源頼朝が死んだ――そんな報告を土御門通親から聞く後鳥羽院。
急死ゆえに「殺されたのか?」と聞き返しながら、自分の推理を展開します。
いや、殺して得をする者は鎌倉にいない。
事故……とすれば、隠し通さねばならぬ恥ずかしいこと。
もしかして落馬か?
と呟けば、武家の棟梁でそれはない、と通親が否定します。
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四年前、頼朝が上洛した際に水をよく飲んでいたことを後鳥羽院が思い出す。
飲水の病(糖尿病)といえば藤原道長。
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水が足りぬとめまいを起こし……それで落馬!
一人で理論展開し、納得している後鳥羽院は、あたかも通親と会話をしているようで、実は反射板として使っているだけ。
失礼といえばそうですが、自分とは異なる“普通の”頭の持ち主ならどうするか?と反応を見ている。
そして跡を継ぐのが源頼家だと聞くと、蹴鞠をしながら薄っすらと笑みを浮かべます。
「頼朝の跡目、さぞ重かろう」
『真田丸』の真田昌幸は胡桃を掌で回しながら、息子や家臣たちと会話しながら考えをまとめていました。
『麒麟がくる』の斎藤道三は槍を振りながら光秀と語り合っていた。
なんかこいつ遊んでんのか?
そう思われるようで、そういうことでもない。後鳥羽院も蹴鞠を蹴りながら考えをまとめているのかもしれません。
もしも会話の相手が同等か目上ならば、「何を考えているんだ」となりかねませんが、後鳥羽院であれば問題ない。
【アブダクション(仮説形成)】で思考をまとめている後鳥羽院はかなりできる人物でしょう。
尾上松也さんも生き生きと演じている。
声音にも、表情にも、皮肉げに面白がる響きがあって素晴らしい。
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そのころ後鳥羽院に「荷が重い」と言われた頼家は……。
義朝の偽骸骨が鎌倉殿の証
源頼家が、母であり尼となった北条政子から送り出されています。
華麗な装束もお似合いでしたが、尼姿となったことで迫力が増してきた小池栄子さんが今週も眩しいですね。
義時が、頼家に向かって「自分の信じることをのびのびとして欲しい」と伝え、宿老が支えるとフォローします。
彼なりに腹を括ったようですね。
そして政子が“義朝の髑髏“を出してきました。
「この命、お主に賭けよう」
かつて佐殿と呼ばれていた頼朝が、そう言いながら出陣していました。
しかし頼家は「祖父の髑髏は勝長寿院にあるはずだ」と返答してしまう。
政子も偽物だとはわかっています。文覚が持ってきたものですね。
そう、この髑髏から全てが始まった。
たとえ骸骨自体が偽物だとしても、源義朝に対する思い入れがあったからこそ人々の心は突き動かされたのであり、政子にしても、鎌倉殿代々に受け継がれるもの、上に立つ者の証としたいと言い出します。
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うやうやしく手に取る頼家――しかし皮肉を感じてしまいます。
それこそ三種の神器と比較すれば、くだらないとしか言いようがないものですが、証ってそういうものかもしれない。
中世当時に信じられてきた神秘的なものは、実際のところいかほどの由緒があるのか?
これは何も私一人の考え方でもなく、人間が進化の過程で「なんでこんなものをありがたがるのかなぁ?」と疑念に思った聖なるものはたくさんあるのです。
商業が発達すれば、いくらで売れるものなのか?ということが価値になってゆきます。
比企vs北条バトル いきなり勃発
ナレーションが語ります。
権力継承のときはあまりにも突然に訪れた。
頼朝亡きあとの大きな空白。
若き頼家はそれを埋めることができるのか――。
父・頼朝と同じ白と紫装束の身につけた頼家。
鎌倉殿として政治を始めようとすると、いきなり比企能員が割り込んできます。
「私は、父・頼朝が成し遂げてきたこと、また成し遂げることがかなわなかったことを引き継ぐ。その上で父を超える! 方々よろしくお願い致す」
そしていち早く身命を賭して仕えると宣言をするのが北条時政。
能員が、鎌倉殿の判断は自分を経由しろと釘を刺すと、時政が北条がそれをやると言い出し、梶原景時が止める。
早速、争いが生じております。
頼家は血統よりも実力を重視したい。比企や北条を特別扱いをすることはないと言います。
干渉を避けるためか。母・政子には告げてはいないけれども、力のあるものを取り立てるのが頼家の政治であると宣言しました。
時政が、爺様を贔屓しろと言っても、景時が止める。
このあと廊下で、景時は頼家を誉めています。
頼家はそもそも御家人を信じていません。景時は頼朝も最期まで御家人を信じていなかったとして、最後にこう付け加える。
「それがしを除いては……」
「肝に銘じておこう」
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その様子を遠くから見守っているのが北条義時。
頼家は、若き君主として失敗するパターン通りの第一歩を踏み出したように見えます。
いきなり改革を前面に押し出すとスタミナが切れるもの。
本来でしたら、宿老が彼を支えるべきなのに、いきなり権力争いを始めてしまっては、頼家としても自分の足を引っ張る存在としか思えなくなるでしょう。
見た目が幼いから大丈夫
帰宅した比企能員は、妻の道が不満を漏らす声を聞いています。
比企一族の娘であるせつが、子を産みながら頼家の正室から外された。
その上これでは踏んだり蹴ったり!
