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【『どうする家康』感想あらすじレビュー第40回「天下人家康」】
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どうする貶められる英雄
時間がないはずのドラマなのに、秀吉を貶す北政所だけは入れてきます。
これについては陰謀論で、某国勢力とNHKが結びついて秀吉を貶めるなんて言われていますが、そんなわけないでしょう。
今川氏真、武田勝頼、上杉景勝、毛利輝元、宇喜多直家……と、家康に敵対する者はことごとくゲスに貶められています。
そういう幼稚な価値観なんですね。
同時に、家康を持ち上げることだけは欠かさない。
徳川家臣団は諫言することもなく、武勇や知能を披露するわけでもなく、家康をひたすら褒める要員となりました。
だから見ているほうは、とにかくしらけてしまう。「家康は凄い!とにかく凄い!」と言われて、「ほんとだ、凄い!」となるわけないでしょ。とにかく幼稚すぎます。
どうした淀殿の毛量
本作は、ヘアメイクがわざとなのか?と疑ってしまいたくなるほど酷い。
いつ見てもこんもりとした淀殿の毛量は何なのでしょう。
厚化粧にこんもり剛毛で、北川景子さんの美貌が台無し。
三成の薄い眉毛もなんですかね。『鎌倉殿の13人』の梶原景時の眉はかえっていい味を出していたのですが。
井伊直政のチョビ髭も、見た瞬間に頭を抱えたくなるほど辛いです。
◆「どうする家康」出演中の板垣李光人、上目遣いでヒゲを付けるショットが「可愛すぎ」とファン大絶賛(→link)
どうした唐突に嶋左近
嶋左近を何の説明もなく、当たり前のように登場させるのが恐ろしい感覚です。
戦国ファンならお馴染みだから説明不要だよね?という判断でしょうか。
関ヶ原に散った島左近の生涯「三成にすぎたるもの」と褒め称えられたのは本当か
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「治部殿」と当然のように出してきますが、これも視聴者知識に依存していますよね。
どこまで視聴者の知識に頼り切っているドラマなんだ。
そんな調子だったら、脚本にツッコミが入るのも致し方ないことでしょうよ。
視聴者の知識頼りといえば、大名同士の婚姻も唐突でした。
その違約が問題だとするならば、秀忠と江の結婚でもちゃんと描くべきだったと思います。
おっさん同士が暗い部屋の中でボソボソしゃべり、本多正信が悪目立ちする。
これで視聴者は理解できると思っていますか?
ロケが極端に少ないし、小道具も不足している。所作もだらけている。このドラマは常に湿気っていて、見た瞬間に気持ちが落ち込みます。
これで「若者はこういうのが好き!」って一体何の夢を見ているのですか?
キラキラした韓流華流に流れるだけですよ。こんな出来損ないのぬれ煎餅をわざわざ食べる気がしません。
どうした三成の迷い
クライマックスの一つである家康と三成の対決。
非常に重要な場面のはずですが、三成がキレてギャーギャー室内で叫ぶだけとは何事ですか。
七之助さんはお上手だと言いたい。
しかし、これでは彼の魅力が出ていない。彼はもっと豊かな魅力がある。可憐で愛くるしい姿を見せられる役者はそうそういない。
こんな愛らしくない七之助さんなんて、もう、悲しくなってきます。
つくづく役者の魅力を全然引き出せないドラマだ。華麗な花を萎れさせているようで、見ていて悲しくなってきます。
本作を見て確信したことがあります。BBC『ウォリアーズ』の圧勝ですね。
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潤沢な予算を使った関ヶ原本戦の描写は、BBCに勝てないとは思います。
しかし、家康と三成の内面や対立まで、完敗させられるのは、さすがに辛いものがある。
BBCの関ヶ原描写については、ニンジャやゲイシャが強引に入り込んでいて、ツッコミどころは満載なのに、それでも勝てる気がしません。
みなさんもよろしければ関ヶ原前に『ウォリアーズ』(→amazon)を見てみてください。三成が襲われてゲイシャ姿になって逃げるとはいえ、本作より断然上でしょう。
報道にせよドラマ作りにせよ、NHKはBBCの足元にも及びません。
どうする秀忠と真田
徳川秀忠は最後のえびすくい要員で終わりだったのでしょうか。
真田一族も出てきません。
秀忠と真田をゲストキャラクター扱いとはワケがわからない。
結局、真田昌幸の豪華キャストという一点だけでバズらせようとした結果がこれですか。
そのせいで欠けてしまうものもある。
家康の愛情深さです。
それこそ『ウォリアーズ』は、そこがポイントでして、関ヶ原に遅参した秀忠が切腹しようとすると、家康の脳裏には信康の死が蘇ってきます。
もう我が子を失いたくないと思い、理不尽に人の命を奪わぬ泰平の世にしようと決意を新たにするのです。
このドラマは、マザーセナはしつこいくせに、信康は思い出しもしませんからね。つくづく愛情もない作品です。
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