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【柴田勝家】
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手取川で謙信にフルボッコ?
天正五年(1577年)7月。
越後の上杉謙信が加賀へ進出しました。
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当然ながら、この強敵と対するのは柴田勝家です。
ヘタをすれば織田家の屋台骨を揺るがしかねない相手を前にして、このとき信長は羽柴秀吉(豊臣秀吉)も援軍として送り出したのですが、あろうことか秀吉は軍議で勝家と衝突。
修復不可能なほど関係が悪化してしまいます。
そして秀吉は、勝手に戦線を離脱します。
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そのため柴田勝家は単独で七尾城(七尾市)の救援に向かいましたが、とき既に遅く陥落しておりました。
さらにここから撤退している途中、手取川で上杉軍に襲われて敗北を喫します。
いわゆる【手取川の戦い】です。
同合戦については記録が少なく、被害が大きくはなかったのでは?
とも言われておりますが、柴田勝家の敗北だったことは間違いないでしょう。
ちなみにこの半年ほど後の天正六年(1578年)3月、謙信が亡くなり、勝家がリベンジする機会はありませんでした。
鬼柴田とされる勝家でしたら、悔しかったことと思われます。秀吉だったら「ラッキー♪」ぐらいに平気で思っていそうですが。
天正八年(1580年)3月になると、勝家は、加賀一向一揆の中核である金沢御堂を攻略。
同年11月に加賀を平定し、能登・越中にも進出しました。
また、同時期に本願寺攻略の不首尾などを咎められた重臣・佐久間信盛が失脚。
勝家が織田家筆頭家老となりました。
京都の軍事パレードが絶頂期だったか
謙信、加賀の一向一揆と立て続けに強敵がいなくなり、織田家中でもTOPに上り詰めた勝家。
天正九年(1581年)に行われた京都御馬揃えでは「越前衆」として前田利家らを率いて参加します。
いわゆる軍事パレードで信長の威光を天下に知らしめるものですね。
信長にとっても勝家にとっても感慨深いものであったでしょう。
【京都馬揃えの抜粋】
◆一番部隊……丹羽長秀・摂津衆
◆二番部隊……蜂屋頼隆・河内衆
◆三番部隊……明智光秀・大和衆
◆四番部隊……村井貞成・根来衆
◆織田一門……織田信忠・美濃衆・尾張衆・織田信雄・伊勢衆・織田信包・織田信孝・織田信澄(津田信澄)
◆公家衆……近衛前久・正親町季秀
◆旧幕臣衆……細川昭元・細川藤賢(ふじかた)・伊勢貞景・一色満信・小笠原長時
◆九番部隊……お馬廻り衆・お小姓衆
◆十番部隊……柴田勝家・柴田勝豊・柴田三左衛門尉・不破光治・前田利家・金森長近・原政茂
◆十一番部隊……お弓衆百人
このころ勝家は、上杉攻略のため伊達家の重臣・遠藤基信も接触していたと言います。
そして、織田家の命運が劇的に変わる天正十年(1582年)。
3月あたりから勝家は、越中の魚津城・松倉城(富山県魚津市)を攻めていました。
突然の凶報が届けられたのはその最中のことでした。
天正十年(1582年)6月2日、【本能寺の変】が起きたのです。
勝家が事の次第を知ったのは……
魚津城が3日に落城――柴田勝家が事の次第を知ったのはほぼ同時だったと思われます。
6日に軍を引き、北ノ庄城へ戻りました。
そして勝家は
『光秀は近江にいるだろう……』
と予測し、四国攻め準備のために大坂にいた丹羽長秀と連携して、光秀を討ち取ろうとしていたようです。
しかし、ほぼ同時に上杉方へも信長横死の件がバレ、能登・越中の国衆を扇動されたため、勝家は動けなくなってしまいます。
運命の分かれ道でした。
その間に秀吉は中国大返しを成功させて光秀と対峙。山崎の戦いで勝利すると、勝家よりも一歩先に踏み出したようなカタチになります。
山崎の戦いに決着がついたのが13日。勝家が動けたのは18日のことでした。
これにより秀吉は「主君の仇討ち」という最大の発言力を得ます。
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勝家は北陸攻略時での対立もあり、秀吉が推す三法師(信長の嫡孫・のちの織田秀信)ではなく、信長三男・織田信孝を推したようです。
最近では三法師擁立に対して、秀吉と勝家は合意していたという説もありますね。
しかし、信長の遺領配分については間違いなく対立しています。
戦功を背景に河内・丹波・山城などを得た秀吉に対し、勝家は北近江と長浜城(長浜市)を得ただけでした。
信長リベンジの経過からすれば致し方ない面もありますが、織田家筆頭家老という立場から考えると少ないですよね。
ちなみに信長次男の織田信雄は尾張・伊賀・南伊勢。
織田信孝は美濃を得ていました。
こちらは概ね妥当でしょうか。
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