比企をないがしろにしては鎌倉ではやっていけない、とまで言い出します。
本作の比企一族は、武勇も知性も特に優れていないのに、権力欲だけは人一倍強いからタチが悪い。
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時政は帰宅して、鎌倉殿も知らぬ間に立派になったなぁとノホホン。
それを聞いた妻のりく(牧の方)のほうが、テンションアゲアゲです。
なぜなら鎌倉殿と比企が一枚岩でないとハッキリしたから。これを喜ばずにはいられない!
しまいには面白くなってきたとしてハシャいでいます。
この人は、ただの権力欲が強い方ではないんですね。
策謀が楽しくて美味しくてたまらない、そういう策士。そして、あまりにも魅力がある。
猛毒があるけど、とびきりチャーミング――そんなベニテングダケみたいな個性があって、そりゃあ時政も「ぐふふふ!」と笑っちゃいますよね。
一方、北条義時は、姉の政子にフラットな報告をしていました。
頼家が梶原景時を信じている、と告げると、政子も「景時は私心なく働くからよい」と評価している。
そして太郎こと頼時(北条泰時)に、若くて力ある者を集めるように命じ、ここに五郎こと時連(北条時房)も加わるように告げます。
兄からの突然の通告に戸惑う時連。
年嵩の自分は加わりたくないってよ。なんといっても太郎の叔父だし、悪目立ちしそう。
きょうだいが多いかつての時代は、叔父と甥の年齢差が近い、あるいは逆転していることもよくありました。
そう渋っていると政子はこう、視聴者の思いを代弁します。
「顔立ちが幼いから大丈夫よ」
「おさ……やらせていただきます」
かくして時連は、顔を引きつりさせながらも、姉に従うしかありません。
瀬戸康史さんは年齢がわからなくなるような顔立ちですし、演技もかわいらしいので、納得しかないですね。
幼い見た目で、背伸びしている感がいい。
この時連が後のドラマクライマックスで武功をあげるときが楽しみでなりません。
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鎌倉殿の座に未練たっぷりの実衣
どこか気だるげに、縁側で琵琶を抱えた実衣(阿波局)がいます。
頼家がやる気になった――そう語りながらも、まだまだ鎌倉殿の座に未練たっぷり。跡継ぎはあなただと思っていると阿野全成に語りかけます。
全成が軽く嗜めます。
が、実衣の心には野心の炎が灯されてしまった。
夫が鎌倉殿になって、うちの子が成長した暁には……実衣は鎌倉殿の母になるのです。
「その話は二度とするな!」
全成が強く嗜めます。そう言われて実衣は、琵琶を弾きます。まだ上達はしていないようです。
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実衣はかつて、全成がラッキーカラーと告げた赤い服を着ていました。
そうやって夫の気を惹きつけたい、妻としての心が感じられたものです。
それが今ではどうでしょう。
阿野全成が頼朝に赤を避けるように告げたことをきっかけに、赤以外の服となりました。
頼朝に告げたデタラメなんてどうでもいいのだから、赤に戻ってもよいはず。
しかし、そうではない。加齢もあるにせよ、何か別の意思も感じます。
もう、夫の言うことなんて聞いていない。そのことが服にも現れているようで、こわい。
御家人が関わった暗殺計画に対し頼家は?
そのころ京都御所では、土御門通親暗殺計画という事件が起こっていました。
なんでも一条高能と鎌倉の御家人たちが捕まったとか。
一条高能は、大姫との縁談があった貴族で、母が頼朝の妹にあたる坊門姫ですから、頼朝の甥になりますね。
捕らえられた御家人は鎌倉の助けを待っているそうで、能員と時政の意見が珍しく一致し、助けようと言い出します。後鳥羽院は鎌倉での処罰を求めているとか。
御家人への情けを重視するか?
それとも連携している土御門通親を重視すべきか?
