鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第13回「幼なじみの絆」

北条時政が伊豆へ戻ることになり、北条家一同が揉めています。

時政本人はどう考えているのか?

阿野全成に促され、出てきた答えがこちら。

「嫌なっちまったんだよ、なんもかも……伊豆へ帰る!」

時政が伊豆へ戻った理由は、政治的思惑云々と推察されますが、これもありではないでしょうか。彼の本音を詳しく書いた史料があるわけでもなし、人間ですから糸が切れる時もある。

北条時政
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では源頼朝は?

時政のことはなんとも思っておらん、鎌倉を出ていくことはない、とのこと。元はと言えば「わしが悪い」としおらしく政子に言います。完全勝利ですね。

と、ここであの疫病神の来訪が告げられます。

源行家です。

源行家
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頼朝は嫌々ながら、安達盛長に「会う」と告げ、同時に北条義時まで鎌倉を出て行かないことを確認します。

頼朝の浮気は、御家人を巻き込む大騒動となりました。

源平の激突が目前なのに、鎌倉に亀裂が入ろうとしています。

先週のラストで、大江広元が鎌倉は安泰と言いつつ、一つ気になることがあると述べていました。その答えがこれでしょう。足元の亀裂です。

時政とりくが伊豆へ戻る準備をしています。

時政はりくに、京へ戻る願いを摘み取ったことを詫びる。

それでもりくは、時政が鎌倉殿の前で自分を庇ったことが嬉しい様子。アカデミー賞授賞式で、妻を侮辱した相手を平手打ちにした俳優と時政を重ねる意見も出てましたっけ。

本作の時政は愛が原動力なのでしょう。

男性でこういう描き方は珍しいですし、挑戦的だと思えます。

でも、確かに時政はこういう人かも……と考える研究者もいて、今後さらにどう落とし込むか楽しみなところです。

 

とにかく図々しい行家

さて、行家の用件とは?

所領をねだってきました。平家と11度戦って8度勝ったってよ。

それに対し、鎌倉側の調べては8戦6敗だと否定する義時。データ解析のできるよい男じゃ。今ならExcelのマクロや関数が得意そう。

行家はどうしようもないけれども、歴史のあるある現象ともいえます。

彼のように生まれ順が遅い男子がトラブルを起こす。

古今東西、君主の男子が多すぎると所領を配りきれなくなります。ゆえに王朝初期は、断絶を防ぐため子は多い方がよいけれど、安定したら子作りばかりされると困るものでした。

日本ならオットセイ将軍こと第11代将軍・徳川家斉が大名家を巻き込んで大迷惑をかけておりますね。

徳川家斉
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しつこく御令旨をもたらしただのなんだの言う行家に、キッパリと義円討死の責任を問いかける頼朝。

確かに、行家がそそのかしたことで討死したと思うと、許し難いものがありますね。

むろん義円自身が選んだ道ではありますが、渡河の準備もろくにせず戦いを仕掛けた時点で言い訳はできない。

義円
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愚策で将兵を死に追いやることは大罪です。

坂東武士の鑑」こと畠山重忠は、兵の損耗が多くなりそうな作戦には必ず異議を唱えます。そこが彼の優しさであり、人徳なのでしょう。

鎌倉に立ち入り禁止を告げた頼朝は、厳しいようで甘いとも思います。

行家は反省していないし、賢くもない。こういう奴はまた何かやらかすものです。

罪をでっちあげて処刑はやりすぎにせよ、剃髪して寺にでも預けてしまえばよいかも!

だって行家、木曽のところへ行ってもいいのか!と脅してきましたからね。木曽には、義仲がいる。

「痛くも痒くもない!」

頼朝が、そう言いながら去ってゆきます。

烏帽子をかぶっているから頭をひょいと下げる大泉洋さんの所作がよいですね。高さを計算に入れていないと当てちゃいます。慣れて身について自然なのがいい。

 

