嘴平伊之助

『鬼滅の刃』7巻/amazonより引用

この歴史漫画が熱い! 明治・大正・昭和

嘴平伊之助(鬼滅の刃)の人物像に迫る! 人と獣の境界線上にあるリアリティ

コロナ禍で幕を開けた2020年代。

人類史にとって新たな時代の始まりとも言えそうですが、そんなタイミングで大ヒットを記録した『鬼滅の刃』には、ニューノーマルな生き方のお手本となりそうなキャラクターが登場します。

嘴平伊之助(はしびらいのすけ)

主人公の炭治郎や、人気キャラの善逸と並ぶトリオであり、各種のコラボ商品やサービスで彼は絶対に欠かせない存在です。

しかし、その一方で彼は非常に癖が強い。

「獣」という特殊な性質が組み込まれているからには、それも当然だろ――なんて言われそうですが、だからこそ色々と引っかかる一面があり、目が離せなくなる。

本稿では、伊之助を深堀り考察してみたいと思います。

『鬼滅の刃』7巻(→amazon

 

嘴平伊之助と友達になれるかな?

『鬼滅の刃』には、おもしろい特徴があります。

主人公の炭治郎以下、スンナリとは友達にはなれそうもない人物が揃っていることです。

炭治郎は妹思いではあり、よい子過ぎるとすら言われますが、どこかズレている。

善逸もテンションの上下が激しすぎる。

そんなトリオの中でも、最大の問題児かもしれないのが伊之助です。

伊之助が同じクラスや職場にいたとしましょう。このときどんな風に表現されるか?というと「アイツって、なんか変わり者で、困った奴で、トラブルメーカーだよな」となりがちではありませんか?

『鬼滅の刃』は、問題行動を起こす者が多く出演し、特に主人公の同期は目立ちます。

善逸はあの歳で借金持ちで、セクハラを嗜められるし、いろいろうるさい。

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カナヲは判断を人に委ねてしまう。

胡蝶姉妹が辛抱強くなければ、そして炭治郎が心を開かなければ、どうなっていたことか。

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玄弥は最終選抜で暴力的な行動を取り、炭治郎に注意を受けています。

炭治郎だって、いい子で生真面目なようで「ズレてる」とはよく指摘されます。

今なら、問題児だらけで学級崩壊してしまうかもしれませんね。

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その中でも伊之助ですが……彼はそもそも人間社会の常識が通じなかったりします。

しかも、そこになんだかリアリティがある。以下のような要因が、信憑性を演出しているのでしょう。

・暴力的

・割と酷いことを平然という

・「殺すぞ」「死んでる」等、生命的倫理観がないことを平気で言う

・人の名前を間違える

・煽って挑発してニヤニヤしている

・落ち着いて食べられない。勝手に食べ出す

・服をちゃんと着られない

・猪をかぶっているため、表情がわかりにくい

・作った人の心も踏まえずに、いきなり日輪刀をぶち壊し始める

・「(鬼に味方した人に対し)死んでいいと思う!」「髪の毛全部毟っといてやる」等、なかなか過激な発言をする

むろん彼レベルでの野生児は現実的ではありません。

それでも「実際のクラスに一人ぐらいは居そう」だと思わせるリアリティがあり、もしも実際に存在したら除け者にされそうではあります。

個性として片付けられないズレがあるのです。

 

獣のように生きるその行動

どうして伊之助がおかしいのか?

それは彼が【獣の呼吸】の使い手であることをふまえれば、理解に近づけそうです。

各人の呼吸は、その個性とマッチしています。

伊之助が獣であることは、以下の特質からも肯定できることでしょう。

 

埋葬の意味がわかっていなかった

響凱の屋敷ででた犠牲者を、炭治郎と善逸は埋葬しようとします。

けれどもそんな中で、伊之助はそもそも埋葬の意味すら理解できず、無駄なことだと片付けようとしていました。

これに対して周囲はギョッとしますが、実は人間の根幹に迫ることだったりします。

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その分岐点として重要視されるのは「埋葬」です。

仲間だと思った相手の遺骸を埋め、花を供える――そこには獣ではなくヒトの証があるとされます。

つまり、あの時点での伊之助は

【獣とヒトの境界線上にいる】

んですね。

 

猪の被り物をしていて美貌に無頓着

獣に近いからこそ、そのまんま毛皮を着ているといえばそう。

しかしその下は紅顔の美少年……と、この点で重要なのは、ワニ先生とそれ以外のイラストレーターのタッチの違いです。

アニメ等の公式よりも二次創作では特に顕著になるのですが、表情が違います。

ワニ先生の絵は【自分の美貌にそもそも無頓着】な表情です。

無愛想だったり、煽るためにニヤニヤしていて、美形だということをまったく意識できない顔をしている。

それ以外の方が描くとなると「美少年にはこういうニュアンスのある顔やポーズをして欲しいよね……」という手癖や欲求が出ていると思えます。

「黙っていればあいつは結構美形だ……」

「普通にしていればかっこいいのに……」

「すごく綺麗な顔をしているのに、なんか気持ち悪い……」

現実社会ではそういう失礼な感想を相手に抱かれる、それが野生児です。

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