三八豪雪

自衛隊の災害派遣隊も出動した三八豪雪の様子/wikipediaより引用

明治・大正・昭和

日本中が雪に見舞われた三八豪雪~大寒波が到来した昭和38年の異常

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雪に押しつぶされた建物が多数

世界的な大寒波というと、歴史上では

アイスランドの火山噴火

火山灰や塵が北半球を覆う

フランス革命・天明の大飢饉

というイヤすぎるコンボが決まったことがありますけれども、意外(?)にも雪害の記録はそう多くありません。

※以下は天明の大飢饉の関連記事となります

天明の大飢饉
天明の大飢饉は浅間山とヨーロッパ火山のダブル噴火が原因だった

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教科書にも「冷害→飢饉」の話はよく出てきます。

一方で「◯◯年の大雪で△△という事件が起きました」といった話はあまり見当たりませんよね。

三八豪雪を起点とすると、日本では1~5年程度のスパンで、国内のどこかで気象庁が命名するほどの豪雪になっています。

それ以前だと、明治十二年(1879年)2月には北海道で150cm~450cmにも及ぶ積雪があったという記録があります。

むろん人の生活に与えた影響は大きく、

「雪崩の危険があっても、そもそも家から出ることができないので避難不可能」

「人や家畜の死亡と雪に押しつぶされた建物が多数」

「食べるものがないのでエゾシカを大量に狩り、この年だけで10万頭も狩った」

「狩りから逃れたエゾシカも、その後の雪や凍結によって多く死んだ」

「放牧されていた馬が同じようにたくさん死んでしまった」

といった記録も残されています。他にもっと悲惨な状況もあるのですが……割とグロいので割愛しますね。

【日本の積雪最高値は?】

気象庁での積雪最高値は青森市酸ヶ湯の566㎝

気象庁以外の観測記録だと山形県西川町志津地区の790㎝が最高値

 

一定のスパンで寒気に見舞われる?

こんなもん何度も起きないでほしいものです。

しかし、似たようなことは度々あったらしく、天明四年(1784年)に書かれた「東遊記」の中に

「豪雪でエゾシカやアイヌの人々が多く亡くなった年があった」

という記述があります。

90~110年くらいのスパンで繰り返しているんですかね。南海トラフ巨大地震と同じようなペース……。

他、19世紀の前半には江戸で30~60cmくらいの積雪があったという記録が複数回あるので、雪国各所は言わずもがなのことでしょう。

もちろん北国の方たちは雪と上手に付き合わねばならず、古くから「利雪」、つまり「雪をどうにかして利用しよう」という考えもありました。

雪の上に布や糸を置いて漂白する【小千谷縮(おぢやちぢみ)】や【越後上布】はその最たる例でしょう。

最近では雪を溜めておいて夏場の冷房に使ったり、データーセンターなどの冷却を必要とする設備に使うなど、さらに利雪のバリエーションが増えてきました。

とはいえ、個々人の行動による事故は、技術力の向上では減らせません。

台風などと同じく、大雪のときも行動には気をつけたいものです。

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長月 七紀・記

【参考】:
積雪記録/気象庁
「三八豪雪」「五六豪雪」…今年の豪雪度は?/weathernews
「隠れた積雪日本一」過去には790センチ記録…温泉宿が並ぶ地区、今季も466センチ/読売新聞
biglife21(→link
昭和38年1月豪雪/Wikipedia
豪雪/Wikipedia
/Wikipedia
エゾシカ大量死/記録文書/Wikipedia

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