鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第15回「足固めの儀式」

戦のにおい――義経が待ち望んでいた戦場の気配を嗅ぎ取っています。

鎌倉の澱んだ空気とは大違い!

弁慶はまだ先だと指摘します。ここはまだ近江国。しかし……。

「義仲、待っていろ!」

弁慶の言葉を意に介さず、高笑いをする義経、その顔つきを覚えておきたいです。

猫が動く獲物を見つけたような獰猛さがある。強い酒を煽るような、そんな魅力がある。不愉快な味なのに、気づけば酔ってしまう。

危険な魅力。

この先、義経は大勢を殺すのですが、その中には幼い安徳天皇もいるのです。

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身重の八重を時政夫婦に託す

敵が迫っている、鎌倉勢を入れてはならぬ。

今井兼平と巴御前からそんな進言を受ける義仲は後白河法皇を捕まえることにします。それで敵も手出しはできぬであろう。

丹後局と共に怯える後白河法皇のもとへ、平知康が駆けつけてきました。

かくして法皇は捕まります。

ここは日本史のポイントですね。

武士は天皇を都合よく使います。平家は安徳天皇を抱えていった。そして義仲は後白河法皇を捕える。

しかも義仲は都に火を放ちました。

源氏同士の戦が始まる大義名分はできていきます。義仲は自分の命運にまで火を放ったのかもしれない。

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義時は、時政とりくに八重との結婚報告をしていました。

しばらく戻れないから、気にかけて欲しい。そう頼る義時に両親夫妻は請け負います。

しかも時政は「立派な北条の後継ぎを産んでもらいたい」と微笑んでいますが……。

ん? 本音が出ちゃいましたか?

りくが産んだ子を北条の後継にする。それが彼女の思惑のはずであり、少しばかり怪訝な表情を浮かべています。

そうした状況を踏まえると、りくに八重を託すことがちょっと怖くなりますね。

 

万寿誘拐計画

鎌倉では、源頼朝が焦っていました。

義仲討伐のためにすぐに出立したいのに、御家人たちが反発しているのです。

しかも、頼朝追放計画までもが着々と進行中。

いったい陰謀サークルでは何を話しあっているのか?

千葉常胤は頼朝の首とまで息巻いています。そもそも生首をお土産に頼朝陣営へ駆けつけたぐらい気の荒い方なので、前向きですね。

岡崎義実もヒートアップしている。

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この時代の坂東武者は、いくつになっても暴れる傾向がありますね。

ただし、三浦義澄はそこまでやるつもりはないようです。

少し離れたところに据わっていた上総広常は「坂東を取り戻すだけだ」といきりたつ意見を押さえつけようとします。

と、義澄が「万寿誘拐計画」を言い出しました。チャンスがある!と煽るのが文覚。なんでも生まれて五百日目に“足固めの儀式”を開催するんですと。

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僧侶ならではの話の展開ですね。

彼らは、儀式にかこつけて金を集めたり、人を集めたりできるから、厄介な存在になりかねない。

五百日目に随分と都合のいい儀式があったものだと坂東武者たちがはしゃいでいると、こうきました。

「拙僧が作り出した!」

この一連のやりとりをジッと聞いていた梶原景時は、家に帰ると告げ、その場を去ろうとします。

すると「御所まで行くのではないか」と呼び止められました。

血気にはやる和田義盛が景時を襲おうとすると、三浦義村が「殺すな」と止めます。広常も「同じ坂東武者じゃねえか」と温情を見せます。

かくして景時は厩に捕縛されたのでした。

 

鹿狩りとはタイミングが良すぎる

頼朝外しを画策している千葉常胤、三浦義澄、岡崎義実らの宿老たち。

彼らは木曽義高に掛け合いました。

旗頭になっていただきたい!

そう訴えると、義高は「しばらく時が欲しい」と慎重な態度を取ります。

そもそも旗頭の子である万寿を誘拐する連中です。担がれるのはリスクが高い。

御家人を掌握して頼朝を打ち果たし、そのまま京都に向かうほど、あくどいことは思い付かない。それが義高なのでしょう。そんなことをしたら大姫を悲しませてしまいます。

頼朝と政子は、我が子をかわいがっています。

五百日の祝いがあることを素直に受け止める政子。こういう時でもない限り抱くこともできないから、ありがたいのですと。大姫も最近は弟をかわいがっているそうです。

雑な計画は察知されるもので、安達盛長が、三浦義澄開催の鹿狩りがあることを頼朝らに告げています。

まだまだセキュリティ意識が甘いですね。

『麒麟がくる』では、連歌会で暗殺計画が練られていました。連歌会に武器を持ち込む人がいたら「どういうことでしょうか?」と察知されます。

狩りはそうではない。堂々と武器を持てる。だからこそ不穏な気配を察知されてしまいます。

しかも都から来た大江広元も五百日祝いなぞ聞いたことがない、そんなものはないと言い切ります。

彼のような貴族はせっせと日記をつけ、冠婚葬祭の手順を覚えていますから、そうした状況を察知しきれていない文覚は、やはり甘い。

坂東武者が仏僧の言うことをありがたがってと信じるからって、相手もそうだと思わない方がよいのですね。

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かくして比企能員が、鹿狩り一行の真意を確かめに向かうことになりますが……うーん、ちょっと手駒が足りないですね。

