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『光る君へ』感想あらすじレビュー第8回「招かれざる者」

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第8回「招かれざる者」
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晴明が呼び出したものは…

安倍晴明が「遅い!」と言われながら、兼家の眠る部屋へ出向き、「瘴気が強すぎる」と兄弟たちに言い放つと、兼家と二人きりになります。

ここからは平安中期らしい祈祷の場面です。

仏僧が気合を入れて読経する。陰陽師である安倍晴明は、四神(青龍・朱雀・白狐・玄武)に祈りを捧げる。

すると寄坐(よりまし)が倒れます。

「お前は誰だ? 何のためにここに降りてきたのだ?」

そう問われると、「……返せ……」と呻いている。

「何を返して欲しい?」

「命を返せ……子を返せ、子を返せ!」

「お前の名は?」

「忯子!」

弘徽殿の女御か! 驚愕する一同。道長が“忯子”に掴まれて倒されてしまいます。

晴明がパチンッと指を鳴らすと、ようやく鎮まる。

なぜ忯子が父を恨むのかというと、道隆の顔色が紙のように白くなっています。

父上にそんなつもりはなかった。腹の中の子だけ流れればよかったのに、忯子まで……と、罪の意識に苛まされています。

すっかり恐れ慄く兼家の息子たち。

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花山天皇も祈祷には興味津々でした。晴明が忯子が取り憑いていると語ったと聞くと、成仏できていないことに驚いています。

なぜ成仏できないのか。右大臣を恨んでいるからか。そう言い出し、花山天皇は忯子を憐れみ泣き出します。

「右大臣こそ死ねばよい、死ね、死ね、死ね、右大臣!」

そのような言葉を言うとますます忯子を世に留めてしまうと言われ、ようやく我に返る花山天皇。亡き忯子を思い、涙するほかありません。

精神状態がますます悪化しているようです。

 


右大臣家と為時

藤原為時の家では、まひろの弟・藤原惟規が「右大臣と手を切ってよかった」と浮かれています。

右大臣には世話になったと我が子を嗜める為時。

東宮時代の花山天皇に漢籍を教える仕事を世話してもらえなければ、お前たちだって飢え死にしていたかもしれないと言うのです。

「飢え死になんて大袈裟でしょ」

能天気な弟に、幼すぎて父と母の苦労も知らないのだと、まひろは呆れています。

「知らない方がいいでしょ、苦労なんて」

どこまでも愚かなことを口走る惟規。為時は暗い顔をして、右大臣は恐ろしいこともあったが政の名手だったと語る。

関白や左大臣ではああもできない。義懐は帝の寵愛を受けやりすぎであり、右大臣を追い詰めたと認識しています。

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同情したってもう倒れたんだし、義懐にくっついちゃえと語る惟規は、まひろにも同意を求めてきます。

そんなドロドロした政争には関わらず、ただ静かに学問で身を立てたいのであろう、とまひろが父の心中を察すると、惟規は、なぜ自分は学問が嫌いなのかとこぼします。

「本当に父上の子なのかな」

頭の良さも色々あり、為時も学問はできても、洞察力はそこまで高くないのかもしれません。

書庫の整理でもするという為時に対し、政争は父上に似合わないと理解を示すまひろ。

そのころ東三条では重い空気に沈んでいました。

道長は、父を見ながら、我々をどこに連れて行こうとしているのかと考えています。

我々の行先はどこなのか。生き延びてそれを教えて欲しいと願っています。詮子と東宮も、兼家を見守っている。

しかし、藤原道兼が一人残り、いざ兼家の枕元に近寄ると、カッと目を見開く。

倒れ続けていたのは芝居だったということでしょう。そこには何かしら思惑なり、策がありそうで……。

為時が書庫整理をしていると、道兼が入ってきました。

「ご苦労である」

驚く為時が、右大臣兼家の様子を尋ねると、ほとんど寝ていると返答する道兼。

すっかりしおらしい態度で、為時には世話になったと礼を言うと、世話になったのは私のほうだと為時が返す。

道兼は、仕事を終えたからとして手伝おうとすると、看病に戻るように為時は気遣います。

「父は私の顔を見るのを嫌がるがゆえによいのだ」

そう言う道兼の腕は痣だらけ。誰かに打たれたようで、その理由を聞くとこう来ました。

「父にやられた」

神妙に、父から愛されていないことを悲しむ道兼。小さい頃からそうだった。兄も弟も可愛がられているのに、殴られて、病に倒れて生死の境を彷徨う時でも嫌っているのだと。

「お辛いことでありますね」

しみじみと同情する為時。

道兼は寂しげに、どこに行っても嫌われるとこぼします。蔵人の務めをしていても、帝からは右大臣の子というだけで嫌われるのだと。

ため息をつくと、「邪魔をした」といい道兼は去ってゆくのでした。

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