広元の扇に注目です

頼朝は、意見を聞くため大江広元のもとへ。

注目ポイントが広元の手元。扇を手にしていました。

中国の文官由来で日本にも伝わった「笏」(しゃく・もとの読み方は“こつ”)の伝統です。牧宗親も扇子を持っていましたね。

正装として笏を手にしていたのが、扇になっていった。文を司どるステータスシンボルであるからこそ手にしています。

単に“暑がり”とか、そういう意味ではなく知恵があるという証なんですね。

ちなみに鎌倉幕府では、武士に対して「文士」という呼ばれ方をしています。

実際に大江広元は賢い。

行家は宮中に繋がりがあり、北陸の兵糧を抑えて平家を干上がらせる策を出してきます。

広元が取り上げられてから、あっという間にここまでのしあがったのは、その賢さだけでなく、坂東武者も

「なんかあの人すげーんだよ。いつも扇持ってるし、わけわかんねーこと喋るし、叶わねえなあ!」

と思うからではないでしょうか。

頼朝も焦り始めました。このまでは木曽に手柄を奪われる……。

兵糧はどれだけあるのか? 頼朝が義時に尋ねると、京都に上るまでで、滞在できるほどはないとのこと。さらに奥州の藤原秀衡が会津付近で怪しい動きをしている噂を報告します。

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会津というのは、かつて奥羽への玄関口であり、重大な意味がありました。

地名からして「会う」という意味があり、北からこのエリアまでやって来たら「何かやる気がある」と見なされるのです。

伊達政宗は「奥州を押さえても、会津が領土にならなきゃ、中途半端じゃねえか」と粘着し、三浦一族の子孫である蘆名氏を滅ぼしたと思われるフシもあるほどです。

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そんなワケで会津までの進出は危険な兆候でもある。

さあどうする? この先が実に中世だ。

頼朝は、弟の阿野全成は何をしているのかとイラ立ち、さらに呪い師を増やせと言い出す。

すると情報通の広元が、平清盛を呪殺した者が京都にいると言い、頼朝はすかさず呼び寄せろと命令を下すのでした。

現代人からすると「オカルトかよ!」となる場面ですが、当時の人からすればプロの暗殺者を呼び寄せるような気持ち。

鎌倉は安泰どころかガタガタです。

実は広元もそのくらいわかっているから、険しい顔で張り切って仕事をしています。

そのころ信濃国では――。

 

義仲を支えた兼平と巴

信濃には木曽義仲がいました。

毛皮を腰に巻きつけ、日に焼けた顔をしている。野生的なようで、透き通った目をして、どことなく品位もあります。

いったん人間関係を整理しておきましょう。

頼朝たちの父・源義朝の代は、朝廷の政争に翻弄されました。

こうした政争の結果、源義朝と弟・源義賢は対立。義朝の長男であり、頼朝たちの長兄である源義平が、義賢を襲撃し討ち果たします。

このとき義賢の遺児・駒王丸が流れに流れ、木曽に匿われることになった――それが木曽義仲。

頼朝と義仲は河内源氏の血を引く従兄弟同士でありながら、生まれながらにして対立関係もあると言えましょう。

ちなみに義仲にとって父の仇である義平。頼朝はその未亡人(祥寿姫)にしつこく恋文を送り、彼女の一族は困惑しました。

「もしも頼朝のもとに行けば御台所の嫉妬も怖いし、別の家に再婚させるしかない……」

そうして祥寿姫を再婚させたところ、頼朝から嫌がらせ人事をやらかされています。

頼朝は史実の方がドラマよりもゲスなので、ご安心ください。大泉洋さんはむしろ史実により近づけてきていると思います。

より史実準拠ゆえに大河史上最低。そんな頼朝と義経兄弟を演じる大泉さんと菅田将暉さんは、すごいことだと思います。

さて、そんな義仲をけしかける行家。しかし義仲は、叔父が急ぐ理由を問い返してきます。

クソ生意気な頼朝に一泡吹かせるとウダウダする行家に対し、義仲は平家は倒すが今ではないと穏やかに返します。

その横には今井兼平が。

そして男の装束を着た巴御前も。

この兄妹は一家揃って義仲を支える忠臣でした。

巴御前
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行家に対し、兼平は旅の疲れを癒したらどうかといい、巴は蒸風呂の支度はできていると告げます。

それでも何やら訴える行家ですが、義仲は軽く微笑んで穏やかな顔。

 

