をつけるとか。そうすればおもしろくなるでしょう。
そのものはそこまで楽しくなくとも、競争を導入すれば楽しくなりますからね。
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それと情報収集です。
この会話も重要。全国の大名が、ステータスシンボルを求めた。それが戦国時代です。
再来年の『鎌倉殿の13人』の時代だと、こうだぞ。
「ヒャッハー!」
「汚物は消毒だあ〜」
「(書物を破り捨てながら)こんなもんケツ拭く紙にもなりゃしねえのによぉ!」
そういう世界観なんだ。
平家って、和歌ばっかり詠んでいるから負けると散々源氏どもからコケにされているじゃないですか。
そういう世界観と、あの三谷氏が結びつくんだから期待しかない! 祝言でターゲットを殺す『真田丸』の真田昌幸が、紳士的に見えるんだ、きっと……。
※鎌倉武士と似た人たちが出てくる映画です
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戦国武士は、むしろ和歌を詠めないと恥ずかしい。洗練されて教養は身についているのです。再来年の大河にも期待が膨らみますが、今年に戻りましょう。
織田信秀は……経済力はあっても、まだ文化資本が低いんですね。今川義元とはそこが違うということでもある。
そんな信秀さんの嫡男は「ステータスシンボルのためにつまんないことしたくないもん! 馬で走る方が好きだもん!」とだだをこねる子なんだと想像します……。そこに政秀は絶望し、父母は泣き、弟は困惑すると。
つまんない蹴鞠よりも、双六やろうか!
そう意気投合する信秀と東庵。双六好きの田舎医者だと開き直る、そんな東庵と信秀の双六タイムです。
「やるか!」
「望むところ、今日は負けませぬ」
「よ〜し!」
遊び始める二人。打ち解けているようで、実はそうでもない。
尾張潜入作戦開始
終わりの国境では、番兵が警備をしております。
「銭を払え、さもなけば通さぬぞ!」
「止まれ! 荷物を改める。包みを開け」
戦国時代を考えるのであれば、他の時代との比較がよろしい。
江戸時代は藩境があったものです。それでもそこまで危険ではなかった。
当時は、子どもが家や奉公先から逃げて、旅行をしてしまうことすらできました。所持金がなくとも、泊めてご飯くらいあげよう。そういう余裕があったんですね。
犬だって、お伊勢参りできちゃったそうですし。
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平和だったということでもありますが、情報の流れをそこまで厳しく制限していなかったわけでもない。
機密情報の流れが、今週はかなり大事になってきます。
そんな国境に、光秀と菊丸がやって来ます。
「我ら兄弟です」
「兄弟です」
ちょっと怪しまれつつ、ここは突破できたようです。
ハセヒロさんの真価が発揮されていて、おそろしいほどではある。
彼が美形であることは疑いようがありません。とはいえ、本木雅弘さんのような華々しい美形とはまた違う。
キャストビジュアルで、光秀が地味だのなんだのそんな声もあったものですが。それは違うと思うのです。
ハセヒロさんは、美形だということを隠せる。実に器用な演技ができます。菊丸と兄弟と言われても、納得感が出てくるというか。地味になれるのです。
「待て!」
「貴様何者じゃ!」
「ひっとらえよ!」
背後で、別の誰かが捕まるから緊張感が増す。
常にスパイがいる。そう思い続ける社会って、実はかなり大変だ。そう痛感できる本作です。
ここでちょっと第1回冒頭を思い出してみましょう。もしも光秀が菊丸を怪しいと斬り捨てていたら、今回はありえませんでした。
光秀のゆるいところと、親切心も考えたいところです。
菊丸は、十兵衛様を兄様と呼んでよろしいのかと確認します。わしとおぬしは兄弟だと光秀が言う。兄弟に見えるかと菊丸が戸惑っていると、似ておらぬ兄弟はいくらでもいると光秀は返します。
当時は異母きょうだいが今よりずっと多いことも考えたい。親子ほど年齢差があるきょうだいもおります。
ただ、年齢的には菊丸が兄じゃないか?というツッコミが出てくる。あ、それは思いますよね。
「そうか。わしがおぬしを兄さあと呼べばいいのか」
光秀がしょうもないことにこだわるタイプならば、身分の低い奴を兄とすることにムッとするかもしれない。しかし光秀はそうじゃない。
「では兄さ」
「なんだ十兵衛」
二人の設定を再確認しておきますと……。
・住所:西三河
・目的地:あちこちの市場
・売り物:薬草
・態度:いつも通りでよい
・任務内容:城下で薬を売るだけ、カンタンなお仕事です!
