鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第13回「幼なじみの絆」

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鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第13回「幼なじみの絆」
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巴の一本眉が示すものは?

巴御前が竹の手入れをしていると、義時と義村がその様子を目に留めます。

おめかししたら美女だな、と見抜いている義村。おそらく眉毛の手入れも含めての話でしょう。

巴の一本眉は特徴的です。

なぜか?

あれは「眉剃りをしていない」という証なでしょう。

当時の女性は眉毛を剃ることがおめかしです。しかし大河でそうするわけにもいかない。そこで、現代人から見ても「眉毛のお手入れしていない」とわかるように、一本眉にしたのだと私は推察します。

巴御前は、八目鰻をとる仕掛けを作っていました。

目にいいから義仲に。忠義を尽くすと言い切る巴御前に、義仲と付き合いが長いのか?と義時が尋ねると、巴が幼馴染だと返します。

そこで義村がこうだ。

「初恋の相手か」

「切り捨てられたいか!」

巴御前が素早く小刀を手に凄むと、すかさず義時が盟友の不始末を詫びます。義村、ほんとどうしようもないわぁ~。

そのうえで巴はこう言います。

「……色恋はとうに捨てた」

「それで幸せなのか?」

「私はあの方に終世尽くすことを決めている」

義時が手伝おうとしても、巴は「触るな」と断り、出かけてゆくのでした。

一方の義仲は、我が子の義高が鎌倉に行くことを承知します。

「父上のためなら、どんな苦労も厭いませぬ」

実に素直そうな表情でそう返す義高。源氏同士で争わぬ限り必ず帰れると義時が言うと、父と子は信じ合っていて、それを見ている義時も微笑んでいます。

 

亀vs政子の軍配は亀に上がり

鎌倉――狩りの帰り道で、頼朝が安達盛長がどこかへ立ち寄っています。

亀のいる家でした。

しかし、そこには政子も座っている! うわっ!

思わずギョッとしながら、その場を去る頼朝。

亀と政子の対決が始まりました。

「家まで焼き払って、まだ足りない?」

「足りませぬ」

亀はそんな相手に、手を引くと言います。政子も受け入れますが、亀が一言いいかと真っ直ぐに見てきます。

聞く耳ないという政子に対し亀はこうだ。

黒髪の 乱れも知らず うち臥せば まづかきやりし 人ぞ恋しき

黒髪が乱して横たわっていると、あの人がかき乱したことが思い出される。

亀が言うと恐ろしいほどの迫力がありますね。

彼女は当時不美人とされたくせ毛の持ち主でした。でも、それゆえに、そんな個性を頼朝は「他の女とはちがうんだよなぁ〜」とデレデレ愛で、撫でていたのかもしれない。

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和泉式部の歌だと明かすと、和泉式部くらい知っていると意地になる政子。

でもあの方の日記は、りくから渡されたのにきちんと読んでいないと亀は見抜いています。

伊豆の小さな豪族で育った行き遅れが、急に御台所と言われて勘違いしていないか、それも仕方ないと見抜く亀。

そして大事なのはこれからだと言います。

「自分が本当に鎌倉殿の妻としてふさわしいのか、よく考えなさい。足りないものがあったらそれを補う。私だって文筆を学んだのよ。あなた、御台所と呼ばれて恥ずかしくない女になりなさい」

あの政子が当惑しています。

「憧れの女だから。坂東中の女の。そんなふうに考えたことあった?」

「考えたこと、ありませんでした……」

「では、よろしくお頼み申します」

「あの! さしあたって、何を読めばよいでしょうか?」

そう、ここでもチームプレイを発揮する女性たちでした。

 

おかえりなさいませ

一方の頼朝は?

「来てしまいました!」

八重のところにいた。しかも江間は義時の領地だ。

なんなんだこいつは!

もうどうしようもない……。しかもこいつ亀に断られて来ていますからね。これ以上のないゲスですよ、ゲス!

しかし八重は、近寄る頼朝の指を噛み、追い払います。

「噛むか〜!」

絶叫して飛び出し頼朝は「是非もない」と言います。

「是非もなし」と言えば織田信長

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簡単にいえば「仕方ないな」という意味ですが、信長も「一緒にすんなよ」と思うことでしょう。

いい加減、付き合うことに疲れてきた安達盛長と共に、頼朝はすごすごと鎌倉へ戻ってゆきます。

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この様子を隠れて見ていた者がいました。

義時です。

頼朝と盛長の二人がいなくなると、八目鰻の干物などの信濃土産を八重に届けます。

八重は、そんな義時に「義朝と会っていたのかと問い詰めないのか」と迫り、頼朝とは何もないと続けます。

かつて心を通い合わせた相手が今も思いを引きずるというのは、男の勝手な思い込み――。

そう言い切る八重に対し、何も言わないままにきのこを出してくる義時。ここでようやく、きのこは嫌いだったかと思い出しています。

義時は、どちらでもいいと言います。

頼朝を招き入れても構わない。幼馴染同士として、思いは変わらない。彼はそれを大事にしたい。

八重に振り向いてもらいたいなんて考えていない。振り向かなくても構わない。背を向けてもそれでもいい。その背中を見守りたい。後ろ姿が幸せそうなら、それで満足だと。

そしてしばらくここには戻らないと告げ、ここにいて欲しいと言います。

八重には伊豆の景色がよく似合う。伊東の館に紫陽花を届けたときから、ずっとそう思っていたと。

そして立ち上がる義時。

「待って」

八重が呼び止めます。

「小四郎殿……お役目ご苦労様でございます。おかえりなさいませ」

「ただいま、帰りました」

そして笑う八重。

義時はその笑顔を見て、思わず涙を流すのでした。

毎週のように泣く義時。しかし今週は嬉し涙です。おめでとう、よかった。報われました!

