鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第15回「足固めの儀式」

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鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第15回「足固めの儀式」
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景時と重忠

坂東武者に捕縛され、厩に閉じ込められた梶原景時

彼はこう語りかけています。

「この企ては必ず行き詰まる。おぬしだけでも抜けてしまえ」

相手は畠山重忠でした。しかし重忠は、今度何かあったら私に先はないとキッパリ断り、景時に深いことを言います。

使われることと、従うことはちがう。鎌倉殿が御家人を信じていないことを、景時が一番わかっているはず、そう訴えるのです。

この二人には共通点があります。

頼朝の挙兵当初、彼らは大庭景親らの平家方についていました。この時点で不利があります。

そこを重忠は重視しているのでしょう。だからこそ坂東武者という仲間を尊重しなければならないのだと決めている。

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不穏な動きを確認した頼朝たちが最終判断を決めようとしています。

文覚はおかしいし、土肥実平もおかしいし、梶原景時もいない。

まずは御所の守りを固めるよう指示を出しますが、義時が「戦えば鎌倉が火の海になりかねないから、話し合うことが肝要だ」と待ったを入れる。

キーマンは上総広常――と義時が説明を続けます。

実は上総広常とは通じている。彼が御家人の手綱を引いているのだと。

それを聞き、またも挙動不審になる比企能員

相変わらずガサガサと音を立てているのを突っ込まれ、慌てて鎧を見せると「既に戦の支度ができている!」というアピールします。

頼朝は義時に、上総広常と共に御家人を説き伏せよと告げます。そうすれば全てを不問に付す!という条件を提示され

「命に代えても!」

と張り切る義時です。

 


謀反、決行

八幡宮へ向かおうと血気盛んになる謀反人たち。

人数が多すぎると計画が事前に発覚してしまうため、選り抜きの強者が派遣されることになりました。

このころ読経中に異変を察知した全成。

三浦義村たちが捕らえにくると、間一髪で床下に逃げ込み難を逃れます。

八幡宮では政子たちが儀式を終えて帰ろうとしていました。

そこへ武装兵士がやってきて……。

「これはどういうことですか?」

毅然とした態度で言い放つ北条政子

緊張感、危機感、それに威厳。亀との約束を守り、坂東中の女が憧れる頂点の存在へと向かっています。

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重忠は、言う通りにすれば手荒なことをせぬと迫ると、ここで源範頼が刀を抜きます。そして華麗な剣術で、襲いかかってきた相手を斬り捨てると、実衣が言います。

「意外にできる!」

うん、私もそう思いました!

範頼に対しては「あの地味な、頼朝の弟」という認識がずっとありました。

しかし範頼は、智勇兼備のデキる人物です。

他の兄弟が派手過ぎて目立たないけれど、目立てば危険だと理解していて、そつなく生きる聡明な人物だったのではないでしょうか。迫田孝也さんが実によくはまっています。

源範頼
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同時に木曽義高も「万寿様を守る、主に対し逆らうものは許さぬ」と言い切るのを聞き、畠山重忠が感激したようにこう漏らしています。

「冠者殿……」

重忠だからこそ、義高の高潔さがわかったのかもしれない。

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と、ここで義時が駆けつけます。

 


義盛「俺は納得した!!!」

義時は彼らの心に訴えかけます。

「既に企みは漏れた。刀を収められよ。これ以上の争いは無駄にございます!」

石橋山で敗れた後、先がないと思われたとき。頼朝は源氏のために戦っているのではなく、これから坂東武者と平家を倒すのだと言ったと。

「覚えておられますか?」

そう言われ、義盛は心を掴まれてしまう。

そして、その一言で鎌倉殿が立ち上がったことも、そのときの気持ちも嘘だったのかと問いかける義時。

義盛は相手のペースに引き込まれてゆきます。

同士討ちをしている時ではないと説得され、あと一歩というところ。

すると畠山重忠が「だまされるな!」と義盛を押し退けて言います。

平家と戦うことが嫌なのではない。木曽と戦うのが嫌なのだと。源氏の棟梁が誰になるのか、我らとは関係ない。そんなことのために戦いたくない。

義時が、法皇を捕らえた義仲の話を持ち出すと、詭弁であると食い下がる重忠。

すると突然、義盛がカットインして、叫びました。

「俺は納得した!!!」

もう、なんなのよ……。

義盛は、そういうことならば仕方ない、はじめからそんな気じゃなかったと言い出し、荒々しく重忠を突き飛ばす。

そして万寿に近寄りこうだ。

「怖かったですか? おじさんほんとはこんなに優しいんだよ♪」

でた。かわいい坂東武者タイムだ。謎の愛くるしさがあるんだよなぁ。

義時が、政子にもう安心だと告げると、小四郎が頼りになるところを初めて見たと返します。

たしかに義時は成長しています。

その義時に、重忠が近づいてきました。

義盛は自分の言うことに必ず異を唱える。だからわざと乱が収束する方向とは逆のことを言ったそうです。そして宿老たちと会ってくるから、あとはお願いすると託します。

前述の通り、重忠は当初は平家につき、和田義盛の祖父であり、自身の祖父でもある三浦義明を攻め滅ぼしました。

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その因縁が残っていて、重忠はうまく使いこなしました。賢い人です。中川大志さんの演技がますます光ります。