人間というのは、嘘をつくときでも、若干の真実は混ざります。そのほうがリアリティが生まれる。菊丸の出身地や販売経験、駒経由の薬草知識を使います。
光秀の医療知識を示す史料も発見されました。職業的な医師であるかどうかはさておき、それを踏まえた作劇とも言える。高度です。
菊丸は味噌売り経験があるそうです。今では味噌と醤油はおなじみですが、味噌のほうが古いものです。醤油は、江戸時代だとトレンドまっしぐら、新しい調味料という認識でした。
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橋を歩いてゆくだけで絵になるところではありますが。そんな簡単なお仕事のわけないだろ。そう突っ込みたくはなりますね。
信秀と双六で遊ぼう
信秀と東庵は双六タイム。
信秀は、美濃を出る時、利政に何か言われたのではないかと探ります。戦国大名って、本当に嫌ですよね。おちおち世間話もできない。
任務は織田様の観察、ギャラは十貫。九貫に利息一貫つけただけと東庵はあっさり認めます。
「あの蝮に博打の肩代わりをさせたか、はははは、愉快じゃのお!」
「何事も隠し事はよろしからずと思いまして」
信秀、はしゃぐ。ほのぼのしているかどうかは、わかりません。
ここで東庵がおどおどしたり、不穏な動きをしたら?
死への一直線でしょう。
金額は些細なようで、実は重要なものです。ディテールがしっかりしていないのであれば、疑念を抱くところです。
彼らは戦国大名ですから、何を見るかくらい、想像はできている。
「うむ、それがよい。わしは見ての通り達者でやっておる。そう伝えてくれ」
「今川との戦で流れ矢が当たったと聞きましたが」
瓜をもっしゃもっしゃする信秀は、元気ではあります。
「うむ、ここだ」
信秀は油断したのかな。
この人は用心深いし、賢いとは思う。けれどもちょっとガードが緩くなる時があるのかな。
ほうほう。御免と断って、東庵はにおいを嗅いでいます。
「痛みはございますか?」
「まだ僅かにある」
「傷を受けてどれほどになります?」
「三月近くじゃ」
「ふーん……」
そう軽く見てから、東庵はこう聞きます。
「何故、この私のことをお呼びになりました?」
信秀は語り出します。
傷のことではない。夜寝ておると、びっしょりと嫌な汗をかく。昼間はけろりとしている。どの医者が診てもわけがわからん。
そこで思い立ったと言いつつ、東庵は双六が目当てだったのでは、と返します。
「近からずといえども、遠からずだな」
「いやご喧騒なご様子を伺い、安堵いたしました」
「うむ」
あー……これは怖いし、やっぱり役立つ大河ドラマですね。
不眠って、甘く見られがちではあります。けれども、ちょっと睡眠時間が短くなるだけでも、人間の認知能力は削られてしまう。
信秀の全盛期はもう終わった――そういうこと。
我々はそうならぬようスマートフォンで睡眠ログでも取りましょう。
信秀は、わしの番だと前置きして、東庵から美濃の様子を聞こうとします。
ここへ近習が来て、東庵に薬草を届けるよう仰せつかった者が来たと告げるのです。
「ほほう、来ましたか」
古渡城へ参る途中、市場で珍しい薬草を売っておりましたので、届けるよう命じていた――そうスラスラと説明します。あんまりスラスラしていると、かえって疑われるかもしれませんよ。
「さあどこにいるのですかな」
「東庵、まだ決着がついておらん。これが終わってからにせよ」
「ああ、はいはい。えー、しばらく待つよう伝えてくだされ」
「重六出ろ、重六!」
本当に勝負をつけたかったのか。それとも来客について何か得たかったのか。
そこまで考えたい、戦国大名の殺伐ライフです。実際に送ったら絶対楽しくないぞ!