頼朝陣営も、もうちょっと頼りになる誰かが欲しい。

 

あっさり裏切る能員

三浦館に比企能員がやってきます。

鹿狩りにしては大掛かりだといきなり切り出す能員。いや、そんなどストレートに切り出したらイカンでしょ。

案の定、坂東武者たちが集まってきて、今にも斬られそうな雰囲気です。和田義盛が猛り出したところを、畠山重忠が止めます。

味方をすれば助けてやると言われ、能員はこうだ。

「わしも頼朝はどうかと思ったのだ! 力になりましょう」

あっさり裏切る能員は、御所へ戻り謀反の気配はないと伝えると言い出します。広常も、能員は俺と同じ素直な奴だと太鼓判を押すと、よく言われると勢いづく能員。

「素直な男は損得で動く」

そう断言する広常です。そして広常が鹿狩りを仕切ると宣言すると、能員も「大願成就をお祈り申し上げる!」と調子のええやっちゃ。鎧でもつけておけと言われる始末で、あまりにチョロい奴です。

そのころ北条義時は、文覚を訪問していました。

五百日目ってなんだ? 足固めというが赤子は五百日より早く歩くものだし、万寿も歩いているとつっこむと文覚は開き直る。

「人それぞれだ! ははははっ!」

笑いで誤魔化そうとする文覚は、架空の儀式を持ち上げるなら、もっとディテールにこだわりを入れた方がいいですね。嘘をつくときは、少し真実を混ぜるとよいと言いますし。

もちろん義時にはバレバレ。御家人一行が何か企んでいると頼朝に報告すると、すでに寝返っていた能員は「殺気だった様子はなかった」と火消ししようとします。

本当に頼朝を裏切る気とは……二重スパイにもなれない程度なんですね。ったく、この先が心配になりますわー。

能員は身の丈にあった野心でも抱いていたほうがいい。変に、外戚として政権にグイグイと食い込もうとするからよろしくない。

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しかも鎧を身につけ窮屈なものだから、こすれて異音を聞かれてしまいます。大江広元は異変を察知。

 

鹿狩り不参加の実平を問い詰めると……

役立たずの能員はさておき、もう一つ気になる情報がありました。

土肥実平が体調を崩し、館で休んでいるそうです。

早速義時が向かうと、腰が痛いとかなんとか口ごもる実平。

鹿狩りで野山を駆け回るのはつらいと、取り繕うとしますが、本当に鹿狩りなのか?と義時が問い詰める。こうした切り出し方の持って行き方が、比企能員と北条義時の差ですね。

能員は室内で、しかも複数名がいる状態で、「鹿狩りにしては大掛かりだ」といきなり聞く。

義時は屋外で、相手は一人。しかも謀反の計画に乗り気ではないのではないかと、促すように聞いた。

土肥実平が答えを濁していると、ありならば一度、なしならば二度首を振ってほしいと、義時はさらに詰めます。

「本日、謀反の企てはありや、なしや!」

迫力の表情で迫られ、唸るしかない実平。

一度とか二度とか、実際に首を振る回数はさほど重要ではないですね。実平が、からりと笑い飛ばそうものなら、判断は微妙になるけれども、彼はあまりに素直で、焦りを見せ過ぎた。

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義時は事情を理解します。

「ありがとうございます!」

「小四郎ぉ〜!」

実平が慌て焦る中、さっさとその場から去る義時。

聡明であるとはわかっておりましたが、なかなか狡猾な技巧も覚えてきているようです。

陰謀は進行中です。

鶴岡八幡宮で儀式が始まり、終わったら和田義盛が万寿を確保する。

同時に、寺にいる頼朝の弟・阿野全成も確保。

そして全軍で御所を囲み、頼朝に鎌倉からの退去を迫る。

雑な計画ではありますが、坂東武者の心は入り込んでいると思う。

この先、鎌倉幕府は早々に源氏将軍が断絶しますが、幕府はそのあとも残る。

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幕府は滅びたのに、将軍の血は残る、室町時代江戸時代と比較すると興味深いものがあります。

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