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【歴史を動かした朽木一族】
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足利将軍の争いに巻き込まれ六角家の傘下に
さてさて、名門の流れを汲む朽木家ですが、領地は小さく土地も豊かとは言えない、いわゆる「国衆」ポジションの一つでした。
本家・六角家からは独立した存在となって、独自の生き残り戦略を続けています。
例えば鎌倉時代末期。後醍醐天皇が倒幕のための挙兵をすると、当時の当主だった「朽木経氏」は先祖ゆかりの鎌倉幕府を見限って倒幕運動に参加します。
その後、後醍醐天皇と足利尊氏が対立して「建武政権」が崩壊すると、後醍醐天皇を見限って足利尊氏に味方。朽木谷の他にも全国各地に飛び地の領地を与えられています。
いわゆる「南北朝時代」へ突入し、朽木家は一貫して足利将軍家三代
足利尊氏
│
足利義詮
│
足利義満
に味方したことから、将軍家と深〜い繋がりが生まれています。
すいません、まだ朽木元綱さんの話に入りません(笑)。
早う!
という方は、スクロールして先に進んじゃってください!(→click!)
さて、その後、足利将軍家は、朽木家の本家にあたる六角家が敵対したため討伐を行います。
長享元年(1487年)と長享4年(1491年)に起きた【長享・延徳の乱】です。
別名「鈎の陣(まがりのじん)」とも呼ばれる一度目の討伐戦では、9代将軍の「足利義尚(足利義政の子)」に従って朽木家(当時の当主は「朽木貞清」)は参戦。
しかし、陣中で足利義尚が病死したため攻撃を中断すると、その跡を継いだ10代将軍の「足利義材(後の足利義稙)」が再び六角家を攻めて、もう無茶苦茶になっていきます。
足利義材が六角高頼(六角承禎の祖父)を近江国から追放するのですが、今度は細川政元が出てきて、足利義材が追放されてしまうのです。
それが明応2年(1493年)に起きた【明応の政変】です。
戦国時代の始まりともされる明応の政変~細川vs足利で近畿の争いはドロ沼へ
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このクーデター後に誕生したのが11代将軍「足利義高(後の足利義澄)」。
義高の就任によって六角高頼は近江国の守護に復帰することができ、同地方の国衆たちを束ねていくことになりました。
これ以降の朽木家は、やや疎遠になっていた六角家の支配下に組み込まれていくこととなります。
足利将軍家との強烈な結びつき
その一方で面白いのが、初代・足利尊氏からの足利将軍家との関係性です!
足利将軍家は、南北朝の対立や家臣たちの争いによって、京都から追放&逃走することが度々あり、その逃亡先の一つが朽木谷でした。
11代将軍の足利義澄は、自分を支えていた重臣の細川政元が1507年(永正4年)に暗殺されて【永正の錯乱】が勃発。
周防(山口県)に逃れていた足利義尹(義材が改名=後の足利義稙・改名するから本当にややこしい!)が上洛戦を決行したため京都から逃走すると、落ち延びた先が朽木谷でした。
また、12代将軍の「足利義晴(11代将軍・足利義澄の子)」は、細川高国という重臣にサポートされていましたが、大河ドラマ『麒麟がくる』にも登場する細川晴元に敗れたため、京都から逃げ出して、朽木谷に落ち延びています。
このあたりの将軍を巻き込んだ室町幕府のドタバタ劇は本当にゴチャゴチャしているんですよね!
よろしければ、拙著『ヘッポコ征夷大将軍』(→amazon)を是非ご参照くださいませ。
話を戻しまして……足利義晴は1528年(享禄元年)頃から1532年(天文元年)までの約4年間を朽木谷で過ごしました。
屋敷を構えた岩神館には庭園が築かれ、現在は「足利氏庭園」(旧秀隣寺庭園)として「国の名勝」に登録されています。
以下の画像をご覧ください。
高台に築かれた庭園から、麓を流れる安曇川と奥に佇む山々の景色が非常に美しいんです!
まぁ、何が言いたかったかと言いますと……。
朽木家は近江国守護となった六角家の傘下でありながら、古くからの信頼関係を築いていた足利将軍家と独自のパイプを持ち、さらに保護者となるなど、国衆的な存在でありながら諸勢力から一目置かれる勢力であったということです!
この将軍・足利義晴を保護したのが、今回の主役である朽木元綱さん! かと言うと、すいません、そうではありません。この時まだ、朽木元綱さんは生まれてません(笑)。
朽木元綱さんが生まれのは1549年(天文18年)のこと。足利義晴を保護したのは元綱さんの祖父「朽木稙綱」と、父「朽木晴綱」でした。
ちなみに「稙」や「晴」という字は、将軍から与えられたものです。
将軍から一字もらう慣例は、朽木元綱さんの曽祖父→祖父→父&叔父と続いています。
曽祖父・朽木材秀←足利義材
祖父・朽木稙綱←足利義稙
父・朽木晴綱←足利義晴
※朽木元綱さんの「元」はどこから?管領・細川家の通り字「元」から?
さてさて、お待たせいたしました!
ようやく主人公の朽木元綱さんの時代に突入いたします!
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