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MVP:木曽義仲

画面写真や初回から思っていたけれど、なんと美しいのか。

圧倒されました。

野生動物や縄文土器を見た時のような、そんな美しさを感じます。

綺麗な目で、透き通っていて、相手を喜ばせたいから魚を獲ってきて、我が子を人質に出す。

人としての善意や誠意がある。

磨き抜かれていないものがあって、見惚れてしまいます。

巴にも、龍の化身だという伝説があるそうですが、そういう神秘的なものを感じる。

そんな巴を見て義村は「おめかしすれば」と条件付きでその美貌を認めていた。

この辺りに本作の仕掛けを感じます。

義仲や巴は野蛮人だとされる。来週描かれるであろう無茶苦茶な暴れぶりや、猫間中納言との逸話が皮肉な笑いを込めて語られてきました。

でも、果たしてそれは義仲が悪いのでしょうか?

文明や文化があると見なす側が、自分達とちがう生き方をする人々を「野蛮でどうしようもなく愚か」であると判断を下す。

それが差別の本質ではないか?

そう到達しつつあるのが、21世紀の歴史学なり、人類学の到達地点です。

かつて人間は、知能指数やテストを考え、その点数が低い人々を「劣等」であると見做しました。それ以前は、識字率や礼儀作法を通して、見下す材料を探していた。

それってどうなのよ?

一例としてナポレオンでもあげましょう。

あれほどの天才であるから、士官学校時代は成績優秀だと思われがちだ。

それがそうでもない。彼が愚鈍だったのか?

もっと簡単な話です。

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どれだけ本質的な賢さを見抜く能力があっても、語学力や語彙力で引っかかってしまうと、見落とされてしまう。

このドラマの木曽義仲は、本質的に聡明だという描かれ方をされています。

義時や義村ですら言い負かされてしまう。

しかし、そういう本質的な賢さも、都の人々には通じませんでした。

教養や礼儀作法がなっていないから、愚かで野蛮と言われ、嫌われてしまう。

昔の人は、浮世離れした人が悲運の中で斃れてしまうと、人間の濁った世に適応できなかったのだと憐れまれました。

義仲も、その周りの人々も、濁った世では生きてゆけないほど純粋なのではないかと思ってしまう。

どうして木曽義仲がこんなに悲しいのかと考え込んでしまった。

でも、答えはわかる。

濁った笑顔の頼朝、あなたが答えだ!

 

総評

ゲスな人間が勝利すると、人は精神的に打撃を受けます。

せめて高潔な人こそ成功して欲しい。しかし、政治的な判断となると、やっぱりゲス……もとい冷徹でないといけない部分はありますよね。

やはり大江広元がゲームチェンジャーとなった。

広元がいるとスムーズになってストレスが減るし、とても参考になる。

しかし鎌倉というアルカディア(理想郷)は終わっちまったと寂しくもなります。

ちょっと前は、部室や修学旅行みたいな楽しさがあった。

それが消えた。

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集まってワイワイしていたら会話の中身を把握される。

参加者リストもバッチリ梶原景時が作ってくれる。

こういう謀略担当者が左右に揃うと、青春の部室はもう終わります。

「あーもう窮屈だなぁ!」と言えば、相手は「社会人の自覚ってものがあればそこはね。好き勝手なことを言いっぱなしで責任取らなくていいわけないでしょうが」と言い放ってくるわけです。

飲み屋で機密情報をペラペラ話したら、ペナルティがある。

そういう世界に突入しちゃったわけですね。

坂東武者の甘酸っぱい青春DAYSも終わった。

しかし、組織や社会とはそういうものではある。

とりあえず、そういう甘酸っぱさを卒業したからこそ、願いが叶った義時を祝いましょう。

ここからはデリバリーだけではいけない。

実りある幸福を、ややこしい女である八重とともに築いてゆく責務もある。

でも、それもきっと幸せな重みでしょう。

 

何もしない人? 野心とは無縁なだけ?

亀の前騒動】のあと、時政が伊豆へ戻ったのは史実通りです。

ただし、若干アレンジがあります。

史実は、時政が去った後、頼朝は焦りました。

そして夜、寝ていたであろう義時の家を見に行かせています。

で、在宅を確認すると、こんな感じのやりとりをしています。

「きっとこの先、子孫を守るのはキミだぁ!」

「……そっすか、あざーっす」

夜、寝ていたところを起こされてこんなことを言われる義時もどうなのよ。

ドラマのように、義時が「時政の帰る宣言」をする場所にいたわけではありませんが、どのみちドタバタです。

義時はこうした話から「何もしていないのに褒められる人」「何もしない人」といった評価もされます。

自己アピール欲がないのにできる人物だったのでしょうね。

そこを汲み取って、このドラマは「野心のない男がどうして武士の頂点に立つのか?」をアピールしているのでしょう。

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