頼家は朝廷との関係を重んじ、御家人を助けないとあっさり言い切ります。景時も、その通りだと賛成。
すると義時が、捕らえられた者の中に「文覚がいる」と言いました。
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都で文覚が凄んでいる様子も映り、処罰するなら鎌倉との火種になると威張っております。しかし……。
「知らぬ。これ以上の関わりあいは無用、文覚の裁きは上皇様に任せる。そう伝えよ」
これまたあっさりと見捨てる。
確かに、これまでの文覚の言動を踏まえると当然の判断ではありましょう。政子が大事にしていた偽物の髑髏も、元はと言えば文覚が持ち込んだものです。
視聴者の皆さまも気になるのが頼家の迅速すぎる判断でしょう。
新しい政治を行うことを重視しすぎて、過去のしがらみをあまりにアッサリと捨て去ってしまう。
その態度が、自身の治世にどう影響してくるか。
琵琶を奏でるイケメン
音曲を得意とする畠山重忠が、結城朝光を実衣に引き合わせています。
なんでも都の琵琶の名手だとか。
実衣は御所の宴席で弾いていて譲り受けたけれども、難しいとはにかみながら朝光に言います。
おや? こんな愛くるしい実衣は久々に見た気が。朝光は史実準拠で美男、高橋侃さんが演じていますね。
しかもこの美男が、琵琶の名手としてあの楊貴妃の名前をあげてこう来ました。
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「絶世の美女にこそ琵琶は似合います」
むむ? やはり実衣がキュンキュンしていませんか?
って、そりゃ無理もありませんね。楊貴妃に例えられたら誰だってうっとりしてしまうでしょう。
実衣が琵琶を抱えた姿を、写真では目にしていて、いつどう登場するのか気になっていました。
動きが想像以上に綺麗ですね。確かに美女に似合うと納得できる。
しかし、この二人が接近するのはマズいのでは?
潔癖ゆえに鈍感な畠山重忠は気づいていないようで、義姉上に喜んでいただけたと納得していますが……。
実衣は、自分にはない知識を持つ人を好む。知的好奇心が旺盛な女性です。
全成と出会ったときも、彼女は自身が知らない占いの知識を語る相手に心惹かれた。
そして勉強熱心な彼女は、夫の占いはさして当てにならないと学んでしまった。そこへ、自分の知らない琵琶に詳しい相手が現れた。
こりゃもう、ときめくな、という方が無理な話でしょう。
若手を集めて政治宣言
頼家は若手御家人を集めています。
やる気のないもの、やる気があっても力のないものは落とす!
そう力強く宣言すると、三善康信が早速政治の案件を持ち込んできます。
政(まつりごと)の大元、それは訴訟のお裁き。
御家人同士の諍いが起きた時、双方の言い分を聞いて判断する。要は仲裁です。
なぜなら御家人は土地を守って戦うものであり、普段は権利を保証して貰う代わりに、いざとなったら鎌倉殿を守る。
そのためには訴訟処理は重要な仕事となってきます。
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そう考えると頼家はやはりマズいことをしている。
彼が判断する、やる気にせよ、実力にせよ、明確な基準がない。
となると実力の有無に関わらず「鎌倉殿にえこひいきされていてアイツは出世したんじゃねえのか!」と反発が溜まりやすくなります。
人は弱い。ゆえに実力ではなく、自分の耳に優しいことを囁いてくれる相手を出世させることもある。
頼家は、己を過信しているのです。
それに、いくら訴訟が大事だからって、全てを引き受けていたらパンクしてしまいます。
特に、面白くもなんともないルーティンワークに忙殺されたりすれば、誰だって政務をぶん投げたくなるもの。
頼家はドツボにはまる若き君主そのものとなってきました。
そうなってしまったのも何か原因があるのですが……。
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思いのほか蹴鞠上手な時連
頼家はふとした時に、父・頼朝と似たような表情を浮かべます。
しかし、まだ時が足りません。
若かりし頃の頼朝だって、失敗続きでした。挙兵した頃はみっともなく逃げ回り、馬鹿げたこともよくしていた。
あるいは上総広常や源義経などを粛清するなど、苛烈な経験を積んできて、ようやく一人前の鎌倉殿となった――そのことを宿老たちは忘れてしまったのかもしれません。
みんな「最初から出来て当然」と思いこんでいる節がある。
少なくとも頼家自身がそんなプレッシャーを感じているのではないでしょうか。
頼家の政治改革として「蹴鞠のお付き合い」があります。
これからは朝廷との付き合いも重視せねばならない。
そのときに必要なのが蹴鞠ということで、インストラクターも呼ばれています。
後白河院の側近だった平知康。
どうやって鎌倉に流れ着いたのでしょうか。その旅路の心境を考えると、興味深いものがありますね。
一方「蹴鞠をやる」と言われた北条頼時・北条時連はダルそうにしています。
