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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第40回「天下人家康」】
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善く戦う者は人を致して人に致されず
善く戦う者は人を致して人に致されず。『孫子』「虚実篇」
『パリピ孔明』でもありますが、これを決して「孔明の名言」にしてはいけません。
彼の発言は古典準拠のものが多く、正しくは「孔明が引用した『孫子』の一節」になります。
信玄や曹操などの名将たちが愛用した~兵法書『孫子』と著者の孫武は何が凄い?
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なぜここに注目したのか?と言いますと、文春砲に対する世間の反応を見ていて思い出したのです。
SNSで一生懸命ガーッと反論されていても、アカウントに紫色のハートマークが用いられていたり、松本潤さんを「殿」などと呼んでいると、その時点で信憑性は落ちる。
ファンの擁護は、ファンダムの外にいるものからすれば意味がないどころか、むしろカルトじみて見えてきます。
ファンは論拠として、推しの美談やら印象を語ります。
現在、目の前に出てきている問題を見ていく上で、そんな過去の逸話に全く意味はありません。どんな悪党だろうと善行のひとつやふたつは為しているもの。
ヒトラーが子どもと微笑み合う写真を持ち出して、「ヒトラーもナチスも、よいことをしたんだ!」と言い出しても、何ら意味がないようなものです。
『パリピ孔明』風で言いますと、あの曹操だって、関羽には親切にしたんですよ。
文春砲についていえば、仕出し屋の社長コメントがなかなか効いています。
もしもあのコメントがなかったら、
「こんなの嘘! だってこの仕出し屋は松本潤さんのコラボ弁当を売り出していたもん!」
という擁護が大仰に語られていたと思います。その擁護を先んじて打ち消すのが、あの社長のコメントというわけです。
ものごとには裏と表がある。あの記事を告発した大河スタッフは、その両面を見てしまった。裏面の汚さに耐えきれずに告発した。
一方でファンは、キラキラした表面しか見ない。どれだけ長く、熱心に凝視していたところで、表だけしか見ていないのであれば、おのずと限界があります。
さて、信じられるのはどちらか?
それに、あの記事にカーッと頭に血が登って、コメントをつけている時点で、その人は「致されて」おります。流されている。兵法としては失敗です。
文春砲は「致して」いる側ですから、既に兵法では勝利しております。
それにあの構えからして、文春側はまだまだ余力があるのでは?
いちいち反応している場合ではないでしょう。精神の守りを固めた方がよろしいかと思います。
何をか謂いて明君、暗君となすや
何をか謂いて明君、暗君となすや。『貞観政要』
何を基準に名作大河と、駄作大河と判断するのですか?
そしてこういう「致されて」いる層が厄介なところは、集団心理で勝手に大河ドラマを私物化することですね。
私もよく言われます。大河の記事を書いているくせに、貶すとは何事か?と。
逆に、そういう人には問いたい。
何をか謂いて名作となすや。
自分の推しが出ているからとか、自分の相互フォロワーが褒めているとか、そんなものは何の論拠にもなりません。ただの推しへの愛。ただのお仲間意識。それだけです。
NHKは公共放送であり、大河ドラマは貴重な時代劇です。
一年間という長いスパンを使えます。
歴史もあります。
そういう枠にクオリティを求めて何が悪いのか?
日本人にとって大河ドラマとは?『大河ドラマが生まれた日』から考察
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偏ったファンの理屈に陥ってしまうと、『貞観政要』に対する感想ですら、こんな意見が出てきそうです。
「この魏徴って感じ悪いw 唐に仕えてお給料もらってるなら、唐太祖を褒めまくらなくちゃダメじゃんwww ダメ出しばっかして感じわるwww」
『貞観政要』を読んでこんな感想を書いたら零点確実でしょう。
思わずラップしたくなりましたよ。
貴様の目指すところは所詮悪徳宦官
主君を褒めて おこぼれ欲しい
そのせいで国家腐っても気にしない
なんなんだ? 悪徳宦官リスペクト! それで生きてる意味あるか?
