どうする家康感想あらすじレビュー

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第44回「徳川幕府誕生」

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『どうする家康』感想あらすじレビュー第44回「徳川幕府誕生」
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加齢を知らぬ大河

この大河ドラマは、そもそも人間とは何か?ということすら全く考えてないようです。

前回、重傷を負ったはずの井伊直政が目をキラキラさせて、ガバッと起き上がるなり、戦況を完璧に知ったように「天下取りだね!」宣言をしました。

で、今回は、年老いたはずの家臣二名が、情けないオープニングテーマを背景に、槍をブンブン振り回している。

年を取ったら体力は低下する――なんて書いていて、あまりにバカバカしいことすらわかってないかのような振る舞いが画面の中で横行しています。

とにかくこのドラマは色々と妙なのです。

特定の脇役ばかりがクローズアップされているように思えますし、それが実績と必ずしもハッチしないんですよね。

まるで主演が選んだ人でプロモを作っているみたい。

だから加齢もさせないのでしょうか。

 

どうする「日本の原風景」

本多忠勝榊原康政が槍を振るい合う場面。

視聴者の涙を誘いたいのか。やけに冗長で、二人が叫び声をあげるたびに寿命間近な人物には見えない……と思いましたが、背景もまた当時の状況には見えませんでした。

戦国時代は戦乱で建造物も焼ける。攻城戦のための兵器もいる。

そのため森林伐採が激しく、日本中は禿山だらけになりました。田の改良もまだ時間がかかるものです。

にも関わらず、やけに青々としている。

あの風景は、江戸幕府が森林回復政策をした結果のものではありませんか?

ジャレッド・ダイヤモンドが自著『文明崩壊』(→amazon)で賞賛した、江戸幕府の森林回復政策すら無視している。

とても徳川家康を讃えるドラマとは思えません。

日本の原風景を作り出した偉人として、それこそ伊奈忠次や大久保長安も出せたでしょう。伊奈忠次は顔見せだけでしたね。

本多正純を出しながら大久保長安を出さないあたり、つくづくセンスがないドラマです。

 

どうしようもないパリピ秀頼

成長後の秀頼が出てきます。

衣装は貧乏臭いわ。茶々も着回しだわ。どんだけ貧乏なのか。

しかも、この秀頼、宴のことしか口にしない。

本作は、宴の規模でしか権力が表現できないかのようです。貝塚の規模で集落の状況を確認していた時代じゃないんですよ。

それなのに「時は満ちた」とか、陳腐な決めゼリフを吐く家康。

タップすればイベントが展開するスマホゲーの世界です。

 

小道具班、力尽きたまま

今回は肖像画が入りましたが、やはり力尽きていると思いました。

まぁ、そうなりますよね。『大奥』チームがあんなに生き生きして、薩摩切子や懐紙入れを用意しているのに、こちらはニコライ・バーグマンをパクれと言われたらそうなりますよね。

やはり小道具チームは被害者なのかどうか……。家康の肖像画に主演の顔をはめただけの雑コラを作らされたチームも、お気の毒に。

 

どうするステルス出演「伊達政宗、家康の迂闊さを語る」

なぜ伊達政宗はセリフ処理だけなのか?

個人的にはディーン・フジオカさんが演じるところを見たい人物です。

伊達とゆかりの深い福島県出身であり、かつとてもお洒落。

政宗といえば漢詩も詠みました。独眼竜として唐の名将・李克用を意識しておりましたし、彼にピッタリではないでしょうか。

とはいえ、誰もが台無しになるでもこの大河では、政宗も、ディーンさんも、見なくて結構です。

『らんまん』と『パリピ孔明』の劉備を楽しませていただいております。

ともかく伊達政宗が出ない理由は不明ながら、今回の放送からして出せそうにもないな、とは思います。

政宗メソッドを用いると、家康がマヌケに見えてしまう可能性がある。

政宗メソッドとは今私が思いついた呼び方ですが、要するに政宗は大坂の陣回避案を的確に示していました。

それを踏まえ、ちょっと脳内政宗を召喚してみますと……。

「『大河』とは!歴史の荒野に!進むべき道を切り開くドラマこのとだッ! そんなわけで、俺は今年の大河に出演依頼があっても、だが断る……」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

「そんなわけで伊達政宗だ。どうしようもない大河はいっそ出ない方がいいッ! そう『天地人』で伯父の最上義光は悟ったそうだぜ。んで、じゃあなんでここいるかって話だけどよォ〜〜〜!