蹴鞠なんて好きでもないし、それだったら弓や馬を学ぶべきではないのか?とボヤくほど。
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しかし、時連には才能があったのか。コツを掴んだのでしょう、華麗にこなしています。
史実でも北条時連は蹴鞠が得意だったようですが、ともかく驚いた頼家が、わざわざ褒美まで与えています。
時連はトボけていていいですね。毎回ちょっとした面白味を見せてくれて、劇中にアクセントを与えてくれる、非常に貴重な人物です。
訴訟に疲れ 妻と側室の諍いに疲れ
訴訟の山を見る源頼家。
いざ仕事が目の前に積まれると、自身が宣言したとはいえ、あまりの無謀な分量に嫌気が差してきています。
裁いてこそ徳の高い政治とはいえ、確かにこれはつらい。
しかも、超ややこしい案件もある。
和田義盛と梶原景時です。
本来、義盛のはずだった侍所別当を景時が掠め取ったと訴えてきました。
景時が、頼朝から命じられたと理路整然と返すと、一日別当だのなんだの言い出す義盛。
ヒートアップする義盛に、義時はそもそも「鎌倉殿」を連呼するなと言います。今は頼家が鎌倉殿なのだから、頼朝殿と分けよ、と。
もうワケがわからねえ!と義盛は暴れ出し、景時なんか他の御家人からちっとも信用されてねぇ!とまで言い出します。
もうダメです。はい、タイム。義時が休憩を取らせると、頼家に対して康信が「記録を参照するとよい」とヒントを出してくれます。
しかし、ウンザリしてしまった頼家は、何処かへ立ち去ってしまう。
そうそう。鎌倉幕府初期の訴訟って『笑点』の座布団方式のようでよくわからない。
トークスキルの高い方が有利なので、不満を溜めてしまう口下手な御家人もいたとか。突発出家なんてことにもなりかねず、過渡期ゆえの辛さがあったのです。
頼家が向かった先は、正妻・つつじ(辻殿)のいるところ。
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しかし、すでに母である政子がいて、御台所の心得を説いていました。
御台所が尊敬されるのは、あくまで自分の力ではなく、鎌倉殿あってのこと。勘違いしないように。そう言い聞かせる政子です。
そこへ頼家がやってきて、くだらぬことが多すぎて疲れていると愚痴をこぼします。
とはいえ訴訟沙汰は、当人たちにとっては一大事。
政子が「大事なことだ」とたしなめていると、今度は、はしゃいだ様子のせつがやってきて「一幡が自分の足で歩いた♪」とかなんとか言い出します。
自分で歩くと怪我をするから目を離さないように、と政子がフォローすると、せつは当てつけのように語り始めます。
子供を産んで、手間ひまかかると愛おしさが増す!
子供は日に日に顔が変わる!
まるで自分がすべて面倒を見ているようで、実際は、誰かに子供を任せているからこそ、ここへも来れるワケで。
頼家の男児を産んでいる――そんなエゲつないマウンティングをかますと、つつじも負けじと、自分に頼家との子ができたら源氏の血を引く鼻筋の通った子だろうと言い返します。
しかし
「産んでからおっしゃい!」
と勝ち誇るせつ。
頼家は嫌気がさしたように立ち上がり、どこかへ消えてしまいます。
どうやら頼家は、せつには籠絡されていない模様です。
彼女に夢中だったなら、比企ばかりを贔屓していたかもしれない。
若いころは美貌に参ってしまったけれど、冷静になってみれば損得勘定をしているかわいげのない女だ――なんて調子で嫌気がさしてしまったのかもしれませんね。
かといって、つつじはどうか?
義母の言うことを聞く優等生で、これまた子を欲しがる始末。
こんな調子じゃ恋も楽しめず、いずれ、日が沈んだらいそいそと、愛する女の元へ通い始めるかもしれませんね。
そこで膝枕をしてもらうなり、酒の酌をしてもらうなりして、リフレッシュする。
しかし、現実は夜になってから蹴鞠……圧倒的孤独を感じます。
文官たちが事前に処理する合議制
そんな頼家と比べ、圧倒的に幸せなのが義時。
帰宅すると、頼家の経験のなさをどう補うのか考えている。なんとかしたい、手を貸すべきかどうか。
比奈が幼い頃から頼家を観察してきたと言います。
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義時がベタ惚れだった姫の前(比奈)北条と比企の争いで引き裂かれ
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困った時ほど助けてくれと言えない性格。木登りをして降りられなくなっても助けてくれとは言わなかった。でも、本当は助けて欲しいのだ。
すると隣にいた頼時が、何をしても頼朝と比較されるから辛いのだろう、と付け加えます。
他でもない、頼家の父である頼朝は、生前、この頼時と頼家を比較していたものです。
と、比奈がその気持ちを理解。彼女も八重と比べられて辛かった。
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鎌倉殿の13人で頼朝と義時の妻だった八重はどんな女性?そもそも実在する?
