井伊直政

井伊直政/wikipediaより引用

徳川家 井伊家

武田の赤備えを継いだ井伊直政(虎松)徳川四天王の生涯42年とは?

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小牧・長久手の戦い

「清州会議」で三法師の後見人となり、明智光秀を討った豊臣秀吉の存在感が増すと、疎外された信長の二男・織田信雄は、家康との同盟を選んだ。

秀吉 vs 信雄・家康の戦い。

天正12年 (1584)3月に起こったこの合戦を【小牧・長久手の戦い】という(長久手は「長湫」とも表記)。

小牧・長久手の戦い
秀吉vs家康の総力戦となった「小牧・長久手の戦い」複雑な戦況をスッキリ解説

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天正12年3月13日、池田恒興が突如、羽柴軍に寝返り、犬山城を占拠すると、家康(徳川軍)は3月15日小牧山城へ。

以後、睨み合いの膠着状態が続き、先に動きを見せたのは羽柴軍であった。

「三河中入」という作戦を決行したのである。

三河中入と長久手の戦い(岩崎城の案内板)

三河中入と長久手の戦い(岩崎城の案内板)

「三河中入」とは、家康不在の岡崎を襲って後方撹乱するという作戦であり、その軍勢は以下のような規模であった。

◆三河中入軍2万の内訳

※羽柴軍は全体で15万人

第一隊:池田恒興(6000人)

第二隊:森長可(3000人)

第三隊:堀秀政(3000人)

第四隊:羽柴秀次(8000人)

徳川方の重要拠点を衝くべく、先頭を進んだ池田恒興が岩崎城(愛知県日進市)で戦っていた時(「岩崎城の戦い」)、最後尾の羽柴秀次隊は、白山林(名古屋市守山区~尾張旭市)で休息しており、そこへ家康軍の奇襲が襲いかかった(「白山林の戦い」)。

しかし、羽柴秀次隊の前にいた堀秀政隊がすぐさま引き返して、徳川軍を討つと(「桧ヶ根の戦い」)、これが羽柴軍唯一の勝利となり、以後は羽柴の敗戦が続くことになる。

 


井伊の赤備えと「突き掛かり戦法」

織田・徳川連合軍の本隊は、色金山(長久手市岩作色金)に入り、そこで別働隊の戦勝と敗退を知った。

そして岩作から富士ヶ根へ移ると、羽柴秀次隊は家康の馬印である金扇を見て、「不利だ」として北へ逃げる。

池田・森隊は岩崎城から引き返し、富士ヶ根から前山に移った織田・徳川連合軍との間で「長久手の戦い」が繰り広げられた。

井伊直政率いる「井伊の赤備え」が森長可の隊と激突。

水野勝成(徳川内では井伊直政と並び称される勇将)の部隊が鉄砲で森長可を討ち取ると、織田・徳川軍の旗色が優勢となり、最終的には織田・徳川連合軍が勝利。

※森長可と池田恒興は安藤直次隊が討ち取ったという説も

「突き掛かり戦法」(先鋒としてがむしゃらに突撃し、敵の陣形を崩すという過激な戦闘方法)をとった井伊直政は、この戦いで「井伊の赤鬼」として名を揚げ、秀吉の後継者と目されていた羽柴秀次は名を下げる。

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翌天正13年(1585)、 25歳となった井伊直政は、前年の小牧・長久手の戦いの武功を評価され、6万石に加増となった。

 


最高評価を得て箕輪12万石

小牧長久手の戦いから5年。

天正18年(1590)の徳川・関東移封に伴い、井伊直政は箕輪(群馬県高崎市)に12万石で封ぜられた。

徳川四天王の本多忠勝榊原康政は10万石であり、徳川氏家臣団の中では最高の評価である。

最高齢の四天王・酒井忠次は、天正16年(1588)に隠居しており、長男・家次にはわずか3万7000石であった。

井伊直政の異常なスピード出世の理由としては、「寵童説」がつとに有名であるが、その他にも多くの説はある。

・井伊家が名家だから

・家康の正室・築山殿井伊直平の孫だから(井伊氏系図)

・井伊直政とは実は信康のことだから(二俣城で自害したのは直政)

・容姿や性格が信康に似ていたので特別扱い

・井伊直政の本当の父親は家康だから(鈴木家文書)

・正室・花が養女とはいえ、家康の娘だから

・娘・政子が家康の四男・忠吉の正室だから

・鳳来寺や浄土寺で学び、字の読み書きが出来たから

・豊臣秀吉に気に入られたから

井伊家(藤原庶子家)は平安時代から続く名門であり、慶長5年(1600)に18万石で佐和山城主となった時には、従四位下に任官されたという。

井伊直平の孫だという築山殿が天正7年(1579)に謀反人(武田氏と内通)として誅殺されるまでは、井伊家ブランドが通用していたかもしれないが、いくら血筋がいいとはいえ、戦国時代では、本人の実力が伴わないと出世はできない。

では「井伊直政の実力」とは?

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