百人一首

文庫版『田辺聖子の小倉百人一首』/amazonより引用

文化・芸術

『小倉百人一首』の作者100名にはどんな人がいた?著者を短評100本ノック!

広瀬すずさんの主演で話題になった映画『ちはやふる』(→amazon)。

原作は少女漫画ですから、男性読者の方は、なんとなーく「かるたのマンガだよね?」という程度の認識かもしれません。

が、実は日本史と切っても切れない関係にあります。

「競技かるた」は、そもそも【小倉百人一首】を使って行われるものだからです。

「うん、だからその百人一首に興味が湧かないんだよね」と、失望されたりもするのですが、2024年は大河ドラマ『光る君へ』で和歌や漢詩が注目されていることですし。

ここはひとつ視点を変えて

「誰の歌が入ってんの?」

ということに注目してみませんか?

天智天皇阿倍仲麻呂、小野小町に紫式部、はたまた西行など。

日本史ではお馴染みのキャラながら、歌人としては意外な方たちがチョイスされていたりします。

何事も習うより慣れろ!ってことで、『百人一首の作者ってどんな人がいるのか? 短評100本ノック』いってみよう!

☆=女流歌人
◯=僧侶

【TOP画像】『田辺聖子の小倉百人一首 (角川文庫)』(→amazon

 


平安以前の歌人たち

1 天智天皇

→元・中大兄皇子、大化の改新

2 持統天皇☆

→天武天皇の皇后、夫の崩御後に即位

3 柿本人麻呂

→「万葉集」第一の歌人で「人丸」とも

4 山部赤人

→人麻呂とともに「歌聖」とされる

5 猿丸大夫

→実在しない人物……かも

6 中納言家持(大伴家持

→「万葉集」の編纂者

7 阿倍仲麻呂

→第9回遣唐使で唐に渡り帰国できなかった天才

8 喜撰法師○

六歌仙の一人で「上喜撰」というお茶の名の由来

9 小野小町☆

→六歌仙の一人で美女伝説あり

10 蝉丸○

→盲目で琵琶の名手

 


平安京遷都~古今和歌集の時代

11 参議篁(小野篁

→朝廷をディスって島流しにあった天才

12 僧正遍昭○

→六歌仙の一人、素性法師の父

13 陽成院(陽成天皇)

→15歳で退位させられた天皇

14 河原左大臣(源融)

→嵯峨源氏の一人で自分の家(河原院)大好き

15 光孝天皇

→55歳で即位した中年の星

16 中納言行平(在原行平)

→業平の兄で源氏物語の須磨謹慎の元ネタとされる

17 在原業平朝臣

→六歌仙の一人で日本史のイケメン代表

18 藤原敏行朝臣

小野道風いわく「古今最高の能書家」

19 伊勢☆

→女流歌人では「古今和歌集」「後撰和歌集」「拾遺和歌集」に最も多く収録されている

20 元良親王

→陽成天皇の第一皇子

21 素性法師○

→僧正遍昭の息子、僧侶だが歌人として宮中に出入りしていた

22 文屋康秀

→六歌仙の一人、小野小町の恋人?

23 大江千里

→儒学者だが漢詩より和歌派

24 菅家(菅原道真

→天神様、トレードマークは梅と牛

25 三条右大臣(藤原定方)

→醍醐天皇の外叔父、紀貫之や凡河内躬恒の後援者

26 貞信公(藤原忠平)

平将門が一時仕えていたことがある

27 中納言兼輔(藤原兼輔)

→堤中納言とも

28 源宗于朝臣

→光孝天皇の孫、紀貫之や伊勢との交流が有名

29 凡河内躬恒

→宮廷歌人の代表格、ユニークな歌や逸話が多い

30 壬生忠岑

→身分が低かったが歌人として名を残した

31 坂上是則

→蹴鞠の名人、206回連続で蹴って一度も落とさなかったことがある

32 春道列樹

→生涯がわからなさすぎ、たぶん百人一首に入らなければ忘れられていただろう

33 紀友則

→貫之のいとこ、壬生忠岑とも親交が深かったようだ

34 藤原興風

→「古今和歌集」時代の代表的歌人

35 紀貫之

→土佐日記の作者、日本史上最高の歌人の一人

36 清原深養父

清少納言の祖父もしくは曽祖父

37 文屋朝康

→文屋康秀の子、それ以外目立つ点はない

 


醍醐天皇~円融天皇の時代

38 右近☆

→醍醐天皇の中宮・穏子の女房、恋愛遍歴多し

39 参議等(源等)

→嵯峨源氏の一人、内政が得意だったようだ

40 平兼盛

→光孝平氏の一人、赤染衛門の父……かも

41 壬生忠見

→壬生忠岑の子、幼少時から内裏に招かれるほど歌才があった

42 清原元輔

→清少納言の父

43 権中納言敦忠(藤原敦忠)

→藤原北家のイケメンな芸術家、短命

44 中納言朝忠(藤原朝忠)

→土御門中納言、または堤中納言とも

45 謙徳公(藤原伊尹)

→藤原北家の人、豪奢なものが好き

46 曽禰好忠

→歌才はあるが自己中

47 恵慶法師

→詳細不明、大中臣能宣・紀時文・清原元輔などと交流していたようだ○

48 源重之

清和源氏の一人、旅や不遇な状況の歌が多い

49 大中臣能宣朝臣

→梨壺の五人の一人、伊勢大輔(61番)の祖父

50 藤原義孝

→仏教への信仰が厚かったが短命

51 藤原実方朝臣

→平安のリア充、でも晩年は不遇

52 藤原道信朝臣

→奥ゆかしい貴公子、短命(字面が似ている藤原道長じゃないですよ)

※続きは【次のページへ】をclick!


次のページへ >



-文化・芸術
-,

×