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ともあれ新たな鎌倉殿を助けねばなりません。
そこで義時は、景時に自分の案を提示します。
訴訟は事前に文官が評議し、とるべき道を探ってから鎌倉殿にあげる。こうして負担を軽減しながら、頼家の判断、仕事を尊重する。
と、景時は、文官だけではなく自身も含めて「“5”人衆であれば」と提案します。
文官たちに相談すると、彼らも年季が必要だと納得しています。
すると、効率を重視したのでしょう。大江広元が「文官だけで決めて結果だけ伝えればよろしいのでは?」と提案すると、「鎌倉殿のやる気を削いではいけない」と義時が却下します。
完全に子供扱い……で、そのことを聞いた頼家もムッとしています。自分に「政治に関わるなということか!」と怒りを露わにすると、そういうことではないと景時が返します。
訴訟は政治の要。あくまで最後の判断は鎌倉殿が行う。
それが一番いいと言われ、ようやく頼家も納得しています。
比企能員もこれにはホクホク顔。
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比企能員はなぜ丸腰で北条に討たれた?頼朝を支えてきた比企一族の惨劇
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梶原景時が入っていることは気に入らないから、自分も入れて“6”人衆にしろと言い出します。
となると、北条時政も自分を入れろと言いだして“7”人衆となり、今度は比企が、出家した姻戚の安達盛長を無理矢理ひきずり込む。
餅でも食ってればいいってよ、はい、“8”人衆。
義村と重忠が断り義盛が入る
こうなると、もう、両者は止まりません。
時政は、三浦義澄と三浦義村父子にも話を持っていきました。
義澄はやる気なさそうですが、幼馴染の時政に頼み込まれて断れない。
数合わせと見抜いている義村は、自分が入ると角が立つからとして断っています。代わりに挙げたのが「あの男」――和田義盛でした。なんでだよ!
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難しいことはできねえと戸惑う義盛に、「皆わかっている」とのこと。
りくはここでこうきました。
「和田殿の勢いが欲しいの♪」
ええっ! 嫌な予感しかしない……。
それでも引き受けて“10”人衆となり、さらに畠山重忠の名が挙がると、義盛がやめておけと言います。重忠が祖父の三浦義明を攻め殺して以来、反発心がある義盛です。
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さぁ重忠はどうだ?
「お断りいたします」
あっさり断ってきたぞ!
なんでも武蔵の者同士として事前に比企から釘を刺されていたとか。
時政は娘婿に断られてオロオロし、りくは重忠が他のことで北条に協力すると言っても「結構だわ!」と冷たい態度を取っています。
りくって、自分が軽んじられたとなると怒りと恨みを募らせる性格のようですね。
さぁ、時政よ、どうする?
佐々木の爺さん(佐々木秀義)の名前も挙げますが、既に世を去っているし、千葉常胤ももうすぐ世を去る。
義村が「もう爺さんは止めとけ!」と言い切りました。それはそうだけど、義村って敬老精神ってもんを取り繕うことすらしませんよね。
そんなわけで、千葉常胤が十三人に選ばれなかった理由が高齢という、アッサリと斬新な展開です。
そして義村のめんどくさい知性が今週も発揮されていますね。
数合わせと見抜いたら、能力的には使えないけど駒として動かしやすい義盛をぬけぬけと推薦する。面倒くさそうなので自分ではなく、三浦一族の義盛に投げた。
重忠の場合は、権力を求めない清廉潔白さゆえに断るけれど、義村はひたすらめんどくさいだけのような気がします。
一歩離れたところでギャーギャー騒ぎ回る連中を見ている方が、快適だし、楽ですからね。
義時は疲れ果て、父が何を考えているのかと重忠にこぼしています。
メンタルケアなら重忠で正解でしょう。義村に何か言ったところで、ズバっと核心突かれて終わり。
重忠は静かに、しかし、ハッキリと懸念を伝えます。
先の鎌倉殿という大きな柱が倒れ、崩壊寸前だ……。
義時は、頼家がなんとかすると返すものの、重忠はこう言います。
「あの方にそれができると本当に思っておられますか?」
野生のままの武士・八田知家
比企能員が八田知家を籠絡しようとしています。
知家はまるで獣のように相手に近づいていく。
「話は聞いた」
そのうえで、誰かの頼みを聞けば誰かを敵に回すことだと言い切り、その分の見返りを求めてきます。
能員はすぐさま砂金でも入った袋を渡します。
袋の臭いを確かめる知家。そうして受け取りつつ、俺が比企に付き合うと思うなと釘を刺します。
仲間にはならない、俺は俺だ。そう言い切る知家。
彼がまた去っていく中、能員は笑い出してから毒づきます。
「はははははっ……くそっ!」
それにしても、八田知家とは一体何者なのか。
彼の出番はあまり多くないものの、出てくるだけで何か別の雰囲気が出てきて見ているだけで気が引き締まりますね。
鎌倉時代の書籍を読んでいると、武士の姿が脳裏にパーッと浮かぶことがあります。
日々の風景の中に田んぼがあるのが当然だと思って私たちは生きていますが、そもそもは誰かが開拓したからこその景色です。
そうではない原野で馬に跨り、野生のままに生きる。
実は当時から「坂東武者ってどういうもの?」と当人たちも悩んでいたらしく、和田義盛ですら先輩格の武士に教えを聞きに行っているんですね。
そういう洗練される前の武士、その風格を知家からは感じます。
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頼朝上洛の日に大遅刻した八田知家|鎌倉ではどんな功績があったのか?