 

酒を酌み交わす頼朝と広常

もう陰謀も限界だ。こうなったら御所を襲うか。

無駄死と悟っている宿老たちに大して、三浦義村がキッパリと「もう終わった」と告げます。

千葉常胤は無念のあまり自害を覚悟。わし一人の命でおさめると言うと、そこで上総広常言います。

「よさねえか、爺さん」

自害しようとする常胤の刃を素早く奪う義村。山本耕史さんの一連の動きが流れるように美しい。時代劇に慣れている彼らしい流麗さですね。

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義時が広常に報告しています。頼朝も腹に収めるとのことで、ホッとしている。

「あとは小四郎に任せたよ。時が経ったら解散だ、めでたし、めでたし」

かくして陰謀は終わったのでしょうか……。

頼朝は、陰で広常と協力していた策を誉めちぎると、義時は、大江殿の策だと言います。上総広常が御家人の手綱を引いたので、大事に至らずにすんだのだと。

そして夜――広常と頼朝が並んで酒を酌み交わしています。

「武衛、お前に言っとくぜ」

「聞こう」

「お前は自分勝手な男だ。だがそれがお前だ。頭の中には親父の仇を取ることしかねえ。だろ? それでいいんだよ。御家人なんざ、使い捨ての駒だ。この乱世に坂東に閉じこもるなんざ、臆病者のすることだ。おめえさんは己の道を行けばいい。法皇様だって目じゃねえや」

「あいわかった」

「御家人どもが騒ぎ出したら、俺がまたなんとかするよ」

「上総介、そなたがいるから、今のわしがおる。これからも頼むぞ」

そう言い合う二人を、義時は微笑みながら見守っています。しかし……広常は結局のところ、己の基準で相手を見てしまっている。こうあって欲しい。そんな虚像を見ているだけでしょう。

 


それぞれの戦後処理

政子が御家人の宿老たちと向き合っています。

「あなたたちがそこまで思い詰めていたとは、思いもしませんでした」

恥ずかしい限りだと悔しそうな御家人たち。

岡崎義実は、石橋山で息子(佐奈田義忠)を失っていると語りかけます。

息子のためにもお側で役に立ちたい。けれども、あのお方はいつもわしらの方を見てくれねえ! それが悔しくてな……。

そう訴えると、政子も話し始めます。

「私もあの戦で兄を失いました。命を賭けて戦う者たちのおかげで今があることを忘れはしません。これからは鎌倉殿に言えぬことは私にお話しください。できることは、なんでもやらせてもらいます」

「御台所にそう言ってもらえるだけでも、此度のことにたった甲斐があるというもんだな……」

と、御家人宿老たちは泣き始める。

政子は賢く、思いやりがあります。彼女が尼将軍として君臨する未来への道が見えてきます。

人の上に立つ大きな器量があり、理想的な人物でしょう。小池栄子さんがどんどん大きくなってきます。

比企能員が謀反人一覧を頼朝に提出しています。

人数の多さにさすがに驚く頼朝。しかも皆、これまでの武功があります。

寛大なお裁きを願う義時に対し、御所に攻め込もうとしたことを放置しては示しがつかぬと頼朝は苦い顔をする。

平家を倒したあかつきには、御家人に分配すればよい。そうすれば我先に向かう。

義時がそう告げると、安達盛長も、御家人の気持ちは御家人がわかっていると感心しています。義時のこの言葉は、父・時政の受け売りですね。

「合点がいった。ここは小四郎の言う通りにしよう」

これで義時はホッとしたのでしょうが……事は終わりません。

大江広元が言い出す。

御家人たちにお咎めなしというのは、示しがつかない。この際、誰かに死んでもらいましょう。

信賞必罰は大事です。餌で釣るだけでなく、悪いことをしたら叱らなければいけない。

瞬時に、義時は顔色を変え、止めようとします。一人を選んで首をはねるなんてありえない! 広い心の深さを見せて欲しい!

そう訴えると、隣では比企能員が一人くらいならいいだろうとアッサリ応じています。

広元は、謀反を企てて示しがつかないとみせしめを主張。では誰か?と義時が尋ねると、鎌倉殿が決めることと広元が言葉を濁します。

「やはりあの男しかおらんだろう」

頼朝のこの言葉に対し、広元が続ける。

「上総介広常殿」

驚きのあまり一瞬言葉を失う義時。信じられない!と言いたげに問いかけます。上総介がおさめたのにそれはおかしい!

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