色目を交差させる義村&りく

伊豆では、時政が念願の米作りに復帰していました。

そこへ三浦義澄と義村父子が様子を見にきます。

鎌倉へは帰らん!と言い切る時政に、義澄が鎌倉の人間関係を伝える。

頼朝に向かってハッキリ物申した時政の評価が上がり、亀の一件で頼朝の方は暴落だとか。上洛どころじゃないってよ。

「あら、いらっしゃい」

義澄がりくのことを持ち出したそのとき、りく本人は野菜を抱えていました。土いじりもやってみると楽しいと微笑んでいます。

確かに農婦姿でもりくは魅力的ではあります。

ほんとうにしょうもない話ですけど、田植えをするときの女性の腰のあたりのラインって、日本の古典的エロス定番ですな。

直江兼続の『四季農戒書』みたいなきちんとした書物でも「かがむ農婦は色っぺえ〜」みたいなことを前提にしているような箇所があります。

そういうことを大河の宮沢りえさんで思い出すなんて、おそろしい話ですね。

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自分の手の臭さに驚くりくは、義村の姿を見つけます。そうそう、義村ならそういう農婦の色香を理解しますよ……って、むしろ理解するなよ。

りくが気づくと、義村はニヤリとしながら、この調子ですから。

「戻って来ればいいじゃないですか」

本当にコイツはなんなのか。片っ端からアプローチかけて、けしからんにも程があるでしょう。

りくは戻るつもりはないと言い、亀のことを聞いてきます。そして色っぽく目配せしながら、二人は隣に座り合い、りくは鎌倉と自分は関係ないから教えて欲しいとゴシップを聞き出そうとします。

そしてりくときたら、身を寄せ合ってつつきながらこれだ。

「へ・い・ろ・くどの♪」

義村もまんざらでもなく、額に額がくっつきそうになったところで、鼻をつまみます。

おっと、臭うようだ。かくしてうやむやになったようですが……一体何をしているんだってばよ!

ちなみに当時でも父親不明の子はトラブルの種であり、人妻との不倫はいけません。

時政と義澄は、義村とは違って純情そのものの義時の話題に。

江間の館周辺をうろうろしている姿が見られています。一応、自宅なんですけどね。

義時本人にそのつもりはなくとも、自宅に女性を置いておくということは「もうできてんじゃねえの?」となし崩しにできる状況でもあります。

そのころ江間の八重は縫い物をしていました。

と、そこへ海産物を大量に抱えて義時。焼いて食べたらうまいといい、好きでなかったら誰かにあげて欲しいと言い、去ってゆきます。

「怖っ!」

思わずつぶやく八重。冷蔵庫もない時代に、この大量の海産物をどうしろと……。

 

広本が持ち込んだ新ルール

鎌倉には、武田信義がやってきました。

彼も富士川で買った割にはリードが奪えていない様子。

木曽義仲が平家に通じるのではないかと、牽制の釘を刺してきます。

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「攻めて来るとか来ないとか」と信義はしつこく濁しながら鎌倉を脅している。

頼朝がうんざりして意図を掴みかねていると、義時はあいつは嘘つきだと言い切ります。木曽に対する悪評は、自身の娘との縁談を断られた腹いせだとか。

比企能員もこの場にいて、攻めてくるかどうかなんてわからないという。

そして大江広元だ。

彼は真偽を確かめる手段を提案します。軍勢を信濃に送り、平家との噂が偽りなら人質を出すよう迫る。

もしも断れば噂は真実であるとして、攻め入って首を取る。

広元は、武ではなく文の人物のようで、実質、一番物騒なことを言っています。

条件を突きつけること。人質を取ること。どれも手厳しく、そして効果的です。

人質の有用性を、実は武士が気づいていなかったのがこの時代。そこが戦国時代以降とは違います。

山内首藤経俊のことを思い出してみてください。

乳母子だから味方すると思っていたのに、裏切られた。あのときだって人質として誰かを確保していればもっと確実だったでしょう。

こうした人質や言質を使うやり方を、大江広元は鎌倉に持ち込みました。彼はゲームのルールを変えてゆきます。

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