史実で俺はッ!対策レクチャーしてんのよォォ!

あのおふくろ殿(茶々)を人質にして、秀頼は最低限大坂城から出せってなッ!なんなら家康公の元で育てりゃいい……そう助言してんのよ。

それが滅茶苦茶正しいって今週を見ていればわかるよなッ!

秀頼をそのままにしたらマズイ……戦乱は確実! そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!」

ドギャアアアアアン!

「人間は誰でも不安や恐怖を克服して、安心を得るために生きるというぜ……ならばッ!東国大名の配置、豊臣恩顧連中の力を削ぐ場面を入れたらいいと思うぜェ〜。ま、今年の大河、歴史を求めてないか……無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァ!!

そんなわけで伊達政宗はクールに去るぜ。VODの方が期待できるもんな」

ドドドド……

「と言いつつ戻ってきて、俺が注目される意義を説明するぜ。まず、キリスト教な。なんのかんので支倉常長派遣しているじゃん。そこが注目される。

あとグレートな母上。このドラマの家康は、信じられんほど母に冷たいよな。

俺の母は戦国時時代の女性として、政治力を発揮した。そこが注目を集めている。このドラマの瀬名は捏造だが、俺の母は史実だからなッ! ここで伯父のコメントも入れようか」

「最上義光です。政宗がジョジョのノリを仙台方言のように使って申し訳ありません。ちょっとよろしいでしょうか?

あの秀吉は極悪非道だと言いたい、あるいは三成の非情さも描くなら、秀次事件をセリフ処理はまずいんじゃないですかね。

三成があの惨劇を冷徹な顔で見守る場面があれば、説得力があったと思いますよ。ま、干し柿すらない今年の大河には期待していませんけどね。

『天地人』ですら秀次事件があったのに、今年はない。なんだったんですかねえ。

ま、私だって大河以外に活路を見出したい。何も期待していませんので」

長々と失礼しました。

 

どうするミソジニー

この大河は誰かから怒られるのでは?

そう思う理由のひとつに、作り手の性癖暴露があります。

◆「どうする家康」北川景子と松本若菜が一触即発…《笑顔のバトルが恐ろしすぎる》と話題(→link

海外からすると、日本のコンテンツの痛いお約束があります。

女同士のバチバチ描写です。

そりゃあ、妃と寵姫が競うような作品ならば海外でもその手の描写はあります。

しかし、日本のコンテンツはどんな状況でもぶち込んできて、それをニヤニヤしながら見ているのが「ミソジニー」とみなされてしまいます。

今、トレンドは「シスターフッド」です。

女性同士が協力する姿であり『大奥』の徳川家定阿部正弘がその典型例。

それが支持される時代に、いまだに「女のバトルw」と盛り上がっている時点で、うっすらと恥ずかしいことは認識すべきではないでしょうか。

『麒麟がくる』の駒のことも思い出します。

「女のくせに将軍のそばにいるなんてありえない、おかしい!」と言われていました。それを言うなら、とっくに大坂を脱出した阿茶がうろつく方があり得ないでしょう。

◆松本潤「どうする家康」に再評価の声…歴代大河ワースト2位でもNHK思惑通りでホッ?(→link

日刊ゲンダイは、これまで本作を散々貶してきたのに、この手のミソジニー描写があると一気に甘くなる。

メディアの支持者が圧倒的に中高年男性だからですかね。

ワースト2位で“思惑通り”とは、そんなワケないでしょ。

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