竹千代の悲しみと、光秀の慈愛
「東庵殿、遅いな」
はい、光秀と菊丸が待たされております。そこへ身なりのよい少年がやって来ます。松平竹千代という名前です。
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「この館の者か? 商いで参った者か?」
「へえ」
「われを三河の刈谷まで連れてってくれぬか? 刈谷の城へ。母上がおられるのじゃ。母上の元へいきたい。われは今から熱田へ移される。熱田へは行きとうない。頼む」
「竹千代様! 竹千代様はいずこじゃ」
そう探す声が聞こえて来ます。
「どこにおられますか?」
「お探しせよ!」
「竹千代様ぁ!」
大河で出てくるこの人に、こんなにも心動かされるなんて……。
どうしたって、狸親父だの、明治政府以降のネガティブキャンペーンだの、国民的時代小説家の影響だの、焼き味噌だの。『真田丸』の伊賀越えだの、そういうものがあるのか、三英傑で一番過小評価されているような気もする徳川家康の幼少期ですが。
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国際的には三英傑で一番有名です。
BBCに至っては「シーザーとナポレオンに匹敵する」と言い切りましたもんね。
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※文句があるならBBCに言ってくれ……
そうだ、この人は、こんな少年時代だった。いくら教育を受けられて、衣食住は保証されていても。母(於大の方)に会えない心は傷ついているのです。
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ここで竹千代を突き出さないのが、光秀という人物。薬草の下に匿います。
「こっちではない!」
「探せ!」
そして探す者がいなくなってから、やっと籠から出します。
「私にできるのはここまでです」
光秀は、子どもだからと侮らぬ説明します。
この館は守りが固い。大勢のものが目を光らせている。抜け出すのは無理。御身が大事な人質だから、三河の母上も覚悟されて送り出されたはず。抜け出されてお戻りになられても、辛いを思いをなされるだけかもしれませぬぞ。
竹千代はそれでも訴えるのです。
「……三年もお会いしてない。会えばよう帰ってきたと」
父上も刈谷におられるのかと確認され、竹千代は訴えるのです。母上を刈谷に追い払って、敵の今川義元の家来に成り下がっている。そんな父上は大嫌いじゃ!
そう訴えても、逃げきれぬとうなずかれ、この少年は悲しそうにするしかありません。
ここで光秀は、干し柿を渡します。
「噛まずに口に含んでおくと、ずっと甘くて気が晴れますよ。今は辛くとも、日がかわり、月がかわれば、人の心も変わります。いずれ母上に会える日が来ます。無理はせず、待つことです」
家康といえば「鳴くまで待とう」。そんな連想もありますが、光秀の言動は奥深いものがある。
・日がかわり、月がかわれば
→日月、陰陽のうつりかわり。ただ、「時間が経てば」と言ってはいない。
・干し柿で気を晴らす
→光秀は人の心を癒す。事実は変えられなくても、心を変えることで相手の苦痛を和らげる。
このあと、明智光秀を名残惜しそうに見ながら去っていくのも、納得できるのです。
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彼と話すこと。接すること。そのことで、心が穏やかになって離れたくなくなる。そういう力が光秀にあって、それこそが才能なのです。
菊丸は、百姓じゃが同じ三河者として、あの御方の気持ちはわかると言います。
今川義元の駿河と、織田信秀尾張。年中荒らされて、どちらの国を頼りにしなければやっていけない。今は我慢して尾張に頭を下げて、我が君を人質に差し出している。悔しいけれど、そうやってやっていくしかない――。
そうなのです。
戦国の合戦は、インフラの破壊までやらかす。
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農民としては悪夢のようなことをやられるのです。
東庵と再会
「おい、そこの両名、こっちへ参れ」
ここでやっと光秀と菊丸の前に、東庵がやって来ました。もしも織田信秀と双六をしてなければ、光秀と竹千代の出会いはありませんでしたね。
東庵は二人に話しかけます。
