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【豊臣秀次】
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秀頼が生まれて二年もしないうちに突然「秀次謀反」
秀吉は当時、朝鮮出兵の最前基地・名護屋におりました。
しかし、淀殿の懐妊を聞いた途端、10日間で大坂まで帰ってくるほどの喜びようです。
この時点で、秀次は猛烈に嫌な予感がしていたに違いありません。
秀次はぜんそく持ちで、秀頼誕生と秀吉の動向から発作が頻発するようになり、熱海まで湯治に行ったこともありました。
ドラマ真田丸でもそれを彷彿とさせるシーンがありましたね。
この時点では淀殿に見舞状を書くなど、表面上は友好を保とうとしていたのですが……自分だってぜんそくなのに健気すぎる。
秀吉には、当初、秀頼と秀次の娘を婚約させ、秀次→秀頼の順で継承という考えもあったようです。
しかし、秀頼が生まれて二年もしないうちに、突然「秀次謀反」を言い立てられてしまいます。
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一度、詰問の使者が来たときには誓紙を出して済ませたものの、それでは納得できない秀吉。
二度目の使者は伏見城への出頭を命じるもので、秀次はすぐに向かいましたが、対面を許されないという理不尽に遭っています。
しかもそのまま「頭を丸めて高野山へGO!」(超訳)と門前払いされてしまいました。
この時点で秀次は頭を丸め、大人しく高野山へ向かっています。
既に覚悟を決めていたのでしょうか。
それから半月後、福島正則らが秀吉の「死を命じる」という意向を伝えに来ました。
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高野山まで従ってきた小姓たちも切腹の上、秀次の介錯で死んでいき、最後に秀次も腹を切ったとされています。
享年28。
秀次の戒名は、高野山では「善正寺殿高岸道意大居士」、菩提寺の瑞泉寺では「瑞泉寺殿高厳一峯道意」というそうで。どちらも真面目さが伝わってくるような文字を選んでいますし、僧侶から見ても不条理な経緯だったんでしょうね……。
妻子たちも全員処刑
遺体は高野山奥の院・光台院に葬られ、正則は秀吉のもとに首だけ持ち帰りました。
秀次の家臣については、別の大名に預けられたり、斬首されたり、切腹させられたりと色々ですが、田中吉政のように助かった人もいます。フシギダナー。
本来ならここで終わるはずですが、この後秀次の妻妾、及び子息たちにさらなる悲劇が襲いかかります。
彼女らの多く(約40名)が処刑されたのです。
しかも処刑の際は、切られてから半月以上経った秀次の首も据えられていたとか。ひどい以外に言葉が出ません。
特に側室入りを控えて京都の屋敷で待っていた駒姫(最上義光の娘)などは、秀次に会ったことすらないのにその対象となったのですから、言葉が詰まるばかりです。
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その後、聚楽第や八幡山城など、秀次が住んでいた場所は徹底的に破壊されました。
聚楽第が秀吉の造った建造物として有名なのに、まったく遺構が残っていないのはこのためです。
ちなみにこれは、文禄の役と慶長の役の間の出来事で、まだ日本に帰ってきていない大名もたくさんいました。
秀次切腹の前に、諸大名には秀頼へ忠誠を誓うよう誓紙も書かせているので、どうあがいても秀次を後継者にするつもりがなかったということになります。
「穏やかで禁欲的な若者」という評価も
ただでさえ秀吉には親族が少ないのに、秀頼が成人するまでの間の豊臣政権を守ってくれるはずだった秀次を自ら殺してしまったことで、耄碌ぶりを証明したと見る向きもあります。
一応「秀次が諸々の残虐な行為をした」という話は複数伝わり、そのせいで【殺生関白】なんてアダ名も残されているのですが、あまりにもバリエーションがありすぎる記録で、逆に現実味がないような。
ルイス・フロイスを始め、宣教師たちからは「穏やかで禁欲的な若者」と評されているのが気にかかるところです。
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女好きだったのは間違いありませんが、当時の身分ある者なら、より多くの子供を求めて複数の妻を持つことは珍しくないですし。
多少マシ(?)な理由としては「秀次に複数の息子がいたので、秀吉が亡くなった後、秀頼に継がせず、自分の息子に継がせるおそれがあった」とかでしょうか。
もう少し秀吉を弁護するとしたら「秀次がとんでもなく残忍だったので、目の黒いうちに始末した」くらいですかね……。もちろん、その可能性もゼロではないのですけども。
個人的に、秀次事件は【本能寺の変】の次くらいに不思議なのですが、その謎については『真田丸』でも話題になった自害説が最近注目されています。
最後に確認しておきましょう。
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