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登場したばかりの上総広常にもそんな雰囲気はあったのだけれども、彼は“武衛”こと頼朝に籠絡されて、野生味が抜けてしまった。
知家はそれがまだ濃く残っているからこそ、「俺は俺」と一匹狼として生きているように思えます。
生き方そのものがかっこいい。
草原を走り抜ける獣のようで、何かが違うと思える。
市原隼人さんは、そういう風の香りが漂ってくるような八田知家を鮮やかに出してきて素晴らしい。
権力で動く者いれば己の知性に従う者もいる
比企能員と北条時政が権力ゲームを続けた結果、会議のメンバーは膨張します。
そのリストを見ている景時が義時。
知らぬ間に“12“人衆に……。
北条が数で勝るようでいて、実のところ比企は文官も取り込んでいる。
比企はシンプルな手を使いますので、文官には美女にお酌をさせた宴会三昧をしているようです。大江広元は全く嬉しそうではありませんが。
広元が上機嫌で酒を飲んでいた宴会は、上洛を果たした時のこと。
なぜ上機嫌だったか?
というと己の策が当たったからでした。関東の暴れ馬のような武士を手懐け、自分を見下してきた京都の連中の鼻をあかせた。
本作は、大きく分けて2つのタイプの人間が描かれます。
・己の愛情や権力欲で動く
・己の知性や策が当たることに喜びを見出す
大江広元は、己の策を愛しているタイプであり、酌をしてくれる美女に萌えたりしません。
自分の贈った和歌を読み解いた上でときめく、そんな聡明な女性なら違うかもしれない。人の欲求は、理性がある程度支配するものですので。
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頼朝の参謀で鎌倉幕府の中枢だった大江広元|朝廷から下向した貴族の才覚
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景時に話を戻しますと、どういうことか?と怒っている。つまらぬ内輪揉めをしている場合か?と。
これ以上増やさないとはいうものの、もう手遅れでしょう。
数だけでなく、どう考えても不向きな和田義盛もいるわけで……。
そしてここで土肥実平が、義時に訴えかけてきました。
「誰もわしに声を掛けてはくれん!」
嗚呼、なんて素直なのでしょう。
義時は関わらない方が無難だと言いますが、できれば誘われてから断りたかったと言う実平。
土肥殿はいつだって仲裁役だと義時も返します。
にしても、なぜ実平は、合議制メンバーに誘われたかったのか?
本音を言えば、死ぬまでにもう一度鎌倉殿に奉公したいとのことで、そんな善意の相手を振り切って進むしかない義時が辛い。
残酷ながら、実平もすでに“爺さん枠”とも考えられるわけで、やる気だけではどうにもならないかもしれません。
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初戦で敗北の頼朝を支えた土肥実平|西国守護を任される程にまで信頼され
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そして合議制メンバーは十三人へ
政子もリストを見ます。
そして足立遠元もいると告げられ、どこか誇らしげな遠元。
武蔵ならば畠山重忠が載りそうなのに、あえて自分が載っていることが嬉しいようです。
政子が一徹なところがよかったのではないかというと、誇らしげにこう言います。
「一徹。よく、言われます」
ほんとにぃ?
安達盛長とセットにして、比企を多くしたいから選ばれたのでは?
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でも、こういうところがうまいと思います。
武蔵はこの後修羅場になるのですが、足立遠元は切り抜けているんですよね。
そういう不思議なタフさをこうして表現しているのかもしれませんし、演じる大野泰広さんがこれまた味があるんですよね。
遠元ってキャラ立てして動かすのは難易度が高いと思うけれども、埋没していないからすごい。
政子は頼家がこれでよいと申すならこれでよいと許可を出しつつ、一点要望を加えます。
「もう一人、加えて欲しい人がいるの」
「私はやめましょう」
姉の意図を即座に察知する義時ですが、12人も13人も一緒だと政子は押し切ります。
頼家はまだまだ若い。嫌なことがあると逃げ出す。叔父として側にいて欲しいと押してくるのです。
「“13”人目はあなたです」
逃げ出せないように外堀を埋められ、引き受けるしかない義時。
こんな役目からスルッと逃げた義村。
キッパリ断った重忠にはなれない。
しかし、こんな後ろ向きな大河主人公ってありですか? いいですね、ありです!
