ちはやふる36巻(著:末次由紀)

文化・芸術・伝統

「小倉百人一首」の和歌を無視して、全ての作者をリスト化&短評100本ノック!

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小倉百人一首の歴史

さて、小倉百人一首そのものについても見ておきましょう。

成立は鎌倉時代ですが、収録されている歌がそれ以前……というか平安時代が中心です。
当時の歌壇第一人者だった藤原定家が、親戚かつ歌人仲間である宇都宮頼綱の依頼で、個人の邸宅の装飾用に撰んで書いた「和歌の色紙」が元とされています。

現代でいえば、個人のPCのブックマークやお気に入りが巡り巡って世間に広められたようなものなのかもしれません。
そう考えると「やめてやれよwww」という気がしないでもありませんね^^;

勅撰和歌集は公的なものですから、政治的配慮や世間の評判などを意識せねばならない……といったの暗黙の了解がある一方、小倉百人一首はそもそもプライベートなものなので、そういうものがいらなかったと思われます。

なぜかと申しますと、55番の藤原公任や86番の西行法師など、
「その人ならもっといい歌があるよね? なんでこんな駄作入れたの?」
というツッコミが古くからされているのです。

しかしそれは、
「定家は立場上、技巧的な歌や古来から名歌と讃えられる歌を評価せねばならないが、個人的には単純な歌も好きだった」
という好みが反映されたからではないか?と思います。

それまでは忘れられていた歌人や歌が、定家が高く評価したことによって、世の中に知られるようになったケースもありますしね。

また、後鳥羽院や順徳院など、定家の時代=承久の乱があった頃は勅撰和歌集への入選が控えられた歌人の歌も入れられました。
これを「暗号」と捉える説もあります。

 

ミーハー目線で有名人の歌から楽しんでみては?

もしも「かるた」に挑むのでしたら「決まり字」などのセオリーを覚える必要がありますが、「和歌の本でも読んでみようかな?」という方は、まず百人一首の中から気になる歌を探してみると良いかと思います。

特に百人一首の前半、50番までは割と平易な歌が多く、季節の情景を描いていてわかりやすい作品も少なくありません。あるいは、天智天皇や紫式部清少納言など、誰もが知っている人の歌について、解説を読みこんでみるのもいいでしょう。

”やまとうたは、人の心を種として、よろずの言の葉とぞなれりける。”

これは、「古今和歌集」の序文の冒頭です。選者の一人である紀貫之が書いたといわれています。
意訳すると「和歌というものは、人の心という”種”から数多くの言の”葉”となって生まれるものである」、つまり、素直な感覚が数多の言葉となり、それを三十一文字にまとめたものが和歌なのです。

学校の授業では変化形や古語特有の単語の暗記が中心になってしまいますが、当時の歌人たちは、現代の我々がなんとなく五・七・五でつぶやくのと同じように、自然と言葉をまとめていったでしょう。もちろん、技巧や背景となる知識が重んじられることもありますが。

古今和歌集をはじめとした勅撰和歌集は数百~数千首あります。

その中から気になるものを見つけるのはなかなか難しいですけれども、百人一首ならばそこまででもありません。
季節や恋、人生の悩みなどを散りばめた百首の中に、きっと一つはピンとくるものがあるはずです。

かるたをやるやらないにせよ、少しずつ眺めてみるのもよろしいのではないでしょうか。

長月 七紀・記

【参考】

『田辺聖子の小倉百人一首〈上〉 (角川文庫)』(→amazon link

『田辺聖子の小倉百人一首〈下〉 (角川文庫)』(→amazon link

 



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