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『光る君へ』感想あらすじレビュー第30回「つながる言の葉」和泉式部は危険な女?

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『光る君へ』感想あらすじレビュー第30回「つながる言の葉」
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妖艶なあかねに翻弄される

敏子が苛立ち呆れたように「今日も朝寝だ」と注意すると、「親王様と話していたの」と返すあかね。

すると女房の一人が、あかね様がお放しにならなかったのではないかとからかうように指摘します。

うまいことを言うと艶やかに笑うあかね。

真面目な敏子は、そのような話し方はいかがなものかと怒りが治まらない。

まぁ、全身からセクシーさが滲んでいますからね。それどころか、あかねは「いっそのこと何もかも脱ぎたい」とまで言い出します。

みんなで脱げば恥ずかしくないでしょ。

相手が「おやめください」と諭すのも気にせず、先生であるまひろまで脱がせようとするあかね。まひろは困惑しています。

そして動き回っておきながら、動くと暑いと言い出す。つっこみどころが多い女性ですが、とびきり可愛らしいので何だかどうでもよくなります。そりゃ親王も愛するでしょう。

そしてあかねは、親王様がくださったという『枕草子』を取り出す。

なんでも内裏で大はやりとかで、先生はご存知か?と問われて「ええ」と返すまひろ。

ただ、あかねはさほど面白くなかったとか。

まひろが「軽みのある文章で良い」とフォローすると、今度は敏子が「先生の“カササギ語り”のほうがおもしろかった」と言い出す。

カササギとは、中国での七夕伝説にかかせません。織姫と彦星が出会う際、カササギが橋を作るという鵲橋の伝説があるのです。

ちなみにカササギは日本には存在しない鳥です。

では、そのお話とは?

昔々、あるところに男と女がいた。

男は体が小さく病がちだ。女はふくよかで力もちだ。

私の見立てでは、いつの世も男というものは、女より上でいたいものだ。もしこの男と女が一緒になったら、一体どうなるのだろうか? ぜひ見てみたいと思った……。

と、ここでひとまず終わり。導入部でしょう。

 

漢籍教養を持ち出すめんどくさい文人たち

この場面では理詰めで漢籍教養を持ち出すまひろと、フィーリングで詠む和泉式部の違いが見てとれました。名前だけですが、清少納言も出てきています。

三者を比較すると個性が見えてくる。

まひろこと紫式部は理詰めでお堅い。

清少納言も漢籍教養はありますが、紫式部からすれば「軽い」となりかねない。たとえばドラマにも出てきた「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」の場面です。

あれもお堅い紫式部からすれば、元となった白居易は、政治闘争の左遷の末に読んだものです。

そういう背景を抜かしてファッション感覚で使うってどうなの?――そうイライラしてもおかしくはないと思います。

清少納言からすれば「なにそれ、めんどくさ過ぎ!」となるのでしょうけれど。

日本の文人は自作に漢籍教養を織り込むことで、格の違いを見せたがるもの。

来年の『べらぼう』では、曲亭馬琴に注目です。

紫式部と似た、ガチガチで漢籍教養マウンティングが激しい人物であり、ドラマでどこまで描くか不明ですが、山東京伝の教養は大したことがないと毒を吐くかもしれません。

曲亭馬琴
曲亭馬琴は頑固で偏屈 嫌われ者 そして江戸随一の大作家~日本エンタメの祖

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平安時代の女性文人と、江戸時代の堅物作家。性格的には似たところがあると思えます。

おしゃれでインフルエンサー気質の山東京伝は、清少納言に近いともいえましょうか。

山東京伝
山東京伝は粋でモテモテな江戸っ子文人!江戸後期の人気インフルエンサーだった

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隆家のぼやき、行成の懸念

藤原隆家は、藤原道長に対して「兄には困った、帝につけこんでいる」とこぼしています。

懐かしむのはいいことだとのんびり構える道長。

隆家は過ぎたことは忘れると返答します。花山院に矢を射かけたことも、そのせいでとんでもないことになった経緯も、忘れていますもんね。

出雲にいた無念。姉の死。そうしたことより先のことが大事だと割り切っている。帝も前を向いて欲しいとのことです。

それはそうであると道長も同意。

すると、藤原行成がくることを察知した隆家が、その場を立ち去ってゆきました。それを確認した行成は「あの男は信じないほうがいい」と釘をさします。

しかし道長は「隆家は兄とは違う」とキッパリ言い切ります。

疑う行成。確信する道長。行成は計略かもしれないと訝しんでいます。

伊周が帝、隆家が道長に取り入り、失脚されるつもりではないか、と。

道長は、隆家を嫌っているのか?と行成に尋ねます。そうではなく、道長が優しいので心配しているのだと答える行成。

しかし道長はまたも自信ありげに答えます。

「疑心暗鬼は人の目を曇らせる」

大物らしさがありますね。

ただ、道長は藤原斉信に騙されたこともありますし、なんだかおかしなことを時折言い出します。心配といえばそうでしょう。

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