頼家が蹴鞠をしているところへ、義時が近づいてきます。
「遅くまで精が出ますね」
そういう義時に、頼家は何やら騒がしいようだと返します。
そして鎌倉中に手足になるものがいると豪語。彼なりに騒ぎを察知しているのです。
景時から5人と言われていたけれど、最終的には何人か?
義時は気まずそうに返します。
「10人ちょっと……13人」
頼家は苛立ち、自分はそんなに頼りないのか?と嘆いています。
義時が否定しても、精一杯やっているのに気に入らんのかと苦々しい表情。なんとかラクにしたいという義時の訴えも通じません。
尼御台(政子)の考えだと言っても、聞く耳を持ちそうにない。
義時が粘り強く新しい鎌倉を築いていこうと語りかけ、13人まで増えたけど、少数に力が集中するよりはよいかもしれないとフォローします。頼朝もそこを心配していたと。
頼家は、景時から聞いていた話と違うと察知。
つまりは、どちらかが嘘をついている。
もう誰も信じられなくなりそうで、実際、情で丸め込んだつもりでもほだされぬと突っぱねる頼家です。
そしていよいよ13人お披露目の場となりました。
文官にはじまり、北条時政や比企能員、梶原景時など、一人一人が高らかに紹介され、無事に終わるかと思いきや頼家は突然こうだ。
はなから御家人なぞ信じていない。
それも父と同じだと言い切り、紹介しておきたい者がいると宣言します。
・小笠原弥太郎長経
・比企三郎能本
・比企弥史郎時員
・中野五郎能成
・江間太郎頼時
・北条五郎時連
若手の御家人たち6名であり、頼家は彼らこそが手足となってくれる者たちで、信じられると言います。そして己の政をこの者たちと行い、新しい世にすると宣言します。
せっかく集まった13人なのに、こうなってしまったと。
ちなみにこれは不思議な面子とされます。
『吾妻鏡』では“5”人とされるのに、名前は“4”人しか載っていない。このリストで言うと、上から4番目までで、5人目が不明なのです。
本当に5人か? 5人目は誰か? 実はもう一人いたかも……でも『吾妻鏡』は意図的に減らした。
そんな時代考証をふまえた想像力で上記の6人になっていると。
ともかく劇中の時政は、それでも息子の時連と孫の頼時がいるから、ホッとしています。
って、そういう問題でしょうか。
義時と頼時父子は、“北条”ではなく“江間”として扱われます。
梶原景時は苦虫を噛み潰したように、頼朝がいなくなるのが早すぎたと呟く。
大江広元は仕事に戻ると宣言するのでした。
MVP:源頼家
源頼家は暗君なのか?
『吾妻鏡』では暗愚さが強調され過ぎとも指摘されます。
かといって何も問題がない人物とも言えない。
そこをうまく落とし込んできた秀逸な造形ではないでしょうか。
やる気をことのほか評価するところは真面目なようで、世の中そういうものでもありません。
彼にはビジョンがない。
それこそ『貞観政要』でも熟読していれば違ったかもしれない。
ならば、いっそのこと面倒くさいことは徹底して距離を置き、塩対応をとるくらいのほうがうまくいくのではないか?
中途半端にやる気を出す頼家を見ているとそう思えてきます。
彼は非効率的で、わざと相手の神経を逆撫でするようなこともしてしまう。ピュアなところが全部跳ね返るようになっていて、肝心の中身がない。
『麒麟がくる』の光秀と比較してみましょう。
光秀は「こんなことでは麒麟はこない!」と初回からずっと絶望を繰り返していました。
彼の中にある「麒麟とは?」という発想は、儒教の教えがあればこそ。
朱子学を熱心に学び、どういう世の中がよいのか、光秀にはビジョンがありました。
頼家にはない。
彼はただただピュアなだけ。
そのピュアなところは、母親譲りにも思えてきます。
政子は正面切ってぶつかっていくところもありすごくピュア。
頼家は父にも、母にも似ていて、日に日に顔が変わるのは子供だけではないと思えてしまう。
問題は、どういう部分が似るか?ということでしょう。
ずーっと政子みたいなピュアなだけだと、自分も周囲も疲れてしまう。
そんなときに、頼朝のずっこけた軽快さがあればな……と思ったり、いやいや、政子の謙虚さや柔軟性もあればよかったのか、などと考えてしまいます。
金子大地さんが全力で挑んでいるからこそでしょう。
いつ見てもギリギリで、張り詰めている感じがある。
オンとオフが切り替えられていない痛々しさが、演じる段階であるんだと思えてしまって、そういう挑戦の場を提供する大河ドラマって、やはり貴重なコンテンツですよね。
そして今週の残酷さ。
頼家の鏡像のようなもう一人のMVPは、後鳥羽院ですね。
彼は圧倒的に賢い。
しかも、誰も彼を縛らない。
解き放たれた帝王の中の帝王が、これから立ち塞がってくる――そう示した秀逸な伏線です。
人間の才知、器量、教養、そして持つ権威。
それを見れば後鳥羽院が負けるわけがない。
どう倒すのか?
