鎌倉殿の13人感想あらすじ

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第26回「悲しむ前に」

鎌倉殿の13人感想あらすじレビュー第26回「悲しむ前に」

人物伝→鎌倉殿の13人

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部屋の真ん中、布団に横たわる頼朝。

身動き一つしない鎌倉殿の周囲に人々が集っている――先週と似た構図で始まりますが、前回は頼朝の夢だったのに対し、今回は現実です。

暗い顔を浮かべた医師は、助かるか助からないか、と何も言えなくなっています。

ただ、助からない可能性が圧倒的に高い。

即死でないだけに面倒なことになっていて、『麒麟がくる』の駒や東庵と比較すると興味深いものがあります。

昔の医学なんてどうせ迷信頼りでしょ、と思われるかもしれませんが、四世紀の差は大きい。

16世紀から17世紀は東洋医学進歩の時代でした。

日本の曲直瀬道三

朝鮮の許浚(きょしゅん/ホ・ジュン)。

彼らが医学を確立します。

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それよりはるか前である鎌倉時代の医師たちは、もっと原始的です。

汗をかいているのは生きている証だとなんとか語る程度。それに対し、りくが断固とした口調で「もっと汗をかかせる!」と言いますが、とても効きそうにありません。

政子は嘆くより落ち着いている。義時もそう。

汚い仕事も以前よりスンナリこなせる義時は、口が固く聡明な畠山重忠梶原景時に落馬目撃者の口止めを頼みます。

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善児をフル活用しかねない景時に対し、重忠は砂金と馬を与える口封じを提案。

いつも冷静な景時も、天命を受けていたはずの頼朝の転落に動揺をにじませています。頼朝が「天命が尽きた」と語っていたことを義時から聞いたからには、さらに動揺したでしょう。

水面に石を投げ入れるように、恐ろしい何かが動いています。

 

美しさに磨きがかかる政子

武家の棟梁の落馬――頼朝の命と共に、鎌倉殿の権威が消え去ろうとしている。主人を振り捨て、鎌倉が暴れ始める。

今週は、そんなナレーションで始まりますが、むしろ義時の物語はここからが本番でしょう。

頼朝の死はもっと早くても良かったのでは?

これまでロスだの鬱だの頼朝嫌いだの色々と言われてきましたが、さぁ、ここからでっせ! みんなで「義時なんか大嫌いじゃ!」と叫ぶ時間がいよいよ始まる!

頼朝の枕元で、皆が見守っています。

「眠っておられるようだ」という時政に対し「縁起でもないことを言うな」とピシャリと嗜める政子。

安達盛長は泣きじゃくってしまいます。

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政子はそんな盛長も嗜めつつ、頼朝の頬の血色を確かめます。

「頼家の声を聞かせたい」

死の淵にいる父と息子を会わせたい――そんな悲痛な政子のそばで、北条時政が立ち上がります。すかさずキッと父を牽制。

小池栄子さんがどうしようもなく美しい。今までも素晴らしい政子でしたが、磨きがかかりました。

夫がこんな状態でも涙ひとつこぼさず、それでいてこらえつつ、キッと睨みつける意思の強さがある。凄絶なまでの美しさよ。

時政は、北条時連を連れて、どこかへ。

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そのころ義時は、比企能員を出迎えていました。

「誰にやられた?」

「闇討ちに遭われたわけではありません」

こうして能員と義時が会話を交わしているのですが、どうにも能員は脇が甘い。

・次の鎌倉殿は誰にするかと提案していた!

・そして咄嗟に闇討ちだと思う!

→貴様、何か企んでいるな?

という図式で追い込まれますよ。ピンチの時こそ本音が出ますからね。

義時はそんな能員に、頼朝落馬の真相を語ります。馬から落ちて頭を強打した、と。

同時に内密にするよう、義時が釘を刺します。

これで落馬情報が漏洩したら、義時は能員を追い詰めることができるんでは?

意図しているのかどうか不明ですが、理想的な陰謀家に成長しつつあるんじゃないかと期待感が高まってきましたよ。

 

時政を焚き付けるりく

自身の館へ戻った比企能員は、道とせつにすぐさま「鎌倉殿は死ぬ」と言い始めました。

そして、せつに向かって若君(頼家)のことを頼む!と鼻息荒くするのですが、せつは頼家の居場所を把握していない。

「それで御台所がつとまるか!」

能員に怒鳴られてしまうせつ。なんだか比企って、全体的に甘い気がしますね。

北条時政は、盟友たる三浦義澄に、頼朝の危篤を伝えています。

なんでも時政は時連ともども水垢離(みずごり)をするとか。義澄は真冬は心臓に悪いと困惑しています。

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時政は、政子の婿だし、孫の父だから死なせたくないと熱血説得。

そして時連も「年寄りだけにやらせるつもりか!」と巻き込まれます。

しかし、とにかく寒すぎる!

