光る君へ感想あらすじレビュー

光る君へ感想あらすじ

『光る君へ』感想あらすじレビュー第6回「二人の才女」

永観2年(984年)――藤原道兼が母の仇であると弟の藤原道長に告げたまひろ。

二人の道は別れてしまいます。

まひろが顔を洗おうとする水面には、道長の姿が浮かぶ。

それを否定するかのようなまひろですが……。

 


水に映る顔

水に映る顔というシーンで、『鎌倉殿の13人』を連想した方がいたかもしれません。

源頼朝は水面に映り込む後白河法皇に怯えていました。

ただし、状況は異なります。

まひろ→道長の顔を知っている

頼朝→後白河法皇の顔は知らない

前者が未練ならば、後者は生き霊ということでしょう。

まひろは決着をつける意味がある一方、頼朝は怨霊のせいで平家打倒に追い詰められていくように思えます。

 


父のため、己のために、左大臣家潜入を続ける

娘を案じた藤原為時がまひろに話しかけてきます。

今宵、何があったかは聞かない。その上で左大臣家の集いには行かなくともよいとのことです。

己の浅はかさを認め、ゆっくり休めと気遣う為時。

しかし、まひろは父に感謝しつつも、これからも左大臣家の集いに行くと言うのです。

為時が外に出たいからか?と問うと。

「それだけではありませぬ」

とキッパリ返すまひろ。為時の拠り所が、仇である右大臣家だけでは嫌だ、源とのつながりをもっておくに越したことはない、と彼女なりに、と考えたのです。

なんせ源雅信も、ことのほか娘の倫子を可愛がっています。むしろ今よりも覚悟を持って左大臣家と仲良くするとまひろは決意を表します。

「そこまで考えておったとは……お前が男であったらのう」

感心する為時に、おなごでもお役に立てると言い切るまひろ。

娘の決意に感服した為時は、左大臣家の集いに参加し、父を支えるように伝えます。

彼女は大人になったのでしょう。

自分の好き嫌いを二の次に置けるようになった。

しかし、これもなかなか腹黒い話で、まひろを信じていると告げていた源倫子側の立場になれば「私を利用するなんて、腹黒い女だ」となりかねません。

まひろもまひろで、倫子に友愛があればこうも吹っ切れるとも思えない。

つまり彼女は「目的に義があれば、手段が多少汚くともよい」ところまで吹っ切れるように進歩したのです。

中国文学の話ですが、『三国志演義』に貂蟬というヒロインがいます。

彼女は董卓に仕えながら呂布に色目を使い、嫉妬した呂布が董卓を殺すように仕向ける。

二人の男を手玉に取るため、当初は悪女扱いでした。

それが時代が降ると、貂蟬は「養父のために董卓を倒す」という動機が設定されます。

親孝行という素晴らしい動機があるならば、男を誘惑する悪事はマイナスとならず、むしろプラスとなる。

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ここでのまひろも、あくまで一族のためならば手を汚すと言い切っている。

進歩したヒロインなのです。

つまらないドラマは、登場人物たちの好感度を上げることだけを意識し、泥を被らないよう無茶苦茶な設定にしてしまうことがあります。

そういう人物像は、全く深みがなく陳腐なもの。今年はその点、安心できます。

 

兼家とその道具である息子たち

藤原兼家が、息子の道長に「そろそろ婿入りさせよう」と告げています。

奇しくもと言うか、これぞ定番の一手と言うか、勧めてきたのは源雅信の一の姫こと源倫子。

猫を追いかけていた彼女をバッチリと目撃し、品定めをしたのですね。

もしも入内されると政敵が増えて面倒なだけですから、息子と姻戚関係を結んで取り込んでしまうのも悪くない

源雅信は宇多天皇の血筋であるし、立派な屋敷もある。

富も血統も心配はない――一挙両得だと、自分の都合でばかり勧めてきます。

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しかし道長は反応が鈍い。他に好きな女子でもいるのかと聞かれてもブスッとしているだけで、兼家に「いない」「顔に書いてある」とまで言われてしまいます。

そして「兄・道兼の所業はもう今宵限りで忘れろ」と告げられました。

道兼には道兼の使命があると言い始めました。

道隆と道長が表なら、道兼は裏。

この「長男と三男」と「二男」という構図は、なんとも残酷な話だったりします。

というのも、他ならぬ父の藤原兼家が三男であり、長男と結託して、二男を除け者にした過去があるのです。

兄弟同士で対立し合う、骨肉の争いを息子の世代にも引き継がせるのでした。

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父の兼家と話を終えた道長が廊下に出ると、道兼とすれ違います。

自分が殺した女を知っていたのか?と弟に尋ねながら、一応は謝る。

怒りが止まらない道長は、憐れむように蔑むように突き放すように、兄上は泥を被る役目だと言い放つも、道兼は平然とした様子で答える。

「父上のためならいくらでも泥を被る」

そしてこう付け加えます。「違いはないのだ」と。自分だけ綺麗なところにいると思っている道長を喝破するのです。

「足元を見てみろ。俺たちの影はみな、同じ方を向いている。一族の闇だ」

まひろは自ら父の役に立ちたいと訴えました。

道長は、兼家から家の道具になることを突きつけられます。

二人の道はまた離れていくのでしょうか。

まひろは考えています。道長様から遠ざからねばならない。そのためには何かしなければならない。そしてこの結論に至ります。

この命に、使命を持たせなければ――。

迷いをふっきったまひろ。

一方、霧の中、馬で竹林を走る道長にはまだまだ大いに迷いがありました。

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