蹴鞠の才能を見せてしまう時連と、おっとりよい子の頼時が、馬を並べてその帝王に立ち向かうなんて、ものすごいことではありませんか?
総評
綺麗な若者と、汚い大人――。
選挙で一週を休んでの放送はそんな対比が無惨なほどでした。
タイトルを考えつく限り最悪の形で回収したと思います。
この十三人の合議制は、もっとソフトに綺麗にまとめられたのでは?と思うのに、敢えて汚い打算全開にしてきました。
ラストを締めるのが大江広元の「仕事に戻ろう」宣言というのも厳しい。
広元からすれば「勝手に排除してろ」と突き放してもよい。
知識、経験、ありとあらゆる面で勝っていることを、彼は理解しています。
己抜きで政治を回してみろ、できんだろ?
そういう達観があればこそ、ああも冷静にできる。
高潔そうな畠山重忠だって、泥に塗れたくないという打算はあるのでしょう。
権力を突っぱねる彼らしいところはあるけれども、そこは高潔で素晴らしいけれども、頼家からすれば泥に塗れてでも一緒にいてくれるわけではないのです。
義時だって、その助けたい気持ちなんて頼家にはわからない。
妥協を重ねている義時は圧倒的に汚い。くすんでいる。
かつて義時がどんなにピュアであったかなんて、そんなもん、頼家からすれば生まれる前の昔話です。
景時だって汚い。こいつは嘘つきだ! そういう冷たい感情が芽生えました。
他の連中はもう話にもならない。三浦義村はそもそもが、何か違う。
そんな汚い連中に傷付けられた若者の猛き心を癒すのは、女の柔肌であると言われるところではあります。
でも、頼家はそうじゃない。
せつは、比企の一員として、自分との関係をマウンティング材料にしてくるし!
つつじは、源氏であることを掲げ、早く子が欲しいと要求してくるし!
頼家はどこにも救いがない。
彼は荒淫だのなんだの言われます。女に手をつけると言われます。
でもそれは孤独を癒すためだったのかと思うと悲しくてたまらないものがある。
なんという孤独か。
そして、私たちはわかっているはずだ。
頼家が嫌う大人の汚さとは、彼らが苦労を重ねるうちに身につけたものなのだと。そこを理解することが大人になるということかもしれない。
ここから先は昨年の大河を厳しく指摘させていただきます。
ファンの方は飛ばしてください。
あの2021年大河の最終回は「青春はつづく」というタイトルで、呆れました。
青春は終わります。
本人が終わってないと言い張ったところで、苦い処世術と若い頃にはない叡智や分別を身に付けたならば、終わっているのです。
青春時代の渋沢栄一なんて、幕末によくいた攘夷思想を掲げるテロリストに過ぎません。
なんとか生き延びてお縄にもならず、西洋の知識を身につけて立ち直ったわけです。
その西洋=夷狄の知識を身につけた時点で青春は終わっていた。
そこを認識せず、青春はよいものだと無邪気に讃える姿勢には失望したものです。
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それに徳川慶喜という最後の征夷大将軍ともあろうものが、そんなテロリスト出身の渋沢栄一にばかり頼っているという描写も問題ですよ。
幕臣時代の渋沢栄一なんてさしたる活躍もしておりません。
ただ逮捕から逃げたい打算で、本音は討幕派のくせに出仕していただけに過ぎない。
今回、少数のものに権限が集中することは悪いと義時が言いました。幕末とて同じこと。
なんでもできるスーパーマンがいて、無双して解決する――そういう幼稚な世界観はWeb広告に出てくる転生もの漫画で間に合ってます。
大河でやることじゃありません。
そういう軌道を今年は修正してくれてありがたい。当然といえばそうなんですが。
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【参考】
鎌倉殿の13人/公式サイト



