張譲? 黄皓? 童貫? 王振? 劉瑾? お前のリスペクトはその連中?(※悪徳宦官)
こちらとしては大河ドラマの感想を述べるうえで、悪徳宦官リスペクトはしたくないので、あしからず。
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三軍は気を奪うべく、 将軍は心を奪うべし
三軍は気を奪うべく、 将軍は心を奪うべし。『孫子』「軍争篇」
いいですか、心を奪いにくる敵と向き合いましょう。
兵法! Hey-ho!
兵法! Hey-ho!
兵法! Hey-ho!
いやあ、この孔明の兵法ラップは実にいい。
あれを見た瞬間、スッキリしたんですよ。ああいう兵法トークをすると、陰キャ歴オタとさんざんバカにされました。
修学旅行の京都でも、史跡巡りをしようとしたのに、ルートにジャニーズショップを強引にねじ込まれたり……。
けれども、今、それが報われたと思えます。
兵法トークは、それこそ『パリピ孔明』のようにバリバリに使えますからね。
しかし自分が若い頃の推しタレントの話をしたところで、センスが古いくせに自分のセンスがイケてると勘違いした哀しい人になってしまいます。
聞かされる側にとっては退屈な思い出語りとなる。『どうする家康』に漂っていて、提灯記事で賞賛される、どうしようもないセンスのよう。
あらためて本作に漂う古臭い陳腐なセンスを考えてみたい。
そのセンスは、学生運動世代を嫌っている。バカにしている。
で、国が強くなって弱者を搾取してこそ、巡り巡って自分も甘い汁を吸えると勘違いし、長いものに巻かれに行くようになった。
それでもいいんです。バブル期に人生観を刷り込まれた世代は、それが処世術だった。
だから政治的な駆け引きなんて理解できない。政治なんてどーでもいいし、投票日は寝てるだけ。そういう価値観を植え付けられている。
そしてファッション感覚で、投票に行くような真面目な奴を小馬鹿にして笑ってきた。
でも、歳をとってきて気づく。
自分は何も成し遂げていないのではないか?
そこで、生まれつき、たまたま、努力せずに得られた属性である国籍や性別に過剰な自身を抱き、依存するようになる。
その結果こじらせていく。
社会運動をしているような連中は、ズルをしていて、金儲けしているんだ!
自分がそうだから相手もきっとそうだ、デカい権力に寄生して、うまい汁を吸いたいんだ!
勝手にそう思うようになってしまう。
大河ドラマなら『麒麟がくる』の理想主義者である光秀がうっすらと嫌いだし、駒は生意気な女なので正々堂々嫌って小馬鹿にしている。
理想主義者が出てくるという一点で、『麒麟がくる』を小馬鹿にしようとし、隙あらば大手掲示板やブログ、SNSに書き込む。
そんな冷笑逆張りセンスがバリバリに滲んでいるのが、今年の大河ですね。
二虎競食、駆虎呑狼
予想通り、文春砲は第二弾がきました。これが最後でもないように思えます。
◆ 『どうする家康』松本潤(40)がSnow Man宮舘涼太(30)の出演を拒否していた疑い「まだ大河に出る器じゃない」と切り捨て…(→link)
この記事での注目は、中身だけでなく写真です。
宮舘さんは金髪にしています。
時代ものの撮影を控えているとなれば、まずありえない髪の色。今年の夏にイメチェンしたそうですが、果たしてなぜなのか。
以下の記事発表が8月2日です。
◆Snow Man宮舘涼太、金髪にイメチェンした理由明かす(→link)
そしてこちらは8月4日。
ほぼ同時期にこのニュースが重なるわけですが、果たしてなぜなのか。
文春はあえて金髪の写真にしたのか? 気になるところです。
これは兵法でいうところの、二虎競食、駆虎呑狼とみた。
二頭の虎を競わせ、互いに食わせる。虎をけしかけ、狼を襲わせる。
この場合の虎は、Snow Manファンのことであり、相手は嵐のファンですね。
競い合うとなればなかなか危険な策であり、文春には兵法を巧みに駆使する方がいるようです。さあ、文春だけに頼らず、NHKに声でも送りましょう。
◆NHK みなさまの声(→link)
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【参考】
どうする家康/公式サイト