「おぉ、ご苦労! 申し付けた薬草、持参したか?」
「へえこちらに」
「おおーこれじゃこれ! これは珍しい。うん! うーん、これは違うな。茜草根と申してな。つまるところ、役立たずじゃ。あいわかったな。うんまあよい、これも何かの役に立つであろう」
無害なような会話をしているものの、すぐそばで織田家の近習が見ているからそこはお芝居をせねばなりません。堺正章さんによる、わざとらしい芝居という絶品が見られます。
彼の対応からして、何気ないようで何か掴んだことがわかる。
このあと、信秀は若い家臣を呼び出します。
「東庵殿に薬草を届けた者をとらえよ。怪しいものなら斬れ」
瓜を噛みつつ、そうあっさり。そうなりますわな。だって怪しすぎるもの。
山中の戦い
山の中を歩きつつ、光秀は東庵の密書を広げて読んでいます。
「流れ矢……毒……」
なるほど、毒矢ですか。鉄砲にはない弓矢のメリットといえば、やはり毒です。
アイヌの毒矢は『ゴールデンカムイ』でもおなじみになりました。蠣崎季広は、アイヌの毒矢を自慢の武器としていたとか。
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毒矢とはシブいですねえ。
兵士ならば即座に殺してナンボではあるけれども、将ともなれば毒矢はうまい手です。
将は苦しんでいても、さっさと殺すわけにはいかないでしょう。そのぶん、無駄に長引くから使うメリットはある。やっぱり毒矢。できるビジネスパーソンは、やっぱりこういうことを歴史から学ばないと。
ここで光秀と菊丸の前に侍がやってきて、いずこより参ったのか?と尋問して来ます。
西三河からと答えても、身元改をすると言われ……ピンチです!
そして殺陣が始まりました。
山の中を走るアクションですが、2020年代らしさを感じますね。
1999年の『マトリックス』あたりから、香港映画発のワイヤーアクションが一世を風靡しました。2000年代はなんでもワイヤーで跳ばそう時代ですかね。
日本だと、ドニー・イェンの元で学んだ谷垣健治氏がこのアクションでは随一ではある。ただ、2020年代になってまでそれでは、ちょっと古いんですね。
リーチ、武器の特性、高低差。そういうものを生かしつつ、生々しく見せる。JAC(ジャパンアクションクラブ)回帰的な流れになってきているのかな? これは海外、中国語圏でもそうかな、と感じてはおります。
ちょっともたもたしているとか。トロいとか。そういう感想も見かけますが、意図的に生々しく痛々しいアクションにしているんじゃないかと思います。これぞ、今の流行という気がしました。
そんなわけで、リメイク『柳生一族の陰謀』には一日三回くらい期待してますんで!!
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この場面は、武器特性が出ています。
刀が折れて光秀が焦っておりますが、これもリアルです。刀って、結構扱いが難しいんですよね。折れやすいことは確かでして。
リーチからすると槍が勝る。
『三国志演義』にせよ『水滸伝』にせよ、長柄武器が多い。後者は打撃系の武器・狼牙棒あたりも多い。戦国武将でも、最上義光あたりは打撃武器を振り回しておりましたっけ。
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じゃあなんで刀を持ちたがるのか?
名誉や心情的なものもあるし、斬首に必要なのですね。世界的に見ても、あの重量で斬首ができる武器ってそうそうない。
近接戦闘では異常性を感じるほど強くはある。倭寇と戦った明軍、来日した外国人も怯えていたほどではあるのですけれども。
「日本人は全員処刑人ってことでいいんじゃね……」
そう絶望したスペイン人もいたほどでして。
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そんな光秀を救ったのは、崖の上からふってきた石つぶてでした。
直後に菊丸が救いにきます。
誰が投げたのか? これが明らかにならないところが、本作の奥深さだ。
「あのつぶてに助けられた。何者だ?」
「どうしました?」
「私を助けてくれた者がいる。一人や二人ではない。急ごう」
ここで誰か明かさないところが、超絶技巧だとは思う。人間は答えを知りたいもの。
底が浅いドラマならどうするか? 信長あたりですね。そうしたらネットニュースも光る。神回だ! すごい伏線!