耐えきれず途中で切り上げると、気が済んだかとりくが冷たく言い放ちます。そして、りくの命で時連と義澄は退出。

政子が不憫でならないと時政が涙ぐんでいると、りくは「鎌倉殿は助からない!」とキッパリ言い切ります。

「馬鹿なこと言うなぁ!」

そう叫ぶ時政の前で、りくはハキハキと北条の安泰を口にし始めます。

鎌倉殿がいれば北条は安泰というけれど、その鎌倉殿が亡くなる。

比企に全てを持っていかれるわけにはいかない!私たちの子供を惨めな思いをさせてはいけない!

そして、この鎌倉は時政が作ったのだと煽り始めます。時政がいなければ、頼朝は挙兵できなかった。人に取られてはならぬ。

では、どうしたらよいのか?と段々その気になってくる時政。

阿野全成を呼び出しました。

「鎌倉殿の跡を継いでくれ」

「私が?」

時政からの突如の打診には全成も驚くばかり。りくも、鎌倉殿の実弟は全成しかいない!と言い出します。

「若君(頼家)はどうするのか」

と、全成がうろたえていると、あの若さでは御家人がついてこないと時政は言います。

鎌倉御家人とは一体何なのか?

「強えぇ奴にしか従わねえ!」と、そんな野生の掟で生きてよいものなの?

隣で困惑している実衣も「信頼ない点で若君と夫は大差ない」と冷静に言い返すのですが、それでも全成なら大丈夫と強気の時政。

仏の道に進んでいると怯える全成に対しては、りくが「還俗しろ」と言い出します。

そして時政は、実衣に全成が継いだらお前は御台所だと煽りにいきます。

実衣は困惑しているようで、これは何かを動かされたようでもある。

「すべては北条のため!」

りくがハキハキした口調、強い目線で言うと、これぞ悪女という感があって素晴らしい。それも単なる悪女ではなく、賢いがゆえに人からそう言われてしまうタイプです。

 

比企と北条の間に三浦を入れて

義時は、頼家の後継手順を文官たちに聞いていました。

朝廷とのやりとりを大江広元に教えてもらい、今度は広元の指示を受けて、文官たちが動き始める。

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ただし、喪中には昇進できないのが朝廷のしきたりであるため、頼朝が死ぬ前に駆け込み昇進しておく必要があります。

柔軟な対応というか、現実的というか。義時も本当に割り切りが上手になってきましたね。

そこへ三浦義村がやって来た。

「頼朝、死ぬらしいな」

まるで「朝メシ食ったか?」と軽口叩くぐらいのノリで頼朝の病状を聞いてきます。

父の義澄から聞いたそうだ。ということは、時政から義澄へ漏れた情報が、あっという間に息子を通じて義時のもとへ戻ってきたワケですね。

隣に座った義村に、義時はつつじ(辻殿)のことを語り始めます。

義時はこの先つつじとの間に男子が生まれたら、源氏の後継にしたいとか。そのとき乳母を三浦から出したいそうです。

義時としては、激化する北条と比企の争いに三浦を入れることにより、緩衝材としたいようです。

「そうきたか」

義村に異存はないようで、何やら弓を手にしています。

そして矢を構えながら今度は義時に条件を出す。

「乳母の件、頼朝が考えたことにしてくれ。それならどこからも文句が出ない。ようやく三浦にも出番が回ってきたか」

どこか嬉しそうに弓を射る義村。相変わらずブレない。

景時や実衣、時政は煽られて変わってドス黒くなっていく。

けれども義村ははなから黒いというか、濁る余地がない。

世の中すべてを将棋の駒を動かすように上から眺めているから、一周回って面白いか面白くないか、駒としてどう動くかばかりを見ているようだ。

しかし、こういう得体の知れない奴を頼りにする義時にも、人を見る目があります。

先走りかつ、ちょっとしたネタバレでもあるのですが。

三浦義村には「実朝暗殺黒幕説」がかなり広まっていました。ただし、昭和の頃の話であって、今回はそれを否定すると予想します。

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なんだか怪しげに動いていたからそう思えるけど、実はそうではない。

公暁の単独犯行説になるかと思います。

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