大河ドラマ『麒麟がくる』で吉田鋼太郎さんが演じ、一躍お茶の間に知れ渡った武将と言えば?
そう。
松永久秀である。
大河ドラマ『豊臣兄弟』では竹中直人さんが演じて再び話題となっているが、ドラマで初めて認識された方は知らないかもしれない。
かつてこの久秀が【ボンバーマン】として、戦国ファンにある種の敬意をもたれていたことを。
同じく『麒麟がくる』で悪辣っぷりを遺憾なく発揮していた斎藤道三、そして戦国一の暗殺男・宇喜多直家と並び【戦国三大梟雄】と呼ばれていたことを。
いったいボンバーマン松永とは?
仁義なき悪逆エピソード
松永久秀は、もとは三好長慶に仕えて、畿内を中心に活躍した戦国武将。
現代にまで鳴り響く、その悪行とは?
織田信長を裏切った代償として【平蜘蛛茶釜】を要求され、それを拒むため茶釜を抱いたまま爆死したり。
真偽の程は後述するとして、とにかく悪人キャラの際立った逸話から今回のSAMURAIイラストを【鞘エもん】に構築してもらった。
それが、以下の一枚である。
腹の周りにダイナマイトを巻き、軍関係者から横流しの手榴弾を握る。
口元にはラッキーストライク。
もはや完全に『仁義なき戦い』の世界である。
白いブーツが、広島というより渋谷新宿を彷彿とさせるが、それもまた不気味かつダンディなのが久秀だ。
「あん、信長だぁ? 来るなら来いよ。爆破する覚悟があるならなwww」
そう凄むような視線がおっとろしい。
史実の久秀とは?
さて、ここまで来ておいて残念というか肩透かしというか。
種を明かすと、実はこの松永久秀、昨今の研究により、悪辣な梟雄どころか、高度な戦術眼と文化的素養を持ち合わせていたインテリ武将だとも考えられている。
詳細は以下の記事に譲るとして……。
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信長を2度も裏切った松永久秀は梟雄というより智将である 爆死もしていない
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端的に、功績を記すとこうだ。
当初は文官として三好長慶に仕えた松永久秀。
天文10年(1541年)のことであり、その才は有能な官吏にとどまらず、戦場での駆け引きや文化芸術にも発揮された。
特に築城においては比類なき技術の持ち主。
多聞山城の建築も手掛けている。
しかし信長を二度も裏切り、そして滅ぼされたエピソードが時代を経るに従って肥大化していったのだろう。
・東大寺大仏殿の焼失
・足利義輝を討った永禄の変
・自爆
これ全て、史実に非ず――。
東大寺大仏殿の焼失は松永久秀と三好三人衆の戦闘で発生したもので、責任は久秀だけとも言えない。
足利義輝を討ったのも、三好義継と松永久通らの軍勢であった。
平蜘蛛と共に自爆もしていない。
平蜘蛛の手榴弾入れ
高価な茶釜を抱いて死ぬ――その破滅的ロマンスに心惹かれる戦国ファンには残念な話かもしれない。
されどフィクションぐらいは大いに遊んでもよかろう。
テーブルの上には【平蜘蛛茶釜】ならぬ【蜘蛛の手榴弾入れ】。
映画『仁義なき戦い 広島死闘篇』では、北大路欣也さん(当時30才)演じる山中正治が拳銃自殺することで終わりを迎えるが、果たしてこの久秀はピンチに際してどう立ち向かうのか。
表情から、反省や後悔などの感情とは一切無縁にも見える。
ボンバーするのか、再び信長に仕えるのか。
先の展開が全く予測できない男である。
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【参考】
国史大辞典