でもそれでよいのか? 本作はその先を行くとみた。
二年連続で知略をどれだけ下げられるかチャレンジされたあとで、これですからね。不眠になるし、時間も手間も、調べ物も、はっきり言って比較にもならないほどですよ。まったく、策士ってもんは怖いな!
利政もうれしい、信秀のこと
カンタンなお仕事どころか、死にかけた任務も終わりまして。駒は、美濃に戻った菊丸を前にして文句をきっちり言います。
東庵先生もどこかに行って、誰も教えてくれない。
そう不満げな駒に、内緒だと言いつつ菊丸は東庵に会うため一緒に尾張に来るよう言われたと明かします。
東庵は双六をしたいのだと納得する駒。以前も大負けしたとか。
尾張でどうして双六ブームなのか?
経済のせいかもしれません。リッチなマネーに浮かれた民が、ギャンブルしちゃうのよ。殿までアレだもんね。まぁ、人心退廃ってことかもしれませんけど。
真面目で、帰蝶にも双六で勝てない。そんな光秀は、利政に出張報告しております。
・矢の根が取りきれておらず、体内に留まっている
・そして毒が回っている
・そのせいで発熱している
・いつ倒れてもおかしくない、既に手遅れ、重篤
そう聞かされ、利政は流石名医だと喜んでいます。十貫分の働きだとホックホク。
これは楽しい報告だ。即死よりもある意味タチが悪い。判断力低下した当主が、次の世代まで残るような愚行をすれば言うことなし!
ウェーイ、利政、はしゃぐ!
利政は怖いだのなんだの言われますが、浮かれるところは可愛げがありますよね。
信秀には痛い目に遭わされたが、今度はやり返すとワクワクしております。戦国大名って、本当にエンジョイライフしてますね! いやいやいや……。
光秀は、他人の不幸でメシがうまくなりそうな主君に嫌気をにじませつつ、駒の安否を確認します。東庵と娘も好きにしてよいと確認して、ホッとしております。
ここで利政は、常在寺の日運と明朝、鉄砲の話をしたいと言い出すのでした。
聖人君子とは
ひとまず光秀は、駒の元へ。
薬草調合はおいて、話を聞いて欲しいと切り出します。
もうここにいなくてもよい、いつでも京都に戻れる。そう伝えるのです。
「いやー、よかった。安心しました」
「十兵衛殿は、私が京へ戻るのがそんなに嬉しいのですか?」
「ん?」
うーん、これぞハセヒロさんの本領発揮だな。なんだこの、日本一の「ん?」は!
駒はムッとしている。
さみしい。恋心のようでいて、そうでないような。ただ、光秀のそばにいたい。そういう思いが満ち溢れていると、こちらには伝わってくるのに!
光秀は、駒殿は京都に戻りたいのではないかと、キョトンとしています。嫌味がない。どういう演技プランですか。嫌味が、ない! 光秀め……。
戻りたいけど、よかったと言われるとさみしい。そう訴える駒。そうですよ、帰蝶は帰って寂しくなると惜しんでいたでしょ。
「それは……」
光秀は困惑する。駒は言い切ります。
「私、東庵先生がお帰りにならないし、ここにます。京に帰るのは伸ばしますから!」
「ん?」
光秀、わかってない。
光秀って古典的な英雄像ではありますね。英雄像っていろいろありますけれども、「英雄色を好む」というのは、実はそういうものでもありません。
むしろ、どう考えてもエロいシチュエーションでも動じないとか。美女を「誘惑にはかからんぞ!」と斬り捨てるとか。
そうすると、読者はこうなる。
「すげえ! 俺みたいな凡人なら絶対エロいことするけど、彼はそうしない、すげえ!!」
あの関羽には、誘惑してくる貂蟬を斬り殺すフィクションがあったそうです。
『三国志演義』ですらカットした設定ですが、これがその典型ですね。
光秀は据え膳を食わぬ男。気付くことすらない男。そういう人物像とみた。
直江兼続にせよ、黒田官兵衛にせよ。
側室がいない=愛妻家という甘っちょろさゆえ大河になったなんて邪推もあった。
これも力関係もありまして、直江兼続の場合、お船の方が目上の家ですから、側室持てなかったとは思いますけれども。本作はこの点、光秀が極めて真面目だからそうなるという着地点にするとみた。
でも、現代からすると不思議な設定に思えるかもしれない。
だってそこはハセヒロさんですよ?
彼がヒロインに「おいで」と誘いをかけるだけでニュースになったこともある。昨年の朝ドラですね。
そういう艶になればいくらでも限界突破できる役者を、萌えにいかずにストイックにする。それなのに、周囲は光秀に魅了されて老若男女メロメロになるという。
本作の光秀は本当に、古典的で、意欲的で、挑発的で、難易度が高いと思う。
けれども、それこそがハセヒロさんにぴったりな理由でもある。賢い人には、賢い脚本が似合う。プレッシャーをかければかけるほど、彼は輝くのでしょう。
すごいな。本作の光秀はすごい。
見れば即座に魅力的だとわかるのに、その深淵は毎回掘り下げられるばかりだ。
本能寺で鉄砲を作っている
そして光秀は、利政と日運の話を聞くことに……。
京都のは本能寺という寺がある。そこで、種子島の末寺を通じて、密かに鉄砲を作らせているのだとか。
本作はすごい。織田信長がなぜ本能寺に宿泊したか? その理由を今から入れてくる。
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光秀も素晴らしいのですけれども、まだ登場すらしていない信長の影も本作からは感じる。
公式サイトは、五行説で光秀を司る青中心ではあります。けれども、メインビジュアルは黄が背景。黄は信長を司る色だとか。信秀の死が近いとされたからには、その嫡男の影だって感じる。
東庵の背中には、陰を示す月とウサギがいる。
じゃあ陽はどこに?
光秀は心を動かす。じゃあ信長は?
チラッと、信長を見せてくれませんか。ずーっと、最初から、私はそう言いたい。けれどもせいぜい予告で見る程度。
どうしてなのか?
それこそが本作の策そのものでしょう。影はあるのに、実態はない。そうなると、待ち望む心がどんどん育ってゆく。
朝ドラでも同じ策がありました。
視聴者が一目でいいから見たいと思うある人物のことを、セリフや設定が語りつつ、出てこない。
こんな策をやられて、演じる側はきついとは思う。それでもやる本作がもうたまらないものがあります。
信長の影はまだ早いか。
光秀は疑念を抱きます。そんな大量生産をしている理由とは?
後ろにいるのは、将軍家だそうです。
幕府の主だった者が鉄砲を見て、弓矢にかわるおそるべき兵器だと確信したのだとか。
これも気になる。光秀が会った三淵藤英は、鉄砲採用に消極的でしたね。
この時点で、足利将軍家には誰かがいるとわかる。
光秀はまた気になってくる。あんな難しいものを誰が作っているのか。そう尋ねても、日運はわかりかねると答えます。
光秀は興味津々の顔になります。本作のすごいところは、挙げていけばきりがないけれども。集中度がわかるところです。光秀、スイッチ入りましたね。
このあと、光秀が明智荘で鉄砲を撃つ場面が入ります。
今度は当たる!
藤田伝吾も褒めます。
光秀は鉄砲を持ち上げ、しげしげと眺めます。
「よし!」
そう言い切る光秀は、何かが違うのです。
彼は集中し、鉄砲への関心を高めました。集中すれば、実力はより発揮できる。その逆もある。そう明瞭に示す本作は、しみじみとおそろしいと思います。
そのニュアンスを伝えるスタッフにも、役者にも、敬意しかありません。
MVP:望月東庵
なんでオリキャラの医者ごときに、堺正章さんなの? どうせこういうオリキャラなんて、歴史に興味ない女、ファミリー向けだろ?
そう思った視聴者を罠にはめる。そんな彼なのです。
本作の根底には陰陽五行がある。
月が名前に入っている時点で、彼は「陰」の象徴なのでしょう。
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陰キャなのかな?
そういうしょうもない話じゃないですよ。
「陰」とは、駒や菊丸でもある。民衆のことでしょう。時代を作るのは、英雄だけではなく(「雄」は陽だ)、民衆でもある。そういうことです。
実際に菊丸は策略を理解し、重大な役割を果たした。
中国古典への造詣が深い本作です。
それを踏まえていると推察した要素をあげます。
「廟堂」と「江湖」です。
廟堂の高きに居りては、則ち其の民を憂い、江湖の遠きに処りては、則ち其の君を憂う。(范仲淹『岳陽摟記』)
高位の為政者になっても、民衆のことは忘れないで思う。江湖の民衆に紛れていても、都にいる為政者のことを憂う。これぞ、あるべき道である。
大名のような為政者。
東庵のような民衆。
両者がいてこそこの世界だ。そういうことです。
オープニングでも、この廟堂と江湖は示されています。民衆が座っている姿が映されているのです。
総評
毎週、ここまで見てきて、なんでこんな難解なものを作れるのかとゲラゲラ笑いそうになる。
いろいろ研究したはずです。戦国史だけではなく、日本史以外のことも。なんだかおそろしいことにNHKは踏み込んだものです。
今回は「用間篇」だと、しみじみ思いました。
まずは情報を集めないと話にならない。で、NHKはそこがまさに強みではある。
Eテレもある。レンジは広い。人間の心の動きに関するソースを手に入れる機会はありましたもんね? そういうNHKの強みそのものをフル活用してきたとは、朝ドラでも感じていました。
信秀と東庵のやりとりは、もう完全に情報戦でおもしろくって仕方ない。
血が流れないような殺し合いそのもので、興奮するしかない。つくづくビジネスに役立ちそなドラマですね。
本能寺が出たとか。
竹千代かわいいとか。
そのへんは置いておき、個人的にゾクゾクするのは、不在でありながら影だけ見える人物と要素です。
信長の姿がおぼろげに見えてくる。
日本史の本はさておき、本作の信長はきっとこうで、染谷将太さんはこうするだろうと想像する。それだけで時間が無限に持っていかれそうで。
こういう要素を溜め込むあたりに、本作の革新性を感じます。
そのうえで、あとはどうでもいいおまけタイムなんですけどね。
補足:戦国武将思考を学ぶと……
私は普段、誰かと大河ドラマと朝ドラの話はしません。
もしも話題を振られても、見ていないフリをして黙々と一方的に聞いているだけとします。歴史のことは教科書で読んで忘れたという設定。それが一番平和です。
冷静に考えて戦国武将は危険です。
たいていの人が他愛ない話だと思って話題にするものですが、本作なら、そう……斎藤利政、松永久秀、織田信長あたりですかね。『真田丸』の真田昌幸もか。
この手のタイプの人が周囲からどんだけ嫌われてきたか。当時ですらそうでした。
蝮
梟雄
第六天魔王
表裏比興
※表裏比興被害者の会代表・室賀正武さん
戦国時代ですらそれなのに、現代だったら?
職場でも家庭でもキツい目にあい、飲み会にも呼ばれなくなり、SNSもいつのまにか鍵をかけることになっているかもしれません。やめとけ、真似すんなよ。
そう……戦国武将じみた考え方とは?
黄金の稲穂をみたとき、
「ああ、美しい実りの秋……」
と、うっとりすることじゃない。
「ここに放火したら、きっと相手は困るよなあ!」
そう考えること。
こんな奴と一緒にご飯食べたくないでしょ?
食事中ずーっと「結婚式は謀殺に最高でござってな!」とかペラペラ喋ってんだもん。
※うるさいわ!
でも……そうすることは楽しいことでもあるんだな。
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【参考】
麒麟がくる /公式サイト





































